弘南鉄道

弘南鉄道株式会社(こうなんてつどう)は、青森県弘前市を中心として弘南線大鰐線の2つの鉄道路線を運営する日本鉄道会社である。本社所在地は青森県平川市本町北柳田23番地5号。

弘南鉄道株式会社
Konan Railway Corporation[1]
本社が入居する平賀農協会館
本社が入居する平賀農協会館
種類 株式会社
市場情報 非上場
本社所在地 日本の旗 日本
036-0103
青森県平川市本町北柳田23番地5号
設立 1926年3月
業種 陸運業
法人番号 8420001010056
事業内容 鉄道事業他
代表者 代表取締役 成田 敏
資本金 1億7500万円
(2018年3月31日現在[2]
売上高 3億9265万7000円
(2018年3月期[2]
営業利益 △3071万8000円
(2018年3月期[2]
純利益 △2965万3000円
(2018年3月期[2]
純資産 2億6506万4000円
(2018年3月31日現在[2]
総資産 7億1286万3000円
(2018年3月31日現在[2]
従業員数 49人
(2018年3月31日現在[2]
決算期 3月31日
外部リンク https://konantetsudo.jp/

かつてはバス事業も行っていたが1941年に分社化し、現在は鉄道事業のみを行っている。大鰐線は弘前電気鉄道として開業した路線で、1970年に譲渡を受けて弘南鉄道の路線となった。また、特定地方交通線に指定された旧国鉄黒石線1984年に継承したが、1998年に廃止した。

歴史

特に標記のない場合は弘南鉄道を指す。

  • 1926年大正15年)
    • 2月18日 - 鉄道免許状下付(中津軽郡和徳村-南津軽郡尾上村間)[3]
    • 3月27日 - 弘南鉄道を設立[4]
    • 12月8日 - この日付けで、鉄道大臣の工事認可がおりる[5]
  • 1927年昭和2年)9月7日 - 弘前駅 - 津軽尾上駅間を開業[6]。当時は1日6往復のみの運行だった[5]
  • 1931年(昭和6年)6月24日 - バス事業に参入。
  • 1941年(昭和16年)4月17日 - バス部門を弘前乗合自動車(弘南バスの前身)に分社。
  • 1948年(昭和23年)7月1日 - 全線電化(直流600ボルト)。
  • 1949年(昭和24年)7月25日 - 弘前電気鉄道設立。
  • 1950年(昭和25年)7月1日 - 津軽尾上駅 - 弘南黒石駅(現在の黒石駅)間が開業し全通。
  • 1952年(昭和27年)1月26日 - 弘前電気鉄道が大鰐駅 - 中央弘前駅間を開業。
  • 1954年(昭和29年)4月1日 - 全線750ボルトに昇圧。
  • 1961年(昭和36年)9月1日 - 全線1500ボルトに昇圧。
  • 1970年(昭和45年)10月1日 - 弘前電気鉄道が経営権を弘南鉄道に譲渡。大鰐 - 中央弘前間を大鰐線とする。
  • 1984年(昭和59年)11月1日 - 国鉄黒石線川部駅 - 黒石駅間を譲り受け、黒石線として開業(非電化)[7]
  • 1998年平成10年)4月1日 - 黒石線廃止[7]
  • 2008年(平成20年) - 公式サイト開設。
  • 2009年(平成21年)8月1日 - 大人同伴の小学生以下の子供は無料となる土休日の子供運賃特別割引開始。
  • 2017年(平成29年) - 水間鉄道コラボレーションを実施。5月14日より大鰐線で水間鉄道7000系タイプ車両を運行開始[8][9]
  • 2019年(平成31年)4月14日 - 大鰐線中央弘前駅 - 弘高下駅間で上り列車が脱線する事故が発生(弘南鉄道大鰐線脱線事故)。負傷者なし。運輸安全委員会による調査の結果、枕木の老朽化による軌間の拡大が原因とされた[10]。運輸安全委員会はわたらせ渓谷鐵道わたらせ渓谷線などで同種の事故が複数発生していたことから2018年6月28日に意見書を提出しており、これを受けて同年7月9日に東北運輸局が指導を行っていたが、弘南鉄道は事故発生まで具体的な対応を取らなかった。事故後、弘南鉄道は大鰐線の急曲線区間について一定割合がPC枕木となるように交換することとした。
  • 2023年令和5年)
    • 8月6日 - 大鰐線大鰐駅 - 宿川原駅間で下り列車が脱線する事故が発生[11][12]。弘南鉄道は、事故原因を「車輪との摩擦で生じたレールの摩耗」の可能性があると発表した。
    • 8月23日 - 大鰐線の復旧作業が終わり、始発から運転再開。ただし、当面は事故区間を含む急カーブ区間は、国の運輸安全委員会の調査結果が出るまで、時速25キロ以下で徐行する措置を採る[13]
    • 9月25日 - 弘南線黒石駅 - 境松駅間および大鰐線中央弘前駅 - 弘高下駅間で、レールに異常が見つかり、同日昼前から、弘南線・大鰐線とも全線運休となる[14][15]
    • 11月7日 - 弘南線が全線で運転再開[16]
    • 12月8日 - 大鰐線が全線で運転再開[17]
  • 2024年(令和6年)
    • 1月23日 - 前年8月の大鰐線脱線事故と、その後発覚したレール異常事案について、国土交通省東北運輸局は、弘南鉄道に対し、改善措置を命じた[18]
    • 2月22日 - 前月の国土交通省東北運輸局の改善措置命令により、改善措置状況報告書を提出した[19]

