タマミズキ

タマミズキ(玉水木、学名:Ilex micrococca Maxim.[2])とは、モチノキ科モチノキ属分類される落葉高木の1[4][5][6][7]和名は玉の果実が美しく、全体の樹形がミズキに似ている[7]ことに由来する[8][6]

タマミズキ
落葉後の赤い実をつけたタマミズキの雌株、尾張白山、愛知県小牧市にて、2022年2月11日撮影
落葉後の赤い実をつけたタマミズキの雌株
2022年2月、尾張白山愛知県小牧市にて
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 植物界 Plantae
: 被子植物門 Magnoliophyta
: 双子葉植物綱 Magnoliopsida
亜綱 : バラ亜綱 Rosidae
: ニシキギ目 Celastrales
: モチノキ科 Aquifoliaceae
: モチノキ属 Ilex
: タマミズキ I. micrococca
学名
Ilex micrococca Maxim.[2]
和名
タマミズキ
品種

キミノタマミズキ I. micrococca Maxim. f. luteocarpa H.Ohba et S.Akiyama[3]

特徴

非常に生長が早く、高さ10-15 mになる[4]。しばしば大木となる[9]。全株無毛[6]樹皮は灰褐色で[4]皮目が目立つ[5]。本年には鈍い稜がある[5]。枝に丸い皮目があり、冬芽は長さ1 mmほどの低い半球形で小さくあまり目立たない[5]。芽鱗は4-6個、葉痕は半球形で、維管束痕は1個[5]互生し、長さ7-13 cm、幅3-6 cmの楕円形または卵状長楕円形で、最大幅は基部寄り[7]洋紙質でなめらかで[6]薄く、先は急に尖り、縁には波状の細かい鋸歯があり[4][5]一見全縁に見え[7]サクラ類に似た形[8][7]。両面とも無毛[5][7]葉柄は長さ1.5-2 cmで、紅色を帯びることが多い[8]葉脈は表面でへこみ、裏面に隆起する[4]

雌雄異株[4][8][6]。本年枝の葉腋から長さ2 cmほどの複散形花序を出し、緑白色のを多数つける[8]。花は直径2-3 mm、花弁は5-8個、長楕円形で長さ約1.5 mm[8]片は5-8個[8]。雄花には完全な雄しべが5-6個と退化した雌しべがある[8]。雌花には雌しべと退化した雄しべがあり、子房は球形、花柱はほとんどなく、柱頭は1個[8]。花期は5-6月[4]。果実は核果で、枝上に群がって[6]密につき、直径約3 mmの球形で10-11月赤く熟す[4][8]。なかに核が6-8個入っている[8]。核は三角状楕円形で長さ約2 mm、表面はなめらか、なかの種子は1個[8]。実は冬も残り、よく目立つ[7]

分布と生育環境

低山の生育するタマミズキ、赤い実をつけた木は雌株、その周辺の枯木は雄株、金華山岐阜県)にて

中国南部、海南島台湾ミャンマー北部、半島マレーシアベトナム日本に分布する[1][4][5][6]

日本では本州静岡県福井県以西)、四国九州に分布する[5]。やや稀な[7]珍しい樹木であるが、西日本では点々と自生している[5]

暖温帯の低山地[4]、沿海地の常緑樹林[5]照葉樹林内に生育する[7]

分類

黄色の実をつける品種として、キミノタマミズキ(黄実玉水木:学名:Ilex micrococca Maxim. f. luteocarpa H.Ohba et S.Akiyama[3])が知られている[9]

利用

生垣樹木などに園芸利用されている。

種の保全状況評価

国際自然保護連合レッドリストで低危険種(LC)の指定を受けている[1]。日本では環境省による国レベルのレッドリスト受けていないが[10]、以下の都道府県のレッドリストで指定を受けている。

脚注

  1. Ye, J.; Qin, h.; Botanic Gardens Conservation International (BGCI).; IUCN SSC Global Tree Specialist Group. (2019). Ilex micrococca (英語). IUCN Red List of Threatened Species 2019: e.T147378084A147614210. doi:10.2305/IUCN.UK.2019-2.RLTS.T147378084A147614210.en. https://www.iucnredlist.org/species/147378084/147614210 2023年12月21日閲覧。.
  2. 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). タマミズキ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月21日閲覧。
  3. 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). キミノタマミズキ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月21日閲覧。
  4. 林弥栄 (2011), p. 405
  5. 太田ほか (2000), p. 462
  6. 牧野・本田 (1982), p. 297
  7. 田中 (2008), p. 662
  8. 太田ほか (2000), p. 463
  9. タマミズキ”. 広島大学デジタル博物館. 2023年12月21日閲覧。
  10. 環境省レッドリスト2020の公表について”. 環境省 (2020年3月27日). 2023年12月21日閲覧。
  11. 改訂版 福井県の絶滅のおそれのある野生動植物(2016)・維管束植物 (PDF). 福井県. pp. 351. 2023年12月21日閲覧。
  12. >維管束植物・藻類(平成27年度改訂)、鹿児島県の絶滅のおそれのある野生植物について・選定種一覧(植物) (PDF). 鹿児島県. pp. 5. 2023年12月21日閲覧。
  13. レッドデータブックくまもと2019-熊本県の絶滅のおそれのある野生動植物・維管束植物・コケ植物 (PDF). 熊本県. pp. 194. 2023年12月21日閲覧。

参考文献

  • 太田和夫、勝山輝男、高橋秀男、茂木透他『樹に咲く花―離弁花〈2〉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑4〉、2000年10月1日。ISBN 978-4635070041。
  • 田中啓幾『落葉樹の葉』山と溪谷社〈山溪ハンディ図鑑12〉、2008年6月6日。ISBN 978-4635070249。
  • 林弥栄『日本の樹木』(増補改訂新版)山と溪谷社〈山溪カラー名鑑〉、2011年11月30日。ISBN 978-4635090438。
  • 牧野富太郎、本田正次『原色牧野植物大図鑑北隆館、1982年7月。ASIN B000J6X3ZE NCID BN00811290全国書誌番号:85032603https://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001728467-00

関連項目

外部リンク

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