AFCカップ

AFCカップ: AFC Cup)は、アジアサッカー連盟(AFC)が主催する、クラブチームによるサッカーの国際大会である。大抵は年度を付加して“AFCカップ [年度]”(: AFC CUP [year])などのように呼称される。

AFCカップ
AFC Cup
開始年 2004年
主催 AFC
地域 アジア
参加チーム数 36
前回優勝 オマーン アル・シーブ (1回目)
最多優勝 イラク アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ
クウェート アル・クウェート (3回)
サイト 公式サイト

概要

これまでアジアのクラブチーム間の国際公式戦は「アジアクラブ選手権」(各国リーグ戦優勝クラブによる大会)、「アジアカップウィナーズカップ」(各国主要カップ戦優勝クラブによる大会)と、この2大会の優勝チームが更にアジアナンバーワンの座をかけて争った「アジアスーパーカップ」の3大会があったが、これを統合して2002-03シーズンに「AFCチャンピオンズリーグ」(ACL) として再スタートした。

しかし、その第1回大会は実力差の開きや発展途上国の代表チームが出場を辞退するケースも多く、大会の質の低下を懸念する声もあったため、AFCではチャンピオンズリーグの出場枠をAFCクラブチームランキングの上位14か国に絞り、同ランク15位から28位の国・地域のリーグ戦・カップ戦の優勝28チームにこのAFCカップの出場権を与えることとした。

位置づけとしては「国際サッカー連盟(FIFA)傘下のサッカーの大陸連盟における第2クラブ選手権」という意味で、欧州サッカー連盟(UEFA)における「UEFAヨーロッパリーグ」、あるいは南米サッカー連盟(CONMEBOL)における「コパ・スダメリカーナ」に類するとみることもできるが、両者とは「ランキング上位の国・地域協会には出場権が割り当てられない[注釈 1]」という点で大きな違いがある。

2023年8月14日に行われたAFC実行委員会で、2024/25シーズンよりACL及びAFCカップを以下の3階層に再編することを決定した[1]

これにより「AFCカップ」の名称は2023/24シーズン限りとなる。

開催方式

大会の仕組はグループリーグと決勝トーナメントの2本立てである。2005年度は参加28クラブのうち棄権が10クラブあったため、大会は18クラブで争われた。

2009年 - 2016年

  • グループリーグ - 32クラブを西4組・東4組(2009年 - 2012年は「西5組・東3組」)の8つのグループに分けて2回総当り・ホーム&アウェーで対戦し、各組上位2クラブの計16クラブが決勝トーナメント進出。
  • 決勝トーナメント - 1回戦は各組1位クラブのホームで一発勝負。準々決勝・準決勝はホーム&アウェー方式で対戦。決勝はどちらかのクラブの本拠地での一発勝負となる。

2017年 - 2020年

アジアサッカー連盟の5地区の区分

2017年大会より大会方式が変更された。近年のAFCカップにおいて西アジアのクラブの実力が飛び抜けていることや、実力の近いクラブを対戦させることで実力を引き上げることを考慮し、西アジア・中央アジア・南アジア・東南アジア・東アジアの各地区で対戦を行い[注釈 2]、決勝を「西アジア地区代表クラブ 対 他の4地区のプレーオフ勝者」で行う[2]2017年大会の制度では、各地区の対戦は以下の通りとなる[3]

  • 西アジア・東南アジアはそれぞれ、12クラブが4クラブずつの3組に分かれて総当たり戦を行う。各組1位クラブと各組2位クラブのうち成績最上位のクラブ(合計4クラブ)で決勝トーナメントを行う。
  • 中央アジア・南アジア・東アジアはそれぞれ、4クラブが総当たり戦を行う。
  • 東南アジアの決勝トーナメント優勝クラブと、中央アジア・南アジア・東アジアのグループ1位クラブで4地区プレーオフを行う。
  • 西アジアの決勝トーナメント優勝クラブと、4地区プレーオフの優勝クラブで決勝戦を行う。

2017年 - 2020年の制度においては、東西各ブロック(西ブロックは西アジア・中央アジア・南アジア地区、東ブロックは東南アジア・東アジア地区)におけるAFCクラブコンペティションランキングのブロック内順位が7位以下となった国・地域のクラブのみが出場できる。もし当該クラブがAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の予選出場資格も得ている場合、それに敗退した場合はAFCカップに出場するが、勝ち抜いた場合はAFCカップには当該国・地域から別のクラブが補充される。6位以上の国・地域のクラブは、ACLの予選で敗退した場合は代わりに出場できる大会はない[4]