路線

路線図

現有路線

廃止路線

車両

観光鉄道を除く日本の普通鉄道の事業者では唯一、冷房車の配置がない(2021年現在)。使用する旅客車両は18 m車である。1995年から2008年までは元南海電気鉄道の21 m車も在籍していた。

電車

電気機関車

事業用貨車

鉄道統計年報によると、2017年3月31日現在、ホッパ車2両と特殊車2両が在籍する。

電車

電気機関車

気動車

貨車

  • ト31形 - 西武鉄道ト231・232
  • トム750形 - 国鉄トム7458
  • ワフ510形(弘南線) - 元南海ワブ505・523
  • キ4形(弘南線) - 国鉄ユキ15形ユキ26→国鉄キ1形キ4
  • ト1形(弘南線)
  • トム1500形(大鰐線) - 元西武トム1613

運賃

大人普通旅客運賃(小児半額、10円未満は切り上げ)。2019年10月1日改定[21]

キロ程運賃(円)
初乗り1 - 2km210
3270
4300
5330
6350
7370
8380
9390
10400
11410
12420
13430
14440
15450
16460
17470

企画乗車券

さっパス[22]
2009年から発売。
大鰐線中央弘前駅から大鰐駅間の往復乗車券と、大鰐駅前にある温泉施設「鰐come(わにかむ)」の入浴券がセットになったきっぷ。
発売額は1,000円。なお、200円分の「買物券」がついており、この「買物券」で「鰐come」の貸しタオルの利用もできる。
問い合わせ先および販売は、中央弘前駅・大鰐駅及び車内。
大黒様きっぷ[23]
2010年5月1日から発売。
弘南鉄道全線が1日乗り放題のきっぷで、実質1日乗車券と同じである。
発売額は、大人1,000円・小人500円。
発売は、弘南鉄道の有人駅。
きっぷの名称の「大黒」は、大鰐駅の黒石駅から。
弘南線と大鰐線を乗り継ぐために利用するJR奥羽本線弘南バスの運賃は別途必要。
中学生応援切符[24]
2015年12月5日から2016年3月27日まで中学生を対象に大鰐線を2往復4回分を半額で利用できるきっぷ。
利用可能日は、上記期間中の土日祝日と冬休み期間および大鰐線沿線の高校入学試験実施日と合格発表日[注 1]。発売は利用予定日の1か月前から。
購入・利用時は、「生徒手帳」の提示・携帯が必要。

戦前の営業成績

年度別実績
年度 輸送人員(人) 貨物量(トン) 営業収入(円) 営業費(円) 営業益金(円) その他益金(円) その他損金(円) 支払利子(円) 政府補助金(円)
1927100,2024,13225,05117,9077,1449,015
1928344,91116,57382,59248,29834,294運送砂利業3,04531,092
1929362,48224,15387,85845,23442,624砂利採取運送業4,710雑損その他2,83427,252
1930335,35531,19184,12845,59138,537運送砂利採取業3,904雑損4626,835
1931266,04727,28364,75136,12828,623運送砂利業1,26226,643
1932234,90328,93757,38928,00629,383雑損24
運送砂利自動車業2,594
27,980
1933244,60520,75354,02034,06919,951自動車運送砂利4,10226,7787,844
1934257,11019,34355,79437,62118,173雑損償却金5,559
運送業16.295
24,05333,869
1935271,15026,22856,75153,1773,574運送業その他11,851
雑損4,353
19,52139,216
1936313,19427,13459,62654,2345,392自動車業砂利23,168
雑損3
17,02641,138
1937299,86937,36362,55752,13410,423自動車業砂利その他21,26816,749
1939461,99947,991
1941702,258103,857
1943965,251118,819
19451,391,54874,260
  • 鉄道統計資料、鉄道統計、国有鉄道陸運統計各年度版

