ブンブン・マギー

『ブンブン・マギー』(原題:The Buzz on Maggie)は、2005年6月に放送開始された、デイブ・ポルスキー製作、デイヴィッド・ワッソン監督(カートゥーンネットワークで、タイム・スクアッドを作った人物)の、ハエの生活を描いたオリジナルコメディアニメシリーズである。

このシリーズは、アメリカ合衆国のディズニーチャンネルで放送されたものの、第1シーズン放送終了後に打ち切りになった。

製作

本作のコンセプトはかつて『最'新'絶叫計画』や『サウスパーク』の脚本を務めたことがあるデイブ・ポルスキーが手掛け[1][2]、全話分の脚本を本作の監督であるデイヴィッド・ワッソンとともに執筆した[3] 。 製作初期に行われたAnimation World Networkとのインタビューにおいて、ポルスキーは、『個性対無個性』と自ら名付けた思春期のコミカルな一面がこの番組で生かされていくだろうと話しており[4]、「マギーは自分の抱えている問題から目をそらさずに計画を実行に移す方法を学ばなくてはありません。この番組において彼女は苦境に立つことなく人生を歩んでいくことはたやすいことではないことを何度も思い知らされることになります。」と話している[4]。 製作総指揮はポルスキーとローラ・パーキンズ・ブリテンが務めた[4]。

ワッソンはマギーのキャラクターデザインも手掛け、アニメーション制作にはAdobe Flashを使った。 ワッソンは過去に映画やCM製作でこのソフトを使ったことがあり、シリーズもののアニメの制作に向いているので今回も採用したと語っており[2]。ディズニーにとっては初めてFlashを完全使用したアニメとなった[5] 。 Kids' WBの『ムーチャ・ルーチャ!』の打ち切りに伴い、『ムーチャ・ルーチャ!』に関わっていた多くのアニメーターが、本作に携わることになった[2] 。

ワッソンによるキャラクターデザインは、テックス・アヴェリー、ワーナー・ブラザース、ウォルト・ディズニーといった黎明期のアニメーターの影響を大きく受けており、ワッソン自身もキャラクターに白い手袋をはめさせたのは彼らの作品に対するオマージュだと、Animation Magazineとのインタビュー内で語っている[2]。その一方で本作のキャラクターデザインは日本のアニメの影響からも受けており、頭や目がとても大きく描かれている[6]。 マギーらがごみ処理場に住んでいるというコンセプトは、視覚を通じて視聴者に伝えやすいものだとワッソンは話している。[2]。アニメーターであるホルヘ・グティエレスがキャラクターデザインのスーパーバイザーを務め[7]、ローマン・ライリーは背景やプロップデザインなどのスーパーバイザーを務めた。アニメーション制作はカナダのバンクーバーにあるバーデル・エンタテインメントとインドのムンバイにあるフューチャー・ソート・プロダクションズが行った[4][8][3]。

主題歌としてボブ・ティーレとディロン・オブライエンが製作し、カナダの歌手・スカイ・スウィートナムが歌った "Just the Way I Am"が用いられた[4]。この曲の内容はプライドや受容、リーダーシップをテーマとしたものになっている[9]。劇中音楽はアダム・ベリーが担当した[4]。 チャーリー・アドラーとジェイミー・トマソンが音響監督を務めた[4]。 主人公マギーの声を当てたジェシカ・ディ・シコは当時新人で、この作品で初めてテレビアニメの主人公役を演じることになり、同年初回放送が行われたLoonatics Unleashedでもメインキャラクターを演じた[10]。 このほかにもデビッド・カウフマンやトム・アドコックス、クリー・サマー、ブライアン・ドイル=マーレイ、スーザン・トルスキーらが出演し[4] 、出演者の一人であるタラ・ストロングはマギーの宿敵であるドーンのほかにもさまざまなゲストキャラクターの声を当てている[4]。また、これらの声優のほかにもラレイン・ニューマンやジョン・ポリトと言ったゲスト出演者もいる[11][12]。

放送

アメリカ合衆国にてこの番組は2005年6月17日(金)の午後8時に初回放送され、そのあと週末の午後5時半に放送されるようになった。2005年9月17日からは、ABCキッズの放送枠に組み込まれて放送された[13] 。ABCキッズでは午後9時半から放送され、2歳から11歳までのKids枠の視聴率(ニールセン)は1.6/7 を記録した。9際から14歳までのTeen枠では 1.4/7(ニールセン)を記録し、この3か月の間における同時間帯の中で最高の視聴率をたたき出した[14]。

