電子攻撃
電子攻撃(英語: Electronic Attack, EA)は、敵が利用する電磁スペクトルを妨害するための活動のこと。下記のように細分化される[1][2]。
- 電子対抗手段(ECM)
- 対電波放射源兵器(ARW)
- 指向性エネルギー兵器(DEW)
電子対抗手段 (ECM)
電子対抗手段(Electronic Countermeasure, ECM)は、単に妨害とも称される[1][2]。また、妨害を行う装置を電波妨害装置と称する。
妨害の手法は、おおむね4つの軸によって分類することができる。
- 信号方式 - レーダー信号であるか、通信信号であるか。
- 攻撃方式 - カバー妨害であるか、欺瞞妨害であるか。
- 妨害プラットフォームと対象の位置関係 - 自己防御方式であるか、スタンドオフ方式であるか。
- デコイ(囮)
信号方式
通信信号に対する妨害(通信妨害、COMJAM)は、受信機が求める信号から情報を再生する機能を妨げるものである。通常、ノイズ変調によるカバー妨害という形態をとる[2]。
一方、レーダー信号に対する妨害(レーダー妨害、Radar jamming)は、レーダー装置が反射信号から目標の情報を得る機能を妨げるものであり、カバー妨害と欺瞞妨害の双方の攻撃方式が用いられる[2]。なお、プラットフォームにステルス技術を適用することにより、敵レーダー画面上でSN比を下げ、レーダー妨害をより有効化できることから、ステルス技術を受動的なECM技術として分類する場合もある[1]。
攻撃方式
カバー妨害(ノイズ・ジャミング, 電力妨害[1])は、敵の被妨害受信機に対し、敵が求める信号を上回る出力で妨害電波を発することによってSN比を下げるという攻撃手法である。通信妨害の場合、これによって、敵が求める信号を再生できないか、少なくとも再生により得られる情報の品質を大幅に劣化させる。レーダー妨害の場合、レーダー反射波をノイズによって覆い隠し、その存在を覚知できないようにする[2]。
欺瞞妨害は、敵が求める信号とともに偽の信号を受信させることで、誤った情報を与えるという攻撃手法である。この手法は、通常はレーダー妨害に用いられ、目標の位置や速度について誤った情報を与えることでレーダー処理を妨害する[2]。またレーダー以外にも、スプーフィングにより、衛星測位システムと同じ周波数帯、同じ信号フォーマットの妨害信号を送信することにより、取得する座標を誤らせる装置がある[3][4][5][6]。
対電波放射源兵器 (ARW)
対電波放射源兵器(英語: Anti-Radiation Weapon, ARW)は、電波送信機を物理的に無力化する兵器である。通常、敵防空網制圧(SEAD)作戦において用いられる。
指向性エネルギー兵器 (DEW)
指向性エネルギー兵器(英語: Directed-Energy Weapon, DEW)は、送受信機以外の敵資産を電磁波的に攻撃する兵器である。現在のところ、アクティブ・ディナイアル・システム(ADS)に代表されるような非致死性兵器が主流であるが、戦術高エネルギーレーザー(THEL)のように物理破壊可能な兵器も研究されている。
参考文献
- 防衛技術ジャーナル編集部「第10章 電波電子戦」『防衛用ITのすべて (防衛技術選書―兵器と防衛技術シリーズ)』防衛技術協会、2006年、152-176頁。ISBN 978-4990029814。
- デビッド・アダミー『電子戦の技術 基礎編』東京電機大学出版局、2013年。ISBN 978-4501329402。
- 外部からの意図的な妨害
- GPSのシステム障害
- GPSはじめ他国の測位衛星が使用不可能になるケース(論点1-2)に関する考え方
- 非意図的な干渉


