指定交流競走

指定交流競走(していこうりゅうきょうそう)とは、

また地方競馬において、他地区に所属する競走馬が出走できる競走を全国交流競走もしくは(地区)交流競走という場合もある。

地方競馬で行われる指定交流競走

2010年現在、地方競馬において中央競馬に所属する競走馬が出走できる競走には、出走資格において中央競馬における番組賞金や収得賞金の額(日本の競馬の競走体系を参照)や所属クラスによる制限がない競走とある競走の2つに分けられる。前者(制限のない競走)はオープンクラスと呼ばれ2010年現在はすべて重賞競走であり、日本グレード格付け管理委員会による格付けが行われているダートグレード競走である。

後者の制限がある競走においては、「中央競馬交流」「条件交流競走」などの名称が付与されている(地区により呼び方が異なる)。中央競馬では「地方競馬指定交流競走」と呼ぶ。制限のある競走はおもに中央競馬に所属する3歳未勝利と地元地区の3歳の条件馬の競走、ならびに中央3歳以上(時期によっては4歳以上)の1勝クラス(旧・500万円以下)条件馬と地元地区の条件馬の競走である。また中央3歳以上の2勝クラス(旧・1000万円以下)条件馬と地方の高級条件馬の競走も少数存在し、一部は重賞や準重賞となっている。過去1回のみであるが、水沢競馬の1995年のフレンドリーカップ(重賞)で当時の1500万下(今の3勝クラス)との交流競走が行われたことがある。この時は岩手のトウケイニセイが優勝し、1~3着までを岩手の馬が独占した。なお、これらの競走は霧島賞などの一部例外を除き中央競馬と主催地区に所属する競走馬のみで行われ他地区の競走馬は出走不可能である。多くの場合、出走可能頭数は中央競馬と主催地区で半分ずつである。JRA所属馬に出走枠が与えられる代わりにJRAが「交流競走協力金」の名目で賞金の一部を負担している[2]

地方競馬への間接的な支援、魅力ある番組提供、競走馬の資質向上、また中央競馬では3歳未勝利や500万円以下など下級条件での投票除外が相次いでおり、それらの解消を図る目的も兼ねて1994年から行われている。2003年からは中央3歳未勝利馬との交流戦1着馬も「JRA認定競走馬[注 1]として扱われるようになったが、2013年からそのような扱いはなくなった。

地元所属馬が5着以内に入着した場合は各競馬場の定めた賞金が給付されるが、中央競馬所属馬が入着した場合には賞金および中央競馬が定める金額との差額が給付される。中央競馬所属馬が優勝した場合、3歳未勝利の賞金は450万円、1勝クラスの場合は650万円、2勝クラスの場合は800万円となる。同じ競走でも競走馬の生産地により賞金および補助金が異なる競走が存在するが、競走馬の所属により賞金および補助金が異なる競走は世界的にもほとんど例がないとされる[3]

このため中央競馬所属馬の騎乗依頼を受けた地元騎手は中央競馬の関係者の目の前で実力を見せようと、また地元としては非常に高額な賞金[注 2]に張り切り思わぬ高配当が生まれる原因にもなっている。一方、この競走に騎乗する中央競馬所属騎手は地区で定められた騎乗数の制限の中で当日行われる競走に騎乗可能である。この制度を利用して、一部の騎手が当日の他の競走に騎乗している。試走を兼ねて一レースだけ騎乗馬を用意してもらうケースが多いが、地方出身の騎手はトップ騎手だった腕を頼って多数の騎乗がある場合も多い。また、当日の地方競馬の重賞への騎乗のケースも多く、エーデルワイス賞ホッカイドウ競馬所属のオノユウで優勝した武豊などの例もある。

一例として、2013年12月5日に園田競馬場で施行された指定交流競走「円山川特別」(当日の第9競走)には、中井裕二和田竜二田中健酒井学岩田康誠松山弘平の6名が中央競馬所属馬に騎乗するため遠征した(騎手名は着順に準ずる)[4]。このうち、松山は第7競走[5]、第8競走[6]の2鞍にエキストラ騎乗があり、これは前述の「試走」のパターンに分類される。一方、和田・岩田は第10競走に組まれた重賞・園田金盃[7]に騎乗したが、これは「当日の地方競馬の重賞への騎乗」事例に該当する。

