スウェーデンの福祉

スウェーデン福祉(Welfare in Sweden)は、社会民主主義福祉レジームノルディックモデル)国に位置づけられ、国民の家構想に基づく高負担高福祉国家として知られている[2][3]

スウェーデン一般政府
2013年歳出[1]

  一般公共サービス (14.56%)
  防衛 (2.78%)
  公共秩序・安全 (2.57%)
  経済業務 (8.13%)
  環境保護 (0.62%)
  住宅・地域アメニティ (1.38%)
  保健 (13.12%)
  地域・文化・宗教 (2.05%)
  教育 (12.41%)
  社会保護 (42.32%)

大部分が税金を原資としており、どの分野も公的・民間の両方が存在する。

所管は複数の省庁に分かれており、保健・社会政策はスウェーデン保健・社会政策省、教育はスウェーデン教育研究省、労働政策はスウェーデン雇用省となっている.[4]

また全国民に国民番号制度が採用されており、確定申告、社会保障給付申請、免許証新成人申請時の個人認証、自動車登録、建築許可申請、出生届、婚姻届、年金手続、医療機関予約など、幅広く使用される[5]

財政

OECD各国税収のタイプ別GDP比(%)。
水色は国家間、青は連邦・中央政府、紫は州、橙は地方、緑は社会保障基金[6]

2003年では、GDPに占める租税率は35.5%(OECDで3位)、さらに社会保障負担を含めると50.6%(OECDで1位)であった[7]。個人所得税はGDP比で15.8%(OECDで2位)、地方税率は平均32%ほどである(2005年)[7]

スウェーデン財務省のシミュレーションでは、納めた税・保険料のうち、45%はその年のうちに本人にサービス還元され、また38%は生涯のうちに本人に還元され、残り18%は他者への再配分となる[8]

コミューン歳出 [7]
健康・社会サービス24%
個人・家庭ケア24%
児童福祉10%
教育24%
その他18%

保健・社会政策

OECD各国のGDPにおける社会的支出割合(公費および私費)[9]
スウェーデンの人口ピラミッド

スウェーデン保健・社会政策省は、傷病・高齢者・社会サービス・医療・健康づくり・こどもの権利・障害者支援・政府の障害者政策策定などを所管している[10]

保健医療

医療はランスティング、高齢者看護はコミューンと役割分担が徹底されている[11]。不要な入院の場合はコミューンにペナルティ支払いが生じ、社会的入院防止措置がなされている[11]

老人介護

スウェーデンでは親を介護する責務はコミューンにあり、その子供への扶養義務は廃止されている(1956 年社会福祉法)[2]在宅医療老人福祉施設の両面について、コミューンが責務を持つ。

社会保障

スウェーデンの社会保障は主にスウェーデン社会保険庁が所管しており、他にも個別に保障制度が存在する[12] 主なものは以下。

  • 児童手当(Barnbidrag)および両親手当(Föräldrapenning):子供の16歳までの金銭的支援、および子供一人あたり480日分の育児休業支援。加えて疾病および障害児への手当もある[13]
  • 住宅手当(Bostadsbidrag):住居を持つことについての支援。所得制限がある[13]
  • 傷病手当(Sjukpenning)、傷病補償年金(Sjukersättning)、障害者所得補償金(Handikappersättning):病気や障害で働けない場合の手当[13]
  • 生計費補助(Försörjningsstöd):適正な生計を立てられない人全て(子供を含む)に支給される。純粋にこの支援を必要とするものだけに支給され、サービスは地方自治体によって管理される[14]

年金

年金は全国共通制度であり、主に賦課方式の所得比例年金(年金保険)と、補助的な最低保証年金(一般税原資)の組み合せである[15]。最低保証年金とはミーンズテストに基づいており、所得比例年金が増えるにしたがって減額され、ある基準以上では完全にゼロになる[15]。所得比例年金の支給については、積立高を平均寿命で割った金額として機械的に決定される[15]

教育

労働市場

脚注

  1. Government at a Glance (Report). OECD. 2015年. doi:10.1787/22214399
  2. スウェーデンの地方自治 (PDF)』(レポート)、財団法人自治体国際化協会、2004年3月。
  3. 平成24年版厚生労働白書』(レポート)、厚生労働省、2012年、81–82頁。
  4. Regeringskansliet med departementen (Swedish). 2010年2月26日閲覧。
  5. 翁百合ほか 2012, Chapt.3.4.
  6. Revenue Statistics (Report). OECD. doi:10.1787/19963726
  7. 星野泉『スウェーデンの地方財政と地方財政調整制度 (PDF)』『平成17年度比較地方自治研究会調査研究報告書』(レポート)、財団法人自治体国際化協会、2006年3月。
  8. 飯野靖四「スウェーデンの社会保障と所得再分配」『海外社会保障研究』第159巻、国立社会保障・人口問題研究所、2007年、40-41頁。
  9. OECD Social Expenditure Statistics (Report). OECD. 2011年. doi:10.1787/socx-data-en
  10. Socialdepartementets ansvarsområden (Swedish). 2010年2月26日閲覧。
  11. 翁百合ほか 2012, p. 204.
  12. Social Insurance in 10 minutes (PDF). Försäkringskassan. 2011年5月15日閲覧。
  13. 海外情勢報告 2013, p. 285.
  14. Ekonomiskt bistånd (swedish). Government offices of Sweden. 2011年5月15日閲覧。
  15. 翁百合ほか 2012, Chapt.5.

参考文献

関連項目

外部リンク

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