久留米・鳥栖テレビ・FM放送所

久留米・鳥栖テレビ・FM放送所(くるめ・とすテレビ・エフエムほうそうじょ)は、福岡県那珂川市と佐賀県鳥栖市にまたがる九千部山に存在するテレビ、ラジオ放送などの送信所である。

この記事では、2013年に「補完局」として設置された“久留米東デジタルテレビジョン中継局”(くるめひがし-ちゅうけいきょく)についても述べる。

概要

福岡県筑後地方及び佐賀県南東部におけるテレビ放送とFM放送の基幹送信所として位置づけられている。地理的事情で、福岡都市圏でもここにアンテナを向けている世帯が多く、九州北部の広範囲の地域に住む世帯が利用する。

鳥栖市の城山による山陰となり、久留米市の一部で韓国からの到来波の影響でNHK福岡が難視聴となる地域が現れた。このため国は2012年5月に、「補完局」として“久留米東デジタルテレビジョン中継放送局”を置局させることで解決する方針を決め[1]、2012年12月NHKに予備免許を交付した[2]。

所在地

在福局・NHK
福岡県那珂川市大字五ヶ山字九千部643番地
SAGATV・FM佐賀
佐賀県鳥栖市河内町柚比字頭野国有林3イ林小班

沿革

当初は耳納山系に設置することも検討されたが、九千部山に設けた方が筑後の広い範囲をカバーできるとして、最終的に九千部山に決まった。しかし、県境地域に設けられたこともあり、放送エリアのめやすは佐賀県の一部地域にも広がった[3]。その後、佐賀県の放送局もこの九千部山に鳥栖市向け中継局を設置した(NHK佐賀はNHK福岡と共建、STS・FM佐賀は鳥栖市側に共建で設置)。

  • 1964年(昭和39年)8月31日 NHK福岡放送局と福岡のVHF民放3局(社)が、九千部山に久留米中継局を開設。
  • 1969年(昭和44年)4月1日 福岡放送久留米中継局、福岡局と同時開局。
  • 1971年(昭和46年)7月7日 サガテレビが、九千部山に鳥栖中継局を開設。
  • 1991年(平成3年)4月1日 ティー・エックス・エヌ九州(現在のTVQ九州放送)久留米中継局、福岡局・北九州中継局と同時開局。
  • 1993年(平成5年)9月1日 エフエム九州(現在のCROSS FM)久留米中継局、福岡局など4局と同時開局
  • 1997年(平成9年)4月1日 九州国際エフエム(2011年1月1日に天神エフエムに承継後、同年7月1日ラブエフエム国際放送に社名変更)福岡局、当地を親局として開局(北九州中継局同時開局)。
  • 2000年(平成15年)7月1日 エフエム佐賀鳥栖中継局開局[注 1]。
  • 2005年(平成17年)11月1日 鳥栖中継局のアナアナ変換作業開始に伴い、新チャンネル送信開始。[4]
  • 2006年(平成18年)
    • 3月29日 鳥栖中継局のアナアナ変換作業終了に伴い、旧チャンネル停波。[5]
    • 12月1日 久留米局出力3W、佐賀局出力100W(定格)で地上デジタルテレビジョン放送開始。
久留米での放送が遅れたのは、エリア調整により佐賀県での放送開始に合わせたため。

親局と中継局の区分

ここでは、親局と中継局が複雑に入り混じっている。以下に整理する。

親局

中継局

  • NHK福岡放送局 久留米テレビ中継局(NHK福岡デジタル総合・教育、アナログ総合・教育)
  • NHK福岡放送局 久留米東テレビ中継局(NHK福岡デジタル総合・教育) ※アナログ総合・教育はなし。
  • RKB毎日放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
  • 九州朝日放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
  • テレビ西日本 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
  • 福岡放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
  • TVQ九州放送 久留米テレビ中継局(デジタル、アナログ)
  • NHK佐賀放送局 鳥栖テレビ中継局(NHK佐賀アナログ総合) ※アナログ教育、デジタル総合・教育はなし。
  • サガテレビ 鳥栖テレビ中継局(アナログ) ※デジタルはなし。
  • NHK福岡放送局 久留米FM中継局
  • エフエム福岡 久留米FM中継局
  • CROSS FM 久留米FM中継局
  • エフエム佐賀 鳥栖FM中継局
  • ジャパン・モバイルキャスティング 鳥栖送信所

