トート
トート(ギリシャ語:Θωθ;トト、テウト[2]とも)は、古代エジプト神話の知恵を司る神。古代エジプトでの発音は、完全には解明されていないがジェフティ(エジプト語:ḏḥwty;ジェフゥティとも)と呼ばれる。
| トート Thoth | |||||||||||
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| 知恵の神 | |||||||||||
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| ヒエログリフ表記 |
トートの一般名[1] | ||||||||||
| 信仰の中心地 | ヘルモポリス | ||||||||||
| シンボル | トキ、ヒヒ、パピルス、月の円盤など | ||||||||||
| 配偶神 | セシャトまたはマアト | ||||||||||
| 兄弟 | セシャト | ||||||||||
| 子供 | 伝わっていない | ||||||||||
| ギリシア神話 | ヘルメース | ||||||||||


| エジプト神話 |
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| 太陽神 |
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ラー (ケプリ) アメン(アモン) - アテン |
| エネアド (ヘリオポリス) |
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ラー (ケプリ) ヌン - アトゥム シュー - テフヌト ゲブ - ヌト オシリス - イシス セト - ネフティス (ホルス - アヌビス) |
| メンピス (メンフィス) |
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プタハ - セクメト ネフェルトゥム |
| オグドアド (ヘルモポリス) |
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ヌン - アメン(アモン) クク - フフ (トート) |
| テーベ (ルクソール) |
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アメン(アモン) - ムト (モンチュ - アテン) |
| その他 |
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ネイト - クヌム - バステト セベク - レネネト ハトホル - コンス |
| 主な神殿・史跡 |
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タップ・オシリス・マグナ神殿 デンデラ神殿複合体 カルナック神殿 ルクソール神殿 エドフ神殿 コム・オンボ神殿 フィラエ神殿 アブ・シンベル神殿 |
信仰
主にヘルモポリス(ギリシア人が名付けた「トートの町」の意味)で信仰された。
多くの信仰を集め、長い間、様々な広い地域で信仰されたため、知恵の神、書記の守護者、時の管理人、楽器の開発者、創造神などとされ、王族、民間人問わず信仰された。そのためある程度の規模を持つ神殿には、トートのための神殿が一緒に作られている。
容姿
トキかヒヒのどちらかの姿で表される。
また信仰の中心とされたヘルモポリスは、上エジプト、下エジプトの両方に2つあった。ここから元々は、同名の二柱の神が存在していて次第に習合したとも考えられる。
神話
多くの信仰を集めた神のため、その神話も多岐に渡る。さらに長い期間信仰されたため、多くの役割を持っている。創世神の一人であり、言葉によって世界を形作るとされる。
誕生
誕生について諸説ある。
ヘリオポリス神話において世界ができた時、自らの力で石から生まれたとされる説が有名である(この場合、早く生まれたために足が悪くなったとされる)。
その他にもセトの頭を割って誕生した、またオシリスの末弟という神話もある。
ヘルモポリス神話において世界は、八柱神(オグドアド)によって作り出されたとされている。その後この神々が眠りにつくが世界が終焉を迎えた時、また新しい世界を生み出すために目覚めさせなければならない。この役目を請け負ったのがトートだとされる。あるいは、トートが創造神とされた。
書記の守護者として
神々の書記であり、ヒエログリフを開発したことから書記の守護者とされた。また死者の審判においては、全ての人の名前や行動を生前の内から記録しているとも、アヌビスが死者の心臓を計りにかけ、トートは、死者の名前を記録する作業を行うともいう。王が即位した時には、その王の名前をイシェドと呼ばれる永遠に朽ちない葉に書き記す。
時の管理者として
ヌトがオシリスたちを生む前にラーが「その子供たちは災いを生む」と言って子供を産むことを禁じた。困ったヌトは、トートに相談した。そこでトートは月と賭けをして勝ち、時の支配権を手に入れた。そこで太陽神の管理できない閏日を5日間作った(太陰暦と太陽暦の差)。そしてヌトは、この間にオシリス、セト、大ホルス、イシス、ネフティスの5柱を生んだ。(ホルスを含まない4兄弟の場合もある。)
そして月としての属性を得たため太陽の沈んだあとの夜の時間は、トート神が太陽にかわって地上を守護するとされる。
古代エジプト以外でのトート
トートは、ギリシア神話のヘルメス神と同一視された。ヘルモポリスの名前もここに由来する。
ここからローマ帝国時代にヘルメス・トリスメギストスとなった。またヘルメス思想では、エジプトの知恵がタロットに残されたと考えられたためタロットは、しばしば「トートの書」とも呼ばれた。
近・現代においてもトート(=ヘルメス)はオカルトで重要な存在であり、アレイスター・クロウリーは「トートのタロット」を制作した。またタロットに関する論文である『トートの書』を執筆している。ただし、この本自体は、トート神とはあまり関係がない。
脚注
- Hieroglyphs verified, in part, in (Budge The Gods of the Egyptians Vol. 1 p. 402) and (Collier and Manley p. 161)
- 『エジプト神話』157頁で確認できる表記。
- 『エジプト神話』160頁。

