岡崎警察署

岡崎警察署(おかざきけいさつしょ)は、愛知県警察が管轄する警察署の一つである。大規模警察署であり、署長は警視正

愛知県岡崎警察署
都道府県警察 愛知県警察
管轄区域 岡崎市、額田郡幸田町
課数 7
交番数 15
駐在所数 16
所在地 444-0864
愛知県岡崎市明大寺町字銭堤4-1
位置 北緯34度56分28.73秒 東経137度9分46.83秒
外部リンク 岡崎警察署

所在地

管轄区域

沿革

  • 1948年(昭和23年)3月7日 - 従前の愛知県警察部と旧岡崎警察署が解体。自治体警察として、岡崎市警察、矢作町警察、福岡町警察、岩津町警察が発足。周辺町村は国家地方警察額田地区警察署と碧海地区警察署の管轄になる。
  • 1951年(昭和26年) - 矢作町警察、福岡町警察、岩津町警察を廃止し、国家地方警察額田地区警察署と碧海地区警察署の管轄とする。
  • 1954年(昭和29年) - 新警察法公布で、愛知県警察が発足。自治体警察の岡崎市警察と国家地方警察額田地区警察署の管轄地をもって発足。
  • 1964年 (昭和39年) - 現庁舎が竣工。
  • 2019年(平成31年)1月1日 - 大村秀章知事が岡崎警察署の新築建て替えを進める考えを明らかにした[1]。西三河地域の災害活動の拠点として整備するために、針崎町の岡崎駅南土地区画整理事業生活支援ゾーンC街区(約3ヘクタール)への移転が計画されていることが同年3月に明らかとされた[2][3]
  • 2022年(令和4年)
    • 3月25日 - 島崎浩志が署長に就任。
    • 11月 - 岡崎警察署の新庁舎の建設工事が着工。新庁舎は鉄骨5階建てで延べ床面積は7581.85平方メートル。針崎町の約1万平方メートルの敷地内には車庫射撃場棟も建てられる予定。総工費は土地取得費用を含めて約64億円[4]
    • 12月4日 - 留置中の43歳の男性が死亡。幹部を含む複数の署員による暴行の疑いや不明確な死亡原因など多くの問題点が指摘されている(後述[5][6][7]
  • 2023年(令和5年)12月1日、県警は、留置中の男性死亡事件にからみ、過去最多となる計27人の処分をした。署長と留置主任官の警部は同日付で依願退職した[8]

不祥事

特別公務員暴行陵虐の容疑

2022年11月25日、岡崎警察署の署員は43歳の男性を公務執行妨害容疑で逮捕した[6]。当該男性は6年前の交通事故がきっかけで統合失調症にかかっていた。この日帰り道が分からなくなり道を尋ねたところ、様子がおかしかったとの理由により通報され、駆けつけた署員に棒を振り回したとされる[9]。留置場で暴れたため男性は「保護室」に移され、ベルト手錠や捕縄といった「戒具」で身体を拘束された。

同年12月4日午前4時35分ごろ、男性は留置保護室で息をしていない状態で見つかり、搬送先の病院で約1時間後に死亡が確認された。12月16日、愛知県警は特別公務員暴行陵虐容疑で岡崎警察署を家宅捜索し、署内の監視カメラの撮影データの記録媒体など約40点を押収した。12月17日、岡崎警察署とは別の警察署で、男性の父親と県警本部留置管理課長ら4人が面会。県警側は弔意を伝えたが、謝罪の言葉はなかった。面会後、父親は取材に応じ「警察は非を認め、息子に謝ってほしい」と怒りをあらわにした[10]。岡崎警察署の対応について下記の問題点が指摘されている。

