サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン

『サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン』(Surfing with the Alien)は、アメリカ合衆国のギタリスト、ジョー・サトリアーニが1987年に発表した2作目のスタジオ・アルバム。

『サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン』
ジョー・サトリアーニ の スタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
録音 カリフォルニア州サンフランシスコ アルファ・アンド・オメガ・レコーディング、ハイド・ストリート・スタジオ[1]
ジャンル ハードロック、インストゥルメンタル・ロック
時間
レーベル Relativity Records
エピック・レコード(リイシュー)
プロデュース ジョー・サトリアーニ、ジョン・クニベルティ
専門評論家によるレビュー
  • AllMusic 星4.5 / 5<meta itemprop='reviewBody' content='4.5' /><meta itemprop='bestRating' content='5' /><meta itemprop='worstRating' content='0' /> link
チャート最高順位
  • 10位(オーストラリア[2])
  • 16位(ニュージーランド[3])
  • 29位(アメリカ[4])
ジョー・サトリアーニ アルバム 年表
ノット・オブ・ディス・アース
(1986年)
サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン
(1987年)
ドリーミング #11 (EP)
(1988年)

背景

「オールウェイズ・ウィズ・ミー、オールウェイズ・ウィズ・ユー」はサトリアーニの妻に捧げられた曲で、「サッチ・ブギー」はジャズ・ドラマーのジーン・クルーパをイメージして作曲された[5]。所属レーベルのRelativity Recordsの社長バリー・コブリンは、サトリアーニから本作の制作の話を持ちかけられた際、流行のスタイルではないと訝しむ一方で、「サッチ・ブギー」のライヴ演奏を聴き「良いじゃないか、アルバム全体がこういう路線なのかい?」と尋ねたところ、サトリアーニは「大体こんな感じさ、曲のストックはまだまだある」と答えたという[6]。そして、本作は1万3千ドルという低予算で制作された[6]。

サトリアーニは当時まだアイバニーズのシグネイチャー・モデルを開発しておらず、本作のレコーディングでは、2本のクレイマー・ペイサー(以前より使用してきた2つのハムバッカー・ピックアップを搭載した白いギターと、新たに購入した、3つのシングルコイルのピックアップを搭載したギター)や、自身のオリジナル・ギター(ブギー・ボディ・ギターのボディやESP製のネックなどが寄せ集められた)を使用した[6]。ただし、新たに購入したクレイマー・ペイサーは使い勝手が悪く、サトリアーニは2017年のインタビューにおいて「スタジオでも限定的にしか使われなくて、私は今でもそのギターを持っているけど、レコーディングが終わってからは一度も使っていないし、どう使っていいかわからない。だけど、不完全な作りのギターとはいえ安かったから、メーカーには感謝しているよ」とコメントしている[6]。

本作の仮タイトルは『ローズ・オブ・カルマ』だったが、あるイギリス人インタビュアーからタイトルが良くないと指摘されたため、『サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン』に変更された[7]。デザイナーを務めたJim Kozlowskiの案により、ジャケットにはマーベル・コミックのキャラクター「シルバーサーファー」が使用された[7]。

反響

アメリカでは自身初のBillboard 200入りを果たし、最高29位を記録した[4]。なお、サトリアーニは1988年にミック・ジャガーのツアー・ギタリストを務めていた頃、本作がジャガーの最新作『プリミティヴ・クール』の全米チャート最高順位を超えたという連絡をマネージャーから受け、サトリアーニ自身は「どうすればいいのか分からなくなった」とのことだが、ジャガーからは「ジョー、本当に凄いな。その調子で頑張れよ」と励まされたという[7]。本作はその後も売り上げを伸ばし、1992年2月にはRIAAによってプラチナ・ディスクの認定を受けている[8]。

オーストラリアでは1988年10月30日付のアルバム・チャートで初登場28位となり、同年11月27日に最高10位を記録して、最終的には25週連続でトップ50入りするヒットとなった[2]。また、「オールウェイズ・ウィズ・ミー、オールウェイズ・ウィズ・ユー」は、オーストラリアのシングル・チャートで最高37位を記録している[9]。

評価

第31回グラミー賞では、本作が最優秀ロック・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞にノミネートされ、収録曲「オールウェイズ・ウィズ・ミー、オールウェイズ・ウィズ・ユー」は最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞にノミネートされた[10]。ジョージ吾妻は『BURRN!』誌1988年1月号のレビュー(当時は日本盤が発売されておらず「輸入盤アルバム」の枠で紹介された)で100点満点中72点を付け「ともすれば退屈になりがちなインスト・ナンバーにも、かなり多くのヴァリエーションを持ち込んでいて、このアルバムにかけるハッスルぶりがよくわかる」「そろそろ"スティーヴ・ヴァイの先生"という肩書きははずして、同じ土俵の中で見るべきだろう」と評している[11]。また、Stephen Thomas Erlewineはオールミュージックにおいて5点満点中4.5点を付け「1980年代中期から後期におけるギター・プレイの金字塔とみなせる作品で、速弾き全盛期における美点をすべて捉えている」と評している[12]。

「サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン」のギター・ソロは、『ギター・ワールド』誌のスタッフが2008年に選出した「最も偉大なギター・ソロ100」において30位となった[13]。

リイシュー

2016年に発売された日本盤再発CD (SICP-30913)には、ボーナス・トラック「ザ・クラッシュ・オブ・ラヴ」が追加された[14]。この曲は、元々は『ギター・プレイヤー』誌1988年2月号に付属していたソノシートの収録曲で[15]、同年発表のEP『ドリーミング #11』にも、唯一のスタジオ録音の新曲として収録されていた[16]。

2019年11月29日には、本作収録曲の全曲に関してギター・ソロやメロディを除去した「ストリップト・ヴァージョン」と呼ばれるボーナス・ディスクが付属した2枚組の再発LPが、3500枚限定で発売されたが、アートワークにおけるマーベル・コミックの使用料が高額になったことから、ここでのジャケットはサトリアーニ所有のギターを描いたイラストに差し替えられた[17]。

収録曲

全曲ともジョー・サトリアーニ作曲。

  1. サーフィング・ウィズ・ジ・エイリアン - Surfing with the Alien - 4:25
  2. アイス9 - Ice 9 - 3:59
  3. クラッシング・デイ - Crushing Day - 5:14
  4. オールウェイズ・ウィズ・ミー、オールウェイズ・ウィズ・ユー - Always with Me, Always with You - 3:22
  5. サッチ・ブギー - Satch Boogie - 3:13
  6. ヒル・オブ・ザ・スカル - Hill of the Skull - 1:48
  7. サークルズ - Circles - 3:28
  8. ローズ・オブ・カルマ - Lords of Karma - 4:48
  9. ミッドナイト - Midnight - 1:42
  10. エコー - Echo - 5:37

日本盤リマスターCD(2016年)ボーナス・トラック

  1. ザ・クラッシュ・オブ・ラヴ - The Crush of Love - 4:18

参加ミュージシャン

脚注

  1. Joe Satriani - Surfing With The Alien (1987, Vinyl) | Discogs
  2. australian-charts.com - Joe Satriani - Surfing With The Alien
  3. charts.org.nz - Joe Satriani - Surfing With The Alien
  4. “Joe Satriani - Awards”. AllMusic. 2015年10月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月2日閲覧。
  5. Prato, Greg (2015年6月19日). “Joe Satriani: Songwriter Interviews”. Songfacts. 2020年8月2日閲覧。
  6. Astley-Brown, Michael (2017年2月1日). “Joe Satriani talks Surfing With The Alien track-by-track”. MusicRadar. Future plc.. 2020年8月2日閲覧。
  7. Grow, Kory (2014年6月23日). “Joe Satriani Reflects on 30-Years of Mind-Bending Guitar Daredevilry”. Rolling Stone. 2020年8月2日閲覧。
  8. “Gold & Platinum”. RIAA. 2020年8月2日閲覧。
  9. australian-charts.com - Joe Satriani - Always With Me, Always With You
  10. “Joe Satriani - Artist”. GRAMMY.com. Recording Academy. 2020年8月2日閲覧。
  11. 『BURRNIN' VINYL VOL.2』バーン・コーポレーション、1991年9月25日、151頁。ISBN 4-401-61347-3。
  12. Erlewine, Stephen Thomas. “Surfing with the Alien - Joe Satriani”. AllMusic. 2020年8月2日閲覧。
  13. “100 Greatest Guitar Solos: No. 30 "Surfing with the Alien" (Joe Satriani)”. Guitar World. Future plc (2008年10月28日). 2020年8月2日閲覧。
  14. Satriani - Surfing With The Alien (2016, Blue-spec CD2, CD) | Discogs
  15. Joe Satriani / Steve Vai - Power Cosmic - The Crush Of Love / Amazing Grace (1988, Flexi-disc) | Discogs
  16. Carter, Phil. “Dreaming #11 - Joe Satriani”. AllMusic. 2020年8月2日閲覧。
  17. Kielty, Martin (2019年12月1日). “Joe Satriani 'Forced' to Change 'Surfing With the Alien' Cover”. Ultimate Classic Rock. Townsquare Media. 2020年8月2日閲覧。

外部リンク

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