谷川昌希

谷川 昌希(たにがわ まさき、1992年10月6日 - )は、福岡県八女市出身の元プロ野球選手投手)。右投右打。現在は阪神タイガースの打撃投手[1]

谷川 昌希
阪神時代(2018年5月26日、ナゴヤ球場にて)
基本情報
国籍 日本の旗 日本
出身地 福岡県八女市
生年月日 (1992-10-06) 1992年10月6日(31歳)
身長
体重
175 cm
84 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 投手
プロ入り 2017年 ドラフト5位
初出場 2018年5月10日
最終出場 2022年6月9日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

経歴

プロ入り前

小学1年時から野球を始めると、八女市立筑南中学校時代には、硬式野球チームの『八女スカイホーク』に所属[2]筑陽学園高校への進学後は、2年時夏の全国高等学校野球選手権福岡大会で決勝にまで進んだ[3]ものの、春夏ともに甲子園出場はできなかった。

高校卒業後は東京農業大学へ進学。2年時の春から東都大学野球2部のリーグ戦に登板。在学中には、2部リーグ戦通算30試合の登板で、5勝12敗という成績を残した[4]が、当時は故障がちなことも災いして、NPB球団のスカウトから注目されなかった[5]。野球部の1学年先輩に陽川尚将がいる。

大学卒業後、地元の九州三菱自動車に入部。1年目から先発の一角を担い、都市対抗野球大会には西部ガスの補強選手として出場。NPBドラフト会議での指名対象になる2年目には前年に引き続き西部ガスの補強選手として都市対抗本戦に出場。ドラフト候補にも挙がったものの、夏以降調子を落とした影響もありどの球団からも指名されなかった。3年目には、さらなる成長を遂げチームの絶対的エースとして活躍[5]都市対抗野球大会の九州予選においては、7日間で6試合を戦うというハードスケジュールに見舞われながらも、5試合に登板し4完投勝利を記録[6][7]。チームとしては5年ぶりの出場となった都市対抗野球大会の本選では、前年度優勝チームであるトヨタ自動車との開幕戦に先発すると、延長12回にタイブレークから藤岡裕大にサヨナラ満塁本塁打を打たれたが、延長11回までを1失点に抑えるとともに13三振を奪った[6]。9月の日本選手権大会九州予選では、本大会への出場こそならなかったものの、3完投を含む5試合連投で総投球回数が33イニングにまで達した[2][6]。入社当時のチームメイトに有吉優樹がいる。さらに、第28回BFAアジア選手権へ出場する日本代表に選出。背番号18を背負い、予選ラウンド、スーパーラウンドでそれぞれ初戦に先発し勝利を収めると[8]台湾との決勝戦では、最終回にリリーフ登板し胴上げ投手となるなど中心選手として活躍。大会通算の防御率は0.00で、最優秀防御率のタイトルを獲得するとともに、投手としてベストナインに選ばれた[9]。同社では営業部に所属しており、「社業では、店舗の方や顧客からもたくさん応援してもらった。車は決して安い買い物ではないので、信頼関係を築くことの大切さも改めて感じることができた」と語っている[10]。営業部の方針で練習にも携帯電話を持参しており、顧客から連絡が入れば、練習中であっても応対していたという[11]

2017年度NPBドラフト会議にて阪神タイガースから5巡目指名を受け、契約金5000万円、年俸840万円(金額は推定)という条件で入団[12]とともに、大学から直接阪神へ入団した陽川と、再びチームメイトになった。担当スカウトは田中秀太[13]、背番号は34[14]

阪神時代

2018年は、二軍の安芸春季キャンプ中に、埼玉西武ライオンズの二軍やKBOハンファイーグルスとの練習試合で好投。その結果、終盤に一軍の沖縄キャンプへ合流した。金本知憲が一軍監督へ就任した2016年以降の阪神春季キャンプ中に、二軍から一軍への昇格を果たした選手は、新人以外を含めても谷川が初めてである[15][16]。キャンプ後のオープン戦では、2試合の登板をいずれも無失点で凌いだことから、首脳陣は谷川を先発要員として起用する方針を決めた。谷川はこの方針に沿って、公式戦の開幕直前から再び二軍へ合流[17]ウエスタン・リーグの公式戦で、5月上旬までに6試合の登板で2勝0敗、防御率2.90という好成績を残し[11]、5月10日の対読売ジャイアンツ戦(東京ドーム)に先発投手として一軍公式戦へのデビューを果たした。しかし、4回3失点5奪三振という内容で敗戦投手となり[18]、翌11日に二軍降格となった。二軍ではその後も先発投手として登板を重ねていたが、6月1日に中継ぎ要員として一軍へ再昇格[19]。翌6月2日の対埼玉西武ライオンズ戦(メットライフドーム)にて、2点ビハインドの5回裏に二番手として救援登板。1イニングを無失点に抑えたが、その直後に阪神が勝ち越したことで勝利投手の権利を獲得、そのまま阪神が勝利したためプロ入り後初勝利を挙げた[20]

