五行 (文献)
『五行』(ごこう[1]、ごぎょう、拼音: )または『五行篇』は、中国戦国時代の子思学派の文献。長らく散佚していたが、馬王堆漢墓(紀元前168年埋葬、1973年発見)と郭店楚墓(紀元前300年頃埋葬、1993年発見)から発見された。
概要
2つの版の関係については議論が続いている[2]。馬王堆は帛書(馬王堆帛書)だったのに対し、郭店は竹簡(郭店楚簡)だった。「経」(本文)と「説」(本文の注釈・解説)からなる構成は双方とも共通している[3]。この「経・説」は伝世文献の墨弁などにも見られる。
本書のいう「五行」は「木火土金水」の五行説ではなく、「五常」に近い「仁義礼智聖」を指すが、五行説との関連を指摘する学者もいる[4][5]。儒家の『中庸』『大学』(『礼記』の篇)などと関連する内容であるが、馬王堆帛書では『老子』甲本と同じ巻に記されている[6]。
伝世文献においては、『荀子』非十二子篇で、荀子が敵対する思孟学派(子思と孟子の学派)を非難する際に、「五行」説という邪説をといた学派として非難している[4]。この箇所では「五行」説の内容が説明されておらず、長らく謎の学説だったが、『五行』が発見されると解明が進み、龐樸や杜維明ら多くの学者に注目された[4]。
参考文献
- Mark Csikszentmihalyi, Material Virtue: Ethics and the Body in Early China. 2005.
- Kenneth Holloway, "The Five Aspects of Conduct" 五行: Introduction and Translation. Journal of the Royal Asiatic Society, Third Series, Vol. 15, No. 2 (Jul. 2005), pp. 179-198.
- 近藤浩之; 西信康「先秦~秦漢代 (特集 学界時評)」『中国研究集刊』第56号、大阪大学中国学会、2013年。doi:10.18910/58716。
関連文献
脚注
- 朱淵清 著、高木智見 訳『中国出土文献の世界』創文社、2006年。ISBN 978-4423450062。230頁。
- 苟東鋒. 郭店楚簡《五行》釈義(2011年)
- Holloway, 185.
- 近藤 & 西 2013, p. 9-12.
- 武田時昌『術数学の思考 交叉する科学と占術』臨川書店、2018年、38;42頁。ISBN 9784653043751。(木火土金水の五行説が形成される「思想的基盤」の一つとして)
- 李学勤「帛書《五行》与《尚書・洪範》」
This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.