デジタルテレビ放送

ID放送局名呼出符号チャンネル
番号
空中線
電力
ERP偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
久留米デジタルテレビジョン中継局
1 KBC
九州朝日放送
-31ch30W300W水平偏波福岡県927,399世帯2006年
12月1日
2 NHK
福岡教育
13ch270W全国
3 NHK
福岡総合
17ch福岡県
4 RKB
RKB毎日放送
30ch300W
5 FBS
福岡放送
21ch
7 TVQ
TVQ九州放送
26ch
8 TNC
テレビ西日本
29ch
久留米東デジタルテレビジョン中継局
2 NHK
福岡教育
-50ch3W155W水平偏波全国数千世帯2013年
1月25日
3 NHK
福岡総合
46ch福岡県
佐賀デジタルテレビジョン基幹送信所(九千部山テレビジョン放送所)
1 NHK
佐賀総合
JOSP-DTV33ch100W1.75kW水平偏波佐賀県342,121世帯2006年
12月1日
2 NHK
佐賀教育
JOSD-DTV25ch1.7kW全国
3 STS
サガテレビ
JOSH-DTV44ch佐賀県

備考

  • 福岡県域の放送局は全局福岡タワー局の中継局扱い、佐賀県域の放送局は全局親局である。
  • 開始当初の空中線電力は福岡県側が3Wで、佐賀県側は10Wの予定だった。放送区域内世帯数は福岡県側が349,874世帯で、佐賀県側が210,086世帯。

アナログテレビ放送

チャンネル
番号
放送局名空中線電力
(映像 / 音声)
ERP
(映像 / 音声)
偏波面放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
久留米テレビジョン中継局
14[12] TVQ
TVQ九州放送
300W[13][14] / 75W4kW / 1kW水平偏波福岡県-1991年
4月1日
46[13] NHK
福岡総合
3.9kW / 970W福岡県1964年
8月31日
48 RKB
RKB毎日放送
4.1kW / 1kW福岡県
52[15] FBS
福岡放送
1969年
4月1日
54[13] NHK
福岡教育
3.9kW / 970W全国1964年
8月31日
57[16] KBC
九州朝日放送
4.1kW / 1kW福岡県
60 TNC
テレビ西日本
鳥栖テレビジョン中継局
(数字)はアナアナ変換前のもの
23(28)[4] STS
サガテレビ
30W / 7.5W670W / 165W水平偏波佐賀県約46,800世帯1971年
7月7日
62(26)[4] NHK
佐賀総合
1971年
6月11日

備考

FMラジオ放送

周波数
(MHz)
放送局名呼出符号など空中線
電力
実効輻射電力放送対象地域放送区域
内世帯数
運用開始日
76.1[17] LOVE FM
福岡局
JOFW-FM[17]1kW[17]1.85kW[17]福岡市を中心として
同一の放送番組を
同時に受信できることが
相当と認められる区域
として総務大臣が別に
定める区域[18]
1,323,963世帯1997年
4月1日
79.7[19] エフエム佐賀(鳥栖中継局)20W[19]100W[19]佐賀県-2003年
7月1日
82.1[20] FM FUKUOKA(久留米中継局)30W
[20][21][22]
140W
[20][21][22]
福岡県1973年
12月24日
83.4[21] NHK
福岡FM
1970年
11月1日
86.5[22] CROSS FM1993年
9月1日
90.2[23] KBC
九州朝日放送
(KBC福岡FM)[23]1kW
[23][24]
3kW
[23][24]
1,262,824世帯
(申請による)[23][24]
2016年
3月28日[23][24]
91.0[24] RKB
RKB毎日放送
(RKB福岡FM)[24]
92.1[11] NBC
長崎放送
(NBC鳥栖FM補完中継局)[11]20W[11]110W[11]長崎県・佐賀県[25]-2020年
8月1日[11]

備考

  • LOVE FMの放送対象地域は放送法令により「外国語放送実施地域」として定められた都市であり[26]、福岡局では福岡市、久留米市、大牟田市及び佐賀市が該当する(いずれも平成の大合併以前の市域に限られる)[27]。

マルチメディア放送

周波数放送局名空中線
電力
ERP放送区域放送区域
内世帯数
214.714286MHz Jモバ
鳥栖MMH
7.5kW[28]37kW[28]佐賀県、福岡県の各一部約-世帯

備考

送信所配置等について

アナログテレビ・FM放送

  • NHKは久留米中継局全波と佐賀アナログテレビの鳥栖中継局を同じ場所(那珂川市)から送信。TVQ・CROSS FMとLOVE FMはNHKの設備を間借りしている(TVQの鉄塔は別)。
  • RKB・KBCとTNCはアナログは共同建設(那珂川市側)、FBSも後からこの施設を利用。
    • なお、1985年頃に鉄塔、局舎を建て替えている。
  • FM FUKUOKAは親会社でもある九州電力の業務用無線基地から送信。
  • stsアナログは単独で(鳥栖市内側)、FM佐賀はstsの設備を間借り。
  • アナログテレビ放送が終了した2011年7月25日午前0時以降は、NHK-FM・CROSS FM・LOVE FMの共用となった。