  • 男性は延べ140時間以上、保護室に手錠などで身体を拘束されていた[11]刑事収容施設法は、留置保護室への収容は72時間以内とし、継続が必要な場合は刑事施設の長(警察署長)が48時間ごとに更新すると定めているが、延長に必要な手続きを怠っていたとされる[12]
  • 署員は男性の身体拘束期間中、保護室内を写したカメラ映像を確認するにとどめ、対面で監視するよう定めた県警の内規に違反していた[13]
  • 男性は統合失調症で障害者2級手帳を持っており、糖尿病を患ってた[11][6]。男性の父親は「暴れ出したら止まらないので、医者が、鎮痛の薬を打って病院に入れないとだめだと言っている」と警察に訴えたが、聞き届けられなかった[6]。留置期間中、糖尿病の薬は与えられなかった[14]
  • 幹部ら複数の署員が横たわっていた男性を足で蹴るなどの行為をした[14][15][7]
  • 男性は裸の状態で保護室に隔離されていた[16][11]
  • 男性は和式トイレに仰向けで、後頭部が水に浸かった状態で放置されていた。署員はその状態で水を流した[17][15]
  • 署員は弁当を出す際、中身をふたにひっくり返して提供し、床にこぼれた水を飲むよう指示した[18]
  • 男性は5日間にわたって食事を取っていなかった[19]。にもかかわらず岡崎警察署は食事に代わる医療措置を講じなかった[16]
  • 男性はヘルプマークを所持していたが、署員は取り合わなかったか、または見過ごした[20]
  • 岡崎警察署は午前4時35分に男性が息をしていないのを発見するが、119番したのは、それから12分後の4時47分だった[21]
  • 愛知県警は死因を「腎不全」と発表。ところが死亡診断書の「直接死因」の欄には「脱水症」と記載されていた。隠蔽の疑いが指摘されている[6]
  • 逮捕後、男性の父親は連絡が取れないとして行方不明届を出していた。岡崎警察署は男性の身柄をとっていたことを父親にはすぐには知らせず、逮捕から3日後の11月28日に電話で男性の所在を伝えた[9]

2023年12月1日、愛知県警は、留置主任官の警部ら当時の署員9人を業務上過失致死や特別公務員暴行陵虐などの疑いで書類送検した。また同日、県警は、島崎浩志署長を減給100分の10(3か月)、警部を停職3カ月の懲戒にするなど、県警過去最多となる計27人の処分をした。島崎署長と警部は同日付で依願退職した[8]

同年12月7日、愛知県警は、男性の父親に新城警察署で約2時間にわたり捜査結果を説明し、謝罪した。県警との面会後、男性の父親は記者会見し、「説明を受けたが、理解も納得もできない。警察が息子を殺したと思っている」と述べた[20]

2024年2月28日、名古屋区検は元警部を業務上過失致死罪で略式起訴した。特別公務員暴行陵虐と虚偽有印公文書作成の疑いについては不起訴となった[22]。名古屋簡裁は29日付で元警部に罰金80万円の略式命令を出した[23]

なお、男性は2016年に交通事故に遭い、その後遺障害として統合失調症を発症。社会復帰の為に就労支援施設に通い、社会福祉法人からの支援を受けて2021年5月から工場で働くようになり、2022年10月に1人暮らしを始めた矢先だった[24]

幹部交番

なし

交番・駐在所

( )の中は所在地
交番
駐在所
  • 宮崎駐在所(岡崎市宮崎町字清水沢西)
  • 奥殿駐在所(岡崎市奥殿町字屋敷前)
  • 米河内駐在所(岡崎市米河内町字本坂)
  • 保久駐在所(岡崎市保久町字中村)
  • 桜形駐在所(岡崎市桜形町字中門)
  • 樫山駐在所(岡崎市樫山町字市場)
  • 本宿駐在所(岡崎市本宿茜2丁目)
  • 舞木駐在所(岡崎市舞木町字山中町)
  • 桑谷駐在所(岡崎市桑谷町字石丸)
  • 上地駐在所(岡崎市上地町字宮脇)
  • 福岡駐在所(岡崎市福岡町字西市仲)
  • 茅原沢駐在所(岡崎市茅原沢町字新井)
  • 藤川駐在所(岡崎市藤川町字中町北)
  • 坂崎駐在所(額田郡幸田町大字坂崎
  • 深溝駐在所(額田郡幸田町大字深溝
  • 野場駐在所(額田郡幸田町大字野場)

