スルファメトキサゾール

スルファメトキサゾール(Sulfamethoxazole、略号:SMX または SMZ[1][2][3])とは、スルホンアミド系の静菌的抗生物質のひとつ。これはしばしばトリメトプリムとの組み合わせで相乗効果(シナジー)を示す。

スルファメトキサゾール
IUPAC命名法による物質名
臨床データ
胎児危険度分類
法的規制
投与経路 経口投与
薬物動態データ
血漿タンパク結合70%
代謝Hepatic acetylation and glucuronidation
半減期10 時間
排泄Renal
識別
CAS番号
723-46-6
ATCコード J01EC01 (WHO) QJ01EQ11 (WHO)
PubChem CID: 5329
DrugBank APRD00076
ChemSpider 5138
KEGG D00447
化学的データ
化学式C10H11N3O3S
分子量253.279 g/mol
物理的データ
融点169 °C (336 °F)

スルファメトキサゾール単剤では耐性獲得のために無効となりやすいため、日本ではトリメトプリムとの合剤としてしか販売されていない(2010年現在)。これを日本ではST合剤と略すことが多い。ST合剤での商品名はバクタ(塩野義製薬[4]やバクトラミン(中外製薬[5]など。

MRSAを含むブドウ球菌大腸菌インフルエンザ菌嫌気性菌に感受性を持つことが多い。また尿路感染症でしばしば処方される。副鼻腔炎においてペニシリン系薬剤の代替薬として用いられることもある。トキソプラズマ症ニューモシスチス感染症でも用いられる。

薬理

スルホンアミド系薬剤はパラアミノ安息香酸(para-aminobenzoic acid; PABA)と構造が類似しており、競争的阻害薬として作用する。これらは細菌がPABAを用いて葉酸を正常に合成することを阻害する。葉酸はDNA合成に重要な代謝物である[6]。この効果は一般的に静菌的に現れる。葉酸は人体では合成されず、経口的に摂取される。このため効果は人体には影響せず、細菌(もしくは葉酸合成を行う生物)にのみ影響する。細菌のスルファメトキサゾールへの耐性獲得は葉酸合成酵素が変異し、PABA結合性変化などを起こすことによる。

副作用

最もST合剤で多い副作用・有害事象は胃腸障害である。発疹・発赤・呼吸困難・嚥下障害などがみられることもある。
ST合剤はまたワルファリンの血中濃度を増加させることもあるため、出血傾向をきたす事もある。また骨髄抑制を起こし、白血球減少や貧血血小板減少症などを起こす事も稀にある。

重大な副作用として知られているものには、

がある。(頻度未記載は頻度不明)

関連項目

出典

  1. Ma, M.; Cheng, Y.; Xu, Z.; Xu, P.; Qu, H.; Fang, Y.; Xu, T.; Wen, L. (2007). “Evaluation of polyamidoamine (PAMAM) dendrimers as drug carriers of anti-bacterial drugs using sulfamethoxazole (SMZ) as a model drug”. European journal of medicinal chemistry 42 (1): 93–8. doi:10.1016/j.ejmech.2006.07.015. PMID 17095123.
  2. Garg, S.K.; Ghosh, S.S.; Mathur, V.S. (1986). “Comparative pharmacokinetic study of four different sulfonamides in combination with trimethoprim in human volunteers”. International journal of clinical pharmacology, therapy, and toxicology 24 (1): 23–5. PMID 3485584.
  3. SMZ in Abstract of "Rat model of concurrent Pneumocystis carinii (Pc), Toxoplasma gondii (Tg), and Mycobacterium avium complex (MAC) infections for assessment of multiple prophylaxis" at ncbi.nlm.nih.gov
  4. バクタ配合錠/バクタ配合顆粒 添付文書 (2014年2月). 2016年6月28日閲覧。
  5. バクトラミン注 添付文書 (2014年2月). 2016年11月5日閲覧。
  6. Martindale, The extra pharmacopoeia, 30th ed, p. 208

参考文献

外部リンク

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