パワードリフト

パワードリフト』 (POWER DRIFT) は、1988年セガから稼働されたアーケードレースゲーム鈴木裕が開発した。

パワードリフト
POWER DRIFT

アーケード版パワードリフト
(撮影:ゲーセンミカド
ジャンル レースゲーム
対応機種 アーケード (AC)
開発元 SEGA-AM2
発売元 セガ
デザイナー 鈴木裕
音楽 川口博史
人数 1人
メディア 業務用基板
(6.81メガバイト
稼働時期 日本 198808051988年8月5日
デバイス ステアリング
シフトレバー
アクセルペダル
ブレーキペダル
筐体 コックピット型専用筐体
システム基板 Y-BOARD
CPU MC68000 (@ 12.5 MHz) ×3
サウンド Z80 (@ 4 MHz)
YM2151 (@ 4 MHz)
Sega (@ 4 MHz)
ディスプレイ ラスタースキャン
横モニター
320×224ピクセル
60.00Hz
パレット24,576色
売上本数 1632ポイント
(1989年度ベストインカム第4位)[1]

欧州では1989年にAmigaAmstrad CPCAtari STコモドール64PC/AT互換機MSXZX Spectrumに移植された。日本国内では1990年にPCエンジン、1998年にセガサターンに移植された他、ドリームキャスト用ソフト『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』(2001年)、ニンテンドー3DS用ソフト『セガ3D復刻アーカイブス2』(2015年)にアーケード版が収録された。

ゲーム内容

システム

まず、コースをA、B、C、D、Eの5種類の中から、ドライバーを12人の中から選択する。プレイヤ側はドライバーによる性能の差はない。選択するとレース開始。コースを4周し、3位以内にゴールできれば次のステージに進める。全5ステージ。すべてのステージで1位を獲得するとエキストラステージに進む。A・C・Eコースでは、自車が『アフターバーナー』(1987年)の自機に変形し、B・Dコースでは、自車が『ハングオン』(1985年)の自機に変形する。3位以内にゴールできなければゲームオーバー

BGM

  • オープニング:Poker Face
  • Aコース:Side Street
  • Bコース:Like The Wind
  • Cコース:Silent Language
  • Dコース:Adjustment Mind
  • Eコース:Artistic Traps
  • エンディング:Diversity

その他

  • レース中にスタートボタンを押すと、車の正面側から見た画面になる。デモ中でも可能。
  • クリア時にクラッシュすると、エンディングやネーム入れの画面が乱れたり回転したりする。
  • ドライバーセレクトで右端から左端に表示が移る瞬間にスタートさせると、ドライバーのいない車が登場。レース毎にドライバーがランダムに変わる。

通信対戦バージョン

スタンダードバージョンの筐体を接続して複数のプレイヤーで対戦できるバージョンが存在した。通常版よりかなり遅れてのリリースだったためか、市場に出回った数はあまり多くなかったようである。

  • 通常版との差異
    • コースではなくドライバーとミッション(オートマチック、マニュアル)を選択するようになった。
    • 最初に走るコースは練習ステージとなり、最下位でもゲームが続行される。
    • 次のコースがステージ1扱いとなり、規定順位が加わる。規定順位はステージ1は6位、その次が5位、と順に厳しくなっていく。
    • 1レース中、規定順位に関係なく、6台の車がチェッカーを受けるとレースはそこで終了となる。
    • 規定順位でゴールできなかったか、ステージ5をクリアするとゲーム終了。
    • コースはあらかじめ決まっている5つのコースを順番に回っていく。よってステージ5は練習ステージで走行したコースとなる。

なお、多くのレースゲームで採用されている通信対戦のシステムのように、他のプレイヤーと同時にスタートするだけでなく、乱入対戦のようなシステムもある。ただし、空いている席にコインを投入しても、すぐに参戦できるというものではなく、今行われているレースの次のレースに参加することになる。また、規定順位については先に参戦していたプレイヤーのものと同じではなく、練習ステージからとなる。よって、他のプレイヤーとは異なる規定順位やステージ数となることもあった。