2019年は、一軍では4試合に登板し、勝ち負けなく、防御率3.68、二軍のウエスタン・リーグでは24試合の登板で4勝1敗、防御率3.24であった[21]。11月5日、現状維持の900万円で契約更改を行った[21]。シーズンオフにはフォークボールの習得に励み、10月に開催されたフェニックス・リーグでは、ストレートとフォークボールのみで配球を組み立てた投球を行った[21]

日本ハム時代

2021年4月17日、金銭トレードで北海道日本ハムファイターズへ移籍した[22]

2022年10月3日、日本ハムから戦力外通告を受けた[23]。11月8日の12球団合同トライアウトに参加したがオファーはなく、11月16日、現役引退を決断した[24]

現役引退後

2023年1月5日、古巣の阪神タイガースに打撃投手として入団した[1]

選手としての特徴

最速149km/hの回転の良いストレートカットボールスライダーカーブシュートを投げ[25]、高い制球力も持ち合わせる[26]

完投能力が高いことや、連投に耐えられることが高く評価されている。担当スカウトの田中は「『権藤、権藤、雨、権藤』[注 1]ならぬ『谷川、谷川、谷川、谷川』」[27]、「理想は久保田智之[2]と表現している。谷川自身も、入団直後に「1年目から公式戦の開幕から一軍に入って、中継ぎで60試合に登板すること」を目標に挙げていた[27]

人物

愛称は「谷川セールスマン[28]

権藤博藤川球児を投手としての目標に挙げている[27]。藤川について谷川は「投球を楽しんでいる」という印象があるとしており、中継ぎ・抑え投手としての心構えなどについて学びたいと語った[2]

大学時代以前は注目される選手ではなかった谷川だったが、社会人時代に大きく成長した。その要因として入社当時エースとして活躍していた有吉の存在や[7]、プロ野球の経験を持つ指導者との出会いを挙げている。入社1年目には、当時の投手コーチである山内孝徳の指導の下、体づくりやフォーム固めを敢行。3年目には福岡市内スポーツジムを営む小林亮寛から、負担を最小限にとどめる身体の使い方やケアの方法を学んだ。さらに山内の後任としてコーチに就任した加藤伸一から、シュートの投げ方を教わり投球の幅を広げた[6]

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2018 阪神 710001100.5006212.2172722110012117.821.90
2019 400000000----347.180300420433.681.50
2020 1400000000----6114.11324121510885.021.19
2021 日本ハム 9000010001.0004310.191400810765.231.26
2022 900000000----419.1101300800543.861.39
通算:5年 4310002100.66724154.05762134464036325.331.44
  • 2022年度シーズン終了時

年度別守備成績



投手












2018 阪神 703011.000
2019 41110.667
2020 1434001.000
2021 日本ハム 90310.750
2022 90210.667
通算 4341331.850
  • 2022年度シーズン終了時

記録

初記録

背番号

  • 34(2018年 - 2021年4月19日)
  • 58(2021年4月20日 - 2022年)
  • 107 (2023年 - )

