オロチ (天体)
オロチ[1](Orochi[2][7])とは、地球から見てくじら座の方向に約120億光年離れたところにある銀河である[4]。2012年現在、最も明るいモンスター銀河である[1]。仮符号AzTEC-ASTE-SXDF1100.001[2]。
| オロチ[1] Orochi[2] | ||
|---|---|---|
| 仮符号・別名 | SXDF1100.001[2] | |
| 星座 | くじら座[1] | |
| 見かけの等級 (mv) | 25.51 ± 0.05[2] | |
| 視直径 | 4秒[2] | |
| 分類 | モンスター銀河[3] 超モンスター銀河[1] SMG[2] | |
| 位置 元期:J2000.0 | ||
| 赤経 (RA, α) | 02h 18m 30.68s[2] | |
| 赤緯 (Dec, δ) | −05° 05′ 31″[2] | |
| 赤方偏移 | 約3.4[2] | |
| 視線速度 (Rv) | 270,343 km/s[4] | |
| 距離 | 120億光年[4] | |
| 絶対等級 (MV) | -18.67 ± 0.05 | |
| 物理的性質 | ||
| 直径 | 11,000光年(3,400kpc[2]) | |
| 質量 | 9.27 × 1011 M☉[2] | |
| 光度 | 5.1 × 1012 L☉[2] | |
| 色指数 (B-V) | 0.35 ± 0.10[2] | |
| 発見 | ||
| 発見年 | 2011年 | |
| 発見者 | ||
| 発見方法 | サブミリ波観測[1] | |
| 他のカタログでの名称 | ||
| AzTEC-ASTE-SXDF1100.001[2], SXDF1100.001[2] |
||
| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | ||
| (重力源の銀河) | |
|---|---|
| 分類 | 銀河[2] |
| 位置 元期:J2000.0 | |
| 赤経 (RA, α) | 02h 18m 30.675 ± 0.005s[2] |
| 赤緯 (Dec, δ) | −05° 05′ 31″[2] |
| 赤方偏移 | 約1.4[5][2] |
| 視線速度 (Rv) | 211,096 km/s[6] |
| 距離 | 93億光年[5][6] |
| 物理的性質 | |
| 質量 | 約1000億M☉[2] |
| ■Template (■ノート ■解説) ■Project | |
概要
オロチは、激しい星形成活動(スターバースト現象)が起こっているスターバースト銀河である。その中でもオロチは、初期宇宙(宇宙誕生から約50億年より前)に存在するスターバースト銀河であり、このような銀河はモンスター銀河と呼ばれている[8]。モンスター銀河は、1年間に500から1000太陽質量もの星形成が行われているが、オロチはその10倍以上、1万1000太陽質量/年[2]もの星形成が行われているのに相当する明るさを有している。この数値は、1,000個以上見つかっているモンスター銀河の中で最も明るいものである。このような天体は、通称超モンスター銀河と呼ばれている[1]。
明るさ
物理的性質
概要
オロチの直径は11,000光年、質量は9270億太陽質量、明るさは太陽の5兆1000億倍と推定されている[2]。この大部分はガスの質量で、9,100億太陽質量であると推定されている[2]。一方塵の質量は170億太陽質量であると推定されている[2]。ガスの温度は20K(-253℃)であると推定されている[2]。
下記の表は、手前の銀河による重力レンズ効果を考慮した場合と、考慮しない場合のオロチのデータである。
| 考慮する | 考慮しない | |
|---|---|---|
| 直径 | 11,000光年 | 9,800光年 |
| 質量 | 9.27 × 1011M☉ | 3.158 × 1011M☉ |
| ガスの質量 | 9.1 × 1011M☉ | 3.1 × 1011M☉ |
| 塵の質量 | 1.7 × 1010M☉ | 5.8 × 109M☉ |
| 星形成率 | 870 M☉/年 | 11,000 M☉/年 |
| 明るさ | 5.1 × 1012L☉ | 6.3 × 1013L☉ |
| ガスの温度 | 20K (-253℃) | 35K (-238℃) |
観測
オロチは、くじら座の方向にある深部探査領域SXDS(すばる/XMM-ニュートン・ディープサーベイ)[9]にて発見された[1]。発見は、国立天文台が所有するチリのASTE望遠鏡によってなされた。発見者は東京大学の大学院生五十嵐創、河野孝太郎教授、国立天文台の伊王野大介助教(肩書きはいずれも当時)が率いる日米英メキシコの国際共同研究チームである[1]。
研究チームはその後、日本のすばる望遠鏡、アメリカ合衆国のサブミリ波干渉計SMA、ミリ波干渉計CARMA、カリフォルニア工科大学大型サブミリ波望遠鏡CSO、超大型干渉電波望遠鏡群VLA、スピッツァー宇宙望遠鏡、イギリスの近赤外望遠鏡にて観測を行った。オロチに関する詳しいデータは、これら複数の観測装置を用いて求められたものである[1][10]。
| 波長 | 赤経 | 赤緯 | |
|---|---|---|---|
| LVA | 20cm | 02h 18m 30.67s | −05° 31′ 31.48″ |
| CARMA | 1300μm | 02h 18m 30.67s | −05° 31′ 31.28″ |
| AzTEC | 1100μm | 02h 18m 30.67s | −05° 31′ 30.97″ |
| SMA | 800μm | 02h 18m 30.68s | −05° 31′ 31.68″ |
| すばる | 0.922μm | 02h 18m 30.68s | −05° 31′ 31.80″ |
脚注
- “初期宇宙のモンスター銀河の王「オロチ」!研究概要”. 国立天文台. 2014年7月22日閲覧。
- “Detection of an ultra-bright submillimeter galaxy in the Subaru/XMM-Newton Deep Field using AzTEC/ASTE”. arXiv. Cornell University Library. 2014年7月22日閲覧。
- 初期宇宙のモンスター銀河の王「オロチ」! 研究背景 国立天文台
- “Redshift-Distance Relation : 赤方偏移と距離の関係”. 2014年7月22日閲覧。
- “初期宇宙のモンスター銀河の王「オロチ」! 観測成果”. 国立天文台. 2014年7月22日閲覧。
- “Redshift-Distance Relation : 赤方偏移と距離の関係”. 2014年7月22日閲覧。
- “Ultra Bright Submillimeter Galaxy "Orochi"”. 国立天文台. 2014年7月22日閲覧。
- “115億光年彼方に爆発的星形成銀河の集団を発見 〜アステ望遠鏡が描き出す初期宇宙の暗黒モンスター銀河たち〜”. 国立天文台. 2014年7月22日閲覧。
- “「すばる望遠鏡 銀河形成の歴史に迫る」 -すばる/XMM-ニュートン・ディープサーベイ(SXDS) 画像データ公開-”. すばる望遠鏡. 国立天文台. 2014年7月22日閲覧。
- “初期宇宙のモンスター銀河の王「オロチ」! 今回使われた望遠鏡”. 国立天文台. 2014年7月22日閲覧。