雪吊
雪吊り(ゆきつり)は、冬季、雪が付着することで、樹木の枝が折れないように縄で枝を保持すること。方言では雪づりの発音も聞かれる。

雪吊
石川県出身の著名なパティシエの店から発売されている土産菓子「YUKIZURI」の名から、「雪吊」を「雪づり」と発音すると誤解する人が増えているが、この菓子名は方言的発音の「雪づり」と土産菓子として旅情を誘う「行きずり」との掛詞的ネーミングとのことである(【YUKIZURI】公式通販ショップの「YUKIZURI、ネーミング」の記述による)。
しかし、「雪吊」は「海づり」「磯づり」のように連濁を起こす例とは異なり、「魚つり」が「魚(を)つる」、つまり「魚」が「つる」対象であるために連濁の例外となる(「首つり」も「首」が「つる」の対象となる例)のと同様に、枝を吊ることで「雪(を)吊る」の意味となる「雪吊」は「雪つり」と発音するのが日本語として自然と考えられる。
手法と様式
手法
りんご吊り、みき吊り、しぼりなどの種類がある[1]。
様式
雪吊りの基本様式には、兼六園式、北部式、南部式がある[2]。兼六園式(りんご吊りの基本様式)をもとに東京都建設局の旧北部公園緑地事務所の北部式と旧南部公園緑地事務所の南部式が派生した[2]。
- 兼六園式
- 帆柱の頭飾りとして荒縄を巻きつけ、左右と先端に飾りいぼ結びを施し、周囲に裾回し(縁、ブチ)を作らず各縄で直接枝を吊っている[2]。
- 北部式
- 帆柱の頭飾りにワラボッチ(藁やこもを編んだ飾り)を付け、周囲に裾回しとする竹の骨(バチ、かんざし)を放射状に組み、先端のブチの割り竹に吊り縄を結ぶ[2]。
- 南部式
- 帆柱の頭飾りに吊り縄の上端を編んだバレン(まとい)を付けており、北部式とほぼ同じ裾回しだが、先端のブチのシュロ縄に吊り縄を結ぶ[2]。
取付け作業風景
雪吊のある雪景色
雪吊りが行われる庭園等
雪の多い日本の東北地方や北陸地方などで雪吊りは用いられる。北陸地方では雪囲い(ゆきがこい)と呼ばれることが多い。代表的なものとして石川県金沢市の兼六園があり、例年降雪期前の11月に雪吊が施され、降雪期が終わる3月に外される[3]。兼六園では500本を超える樹木に約1か月半のべ500人以上が雪吊りの作業にあたる[1]。
脚注
- “庭師の誇り 雪吊りの技”. テレビ金沢. 2021年9月3日閲覧。
- “千葉公園「松の雪吊り」南部様式”. 千葉市. 2021年9月3日閲覧。
- “金沢 兼六園で「雪吊り」外し”. NHKニュース (日本放送協会). (2013年3月15日). オリジナルの2013年3月15日時点におけるアーカイブ。 2013年3月15日閲覧。
- ““松の和傘”冬支度 高山陣屋で雪つり”. 岐阜新聞. (2015年11月6日) 2015年11月14日閲覧。
外部リンク
- 兼六園の雪吊り - 石川県
- 雪吊り - 金沢市
- 甘泉園公園 松の雪吊り - 新宿区
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