異国の丘
歌謡曲
1943年(昭和18年)に陸軍上等兵として満州にいた吉田正が、現地で療養中に部隊の士気を上げるため作曲した「大興安嶺突破演習の歌」が原曲である。戦後、シベリアに抑留されていた兵士の間で歌われ、抑留兵のひとりだった増田幸治が作詞した。非常に強い望郷の思いを歌っている。原題は『昨日も今日も』である。
経緯
昭和23年8月1日[2]、NHKラジオの素人のど自慢でシベリア復員兵の中村耕造が、よみ人しらず「俘虜の歌える」と題して歌った。しかし、よみ人しらずで歌ったため伴奏のアコーディオンがついていけなかったこともあり、その回は鐘ひとつ(不合格)で終わったという。しかし、その後(翌週とのこと)、再びこの曲を歌う者が現れた。その際は、アコーディオンがその曲を知っていた(前回よみ人しらずで歌ったため)こともあり鐘三つで合格したのだが、「この曲は一体何の曲?」と話題となり、NHKがラジオにて作曲家をさがし始めることとなった。
しかし、募集直後から「私が作曲した」と偽ったものが何人も応募し、作曲家探しは混乱を極めてしまった。
一方、同月、2月に舞鶴港へ復員し、静養の後、入隊前の会社に復帰した吉田正がその話をたまたま聞き、NHKへ名乗り出たことにより、正式な作曲家が確定。翌月補作詞した後この曲が世のものとなり、また吉田正が大作曲家としての足がかりとなった。[3]
名曲として様々な歌手によって歌い継がれており、シングルとしては1961年に三浦洸一のカバーが発売されている(レコード番号:VS-601)。
映画
| 異国の丘 | |
|---|---|
| 監督 | 渡辺邦男 |
| 脚本 |
渡辺邦男 北沢誠 |
| 原作 | 芹沢光治良 |
| 製作 |
渡辺邦男 佐藤一郎 |
| 出演者 |
上原謙 花井蘭子 大日方傳 宮川玲子 水原久美子 浦辺粂子 |
| 音楽 | 飯田信夫 |
| 撮影 | 平野好美 |
| 製作会社 |
新東宝 渡辺プロダクション |
| 配給 |
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| 公開 |
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| 上映時間 | 91分 |
| 製作国 |
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| 言語 | 日本語 |
1949年にはこの曲をモチーフとして新東宝・渡辺プロダクション共同製作で映画化され、東宝が配給した。渡辺プロダクションとは、ジャズミュージシャンの渡辺晋が創業したいわゆるナベプロではなく、渡辺邦男のプロダクションである。原作は芹沢光治良の『夜毎の夢に』である。作曲者の吉田正が本人役で出演している。
脚注
注釈
出典
- 堀内敬三『音楽明治百年史』音楽之友社、1968年、344頁。NDLJP:2518791/189
- 「ラジオで拾われた『異国の丘』『別冊 1億人の昭和史 '85最新増補版 昭和流行歌史 「宮さん宮さん」からチェッカーズ「星屑のステージ」まで600曲』毎日新聞社、1984年、186頁。NDLJP:12438705/94
- 2017年1月27-28日放送 NHK「ラジオ深夜便」放送、宮川泰夫アンカーの発言より。なお、宮川氏が吉田正と会談したときの本人コメントによると、「この作品で作曲家に図らずもなってしまった」とのこと。