  • 西アジア・東南アジアにおいては、12クラブのうち3クラブが予選で選出される。出場資格のある国・地域のなかで、ランキング1位から3位の国・地域にはグループステージ2枠、ランキング4位から6位の国・地域にはグループステージ1枠と予選1枠、ランキング7位以下の国・地域には予選1枠を与える。
  • 中央アジア・南アジア・東アジアにおいては、4クラブのうち1クラブが予選で選出される。出場資格のある国・地域のなかで、ランキング1位から3位の国・地域にはグループステージ1枠と予選1枠、ランキング4位以下の国・地域には予選1枠を与える。

また、スタジアムについては、2016年度までは「個別席を完備したスタジアムの使用を強く勧告する」としていたが、2017年度からは、「個別席で、背もたれが30㎝以上あるもの。なおかつそれを3000席以上設置すること」を開催場として義務付けることになり、椅子席でも規格外のもの、立見・芝生席の使用は禁止されることになった[5]

2021年 - 現在

2021年の制度においては、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)とともに出場枠の改定が行われている。基本的な方式は2017年からの制度と同様であるが、以下の点が異なる(以下の節番号は、2021年のエントリーマニュアル[6]内のもの)。

  • 東西各ブロックの国・地域ランキングで6位の国・地域のクラブも出場できることとなった(3.2節)。
  • 各地区に割り当てる出場枠は以下の通りとなる。
    • 東西各ブロックの国・地域ランキングで7位以下の国・地域について、2017年 - 2020年の制度と同様に出場枠を割り当てる(5.2節)。
    • そのうえで、東西各ブロックの国・地域ランキングで6位の国・地域について、AFCカップのグループステージ出場枠を1枠割り当てる(5.3節)。このため、地区によっては予選からの出場枠が減る場合がある。
    • なお上記の条件を適用した結果、もし中央アジア・南アジア・東アジア地区のいずれかが以下の条件に該当する場合は、当該地区のグループステージのグループ数を1から2に増やす。またこの結果、当該地区のクラブについて予選出場枠からグループステージ出場枠への繰り上げを行う場合もある(5.4節)。
      • グループステージ出場枠が当該地区に4クラブ以上割り当てられた場合
      • 予選出場枠が当該地区に7クラブ以上割り当てられた場合

結果

年度決勝戦準決勝敗退チーム
優勝結果準優勝
2004 シリア アル・ジャイシュ (A)3 - 2 AG
(H)0 - 1 AG
シリア アル・ワフダ シンガポール ホーム・ユナイテッド シンガポール ゲイラン・ユナイテッド
2005 ヨルダン アル・ファイサリー (H)1 - 0
(A)3 - 2
レバノン ネジメ モルディブ ニュー・ラディアント 香港 晨曦
2006 ヨルダン アル・ファイサリー (H)3 - 0
(A)2 - 4
バーレーン アル・ムハッラク ヨルダン アル・ワフダート レバノン ネジメ
2007 ヨルダン シャバーブ・アル・オルドゥン (A)1 - 0
(H)1 - 1
ヨルダン アル・ファイサリー レバノン ネジメ ヨルダン アル・ワフダート
2008 バーレーン アル・ムハッラク (H)5 - 1
(A)5 - 4
レバノン サファー オマーン アル・ナフダ インド デンポ
2009 クウェート アル・クウェート (H)2 - 1 シリア アル・カラーマ 香港 南華 ベトナム ビンズオン
2010 シリア アル・イテハド (A)1 - 1 aet
(PK 4 - 2)
クウェート アル・カーディシーヤ タイ王国 ムアントン・ユナイテッド バーレーン アル・リファー
2011 ウズベキスタン ナサフ・カルシ (H)2 - 1 クウェート アル・クウェート イラク アルビール ヨルダン アル・ワフダート
2012 クウェート アル・クウェート (A)4 - 0 イラク アルビール サウジアラビア アル・イテファク タイ王国 チョンブリー
2013 クウェート アル・クウェート (A)2 - 0 クウェート アル・カーディシーヤ インド イースト・ベンガル ヨルダン アル・ファイサリー
2014 クウェート アル・カーディシーヤ (A*)0 - 0 aet
(PK 4 - 2)
イラク アルビール インドネシア プルシプラ・ジャヤプラ 香港 傑志
2015 マレーシア ジョホール・ダルル・タクジム (A)1 - 0 タジキスタン イスティクロル クウェート アル・カーディシーヤ クウェート アル・クウェート
2016 イラク アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ (H*)1 - 0 インド ベンガルール レバノン アル・アヘド マレーシア ジョホール・ダルル・タクジム
年度優勝結果準優勝西アジア地区準優勝4地区プレーオフ準優勝
2017 イラク アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ (A)1 - 0 タジキスタン イスティクロル シリア アル・ワフダ インド ベンガルール
2018 イラク アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ (H)2 - 0 トルクメニスタン FKアルティン・アシル ヨルダン アル・ジャジーラ 朝鮮民主主義人民共和国 4.25体育団
2019 レバノン アル・アヘド (A*)1 - 0 朝鮮民主主義人民共和国 4.25体育団 ヨルダン アル・ジャジーラ ベトナム ハノイFC
2020 新型コロナウイルス感染症の世界的流行によりシーズン途中で打ち切り[7][8]
2021 バーレーン アル・ムハッラク (H)3 - 0 ウズベキスタン ナサフ・カルシ クウェート アル・クウェート 香港 理文
2022 オマーン アル・シーブ (A)3 - 0 マレーシア クアラルンプール・シティ バーレーン アル・リファー ウズベキスタン ソグディアナ