移植版

No. タイトル 発売日 対応機種 開発元 発売元 メディア 型式 売上本数 備考
1 POWER DRIFT ヨーロッパ 1989年
Amiga
Amstrad CPC
Atari ST
コモドール64
PC/AT互換機
MSX
ZX Spectrum
Software Studios アクティビジョン カセットテープ
フロッピーディスク
- -
2 パワードリフト 日本 199004131990年4月13日
PCエンジン コピアシステム アスミック 4メガビットロムカセット[2] AS02002 -
3 SEGA AGES パワードリフト 日本 199802261998年2月26日
セガサターン ファント セガ CD-ROM GS-9181 - アーケード版の移植
4 鈴木裕ゲームワークス Vol.1 日本 200112012001年12月1日
ドリームキャスト ゲームのるつぼ セガ GD-ROM - - アーケード版の移植
5 セガ3D復刻アーカイブス2 日本 201512232015年12月23日
ニンテンドー3DS M2 セガゲームス 3DS専用カード
ダウンロード
- - アーケード版の移植
PCエンジン版
アスミックより1990年4月13日発売。本作が家庭用では初移植となるが、アーケード版は膨大なスプライト処理能力を持つ「スプライトの怪物」と言われたY-BOARD基板を使ってスピード感を演出していたため[3]、PCエンジンのハードの性能ではかなり厳しい移植であった。しかしながら、BGの描き換えで画面を描画することにより上手く対応しており、隠し要素のエクストラステージもちゃんと収録していた。
セガサターン版
セガエイジスシリーズで1998年2月26日発売[4]。Y-BOARD基板に匹敵する強力なスプライト性能を持つセガサターンへの移植ということグラフィックの再現度は高くゲーム性も良好だがフレーム描画が30フレームと半減している。また、音源の違いによりアーケードのサウンドと異なる。
ドリームキャスト版
2001年12月1日発売の『鈴木裕ゲームワークス Vol.1』(ISBN 4-7572-0889-8)付属のゲームディスクに収録。ドリームキャストのハードパワーを活かし、本作でようやく家庭用の移植版では完全移植に近い完成度を実現した。
元々はドリームキャスト版『シェンムー3』のミニゲームとしてゲームのるつぼが開発していたが、シェンムー3の開発が頓挫、前述の書籍に収録されることとなった[5]
ニンテンドー3DS版
2015年12月23日発売の『セガ3D復刻アーカイブス2』に新規移植作品として収録。
アーケード筐体をプレイした気分を味わえるようにするために、操作に合わせて3DSの上画面の映像がローテートする「ムービング筐体モード」、実際の筐体からの動作音を再現する環境音設定を収録。また難易度やキーコンフィングなどの各種設定変更が可能となっている[6]
サウンドはストリームではなく内蔵音源に搭載されている[7]
対戦用の「ツイン筐体バージョン」を取り入れる予定を立てたが、スピードとコースの問題により断念された[8]
翌2016年11月2日、アーカイブス2版をベースにゲームを一度でもクリア(完走)してエンディングをきちんと見た後に開放される「スペシャルモード」などを追加した版がS3DRPシリーズとしてネット配信開始[9]。スペシャルモードでは、往年のセガゲームキャラクター(アレックスキッドなど)をバギーに乗せ、著名なセガレトロゲームのBGMメドレーを流してプレイできる。ゲームバランスは通常モードと同様。
メガドライブ版
電波新聞社よりメガドライブのメガCDでの発売が予定されていたが、1988年の移植発表から5年の時を経て、紆余曲折の末に発売中止となった。

評価

評価
レビュー結果
媒体結果
Computer and Video Games83%(Amiga)[10]
80%(DOS)[11]
ファミ通24/40点(PCE)[12]
GameFan86%(PCE)[13]
Sinclair User79%(ZX)[14]
Your Sinclair82%(ZX)[14]
Commodore User6/10点(AC)[15]
70%(Amiga)[10]
80%(C64)[16]
Amiga Format90%(Amiga)[10]
The Games Machine90%(Amiga)[10]
45%(CPC)[17]
84%(ST)[18]
92%(C64)[16]
87%(PCE)[13]
Amiga Action83%(Amiga)[10]
Zzap!6465%(Amiga)[10]
94%(C64)[16]
ACE645/1000点(Amiga)[10]
725/1000点(C64)[16]
Amiga Power3/6stars(Amiga)[10]
Amstrad Action91%(CPC)[17]
Aktueller Software Markt10/12点(ST)[18]
9.2/12点(C64)[16]
8.8/12点(PCE)[13]
ST Format83%(ST)[18]
ST Action76%(ST)[18]
Zero75%(ST)[18]
Your Commodore92%(C64)[16]
Commodore Force85%(C64)[16]
Commodore Format81%(C64)[16]
月刊PCエンジン74/100点(PCE)
PC Engine FAN20.37/30点(PCE)[2]
(総合313位)
受賞
媒体受賞
第3回ゲーメスト大賞プレイヤー人気 6位[1]
年間ヒットゲーム 3位[1]
アーケード版
  • ゲーム誌『ゲーメスト』(新声社)誌上で行われていた「第3回ゲーメスト大賞」(1989年度)においてプレイヤー人気で6位、年間ヒットゲームで3位を獲得した[1]
  • 1998年にそれまで発売されていたアーケードゲーム全てを対象に行われた『ゲーメスト』読者の人気投票によるゲーメストムック『ザ・ベストゲーム2』では、「このゲームでは、なんと乗っている部分が振り子のように左右に振れて左へ右へと曲がっている感を生み出すものであった」、「5つあるコースから選び、その中で5つのステージを1つずつクリアしていく。5×5でなんと25ステージも存在する」、「スコアラーが熱くなる要素があった反面、『アウトラン』ほど爽快感が味わえないのでやや一般ウケが悪かった」と紹介されている[19]
PCエンジン版