2005年8月、このアニメに参加していたアニメーター・Sean Szelesは、自身のブログで、「『ブンブン・マギー』は実にすばらしいアニメで、美術監督としての仕事やキャラクターも満足のいくものだったが、ディズニーにとってはそんなのはどうでもよかったようだ。残念ながらこれでおしまいだ。」と、このアニメが同じくディズニーチャンネルオリジナル作である『バーバリアン・デイブ』に次いで打ち切られたこと告げた[15] 。『ブンブン・マギー』の最終回は2006年5月27日に放送され、2008年8月まで再放送が行われた。

登場人物

主要人物

マギー・ペスキー(Maggie Pesky)
声 - 渡辺明乃/英 - ジェシカ・ディ・シコ
スティッキーフィールド(『ザ・シンプソンズ』のキャラクターが住む町であるスプリングフィールドのパロディ)に家族と共にすむ、ハエの女の子。
有名なロックスターになるのが夢で、ダブルベースギターをためらったことがなく、夢をかなえるためなら規則さえも捻じ曲げる。
学校の宿題でずるをするなど、しばしば厄介ごとに首を突っ込み、ほぼ一番の女友達であるライナをも巻き込む。
それでもなお、強い信念がマギーの中にはあるが、時々一線を越えて、その信念が崩れてしまうことも。
マギーの性格は、自己中心的で、自分のことや自分のしたいことしか頭にない。しかし、結局は正しいことをすると思われているし、家族や友達を大切にする。
アルドリン・ペスキー(Aldrin Pesky)
声/英 - デビッド・カウフマン
マギーの兄。学校では人気者で、マギーの敵であるドーン・スワットウォシーと付き合うであろうと思われている。
スポーツ万能だが、フットボールのこととなると、自惚れ強く自己中心的になる。
しかしマギーのことを指摘するとき、彼はこの名声を得ようと長いこと一生懸命になる一方、マギーは常に成功への道まで近道をしている。彼らの対立と言うのは、幼い頃マギーがアルドリンに代わっておじであるセブのお気に入りの子供になったことによるものからきており、どんなにアルドリンが努力してもどうしてもその位置に返り咲くことはできなかった。
さらに、マギーとつまらないことでけんかしたり競争したりする際、アルドリンはしばしばパパートをいじめる。しかしながら、アルドリンはパパートをマギーほどの脅威にはならないとみていて、いつかはマギーを打ちのめすために手を組むと思われている。
兄弟のうち、末っ子であるベラに対しては最も寛容で、いなくなったときはとてもあわてた。
バズ・バーガーというファストフードショップでアルバイトをしている。名前の由来は宇宙飛行士のバズ・アルドリンより。
アルドリンはマギーと同じく自己中心的で自分のことしか考えていないが、家族や友人のことも気にかけている。
パパート・ペスキー(Pupert Pesky)
声/英 - トム・アドコック
マギーとアルドリンの弟。不器用で少しおたくっぽいが、楽しいことが大好きで、自分の成し遂げる小さなことに大きなプライドを持つ。
写真を撮ることとおしゃべりに関してはとてもうまく、大の甘党である。
アルドリンやマギーと違い自己中心的ではなく、自分のことや自分に必要なことよりも、他人や他人のしたいことを考える。
ベラ・ペスキー(Bella Pesky)
声/英 - タラ・ストロング
ペスキー家の4番目の子にして末っ子。まだ赤ん坊(幼虫)だが、自分の家族を眺める姿は愛くるしいところがある。
母親の目の届かないところにいってしまうのはまれだが、ジャグリングやバレエ、ブレイクダンスなどといったすばらしい才能を持っている[16]。
話すことはできないが、彼女の心情を表す声は中年男性のものである。しかし、たくさんしゃべって自分のことをよく理解できているように見せるために、「グー」や「ガー」としかしゃべらない。
マギーと同じくピンク色の髪の毛をしている。
チャウンシー・ペスキー(Chauncy Pesky)
声/英 - ブライアン・ドイル=マーレイ
マギーたち4兄弟の父親で、子育てにおいては強い愛を信じている。
厳しい人物だが、子供たちの状況をよく理解している。時々、子供たちの手助けするために、自分が子供の頃に書いた日記を子供たちに見せるが、日記の中身が時代遅れで70年代のスラングが満載のため、役に立つことが少ない。
フリーダ・ペスキー(Frieda Pesky)
声/英 - スーザン・トルスキー
マギーたちの母親である、オレンジ色の髪をしたイエバエ。夫が子供を叱るとき、夫の手助けをする。
炊事、洗濯、そして幼いベラの子守りをいつもこなす、典型的な主婦。彼女の兄弟で、バクテリア牧場を所有するゼブと共に、たくさん買い物をすることを好む。
彼女の4人の子供のうち、パパートとベラを除いて皆自己中心的である。
レイナ・カートフライト(Rayna Cartflight)
声/英 - クリー・サマー
マギーの親友。黒っぽい髪を2つに結び、眼鏡をかけたハエ。
しばしば欠点を指摘して、マギーの計画の多くを非難するものの、結局マギーの計画を実行することになる。時々一風変わった提案をするが、その提案というのは実行不可能なものがほとんどである。
マギーとレイナはめったにけんかをせず、してもすぐに終えてしまう。

