一般社団法人
一般社団法人(いっぱんしゃだんほうじん、英: general incorporated association)は、「一般社団法人及び一般財団法人に関する法律(平成18年法律第48号)」に基づいて設立される社団法人である。税制上「普通型」と「非営利型」の2種類がある。 非営利型は非営利法人の代表格「NPO法人」と同等の税制優遇措置を受けることができる[1][2]。
概要
一般社団法人は2006年(平成18年)の公益法人制度改革により、従来の民法により設立される社団法人に代わって設けられた法人である。その団体名称の中に「一般社団法人」の文字を使わなくてはならない(一般社団・財団法人法5条)。
2005年以前の社団法人との違い
設立許可を必要とした2005年末以前の従来の「社団法人」とは違い、2006年度以降の「一般社団法人」は公益の有無は問われず、一定の手続き及び登記さえ経れば、主務官庁の許可を得るのではなく準則主義によって、誰でも設立することができる。また設立後も行政からの監督・指導はない[3]。
株式会社との違い
営利法人である株式会社などと同じく収益事業や共益事業なども行うことができる[4]。ただし、株式会社等と異なり、設立者に剰余金または残余財産の分配を受ける権利を与えることはできず、そのような趣旨の定款は無効となる(一般社団・財団法人法11条2項)。
非営利型一般社団法人と普通型一般社団法人の違い
一般社団法人は、上述のように「構成員に利益の分配を行わない」という意味での非営利法人ではあるが、「特定の相手に対して利益供与を行う」「解散時の残余財産の帰属先を定款で定めず、社員総会によって残余財産を社員の帰属とする[5]」などの方法により構成員が利益を得る余地が存在する。
そこで、一般社団法人は税制上「普通型」と「非営利型」の2つに区分されることとなる。非営利型法人では、「残余財産を公益目的を持つ一定の団体に帰属させること」「特定の個人又は団体に特別の利益を与えないこと」「同族経営としないこと」などいくつかの条件を満たすことを条件として、非営利法人の代表格とされる「NPO法人」と同等の税制優遇措置を受けることができる[2]。
非営利型の場合、課税対象は「収益事業から生じた所得のみ」になり、収益事業以外の会費や寄付金に対しては課税がない。一方、普通型の場合は、株式会社と同様の課税対象となる[2]。
非営利型一般社団法人のメリット・NPOとの違い
NPOと非営利型一般社団法人は似ているため、何が違うのか知られていないが下記の相違点がある。非営利型一般社団法人には下記のメリットがある。
所轄庁への報告義務免除と情報開示義務の免除
税制優遇措置は全ての一般社団法人にある訳では無いが、非営利型一般社団法人である場合はNPOと同じ優遇措置がある。NPOの場合は、毎年度所轄庁への報告義務や市民と利害関係人への情報開示制度があるが一般社団法人にはない。NPO法人の場合は、設立後も「主たる事務所」の所在する都道府県の「知事」といった所轄庁[注釈 2]への報告義務があり、その監督の下に置かれる[7][8][9]。
イメージや制度の穴を利用した犯罪や不正などの諸問題
詳しくない人には制度改革前の社団法人と混同されやすく、公益性が設立要件と誤解したり行政庁の許可が必要と誤解している人も少なくない。公益性など良いイメージを悪用し、「一般社団法人」の法人格を乱用し、脱税や公金横領、投資詐欺などの違法行為を行う事態も多く発生している[10][11][12]。
機関
一般社団法人は、その法人の意思決定をし、行為をするために機関を設ける。機関とはその法人の意思決定や行為を司る自然人や合議体のことである。一般社団法人の場合は、法律上の社員(株式会社での株主に位置する人)によって構成される社員総会と理事が設置必須の機関である。また、その他にも任意で理事会、監事、会計監査人を置くことができる。
ただし、理事会を設置する場合は、3名以上の理事と監事を必ず設置しなければならない。その他にも事業年度末の貸借対照表の負債の部の合計額が200億円以上である一般社団法人は「大規模一般社団法人」(一般社団・財団法人法2条)といい、会計監査人を必ず置かねばならない(一般社団・財団法人法62条)。
脚注
出典
- “一般社団法人とは? | 一般社団法人設立.net”. www.koueki-houjin.net. 2023年1月2日閲覧。
- “非営利型一般社団法人とは?【どこよりも分かりやすく解説】 | 一般社団法人設立.net”. www.koueki-houjin.net. 2023年1月2日閲覧。
- 一般社団法人及び一般財団法人制度Q&A - 法務省
- 公益法人制度とNPO法人制度の比較について 公益法人と特定非営利活動法人(NPO法人) - 内閣府
- 一般社団法人が解散した後の財産の行方 RSM汐留パートナーズ司法書士法人(石川宗徳)、2017年10月15日(2024年3月11日閲覧)。
- 一般社団法人の役員報酬について-公益法人制度の専門家がわかりやすく解説- 行政書士法人MOYORIC、2024年3月11日閲覧。
- “NPO法人と一般社団法人の違いとは?どちらが向いているの?”. oneteam. 2022年12月31日閲覧。
- “一般社団法人とNPO法人(特定非営利活動法人)の違い | 一般社団法人設立.net”. www.koueki-houjin.net. 2022年12月31日閲覧。
- “一般社団法人とNPO法人の違い - 東京・銀座発 一般社団法人・NPO法人設立ドットコム” (2010年1月5日). 2022年12月31日閲覧。
- 2016年「一般社団法人」の新設法人調査 - 東京商工リサーチ
- 相続税逃れに「一般社団法人」設立? 不動産の付け替えが半永久的に…政府も規制案を提出 - SankeiBiz
- 不正の温床「一般社団法人」乱立!投資詐欺や相続税脱税の隠れ蓑―情報公開少なくノーチェック - J-CASTテレビウォッチ
外部リンク
- 一般社団法人・一般財団法人とは? (PDF, 522 KB) (行政改革推進本部事務局)