その他

  • 弘南鉄道の委託駅員の勤務時間は8時間となっている。ただし、柏農高校前駅では7:32 - 8:15の約45分間のみ。
  • 東京急行電鉄(現在の東急東急電鉄)から購入した車両のつり革には、「渋谷東急百貨店(渋谷109)」や「東横のれん街」のロゴがそのまま残っている。
  • 国鉄からの特定地方交通線引き受けでは黒石線のほか、1984年に矢島線(現・由利高原鉄道鳥海山ろく線)の引き受けを表明したことがある。矢島線の沿線自治体ではバス転換の方向に傾きつつあったが、弘南鉄道が引き受けを表明したことで一転して地元主体での鉄道存続に方針を変えることとなった。
  • 2023年3月11日から、「弘南鉄道応援プロジェクト」として、沿線にある高校[注 2]・企業とコラボした商品が発売される。なお、発売商品や発売箇所については、脚注にある弘南鉄道ホームページを参照[25]

脚注

注釈

  1. 青い森鉄道で発売している同種のきっぷは、沿線の高校入学試験実施日と合格発表日は適用外。
  2. 弘前実業高校黒石高校弘前学院聖愛高校

出典

  1. Konan-line Adult-rate Basic Fares(PDF) - 弘南鉄道。2021年6月15日閲覧。
  2. 鉄道統計年報平成29年度版 - 国土交通省
  3. 「鉄道免許状下付」『官報』1926年2月22日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  4. 『地方鉄道及軌道一覧 : 昭和10年4月1日現在』『日本全国諸会社役員録. 第35回(昭和2)』(国立国会図書館デジタルコレクション)
  5. 『尾上町史』通史編(尾上町・1992年3月31日発行)1169 - 1170頁「第一二章 通信・交通 第二節 弘南鉄道の歩み 二 待望の鉄道開通」より。
  6. 「地方鉄道運輸開始」『官報』1927年9月17日(国立国会図書館デジタルコレクション)
  7. “弘南黒石線4月廃止へ 運審が承認”. 交通新聞 (交通新聞社): p. 1. (1998年2月27日)
  8. 弘南鉄道・水間鉄道コラボ企画第1弾、大鰐線7000系ラッピング車両が登場へ - マイナビニュース、2017年3月31日
  9. 大阪・水間鉄道に青森・弘南鉄道のカラー車両登場 ローカル鉄道同士コラボ(2/2ページ) - 産経WEST、2017年7月29日
  10. 鉄道事故調査報告書 (PDF) - 運輸安全委員会、2020年2月27日
  11. 弘南鉄道大鰐線(大鰐駅〜中央弘前駅) 運転見合わせについて - 弘南鉄道・2023年8月10日リリース
  12. 弘南鉄道大鰐線で列車脱線 けが人なし - 産経新聞電子版・2023年8月6日16時39分配信
  13. 大鰐線(大鰐駅〜中央弘前駅)運転再開について (PDF) - 弘南鉄道・2023年8月21日リリース
  14. 「レール異常」で全線運休、再開めど立たず 弘南鉄道(青森県)弘南線、大鰐線 - Yahoo!ニュース(配信元東奥日報)・2023年9月25日21時01分配信
  15. 青森・弘南鉄道、レール不具合で全線運休 運転再開は10月中旬以降 - 河北新報online・2023年9月27日配信
  16. 弘南鉄道弘南線 全線運転再開について(2023/11/7より) - 弘南鉄道(2023年11月2日リリース)
  17. 弘南鉄道大鰐線 全線運転再開について(2023/12/8より) - 弘南鉄道(2023年12月5日リリース)
  18. 弘南鉄道株式会社に対し改善の指示を行いました (PDF) - 国土交通省東北運輸局プレスリリース・2024年1月23日
  19. 鉄道の安全輸送の確保に対する今後の取り組みについて - 弘南鉄道・2024年2月22日
  20. 「90歳」のラッセル車 弘南線、今冬も出動へ試運転 /青森”. 毎日新聞 (2019年12月12日). 2019年12月12日閲覧。
  21. 運賃 - 弘南鉄道、2019年10月18日閲覧
  22. さっパス - 弘前観光コンベンション協会
  23. 弘南線と大鰐線の両方で使用出来る1日フリーきっぷ「大黒様きっぷ」発売中! - 弘南鉄道インフォメーションブログ(2016年3月9日)
  24. 弘南鉄道インフォメーションブログ
  25. 高校生が「バズる」弘南鉄道応援商品開発 2023/3/11より販売開始 - 弘南鉄道・2023年3月10日リリース

外部リンク

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