デジタルテレビ放送

  • 久留米中継局とNHK佐賀親局は、那珂川市側のNHK鉄塔の旧・アナログテレビ送信アンテナ上部に、デジタルテレビ送信アンテナを全局共同で設置。従って、佐賀県域のテレビ親局が福岡県に設置される形となった。
    • 配置は上部よりNHK佐賀デジタル、NHK福岡・在福民放デジタル。NHK福岡・在福民放は旧・アナログ同様、デジタルも福岡方面にも送信アンテナを設置。
    • 局舎はNHKが久留米・佐賀共同。在福民放は5局共同でRKB・KBC・TNC・FBSの旧・アナログ局舎の北側に建設。
  • stsは鳥栖中継局の鉄塔上部にデジタルテレビ送信アンテナを設置。

脚注

注釈

  1. 鳥栖中継局が来月1日開局 - 佐賀新聞、2000年(平成12年)6月21日

出典

  1. “デジタル混信の発生地域に対する対策計画(地区別)” (PDF). 総務省九州総合通信局. p. 1 (2012年5月14日). 2016年3月8日閲覧。
  2. 『久留米東デジタルテレビジョン中継局(補間局)の予備免許について -平成25年1月に試験放送開始予定-』(プレスリリース)総務省九州総合通信局、2012年12月7日。https://www.soumu.go.jp/soutsu/kyushu/press/121207-2-0.html。2012年12月7日閲覧。
  3. 放送エリアのめやす(久留米局 A-PAB)
  4. 『アナログ周波数変更対策一覧(佐賀県)』(プレスリリース)総務省九州総合通信局、2006年10月15日。 オリジナルの2007年8月8日時点におけるアーカイブ。https://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/258151/www.kbt.go.jp/map/ch41_changelist.htm。2022年12月18日閲覧。
  5. 『放送チャンネルの移行(現用波の停波)について』(プレスリリース)総務省九州総合通信局、2006年3月22日。 オリジナルの2006年11月2日時点におけるアーカイブ。https://web.archive.org/web/20061102160342/http://www.kbt.go.jp/digitaltv/teiha/060322teiha.html。
  6. “開局済みのデジタル親局、及びデジタル中継局一覧”. 総務省九州総合通信局. 2016年3月8日閲覧。
  7. 鳥栖送信所の無線局予備免許を取得(ジャパン・モバイルキャスティング 2014年7月17日)
  8. ワイドFM(RKBラジオ) 2016年3月8日閲覧
  9. ワイドFM(九州朝日放送)2016年3月8日閲覧
  10. ホームページ閉鎖のお知らせ Archived 2016年7月1日, at the Wayback Machine.
  11. 佐賀県鳥栖地区で長崎放送のFM補完放送が聴取可能に(総務省|九州総合通信局) 2020年7月18日閲覧
  12. TVQ会社概要(2004年6月22日現在のアーカイブ)(オリジナルURL
  13. NHK福岡放送局受信情報(2009年2月25日現在のアーカイブ)(オリジナルURL)
  14. 放送用周波数使用計画(2009年7月22日現在のアーカイブ)
  15. FBS福岡放送会社情報(2005年3月5日現在のアーカイブ)(オリジナルURL
  16. 九州朝日放送インフォメーション(2006年1月13日現在のアーカイブ)(オリジナルURL)
  17. 無線局免許状等情報(総務省)
  18. 基幹放送用周波数使用計画
  19. 無線局免許状等情報(総務省)
  20. 無線局免許状等情報(総務省)
  21. 無線局免許状等情報(総務省)
  22. 無線局免許状等情報(総務省)
  23. KBC中継局(放送)の概要(総務省) (PDF)
  24. RKB中継局(放送)の概要(総務省) (PDF)
  25. 基幹放送普及計画 昭和63年10月01日 郵政省告示第660号(総務省電波利用ホームページ)2020年7月18日閲覧
  26. 基幹放送普及計画(総務省)
  27. 放送普及基本計画第2の2の(1)のウの規定による一般放送事業者の行う超短波放送のうちの外国語放送を行う放送局の放送対象地域
  28. 無線局免許状等情報(鳥栖送信所)(総務省 電波利用ホームページ 2014年12月1日閲覧)

関連項目

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