※注:結果の(H)は優勝クラブのホームでの試合、(A)は優勝クラブのアウェーでの試合。「*」は、本来はホームゲーム開催権を与えられていたクラブが国内でホームゲームを開催できなかったことを示す。また、2009年大会より決勝は「一方のクラブの本拠地での一発勝負」となっている。

統計

クラブ別成績

クラブ名優勝年準優勝年
クウェート アル・クウェート312009,2012,20132011
イラク アル・クウワ・アル・ジャウウィーヤ302016,2017,2018
ヨルダン アル・ファイサリー212005,20062007
バーレーン アル・ムハッラク212008,20212006
クウェート アル・カーディシーヤ1220142010,2013
ウズベキスタン ナサフ・カルシ1120112021
シリア アル・ジャイシュ102004
ヨルダン シャバーブ・アル・オルドゥン102007
シリア アル・イテハド102010
マレーシア ジョホール・ダルル・タクジム102015
レバノン アル・アヘド102019
オマーン アル・シーブ102022
イラク アルビール022012,2014
タジキスタン イスティクロル022015,2017
シリア アル・ワフダ012004
レバノン ネジメ012005
レバノン サファー012008
シリア アル・カラーマ012009
インド ベンガルール012016
トルクメニスタン FKアルティン・アシル012018
朝鮮民主主義人民共和国 4.25体育団012019
マレーシア クアラルンプール・シティ012022

クラブ所在国別成績

国・地域名
 クウェート43
 イラク32
 ヨルダン31
 シリア22
 バーレーン21
 レバノン12
 ウズベキスタン11
 マレーシア11
 オマーン10
 タジキスタン02
 インド01
 トルクメニスタン01
 北朝鮮01

放送

全試合をYouTube AFC公式チャンネルにて無料ライブ配信、決勝戦はDAZNでも中継。また2021年から本大会を始めとするAFC主催大会を2028年までの間、DAZNにて独占中継される[9]ことから、今回の放送が日本初放映となる。

脚注

注釈

  1. 2017年から2020年の制度では上位12協会、2021年の制度では上位10協会。
  2. 地区分けについては「アジアサッカー連盟#AFC内の地域連盟」も参照。

出典

  1. AFC Executive Committee approves biggest prize purse in Asian club football history from 2024/25; announces AFC Women’s Champions League”. AFC (2023年8月14日). 2023年8月20日閲覧。
  2. AFC Competitions Committee recommends new AFC Cup format”. アジアサッカー連盟 (2016年11月25日). 2016年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月10日閲覧。
  3. AFC Cup contenders learn 2017 opponents”. アジアサッカー連盟 (2016年12月14日). 2016年12月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年7月10日閲覧。
  4. ENTRY MANUAL AFC CLUB COMPETITIONS 2017-2020”. アジアサッカー連盟. 2020年8月15日閲覧。(第2節・第4節を参照)
  5. ACLルール厳格化 川崎F等々力1階席は無観客に”. 日刊スポーツ (2016年8月24日). 2019年7月10日閲覧。
  6. Entry Manual for AFC Club Competitions Edition 2021”. アジアサッカー連盟. 2020年8月15日閲覧。
  7. AFC Executive Committee announces updates to 2020 competitions calendar”. アジアサッカー連盟 (2020年9月10日). 2020年9月17日閲覧。
  8. ACLの試合がさらに延期、AFC杯は中止に 連盟発表”. AFPBB News (2020年9月11日). 2020年9月17日閲覧。
  9. AFC主催の各カテゴリ計14大会で放映権を獲得!アジアサッカー連盟と2028年まで長期契約を締結 AFCアジア予選 – Road to Qatar –、AFCアジアカップなど日本代表戦全試合を含むアジアの真剣勝負がDAZNに!”. DAZN Media Centre. 2021年8月19日

外部リンク

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