ザランブダレステス

ザランブダレステスZalambdalestes)は中生代白亜紀後期のモンゴルに生息していた小型有胎盤哺乳類属名の「ザ」は定冠詞、「ランブダ」 = 「ラムダ」はギリシア文字の「λ(ラムダ)」、「レステス」は「かじり」とされる[1]。あるいは「嵐泥棒」とも[2]

ザランブダレステス
ザランブダレステス下顎化石
ザランブダレステスの下顎の化石。
地質時代
白亜紀後期
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 哺乳綱 Mammalia
亜綱 : 獣亜綱 Theria
下綱 : 真獣下綱 Eutheria
: ザランブダレステス目 Zalambdalestida
: ザランブダレステス科 Zalambdalestidae
: ザランブダレステス属 Zalambdalestes
学名
Zalambdalestes
Gregory & Simpson, 1926
  • Z. lechei

形態

Za. lechei 想像図

頭胴長15 - 18センチメートル程度、頭部はほんの5センチメートルの長さ。後のレプティクティディウムのようにジネズミ様の長い口と長い歯、小さな脳と大きな眼球を持った動物である[3]。鼻づらは先端が上を向いており、嗅覚も敏感であったことがうかがえる[4]

力強い四肢と長いを持つが、樹上生活には適応していなかったとされる。肢端が小さく、また親指が対向していないので、ものをつかむのには適さないためである。しかし後肢には長い足骨を持っており、カンガルーネズミなどのようにジャンプして移動したと推定されている[4]。おそらくは地上性の生物であり、森の下生えの中で生活し、昆虫や小動物を狩っていたのであろう[3]。長い切歯は小動物を捕獲するのに適していた。犬歯は歯根が二つになるという特殊化を見せているが、上顎臼歯は初期真獣類特有の幅の狭い三角形であった。また小臼歯は四本、大臼歯は3本と真獣類の基本形を保つ[1]

1993年に行われた発掘調査委においてほぼ完全な骨格が発見されているが、骨盤の前部に上恥骨をもつ[4]ことが明らかになった。この骨は有袋類において育児嚢を支える役目をもっており、「袋骨」とも呼ばれている。これをザランブダレステスが持つということは、かれらも有袋類同様胎盤の形成が不完全で、未熟な状態で子を産んだ可能性を示唆するものである。しかし、単に筋肉の付着部であった可能性もある[5]。また頭骨も詳細に調査され、頸動脈の経路など独特の構造であることが明らかになった。研究者のマルコム・マッケナらは頭骨の形態について、ウサギ目との類似を指摘している[6]

脚注

参考文献

  • 今泉忠明『絶滅巨大獣の百科』データハウス〈動物百科〉、1995年。ISBN 4-88718-315-1。
  • デイヴィッド・R・ウォレス『哺乳類天国 恐竜絶滅以後、進化の主役たち』桃井緑美子、小畠郁生(訳)、早川書房、2006年。ISBN 4-15-208750-1。
  • 瀬戸口烈司『有袋類の道 アジア起源に浮かぶ点と線』新樹社、2006年。ISBN 4-7875-8549-5。
  • 冨田幸光、伊藤丙雄、岡本泰子『絶滅哺乳類図鑑』丸善、2002年。ISBN 4-621-04943-7。
  • ヘーゼル・リチャードソン、デイビッド・ノーマン(監修)『恐竜博物図鑑』出田興生(訳)、新樹社〈ネイチャー・ハンドブック〉、2005年。ISBN 4-7875-8534-7。

関連項目

外部リンク

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