ゲーム誌『ファミコン通信』の「クロスレビュー」では合計24点(満40点)[12]、『月刊PCエンジン』では70・65・80・80・75の平均74点、『PC Engine FAN』の読者投票による「ゲーム通信簿」での評価は以下の通りとなっており、20.37点(満30点)となっている[2]。また、この得点はPCエンジン全ソフトの中で313位(485本中、1993年時点)となっている[2]。その他、1998年に刊行されたゲーム誌『超絶 大技林 '98年春版』(徳間書店)では「スピード感はあるものの、ゲーム自体は大味な感じ。移植度はいいとはいえない」と紹介されている[20]

項目 キャラクタ音楽操作性熱中度お買得度オリジナリティ 総合
得点 3.643.293.253.613.213.38 20.37

出典

  1. 「ゲーメスト大賞11年史」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、20 - 21頁、ISBN 9784881994290。
  2. 「10月号特別付録 PCエンジンオールカタログ'93」『PC Engine FAN』第6巻第10号、徳間書店、1993年10月1日、110頁。
  3. OLD GAMERS 白書 Vol.5 レース・スポーツ・テーブルゲーム編. メディア・パル. (2010). p. 31. ISBN 978-4896101058
  4. SEGA AGES/パワードリフト”. セガ. 2001年7月10日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年9月26日閲覧。
  5. まぢん @Mazin__のツイートより (2011年4月2日). 2019年3月30日閲覧。
  6. 『セガ3D復刻アーカイブス2』新規収録タイトル『パワードリフト』の詳細情報が公開、ダイナミックに揺れるゆりかご型の大型筐体の動きも再現”. ファミ通.com. 2015年11月8日閲覧。
  7. 「セガ 3D復刻アーカイブス2」インタビュー Part2 「3D ギャラクシーフォースII」では未到達のサウンドエミュレーション再生を実現!! GAME Watch (2015年12月23日) 2016年2月28日閲覧
  8. 「セガ 3D復刻アーカイブス2」インタビュー Part2 鈴木裕氏の2D最高峰タイトルを細かく再構成することで移植 GAME Watch (2015年12月23日) 2016年2月28日閲覧
  9. セガ3D復刻プロジェクト「3D パワードリフト」配信決定 GAME Watch (2016年10月26日) 2016年10月26日閲覧
  10. Power Drift for Amiga (1989) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  11. Power Drift for DOS (1990) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  12. パワードリフト まとめ [PCエンジン] (日本語). ファミ通.com. KADOKAWA CORPORATION. 2015年5月23日閲覧。
  13. Power Drift for TurboGrafx-16 (1990) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  14. Power Drift for ZX Spectrum (1989) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  15. Power Drift for Arcade (1988) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  16. Power Drift for Commodore 64 (1989) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  17. Power Drift for Amstrad CPC (1989) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  18. Power Drift for Atari ST (1989) (英語). MobyGames. Blue Flame Labs. 2018年5月5日閲覧。
  19. 「ザ・ベストゲーム」『GAMEST MOOK Vol.112 ザ・ベストゲーム2 アーケードビデオゲーム26年の歴史』第5巻第4号、新声社、1998年1月17日、123頁、ISBN 9784881994290。
  20. 「超絶 大技林 '98年春版」『Play Station Magazine』増刊4月15日号、徳間書店/インターメディア・カンパニー、1998年4月15日、633頁、雑誌26556-4/15。

外部リンク

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