ちなみに、中央所属女性騎手のうち、園田競馬場が実家でもある永島まなみは指定交流競走を滅法得意としており、2023年(令和5年)2月時点で中央30勝に加えて地方で9勝を挙げている。

各地の名称(由来)

表中の太字は開催地における準重賞・重賞を、出走条件の「○勝C」は「○勝クラス」を、斜字九州産馬限定を示す。

重賞競走へのトライアル競走として施行される交流競走のうち、*川崎マイラーズの優先出走権は南関東所属馬のみ付与対象。**たんぽぽ賞・霧島賞の優先出走権はJRA・地方いずれの所属馬も付与対象。

賞金額は2021年度現在。

競馬場・地域JRAの競走条件開催地所属馬の出走条件名称賞金
ホッカイドウ3歳未勝利3歳(古馬C1級格付)星座、公園60万円
3歳以上1勝CA2級星座、川80万円
岩手3歳未勝利3歳フレンドリートロフィー(天然石)賞100万円
3歳以上1勝CB1級フレンドリーカップ(星座)賞
3歳以上2勝CA級1組東京カップけやき賞250万円
大井3歳未勝利3歳未格付フォーチュネイト(花)特別280万円
3歳以上1勝CB2級B3級アーバンステージ(旧暦、異称)賞430万円
3歳以上2勝CA2級B1級メトロポリタン(英語月名)カップ800万円
川崎3歳未勝利3歳未格付(英語月名、誕生石)フラワー賞250万円
3歳以上1勝CB2級B3級(英語月名、誕生石)スター賞400万円
3歳以上2勝CA2級B1級スパーキングマイラーズチャレンジ
川崎マイラーズトライアル*)
800万円
船橋3歳未勝利3歳未格付ナイス、ベスト(英語馬具)特別250万円
3歳以上1勝CB2級B3級ファンシー、ファビィ、フェイスフル(英語馬具)特別400万円
浦和3歳未勝利3歳未格付ツイン○○特別250万円
3歳以上1勝CB2級B3級マルチ○○特別400万円
笠松3歳未勝利3歳2組50万円
3歳以上1勝CA級3組旧暦、川60万円
名古屋3歳未勝利3歳2組名古屋チャレンジカップ(フルーツ、古神など)賞60万円
3歳以上1勝CA級3組80万円
金沢3歳未勝利3歳A級2組地名・建物名85万円
3歳以上1勝CA2級B1級
兵庫3歳未勝利3歳○○山特別150万円
3歳以上1勝C920ポイント以下○○川特別200万円
高知3歳未勝利3歳(未格付/古馬C3級格付)○○盃140万円
3歳以上1勝C未施行
3歳以上2勝CA級2組○○盃300万円
佐賀2歳未勝利2歳未格付ミヤマキリシマ特別・ノカイドウ特別
(たんぽぽ賞トライアル**)
300万円
3歳未勝利3歳未格付○○カップ60万円
3歳1勝C3歳・地方競馬全国たんぽぽ賞700万円
3歳以上1勝C未施行
3歳以上1勝C3歳以上えびの特別・大隅特別
(霧島賞トライアル**)
500万円
3歳以上2勝C3歳以上・地方競馬全国霧島賞800万円

脚注

注釈

  1. JRA2歳認定競走と同じく中央競馬の特別指定交流競走に出走可能となるが、中央競馬への移籍については優遇はない。
  2. 佐賀競馬の霧島賞は、ダートグレード競走を除くと当地の重賞の最高賞金である。また、岩手・高知では地元OPクラスよりも高く、他も同クラスの一般レースよりは高額に設定されている。

出典

参考文献

  • 池田和幸『勝ち馬がわかる競馬の教科書』池田書店、2010年。ISBN 978-4-262-14465-8。

関連項目

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