ヤマホトトギス

ヤマホトトギス(山杜鵑草、学名:Tricyrtis macropoda)はユリ科ホトトギス属多年草[2][3][4][5][6]

ヤマホトトギス
山梨県南都留郡 2021年9月上旬
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 単子葉類 Monocots
: ユリ目 Liliales
: ユリ科 Liliaceae
: ホトトギス属 Tricyrtis
: ヤマホトトギス
T. macropoda
学名
Tricyrtis macropoda Miq. (1867)[1]
和名
ヤマホトトギス(山杜鵑草)[2]

特徴

地下茎は垂直に地中に伸び、節からは細いを出し、ときに横に走出枝を出す。は立ち上がり、高さは30-70cm、ときに1mに達し、斜め下向きの毛が生える。は互生し、葉身は長楕円形または楕円形で、長さ8-15cmになり、先端は短くとがる。下部の葉は両面ともに無毛で、表面に油滴状の濃い斑点がはっきりと現れ、基部は茎を抱かない。中部以上につく葉は、ふつう表面に毛があり、裏面には綿毛が密に生え、基部は茎を抱く[2][3][4][5][6]

花期は7-9月。茎先および上部の葉腋に散房花序を出し、を上向きにつける。花序には腺毛が密に生える。花は漏斗状鐘形、花被片は6個で、長さ15-20mm、白色地に紫色の斑点があり、ときに下部に黄色の斑点が出ることがある。3個の内花被片と3個の外花被片があり、内片は披針形で狭く、外片は広倒披針形で内片より幅が広く、6片ともに強く反り返る。外片の外面に腺毛が生え、基部に袋状のふくらみがあり、ふくらみの中央に溝があって2つに分かれる。雄蕊は6個で、花糸は互いに寄り添って束状に立ち、毛状突起と紫色の斑点があり、上部で反り返って先端につく葯は淡黄色で外向きつける。花柱の先は3つに分かれて球状突起があり、各枝の先はさらに2裂する。花柱と分枝に紫色の斑点がある。果実は披針形の蒴果で3稜があり、長さ約30mmになり、熟すと胞間裂開する。種子は楕円形で扁平。染色体数は2n=26[2][3][4][5][6]

葉や茎に毛があるものが普通であるが、それがないものや、花被片や花柱に紫色の斑点がほとんどないものなど、かなりの変異がある[4][5]

分布と生育環境

日本では、北海道南西部、本州(岩手県以南)、四国、九州に分布し、山地の林下に生育する。世界では、朝鮮半島に分布する[5]

名前の由来

和名ヤマホトトギスは、「山杜鵑草」の意で、山地に生えるホトトギスの意味[6]

種小名(種形容語)macropoda は、「長柄の」「太い軸の」の意味[7]

分類

同属のヤマジノホトトギス Tricyrtis affinis に似る。同種はヤマホトトギスの変種 Tricyrtis macropoda Miq. subsp. affinis (Makino) Kitam. (1966)[8]とされていたこともある[4]

ヤマジノホトトギスは茎先と葉腋に1-2個の花をつけるが、本種は茎先と上部の葉腋に散房花序をつける。また、同種は、花被片が平開して反り返らなく、花糸に紫色の斑点がないが、本種の花被片は強く反り返り、花糸に紫色の斑点がある[2][3][4][5][6]

ギャラリー

下位分類

脚注

  1. 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  2. 山溪ハンディ図鑑2 山に咲く花(増補改訂新版)』p.80
  3. 佐竹義輔 (1982)「ユリ科」『日本の野生植物 草本I 単子葉類』pp.24-25
  4. 『原色日本植物図鑑・草本編III』p.147
  5. 髙橋弘 (2015)「ユリ科ホトトギス属」『改訂新版 日本の野生植物 1』p.176
  6. 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.228
  7. 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1501
  8. ヤマジノホトトギス(シノニム) 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  9. ムテンヤマホトトギス 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  10. 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1491, p.1509
  11. ムカゴホトトギス 米倉浩司・梶田忠 (2003-)「BG Plants 和名−学名インデックス」(YList)
  12. Riku Nakamasu, Yasuhiko Inoue, Shota Sakaguchi and Hiroaki Setoguchi, A New Bulbil-Producing Variety, Tricyrtis macropoda var. bulbifera (Liliaceae) from Northwestern Kyushu Island, Japan, Acta Phytotax. Geobot. Vol.71, Issue 2, p.171–175 (2020)
  13. 『新分類 牧野日本植物図鑑』p.1486

参考文献

外部リンク

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.