その他スティッキーフィールドの住人

マリア・モナーク(Maria Monarch)
声 - 細野雅世/英 - タラ・ストロング
マギーとレイナの友人である。魅力的だが、非常に内気な蝶である。初登場時は冴えない文化系キャラだったが、マギーとレイナによってイメチェンされた。
ドーン・スワットウォーシー (Dawn Swatworthy)
声/英 - タラ・ストロング
金持ちで、マギーの兄・アルドリンとデートしているとうわさされているチアリーダーで、マギーのライバル。
かなりのナルシストにして自惚れ屋で、他人(特にマギー)を弾圧したり、品位を落としたりするのを楽しむ。先生や大人に対しては、極端なお世辞を使ってだましている。ドーンは常にマギーとは反対に、全てのことに関しては勝っている。
ジョージ(George)
声/英 - パトリック・ワーバートン
図体が大きくてのろまな、アルドリンの親友にしてフットボールチームの一員。キャラクター設定の参照元は「二十日鼠と人間」より。
ユージーン&ウェンデル(Eugene&Wendell)
声/英 - ビリー・ウェスト
双子のカブトムシ。天才児だが、マギーやレイナといった「カワイコちゃん」の前ではぎこちなく振舞う。
スネイパーシバル・"スナップ"・カーペンター(Snapercival "Snap" Carpenter)
声/英 - スコット・ブロック
アリのいじめっ子で、ドーンに熱を上げている。
ペストストリップ校長(Principal Peststrip)
声/英 - ジェフ・ベネット
バズディル・アカデミーの校長。横柄な人物。
ウィングストン先生(Mrs. Wingston)
声/英 - キャンディ・ミロ
マギーの科学の先生で、まじめな人物。
バグスピット先生(Mr.Bugspit)
声/英 - カーティス・アームストロング
マギーの歴史の先生で、ドラマチックになりすぎている人物。
ハッチソン看護師(Nurse Hatchson)
声/英 - キャンディ・ミロ
バズディル・アカデミーの養護教諭。外国語なまりあり。
メルヴィン・ザ・スティンクバグ(Melvin The Stinkbug)
声/英 - ケビン・マイケル・リチャードソン
『恋人はカメムシ?』にてマギーと一緒にデートに行ったカメムシ。マギーは見物人の目から、皆に自分がマギーのガールフレンドになりたいことを納得させるよう励まして、彼のにおいに関する体質を守った。(ただし、マギーと恋人同士というわけではない)
レーベン(Gym Shorts Kid,Ruben)
声 - 細谷佳正/英:クリー・サマー
体操用ズボンとドーンが大好きな虫。
チップ(Chip)
声/英 - キャンディ・ミロ
学校のレポーター兼カメラマンで、「こりゃスクープだ!」という熱狂的なせりふで知られている。
ラリー(Larry)
ローラ(Laura)
声/英 - ジョディ・ベンソン
レイシー・レディバグ(Lacey Ladybug)
声/英 - ラレイン・ニューマン
ビバリー・ガーデンズ(ビバリーヒルズのパロディ)からマギーたちの学校へ来た、俗物じみたテントウムシ。バズディル・アカデミーの生徒をこき使って、自分が彼らよりも良いように振舞うことを楽しんでいる。初登場時、ビバリー・ガーデンズで最高の生活を送ってきたという、真っ赤なうそをついているところで、これがわかる。しかしながら、話の最後のほうでマギーにうそを見破られてからは、ただの子供になったものの、まだ俗物さが残っている。

