シラキ

シラキ(白木[6]学名Neoshirakia japonica)は、トウダイグサ科シラキ属分類される落葉小高木の1[7][8]和名が白いことに由来する[7][9]。別名がシロキ[8]、アツバシラキ、オオバシラキ[1]

シラキ
紅葉したシラキ、鈴鹿山脈、三重県いなべ市にて、2019年10月28日撮影
紅葉したシラキ、鈴鹿山脈三重県いなべ市にて
2019年10月撮影
分類APG III
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 eudicots
階級なし : バラ類 rosids
階級なし : 真正バラ類I eurosids I
: キントラノオ目 Malpighiales
: トウダイグサ科 Euphorbiaceae
亜科 : トウダイグサ亜科 Euphorbioideae
: ヒッポマネ連 Hippomaneae
亜連 : ヒッポマネ亜連 Hippomaninae
: シラキ属 Neoshirakia
: シラキ N. japonica
学名
Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Esser (1998)[1]
シノニム
和名
シラキ

1954年に Shirakia属に入れられたが、不正な命名であることが判明してShirakia属の種は、シラキ属、Shirakiopsis 属、ナンキンハゼ属Triadica)に分けられた。シラキ属はシラキ一種のみの単型である。

特徴

高は5 - 9 メートル (m)[7]直径10 - 30 センチメートル (cm)[7]。全株無毛[9]樹皮は灰褐色または灰白色でなめらかで縦すじが入り[10]、老木では縦に細く浅い裂け目がある[8]を切ると白い乳液が出る[7][9]。葉はカキノキに似た形で[10]単葉で互生し、葉身楕円形、先端は鋭く尖り、長さ7 - 13 cm、幅6 - 11 cm[8]、全縁で縁は波打つことがあるが、鋸歯はない[6]。葉の形状に変異が著しい[11]。葉の表面には多少光沢があり[11]。葉の裏面は薄緑白色で無毛で[8]葉脈が隆起し、葉縁近くの葉脈上に腺が散在する[11]。葉身の基部は切形、葉柄は長さ1 - 2.5 cm、葉身の基部または葉柄が葉身につく部分に腺点がある[8]托葉は狭長楕円形で長さ1 - 2 cmで、落ちやすい[12]。若い葉柄は紫色を帯び、葉は秋に美しく黄色から橙色、赤色に紅葉する[7]。知名度は低いが紅葉の美しさはトップクラス[6]

花は単性で雌雄同株[13]。若枝に長さ5 - 10 cmの総状花序を出し、花序の上部に多数の黄色の雄花を付け、基部に1-3個の雌花を付けるが[7]、雌花を欠くこともある[8]。雄花の花柄の長さは2.5 - 3 ミリメートル (mm)[8]、雄花に花弁はなく、片は2 - 3個で[14]皿状で、2-3個の雄蕊があり、花糸は短くて基部で合着する[7]。雌花に花弁はなく、柄の長さは約7 mm、萼は2 - 3個で3裂して長さ1 mmほど、子房は2 - 3室[14]花柱は3個で基部が合着する[8]。花期は5 - 7月[8]果実は直径1.8 cmの三角状球形の蒴果で先端に花柱が残り[8]、3稜がある[10]。果実は10 - 11月に黒褐色に熟し3つに裂け、白い糸で3個の種子をぶら下げる[7]。種子は直径8 mmの扁球形で、薄黄色に黒い斑紋が入り、細かなしわがあり、約50パーセント分を含む[7]。冬芽は三角形で尖る[10]、仮頂芽は長さ3 - 5 mmの長三角形、芽鱗は2個、無毛[14]。葉痕は半円形で大きく、維管束痕は3個[14]。葉痕の角に托葉痕がある[14]

分布と生育環境

山地の落葉樹林帯に生育するシラキ

中国朝鮮半島日本に分布する[7][9]

日本では、本州四国九州沖縄に分布する[7][9]。北限が岩手県[9]

山地丘陵地の落葉単葉樹林帯に生育し、特に渓流沿いに多い[8]

用途

庭木公園樹として植栽されている[8]。木材は器具材、細工物、薪炭などに利用されている[7]。かつては種子の油をしぼって、食用油灯油塗料整髪料などに利用されていた[7][12]

種の保全状況評価

日本では国レベルの環境省によるレッドリストの指定はないが[15]、以下の都道府県でレッドリストの指定を受けている。

脚注

  1. 米倉浩司・梶田忠 (2003-). Neoshirakia japonica (Siebold et Zucc.) Esser シラキ(標準)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月19日閲覧。
  2. 米倉浩司・梶田忠 (2003-). Sapium japonicum (Siebold et Zucc.) Pax et K.Hoffm. シラキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月19日閲覧。
  3. 米倉浩司・梶田忠 (2003-). Triadica japonica (Siebold et Zucc.) Baillon f. macrophylla Hurus. シラキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月19日閲覧。
  4. 米倉浩司・梶田忠 (2003-). Triadica japonica (Siebold et Zucc.) Baillon シラキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月19日閲覧。
  5. 米倉浩司・梶田忠 (2003-). Sapium japonicum (Siebold et Zucc.) Pax et K.Hoffm. var. ryukyuense Masam. シラキ(シノニム)”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月19日閲覧。
  6. 林将之 (2008), p. 39
  7. 林弥栄 (2011), p. 384
  8. 菱山 (2011), p. 159
  9. 牧野・本田 (1982), p. 283
  10. 林将之 (2017), p. 95
  11. 田中 (2008), p. 222
  12. 太田ほか (2000), p. 195
  13. 馬場 (2009), p. 253
  14. 太田ほか (2000), p. 194
  15. 環境省レッドリスト2019の公表について”. 環境省. 2020年4月24日閲覧。
  16. 「秋田県の絶滅のおそれのある野生生物 秋田県版レッドデータブック2014-維管束植物-」の発刊について”. 秋田県. 2020年4月24日閲覧。
  17. 掲載種リスト (PDF). 沖縄県. pp. 81. 2020年4月24日閲覧。
  18. 植物準絶滅危惧(784種)(平成27年度改訂)”. 鹿児島県 . 2020年4月24日閲覧。

参考文献

  • 太田和夫、勝山輝男、高橋秀男、茂木透他『樹に咲く花―離弁花〈2〉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉、2000年10月1日。ISBN 978-4635070041。
  • 菱山忠三郎(監修) 編『樹皮・葉でわかる樹木図鑑』成美堂出版、2011年6月。ISBN 978-4415310183。
  • 田中啓幾『落葉樹の葉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑12〉、2008年6月6日。ISBN 978-4635070249。
  • 馬場多久男『花実でわかる樹木 951種の検索』信濃毎日新聞社、2009年1月1日。ISBN 978-4784070930。
  • 林将之『秋の樹木図鑑 (紅葉・実・どんぐりで見分ける400種)』廣済堂出版、2017年9月12日。ISBN 978-4331521267。
  • 林将之『紅葉ハンドブック』文一総合出版、2008年9月2日。ISBN 978-4635070324。
  • 林将之『樹木の葉 実物スキャンで見分ける1100種類』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑14〉、2014年4月15日。ISBN 978-4635070324。
  • 林弥栄『日本の樹木』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2011年11月30日。ISBN 978-4635090438。
  • 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE NCID BN00811290全国書誌番号:85032603https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001728467-00

外部リンク

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