深部流体
深部流体(しんぶりゅうたい)とは、地下300m以深に存在する非天水起源の地下水を指す名称。反応性に富むとされており、深部地下水環境に大きな影響を与える他温泉として用いられている事も多い[1]。

有馬型深部流体(画像は汐ノ宮火山岩の物)
発生要因
地下水の起源としては雨水が由来の物(天水)と、そうでない物があるが、この内雨水が由来ではないものを深部流体と呼称する[1]。
深部流体の成因としては大きく二つに分かれるとされている。
成分
深部流体はその成因から、通常の地下水とは異なる水質である事が多い。
有馬型深部流体はCO2を多く含むためpHは中性~酸性であり、塩分濃度やCl濃度・ホウ素濃度が非常に高く、高温熱水に見られる高Li濃度が見られる[1]。また、地下深部が起源であることからHe同位体比がマントルと同じである[1]。深部流体の直接的な成分ではないが、湧出時に岩石からの成分を取り込むため、Fe等の金属イオンを多く含む事が多い[4]。有馬温泉等のいわゆる金泉と呼ばれる含鉄泉の起源はここからだとされている[1]。
長期停滞水は古海水である事が多いことから、pHは概ね中性であり海水由来のNa濃度・Cl濃度を多く持つ。また、有機物起源の炭化水素ガスが普遍的に見られるため炭素同位体組成や炭化水素組成による起源や成因の推定が可能である[1][4]。
生活との影響
深部流体は断層に入り込む事で地震を引き起こす原因になる可能性が提起されている[5]。深部流体はその成因から成分や成分の同位体比に違いがあり、地点ごとにスポットしていく事で地下深部における流体の動きを特定する事が可能である[2]。またその成分と、非火山性地帯に見られる温泉という特殊な要因から温泉として利用されている物も多い[4][6]。
深部流体に該当するとされている温泉
脚注・参考文献
- 『火山性熱水・深部流体の分類に応じた影響評価手法の整備』原子力発電環境整備機構、2020年。
- “研究トピックス”. unit.aist.go.jp. 2021年5月11日閲覧。
- “技術資料2012”. unit.aist.go.jp. 2021年5月11日閲覧。
- 『都市の水資源と地下水の未来』京都大学学術出版会、2011年。
- “産経新聞 高温の流体上昇が要因か、能登半島地震 京都大の梅田康弘名誉教授”. 2023年1月2日閲覧。
- “もっと関西 有馬の湯、火山ないのに高温で湧出(とことんサーチ)”. 日本経済新聞 (2017年8月29日). 2021年5月11日閲覧。
- “温泉の科学4-5”. www.asahi-net.or.jp. 2021年5月11日閲覧。
関連項目
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