エニシング・ゴーズ (ミュージカル)

『エニシング・ゴーズ』(Anything Goes)は、コール・ポーター作詞・作曲の楽曲を用いたミュージカル。豪華客船を舞台に多彩な登場人物、ドタバタでハチャメチャな明るいストーリーをジャズのメロディーとダンスで魅せるミュージカル・コメディである。オリジナル脚本はP・G・ウッドハウス、ガイ・ボルトン。コール・ポーター最大のヒット作と呼ばれる。

概要

1934年にブロードウェイ初演。リノ役はエセル・マーマン。

1956年にはパラマウント映画の配給、ビング・クロスビー、ジジ・ジャンメール、ドナルド・オコナーの主演で映画化がされた。邦題は『夜は夜もすがら』。

さらに1988年新脚本版(ティモシー・クラウス、ジョン・ワイドマン)がリンカーン・センターで上演され、第42回トニー賞(en:42nd Tony Awards)にて3部門(ベストリバイバル賞、ミュージカル助演男優賞、振付賞)を獲得した。

2011年では再びトニー賞(en:65th Tony Awards)3部門(ミュージカル・リバイバル作品賞、ミュージカル主演女優賞、振付賞)を獲得しており、初演から80年を経てもなお、人気のほどがうかがえる。

また、楽曲「エニシング・ゴーズ」はジャズのスタンダードナンバーとして今日でも多くの演奏が行われている。

日本における公演は、1989年に演出・振付宮本亜門、主演大地真央、共演植木等が初めてである。2013年には瀬奈じゅん主演、2021年には紅ゆずる主演で公演された。

あらすじ

大西洋横断航路の豪華客船S・S・アメリカン号に乗り込むのは、実業家、船上で結婚式を行おうとする社交界の華、その挙式を阻止しようとする者、ナイトクラブの歌姫、指名手配のギャングとその情婦。

それぞれの思惑と恋愛感情が絡まり合って、S・S・アメリカン号の航海は始まる。

登場人物

リノ・スウィーニー
ニューヨークで一番のナイトクラブの大スター。ビリーに夢中になっているが、ビリーはホープに夢中なため反応は今ひとつ。ショーガールとして雇われ、仲間たちとともにS・S・アメリカン号に乗り込む。
ビリー・クロッカー
ホイットニーの腹心の部下。一度だけパーティで会ったことがある社交界の華ホープ・ハーコートにぞっこんになっている。
結果的にムーンフェイスをかばったことで、ムーンフェイスからスネーク・アイズの偽造パスポートと乗船券をもらう。ホープが船上での結婚式を計画していると知ったビリーは上司ホイットニーの命令に背いてS・S・アメリカン号に偽造パスポートで密航してしまう。
スネーク・アイズが乗船しているという情報を得た船長から、ビリーはスネーク・アイズだと思われて船内で指名手配されてしまい、スネーク・アイズ(ビリー)を探し回る船員の目を避けるために、さまざまな変装をしつつ、ホープとオークリー卿の仲を裂こうと奮闘する。
ホープ・ハーコート
社交界の華。ビリーに惹かれはするものの、母の命によって、イギリス貴族のイヴリン・オークリー卿と婚約しており、S・S・アメリカン号の航海中に船上結婚式を行う予定。
ムーンフェイス・マーティン
指名手配(Public Enemy)第13番のギャング。S・S・アメリカン号でスネーク・アイズと落ち合う手はずになっていた。神父に変装してS・S・アメリカン号に乗り込む。
イヴリン・オークリー卿
イギリス貴族でお金持ち。ホープの婚約者。乗船中にリノと知り合い、いい仲になって行く。
イヴァンジェリン・ハーコート夫人
ホープの母親。未亡人。ホイットニーとも旧知の間柄。
世界恐慌を経て財政難になっていたが、娘(ホープ)をオークリー卿と結婚させることで再起を目論む。
ボニー/アーマ
ムーンフェイスの情婦。S・S・アメリカン号に乗船する。
初演時はボニー。1987年の再演からアーマと名前が替わっている。
エリーシャ・J・ホイットニー
ウォール街の実業家で富豪で独身。部下のビリーに近い将来暴落する株の売却を命じ、自分はボートレース観賞のためにS・S・アメリカン号でロンドンへ行く予定。
船上で再会したハーコート夫人に惹かれてゆく。
チンとリン/ルークとジョン
本物の神父に引率された、ギャンブル好きの中国人。しかし、本物の神父は出航寸前にFBIがムーンフェイスと間違えて逮捕してしまう。
1987年の再演からルークとジョンに名前が替わっている。日本公演ではルカ、ヨハネ。
スネーク・アイズ
指名手配第1番のギャング。S・S・アメリカン号でムーンフェイス・マーティンと落ち合う手はずになっていた。

日本公演

広報、パンフレットなどの表示順とは異なる。

日本公演での配役
役名1989年1990年1991年1996年2013年2021年
リノ 大地真央瀬奈じゅん紅ゆずる
ビリー 川崎麻世石井一孝田代万里生大野拓朗
ホープ 藤田朋子柏原芳恵岩崎良美鈴木ほのかすみれ愛加あゆ
ムーンフェイス 植木等左とん平鹿賀丈史陣内孝則
オークリー卿 太川陽介吉野圭吾廣瀬友祐
ハーコート夫人 ロミ・山田塩沢とき金井克子保坂知寿一路真輝
アーマ 北村岳子戸田恵子玉置成美平野綾
ホイットニー 内田朝雄鶴田忍笹野高史大澄賢也市川猿弥
日本公演での演出・振付
役名1989年1990年1991年1996年2013年2021年
演出 宮本亜門謝珠栄山田和也原田諒
振付 KAZUMI-BOY、大澄賢也、佐々木有子麻咲梨乃、吉川哲朗、当銀大輔
訳詞 青井洋治及川眠子高橋亜子青井陽治

楽曲

  • 君にこそ心ときめく(I Get a Kick Out of You) - リノ
  • (There's No Cure Like Travel)/Bon Voyage - 船員たち
  • All Through the Night - ビリー、ホープ
  • You'd Be So Easy to Love - ビリー
  • I Want to Row on the Crew - ホイットニー
  • Sailor's Chanty (There'll Always Be A Lady Fair)
  • Where Are the Men? - ボニー/アーマ
  • You're the Top - リノ、ビリー
  • Waltz Down the Aisle - ビリー、ホープ
  • Friendship - リノ、ムーンフェイス
  • It's De-Lovely - ビリー
  • Anything Goes - リノと仲間たち
  • Public Enemy Number One - 船長、パーサー、船員たち
  • Let's Step Out - ボニー/アーマ
  • What a Joy to be Young - ホープ
  • Let's Misbehave - リノ、オークリー卿
  • Blow, Gabriel, Blow - リノと仲間たち
  • Goodbye, Little Dream, Goodbye - ホープ
  • Be Like the Bluebird - ムーンフェイス
  • All Through the Night - ビリー、ホープ
  • The Gypsy in Me - ホープ
  • Buddie, Beware - リノ
  • Take Me Back to Manhattan - リノ
  • Finale (I Get a Kick Out of You) - リノ、その他大勢
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