ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命

『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(ジャッキー ファーストレディ さいごのしめい、Jackie)は、2016年のアメリカ合衆国の伝記ドラマ映画。パブロ・ラライン監督、ノア・オッペンハイム脚本。出演はナタリー・ポートマン、グレタ・ガーウィグ、ピーター・サースガード、マックス・カセラ、ベス・グラント、ジョン・ハートらである。第73回ヴェネツィア国際映画祭のコンペティション部門で上映され、金獅子賞を争い[3]、脚本賞を受賞した。

ジャッキー/
ファーストレディ 最後の使命
Jackie
監督 パブロ・ラライン
脚本 ノア・オッペンハイム
製作
製作総指揮
  • ウェイ・ハン
  • ジェイン・ホン
  • ジェニファー・モンロー
  • リン・チー
  • ピート・シレイモン
  • ジョシュ・スターン
出演者
音楽 ミカ・レヴィ
撮影 ステファーヌ・フォンテーヌ
編集 セバスチャン・セプルベダ
製作会社
  • フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
  • LDエンターテインメント
  • ワイルド・バンチ
  • ファビュラ
  • ホワイ・ノット・プロダクションズ
  • エンダモル・シャイン・スタジオズ
  • ブリス・メディア
  • プロトゾア・ピクチャーズ
配給 アメリカ合衆国の旗 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
日本の旗 キノフィルムズ
公開 イタリアの旗 2016年9月7日 (VIFF)
アメリカ合衆国の旗 2016年12月2日
日本の旗 2017年3月31日
上映時間 95分[1]
製作国
言語 英語
興行収入 日本の旗 1億3500万円[2]

あらすじ

1963年、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディの暗殺事件の一週間後、一人のジャーナリストがマサチューセッツ州の閑静な屋敷を訪れた。彼を呼び出したのは、ファーストレディだった未亡人のジャクリーン・ケネディ(愛称ジャッキー)で、巷に広まっているケネディ評に満足できず、真実を語る為にインタビューの場を設けたのだ。取材メモは全てチェックすると言うジャッキーに対し「夫人が見た事実ですね」と、ジャッキーに都合の良い記事になることを皮肉交じりに承諾するジャーナリスト。

ダラスの暗殺現場に立ち会って「良かった」と語るジャッキー。もし欠席していたら、歴史的な瞬間に自分の存在が記録されず、それを恐れての発言だった。2年前にホワイトハウスを紹介するテレビ番組に案内役として主演した事に触れるジャーナリスト。ジャッキーはホワイトハウスを大改装して歴史的な家具や絵画を購入し、美しく価値ある館に変えたが、一方で「浪費しすぎる女」と呼ばれていた。だが、映像のジャッキーは気品があり、番組も好評を博してエミー賞を受賞した。アメリカの偉大さを伝える為の改修だったと語るジャッキーに対し、ケネディ“王国”の伝統を築く最初の1日だったと指摘するジャーナリスト。

ダラス到着から暗殺後までを回想するジャッキー。事件後に大統領専用機に戻ったジャッキーは、顔に付いた血糊は拭ったが、血まみれの服を着替えることは拒否し、ワシントン到着時も、隠れて後部ドアから降りるという案を蹴って記者陣やカメラの前に立った。

ケネディの国葬は死の3日後に設定された。夫の葬儀を美しく壮麗に執り行う為に、リンカーン大統領の歴史的な葬列について調べさせ、6頭立ての馬車やバグパイプ隊を用意させるジャッキー。ケネディ家の墓所ではなくアーリントン国立墓地でジャッキー自身が場所を選び、ホワイトハウスから教会まで棺に付いて歩くとも主張した。危険だと反対意見が多かったが、各国の要人も葬送行進に加わることを求められた。その一方で転居の荷造りに取り掛かるジャッキー。新大統領のジョンソンとその家族にホワイトハウスを明け渡さなければならないのだ。

リンカーン夫人は極貧のうちに亡くなったとジャーナリストに語るジャッキー。ケネディ家の一員だが、ジャッキー自身はあまり財産を持っていない様子だった。タバコを何本も吸いながら夫を称え、「タバコは吸わない」と記者に書かせるジャッキー。リンカーン程の功績は無いのに大袈裟だと非難された葬列についても、「もっと馬を揃え、記者を呼ぶべきだった!」と叫び、それを書くことは許さなかった。

信頼する司祭と極秘で会うジャッキー。彼女は葬儀の直前に虚栄心を恥じ、危険な葬送行進を中止しようとしていた。しかし再び考えを変えて行進を決行した。葬儀に関して要求した多大な負担は夫のためではなく「自分のためだった」と、司祭に打ち明けるジャッキー。

インタビューの最後にジャーナリストはジャッキーに対し、「葬儀での威厳と崇高さに満ちた貴女の姿を人々は忘れない」と微笑んだ。

キャスト

※括弧内は日本語吹替

製作

2010年4月、レイチェル・ワイズがタイトルロール、ダーレン・アロノフスキーが監督・製作を務める予定であると発表された[4]。2012年9月、フォックス・サーチライト・ピクチャーズはジャクリーン・"ジャッキー"・ケネディ・オナシス役にナタリー・ポートマンへオファーを出しており、彼女は監督次第で関与するつもりであることが報じられた[5]。ワイズとアロノフスキーは両者の破局後に降板した[6]。2015年5月、ポートマンの出演が報じられた[7]。また監督はパブロ・ラライン、プロデューサーはアロノフスキー、スコット・フランクリン、フアン・デ・ディオス・ララインが務めることが発表された[7]。2015年10月、ピーター・サースガードがロバート・F・ケネディ役を務めることが発表された[8]。同月、グレタ・ガーウィグがキャストに加わった[9]。製作にはLDエンターテインメントと中国のブリス・メディアも加わった[10]。映画音楽はミカ・レヴィが作曲した[11]。