サブタイトル

  1. 学園クイーンは誰だ?(The Candidate) / ペットのジャーミー(Germy)
  2. ベビーシッターはたいへんだ(Bugsitting) / レストランでアルバイト(Le Termite)
  3. ハエネーター(The Flyinator) / ダンスばんさん会(Ladybugged)
  4. ファンボールで兄弟対決(Funball) / 科学でAをとるには(The Science Whatchamacallit)
  5. スターはつらいよ(The Price of Fame) / ノミ王(King Flear)
  6. パジャマパーティーで大騒ぎ(Slumber Party) / スペリング・ビーズがやって来た(Spelling Bees)
  7. マギーVS給食のおばさん(Lunch Lady) / 恋人はカメムシ?(Love Stinks)
  8. スカムバイツ大売出し(Scum Bites) / 告げ口作戦 (Hooligans)
  9. ハエスカウト(Scout of Order) / スクープをつかめ!(Ant Mines)
  10. ゼブおじさんの農場(Rottingmuck Ranch) / ベラの大冒険(Bella Con Carny)
  11. パイ投げ大作戦(Pieface) / たまり場がほしい(The Hangout)
  12. 恋のライバルはレイナ(Hot for Tutor) / 仮病売ります(Sick Days, Inc.)
  13. 宿題なんかしたくない(Faking History) / スティッキーフィートを救え!(Bugs on the Brink)
  14. 記録書き換え大作戦(The Usual Insects) / CMに出たーい!(Sister Act)
  15. お小遣いを値上げして(Those Pesky Roaches) / 舞踏会ぶちこわし作戦(Bugtillion)
  16. キングチョコをゲットせよ(The Big Score) / 弱虫は誰だ(Scare Wars) ※ハロウィン・エピソード
  17. 超一流になる方法(Training Day) / 病院ボランティア(Honey Striper)
  18. こまった妹(Metamorpho Sis) / ナゾのDJピューパート(Radio Free Buzzdale)
  19. アライグマ大接近(Racoooon!) / 2人は「ベスト親友賞」(Best Best Friends)
  20. 秘密のクロッグ・ダンス(20 Pesky's Unglobbed) / テストから逃げる方法(Club Hopping)
  21. シンクロナイズド・フライング(Synchronized Flying) / 家族旅行はどこへ行く(Roach Hotel)

主題歌

スタッフ

評価

受賞・ノミネート

脚注

  1. “UCLA: David Polsky”. UCLA Extension Writers' Program. 2010年5月20日閲覧。
  2. Zahed, Ramin (2005年6月17日). “Maggie Begins Buzzing on Disney”. Animation Magazine. 2012年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月2日閲覧。
  3. “Buzz Starts on Maggie”. Cold Hard Flash (2005年4月29日). 2010年5月20日閲覧。
  4. Baisley, Sarah (2005年6月17日). “Disney's The Buzz on Maggie Flies Debutes on Disney Channel”. Animation World Network. 2012年4月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2015年3月2日閲覧。
  5. “On this Week: June 12?18”. The Washington Post (The Washington Post Company): p. Y.03. (2005年6月12日). http://pqasb.pqarchiver.com/washingtonpost/access/852665411.html?dids=852665411:852665411&FMT=ABS&FMTS=ABS:FT&type=current&date=Jun+12%2C+2005&author=&pub=The+Washington+Post&desc=ON+THIS+WEEK%3A+JUNE+12-18&pqatl=google 2012年3月29日閲覧。
  6. Erickson, Hal. “The Buzz on Maggie [Animated TV Series]”. AllMovie. Rovi Corporation. 2012年3月28日閲覧。
  7. Farago, Andrew (2008年7月31日). “An Interview with El Tigre's Jorge Gutierrez”. Animation World Network. 2010年5月20日閲覧。
  8. "Future Thought Flashes onto the Big Screen at MIPCOM" (Press release). San Jose, California: PR Web. 5 October 2007. 2012年3月29日閲覧。
  9. McDonough, Kevin (2005年6月17日). “Disney bugs out with Buzz”. Lawrence Journal-World (The World Company) 147 (168): p. 22. https://news.google.com/newspapers?id=uhlUAAAAIBAJ&sjid=uzkNAAAAIBAJ&pg=5714,5537045&dq=jessica+dicicco+buzz+on+maggie&hl=en 2012年3月29日閲覧。
  10. Ball, Ryan (2005年6月6日). “Loonatics Cast Unleashed”. Animation Magazine. 2012年3月29日閲覧。
  11. “Ladybugged (2005)”. Big Cartoon Database. 2014年7月3日閲覧。
  12. “Those Pesky Roaches (2005)”. Big Cartoon Database. 2014年7月3日閲覧。
  13. “Disney Channel's Hit "The Suite Life of Zack & Cody" and "The Buzz on Maggie" Join the Block”. ABC Medianet (2005年9月7日). 2010年5月20日閲覧。
  14. “"ABC Kids" premieres with its strongest debut since June”. ABC Medianet (2005年9月22日). 2010年5月20日閲覧。
  15. Szeles, Sean (2005年8月29日). “The Buzz on Maggie”. Sean Szeles Blog. 2010年5月20日閲覧。
  16. The Buzz on Maggie episode: "Sister Act"
  17. “33rd Annual Annie Award Nominees and Winners (2005)”. The Annie Awards. 2012年6月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年5月20日閲覧。
  18. “33rd Annual Daytime Emmy Nominees”. Emmy Online. 2010年5月20日閲覧。

外部リンク

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