伊号第三百六十六潜水艦

伊号第三百六十六潜水艦(いごうだいさんびゃくろくじゅうろくせんすいかん)は、大日本帝国海軍の潜水艦。伊三百六十一型潜水艦の6番艦。回天攻撃隊に参加、戦後海没処分。以下、日本海軍の潜水艦名は「伊366潜」等と略記する。

艦歴
計画昭和18年度計画(改⑤計画)
起工1943年8月26日
進水1944年3月29日
就役1944年8月3日
その後1946年4月1日海没処分
除籍1945年11月30日
性能諸元
排水量基準1,440t、常備1,779t
水中2,215t
全長73.50m
全幅8.90m
吃水4.76m
機関艦本式23号乙8型ディーゼル2基2軸
水上:1,850馬力
水中:1,200馬力
速力水上:13.0kt
水中:6.5kt
航続距離水上:10ktで5,000海里
水中:3ktで120海里
燃料重油:282トン
乗員55名
兵装40口径14cm単装砲1門
25mm単装機銃2挺
53cm魚雷発射管 艦首2門、魚雷2本
備考安全潜航深度:75m
物資搭載量:艦内65トン、艦外20トン[1]

艦歴

1942年の改⑤計画第5466号艦[2]。1943年8月26日、三菱重工業神戸造船所にて起工[2]。1944年3月29日に進水[2]。同年8月3日、竣工[3]。横須賀鎮守府籍。同日、第十一潜水戦隊に編入[3]。

10月2日、第七潜水戦隊に編入[4]。

12月3日、横須賀を発し、パガン島への輸送任務に従事[4]。パガン島への航海中、人為的ミスにより安全潜航深度75mを超える89mまで沈下するという出来事があった[5]。12月14日にパガン島への揚陸を行い、12月28日に横須賀に帰投[4]。揚陸物件は糧食および弾薬で、計51トン[6]。復路ではサイパン島攻撃作戦に参加した第二五二海軍航空隊や第二独立飛行隊の人員など49名を乗せた[7]。この便乗者の内、横須賀への航海中に6名が死亡した[8]。

帰投後、13号電探を搭載し、また艦内の温度上昇低減を目的とした白熱電球の蛍光灯への交換などもなされた[9]。

1945年1月29日(または1月30日[10])、横須賀を発し[11]、トラック、メレヨンへ輸送任務に従事[12]。2月12日にトラックに着き、医薬品、弾薬、彩雲の部品など20トンを揚陸[13]。2月13日、トラック発[13]。2月16日にメレヨンに着き、糧食、燃料などを揚陸[11]。メレヨンでは42名を収容したが、メレヨンを離れた後に名簿に載っていないもの1名の乗艦が発覚[14]。逃亡罪ともなりうる案件であったが、名簿に追記して不問に付すという処置がなされた[14]。3月3日、横須賀に帰投[11]。

その後、回天搭載艦への改装が行われ、第十五潜水隊に編入された[15]。

5月3日、「伊366潜」と「伊367潜」で回天特別攻撃隊振武隊を編成[16]。5月6日、「伊366潜」は回天を搭載して光基地沖で潜航試験中に触雷[16]。電池に被害が生じた[17]。

6月22日、呉海軍工廠で入渠中に空襲にあうが、「伊366潜」に被害はなかった[18]。7月2-3日の空襲では陸上で乗員1名が死亡した[19]。

「伊366潜」は回天特別攻撃隊多聞隊に加わり、回天5基を搭載して8月1日に光基地を出撃[19]。沖縄・ウルシー間へ向かう[20]。8月11日、パラオ北方500浬で、発見した敵艦に対して回天3基(2基は不具合発生のため発進断念)を発進させ、爆発音3つを確認したが、アメリカ側に該当する記録はない[21]。終戦により、8月18日に呉に帰投[22]。

11月30日、除籍。

1946年4月1日、五島沖で海没処分。

歴代艦長

※『艦長たちの軍艦史』445頁による。

艦長

  1. 正田啓治 少佐:1944年8月3日 -
  2. 時岡隆美 大尉:1945年1月5日 -

注釈

    脚注

    1. 数値は『写真 日本の軍艦』の解説より。『艦長たちの軍艦史』によると伊361型の搭載量は艦内65トン、艦外40トンで合計105トン
    2. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、102ページ
    3. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、105ページ
    4. 戦史叢書第98巻 潜水艦史、381ページ
    5. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、109ページ
    6. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、110ページ
    7. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、106-108、110-111ページ
    8. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、112ページ
    9. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、114ページ
    10. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、114、116ページ
    11. 戦史叢書第98巻 潜水艦史、382ページ
    12. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、116ページ
    13. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、118ページ
    14. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、120ページ
    15. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、122ページ
    16. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、126ページ
    17. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、126-127ページ
    18. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、127-128ページ
    19. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、129ページ
    20. 戦史叢書第98巻 潜水艦史、431ページ
    21. 戦史叢書第98巻 潜水艦史、431ページ、輸送潜水艦伊号第361型列伝、130-131ページ
    22. 輸送潜水艦伊号第361型列伝、131ページ

    参考文献

    • 雑誌「丸」編集部『写真 日本の軍艦 第12巻 潜水艦』光人社、1990年。ISBN 4-7698-0462-8
    • 外山操『艦長たちの軍艦史』光人社、2005年。ISBN 4-7698-1246-9
    • 福井静夫『写真日本海軍全艦艇史』ベストセラーズ、1994年。ISBN 4-584-17054-1
    • 防衛庁防衛研修所戦史室『戦史叢書第98巻 潜水艦史』朝雲新聞社
    • 吉野泰貴『輸送潜水艦伊号第361型列伝 命を繋いだ12隻の航跡』大日本絵画、2020年、ISBN 978-4-499-23303-3


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