登場曲

参考文献

脚注

注釈

  1. 中日ドラゴンズへ投手として入団した当初の権藤博の起用法を形容した流行語

出典

  1. “谷川昌希氏、古巣・阪神に打撃投手で復帰 いきなり自虐ネタ「気持ちよく打たせるのは得意」”. スポニチアネックス. (2023年1月5日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2023/01/05/kiji/20230105s00001173254000c.html 2023年1月5日閲覧。
  2. 阪神5位谷川9月に5連投 憧れの藤川と鉄腕競演だ”. 日刊スポーツ (2017年11月2日). 2017年12月4日閲覧。
  3. 谷川投手(九州三菱自)「日本一に貢献」 井手投手(九産大)「早く支配下に」 ドラフト会議 都市圏から2人 [福岡県”. 西日本スポーツ (2017年10月27日). 2017年10月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年12月4日閲覧。
  4. 元南海・山内孝徳氏が育てる注目右腕 谷川昌希を“雑草の花”にするために”. スポーツナビ (2016年5月25日). 2017年12月4日閲覧。
  5. “阪神ドラフト5位・谷川昌希を社会人時代に大変身させた元プロの3人”. web Sportiva: p. 1. (2017年12月31日). https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/npb/2017/12/31/___split_103/index.php 2018年5月11日閲覧。
  6. “阪神ドラフト5位・谷川昌希を社会人時代に大変身させた元プロの3人”. web Sportiva: p. 3. (2017年12月31日). https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/npb/2017/12/31/___split_103/index_3.php 2018年5月11日閲覧。
  7. 阪神ドラ5谷川昌希はタフな成長株。先輩・ロッテ有吉優樹からのエール。”. Number Web (2017年11月26日). 2022年2月5日閲覧。
  8. 先発・谷川が8回無失点の力投 スーパーラウンド初戦を3対0で韓国に勝利”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2017年10月6日). 2022年2月5日閲覧。
  9. 2017年第28回 BFA アジア選手権試合・大会詳細”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト. 2017年12月12日閲覧。
  10. “阪神ドラフト5位・谷川昌希を社会人時代に大変身させた元プロの3人”. web Sportiva: p. 4. (2017年12月31日). https://sportiva.shueisha.co.jp/clm/baseball/npb/2017/12/31/___split_103/index_4.php 2018年5月11日閲覧。
  11. “【阪神】谷川が5月10日プロ初先発へ!強気の内角攻め”. スポーツ報知. (2018年5月8日). https://hochi.news/articles/20180508-OHT1T50010.html?page=1 2022年2月5日閲覧。
  12. 阪神5位谷川「抑えたい」母校先輩長野と対決熱望”. 日刊スポーツ (2017年11月17日). 2017年12月4日閲覧。
  13. 阪神・谷川を発掘した九州担当田中秀太スカウト「魅力は抜群の制球力」”. サンケイスポーツ (2018年6月3日). 2022年2月5日閲覧。
  14. ドラフト1位馬場は「18」 2位高橋は「29」 新入団会見で背番号発表”. デイリースポーツ (2017年12月4日). 2017年12月4日閲覧。
  15. “阪神ドラフト5位谷川が一軍へ 即戦力右腕が異例のキャンプ途中昇格”. スポーツニッポン. (2018年2月19日). https://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2018/02/19/kiji/20180219s00001173036000c.html 2018年5月11日閲覧。
  16. “阪神ドラフト5位谷川が一軍合流「第1歩が踏み出せた」”. 日刊スポーツ. (2018年2月19日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/201802190000591.html 2018年2月20日閲覧。
  17. “先発もあるぞ!阪神ドラフト5位・谷川&松田、二軍に合流”. サンケイスポーツ. (2018年3月20日). https://www.sanspo.com/article/20180320-S5PL7G5WOJJ4JGHXOFRZGJPDZ4/ 2018年5月11日閲覧。
  18. 阪神谷川「1球の怖さ痛感」プロ初登板初勝利ならず”. 日刊スポーツ (2018年5月10日). 2022年2月5日閲覧。
  19. 阪神ドラ5谷川1軍昇格 先発から中継ぎ待機へ”. 日刊スポーツ (2018年6月2日). 2022年2月5日閲覧。
  20. 阪神が今季交流戦初勝利!糸井プロ初満塁弾&自己最多6打点 打線は今季初2桁得点”. デイリースポーツ (2018年6月2日). 2022年2月5日閲覧。
  21. 契約更改がスタート 谷川は3年目の来季へ覚悟「自分には時間がない」”. デイリースポーツ online. デイリースポーツ (2019年11月5日). 2019年12月26日閲覧。
  22. 阪神タイガースとトレードが成立”. 北海道日本ハムファイターズ (2021年4月17日). 2022年2月5日閲覧。
  23. 日本ハムが谷川昌希、望月大希、片岡奨人ら7選手に戦力外通告”. 2022年10月3日閲覧。
  24. 日本ハム・谷川が引退決断「もがきっぱなしの5年間」 前向いて「プラスに変えられる人生に」”. スポニチ. 2022年11月16日閲覧。
  25. 阪神D5・谷川、「勝利の方程式」に入るぞ!JFK級リリーフ陣期待や”. サンケイスポーツ (2017年11月2日). 2017年12月4日閲覧。
  26. 2017年ドラフト指名を受けた侍ジャパン戦士たち~社会人代表編〜”. 野球日本代表 侍ジャパンオフィシャルサイト (2017年10月31日). 2022年2月5日閲覧。
  27. 権藤ばりに投げまくる!阪神D5・谷川、契約金5000万円で仮契約”. サンケイスポーツ (2017年11月17日). 2021年7月11日閲覧。
  28. 《FIGHTERS GIRLS SERIES 2022》ファイターズ推し選手権―推しは宝物―推しナイン決定&ニックネーム発表”. 北海道日本ハムファイターズ. 2023年6月25日閲覧。

関連項目

外部リンク

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