撮影

主要撮影は2015年12月16日にフランスのパリで始まった[12]。2016年2月28日、ワシントンD.C.ダウンタウンでJFKの葬儀の場面が撮影された[13]。

公開

第73回ヴェネツィア国際映画祭及び第41回トロント国際映画祭で上映される[14]。

評価

受賞

年映画賞賞対象結果出典
2016 第22回クリティクス・チョイス・アワード 主演女優賞 ナタリー・ポートマン 受賞 [15]
衣装デザイン賞 マデリーン・フォンテイン 受賞
メイクアップ&ヘアスタイリング賞 受賞
第37回ボストン映画批評家協会賞 音楽賞 ミカ・レヴィ 受賞 [16]
2017 第74回ゴールデングローブ賞 主演女優賞 (ドラマ部門) ナタリー・ポートマン ノミネート [17][18]
第21回美術監督組合(ADC賞) 時代映画部門 ノミネート [19]
第70回英国アカデミー賞 主演女優賞 ナタリー・ポートマン ノミネート [20]
作曲賞 ミカ・レヴィ ノミネート
衣裳デザイン賞 マデリーン・フォンテイン 受賞

参考文献

  1. “Venezia 73”. 2016年8月11日閲覧。
  2. 『キネマ旬報』2018年3月下旬 映画業界決算特別号 p.65
  3. “Venice Film Festival 2016”. Deadline (2016年7月28日). 2016年7月28日閲覧。
  4. Rich, Katey (2010年4月14日). “Rachel Weisz To Play Jackie Kennedy For Darren Aronofsky”. Cinema Blend. 2016年6月15日閲覧。
  5. Fleming Jr, Mike (2012年9月28日). “Natalie Portman Courted To Play Jackie Kennedy In Fox Searchlight Drama”. Deadline.com. 2016年6月15日閲覧。
  6. Robinson, Joanna (2015年5月14日). “Natalie Portman Will Be the Latest Actress to Play Jackie Kennedy”. Vanity Fair. 2016年6月15日閲覧。
  7. Hopewell, John (2015年5月14日). “Natalie Portman to Star as Jacqueline Kennedy in New Drama (EXCLUSIVE)”. Variety. 2016年6月15日閲覧。
  8. Kroll, Justin (2015年10月28日). “Peter Sarsgaard to Play Robert Kennedy Opposite Natalie Portman in ‘Jackie’ (EXCLUSIVE)”. Variety. 2016年6月15日閲覧。
  9. Kroll, Justin (2015年10月30日). “Greta Gerwig Joins Natalie Portman in ‘Jackie’ (EXCLUSIVE)”. Variety. 2016年6月15日閲覧。
  10. Tartaglione, Nancy. “Natalie Portman As ‘Jackie’; First Look As LD Entertainment & Bliss Media Board Biopic” (英語). Deadline. 2016年3月18日閲覧。
  11. “Mica Levi to Score Pablo Larrain's 'Jackie'”. Film Music Reporter (2016年8月11日). 2016年8月11日閲覧。
  12. Tartaglione, Nancy (2015年12月16日). “Natalie Portman As 'Jackie'; First Look As LD Entertainment & Bliss Media Board Biopic” (英語). Deadline. http://deadline.com/2015/12/natalie-portman-first-photo-jackie-kennedy-pablo-larrain-ld-entertainment-1201668054/ 2015年12月17日閲覧。
  13. “Photos from the JFK funeral procession that took place for ‘Jackie’ in Washington D.C. last weekend”. OLV. (2016年2月29日). http://www.onlocationvacations.com/2016/02/29/photos-from-the-recreation-of-jfks-funeral-procession-for-jackie-in-washington-d-c/ 2016年3月8日閲覧。
  14. Vlessing, Etan (2016年8月11日). “Toronto: Natalie Portman's 'Jackie' Biopic, 'Moonlight' From Brad Pitt's Plan B Join Lineup”. The Hollywood Reporter. 2016年8月11日閲覧。
  15. “「セッション」監督の新作「ラ・ラ・ランド」放送映画批評家協会賞で8冠”. 映画ナタリー. (2016年12月12日). https://natalie.mu/eiga/news/212916 2016年12月13日閲覧。
  16. “ボストン映画批評家協会賞「ラ・ラ・ランド」が作品賞ほか3冠”. 映画.com. (2016年12月13日). https://eiga.com/news/20161213/5/ 2016年12月13日閲覧。
  17. “ゴールデン・グローブ賞ノミネーション発表!『ラ・ラ・ランド』が最多7部門(1/3)”. シネマトゥデイ. (2016年12月12日). https://www.cinematoday.jp/news/N0088254?p=1 2016年12月13日閲覧。
  18. “「ラ・ラ・ランド」がゴールデングローブ賞を席巻、映画部門で最多7部門受賞”. 映画ナタリー. (2017年1月9日). https://natalie.mu/eiga/news/216147 2017年1月10日閲覧。
  19. “第21回米美術監督組合賞ノミネート発表”. 映画.com. (2017年1月10日). https://eiga.com/news/20170110/11/ 2017年1月10日閲覧。
  20. “英国アカデミー賞ノミネート発表「ラ・ラ・ランド」が最多11部門”. 映画.com. (2017年1月11日). https://eiga.com/news/20170111/11/ 2017年1月11日閲覧。

外部リンク

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