廃止された交番・駐在所

脚注

  1. “岡崎署を建て替えへ 新年交礼会で大村知事が考え示す”. 東海愛知新聞. (2019年1月5日). http://www.fmokazaki.jp/tokai/190105.php 2020年2月13日閲覧。
  2. 愛知県議会会議録 平成31年2月定例会(第7号) 2019-03-11。
  3. 「岩津交番の充実」!”. 愛知県岡崎市議会議員 太田としあき (2019年8月10日). 2020年1月5日閲覧。
  4. 犬塚誠 (2023年10月18日). 24年11月に供用開始 岡崎署新庁舎 藤田医大南側 駐車場93台分”. 東海愛知新聞. 2023年12月7日閲覧。
  5. 森田采花 (2022年12月13日). 複数警察官、留置の男性を暴行か 身体拘束、後に死亡 愛知県警”. 毎日新聞. 2022年12月13日閲覧。
  6. 「息子が殺された。人間扱いじゃない」父親が警察への憤りをあらわに 愛知・岡崎警察署で勾留中の男性死亡 連続100時間以上の拘束に“暴行”の疑いも・・・【news23】”. TBS NEWS DIG. TBSテレビ (2022年12月14日). 2022年12月14日閲覧。
  7. 警察署幹部も暴行か…勾留中に死亡の男性 頭が便器に入った状態で水流した疑いも 父親「動物以下の扱い」”. FNNプライムオンライン (2022年12月16日). 2022年12月16日閲覧。
  8. 奈良美里、国方萌乃 (2023年12月1日). 勾留中の死亡巡り愛知・岡崎署員ら9人書類送検 署長ら27人を処分”. 朝日新聞. 2023年12月1日閲覧。
  9. 熊谷佐和子 (2022年12月16日). 「動物以下の扱いだ」 愛知・勾留死の遺族憤り 県警から謝罪なく”. 毎日新聞. 2022年12月16日閲覧。
  10. 熊谷佐和子、森田采花 (2022-12-). 岡崎署勾留死「非を認め謝って」 遺族、県警に映像の開示要求”. 毎日新聞. 2022年12月17日閲覧。
  11. 森田采花、熊谷佐和子 (2022年12月14日). 身体拘束140時間以上 手足をしばり 愛知・岡崎署で勾留中死亡”. 毎日新聞. 2022年12月14日閲覧。
  12. 留置場で男性死亡 延べ100時間以上拘束か 愛知 岡崎警察署”. NHK (2022年12月13日). 2022年12月13日閲覧。
  13. 【独自】「対面監視せず」拘束具使用時の内規違反 岡崎署の男性死亡”. 中日新聞 (2022年12月23日). 2022年12月23日閲覧。
  14. 警察署で勾留中の男性が死亡 持病の薬は与えられず 署員から暴行を受けた疑いも 愛知”. TBS NEWS DIG. TBSテレビ (2022年12月13日). 2022年12月13日閲覧。
  15. 和式トイレの水に頭浸かったまま放置か 愛知県警 岡崎警察署で勾留されていた43歳男性が死亡した問題”. TBS NEWS DIG. TBSテレビ (2022年12月16日). 2022年12月16日閲覧。
  16. 勾留で死亡男性、3日食事取らず 医療措置講じず、裸で隔離”. 共同通信 (2022年12月13日). 2022年12月13日閲覧。
  17. 便器に頭部、水流した疑い 愛知の勾留男性死亡、いたずらか”. 共同通信 (2022年12月15日). 2022年12月16日閲覧。
  18. 岡崎警察署で弁当を裏返して提供か 勾留男性死亡問題”. 名古屋テレビ (2022年12月26日). 2022年12月27日閲覧。
  19. 愛知・岡崎警察署の留置場で男性死亡 2度医療措置求める”. NHK (2022年12月15日). 2022年12月16日閲覧。
  20. 森田采花、熊谷佐和子 (2023年12月7日). 「警察が息子殺した」 父親、モニター越し診察に不信感 愛知勾留死”. 毎日新聞. 2023年12月7日閲覧。
  21. 【独自】岡崎署の勾留死、119番まで12分 県警は戒具などを押収”. 中日新聞 (2022年12月27日). 2022年12月27日閲覧。
  22. “業過致死罪で元警部略式起訴 岡崎署員ら8人は不起訴―留置場死亡・名古屋区検など”. 時事通信. (2024年2月28日). https://www.jiji.com/amp/article?k=2024022800578 2024年2月28日閲覧。
  23. “岡崎署の勾留死、元警部に罰金80万円 遺族は民事で責任追及へ”. 朝日新聞. (2024年3月5日). https://www.asahi.com/sp/articles/ASS356F00S35OIPE014.html 2024年3月5日閲覧。
  24. 「動物以下の扱いだ」 愛知・勾留死の遺族憤り 県警から謝罪なく 毎日新聞 2022/12/16 21:03(最終更新 12/18 02:56)”. 毎日新聞. 2024年4月11日閲覧。
  25. 大山智也 (2017年8月31日). “明大寺交番“移動中” 岡崎 駅前整備で曳家工事”. 東海愛知新聞. http://www.fmokazaki.jp/tokai/170831.html 2020年2月13日閲覧。
  26. 竹内雅紀 (2020年2月6日). “安全安心なまちへ 岡崎署管内 井田、美川両交番開所式”. 東海愛知新聞. http://www.fmokazaki.jp/tokai/200206.php 2020年2月13日閲覧。
  27. 「鴨田と大平の交番を廃止します」市政だより OKAZAKI 2015年(平成27年)4月1日

外部リンク

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