Ardour

Ardourは、ハードディスクレコーダーデジタルオーディオワークステーションを兼ねたアプリケーションソフトである。

Ardour
Arch Linux 上で動作中の Ardour
開発元 The Ardour Community
初版 2004年9月23日 (2004-09-23)[1][脚注 1]
最新版
8.2 / 2023年12月13日 (2023-12-13) [3]
リポジトリ github.com/Ardour/ardour
プログラミング
言語
C++
対応OS Windows, macOS, GNU / Linux, FreeBSD
種別 DAW
ライセンス GPL
公式サイト https://ardour.org/

WindowsmacOSLinuxFreeBSD上で動作する[4]。主な作者は Paul Davis で、彼は JACK Audio Connection Kit も開発した。プロ用のデジタルオーディオワークステーションを志向している。

GNU General Public License でリリースされており、フリーソフトウェアである。{{

機能・特徴

以下にArdourの最も基本的な機能の概要を紹介する。

録音

Ardourの録音能力は使用するハードウェアによって制限される。ソフトウェア側には制限は設けられていない。既存の素材上に録音する場合、Ardourはレイテンシ補正を行うことができ、タイミングを合わせることができる。Ardourでのモニタリングでは、外部ハードウェアのモニタリング(一部サウンドカードがサポートする機能)、Ardourのモニタリング、JACKのモニタリングが可能である。Ardourのモニタリング機能を使うと、リアルタイムで録音中の信号にプラグインのエフェクトを適用することができる。Audioserver JACKを使うと、サウンドカードからだけでなく同時にJACK互換ソフトウェアからも録音できる。JACK互換ソフトウェアにはソフトウェアシンセサイザーやオーディオエフェクトホストなど様々なものが存在する。

JACKの新バージョンでは、一般のIPネットワーク上で音声を転送することができる[5]。これを利用するとオーディオインタフェースをもつハードウェアとArdourが動作するハードウェアを分離することもできる。

ミキシング

Ardourは任意個のトラックとバスをサポートする。また、非常に柔軟なルーティングシステムを備えている。全てのゲイン、パン、プラグインパラメータは自動化できる。余裕と忠実度を最大にするため、全てのサンプルデータは内部では32ビットの浮動小数点数で表され、ミキシングされる。

編集

Ardourはサンプル単位の解像度で録音範囲をしてのドラッギング、トリミング、タイムストレッチが可能で、録音範囲のレイヤ化も可能である。多様なクロスフェード編集ツールやビート検出ツールもある。Undo/Redoも無制限に可能で、あとで参照するために現在のセッションをスナップショットとして保存するといった機能もある。

マスタリング

Ardourはマスタリング環境として使うことができる。JACKと連携させることでJAMinなどのマスタリングツールを使い、オーディオデータを処理できる。Ardourのミキサの出力をJAMinや他のJACK互換音声処理ソフトに送り、それらの出力を録音ソフトで録音する。ArdourはTOCファイルやCUEファイルもエクスポートでき、音楽CD制作も可能である。

互換性

ArdourはFLOSSアプリケーションであるため、誰でもソースコードを見て改造できる。例えばArdourのmacOS版はプロジェクトの参加者ではなかった誰かが自力で移植したのが最初である。Ardourは機能を向上させ移植を容易にする限りにおいて、業界標準をなるべく採用している[6]

Ardourは、x64 / x86 / PowerPCアーキテクチャ上で動作するGNU / LinuxSolarisインテルおよびPowerPCを使った macOS 上で評価されている。マルチプロセッサマルチコア、OSのリアルタイム機能などがあれば、性能向上に寄与する。ただし、Linuxと macOS 以外のOSでのサポートは限定的である[7]

プラグイン

オーディオエフェクト処理や強弱制御などの様々な機能はプラグインで提供している。Ardourは、LinuxではLADSPALV2というプラグインアーキテクチャをサポートし、macOS ではさらに Audio Units もサポートしている。スタインバーグVSTプラグインをArdourで使うには、Ardour自体をVSサポートを含むようにコンパイルするか、そのようにコンパイルしたパッケージを使う必要がある。バージョン2.8以降では、VSTサポートにスタインバーグのVSTソフトウェア開発キット (SDK) を必要としなくなった[8]

インポートとエクスポート

Ardourはセッション全体や一部をエクスポートでき、30種類以上の音声ファイルフォーマットのオーディオクリップをインポートしてセッションに加えることができる。これは、Ardourに組み込まれているオーディオファイルのベータベースマネージャを使って行うこともできるし、普通のファイルブラウザから直接行うこともできる。

サポート企業

SAE Institute は2009年2月までArdourプロジェクトをサポートしていた。同社はオーストラリアやイギリスを中心に音楽制作の専門学校(一部は大学)を経営している。そのため初心者が使いやすい macOS 版の強化を目的として資金提供していた[9]

ソリッド・ステート・ロジックはバージョン2の開発期間中 Paul Davis を雇い、フルタイムでArdour開発にあたらせた(2006年末まで)[10]

Harrison Audio Consoles は2005年初めごろからArdourプロジェクトを支援している。同社の Xdubber という製品は Ardour をベースとしており、企業レベルのDAWユーザーのためのカスタマイズ可能なプラットフォームとしても利用できる[11]

脚注

  1. Ardour の最初の一連の開発は0.99で終了し、1.0はリリースされていない。1.0で計画されていた全機能は2.0以降に実装された。[2]

出典

  1. Davis, Paul (23 September 2005). "ardour 0.99 released". ardour-dev (Mailing list). 2008年12月30日閲覧
  2. Davis, Paul (23 September 2005). "post 0.99". ardour-dev (Mailing list). 2005年11月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年12月30日閲覧
  3. Ardour What's new”. 2024年1月1日閲覧。
  4. Ardour - System Requirements”. 2008年12月3日閲覧。
  5. NetJack - Jack Over The Net”. 2009年8月12日閲覧。
  6. Ardour Key Features”. 2008年5月16日閲覧。
  7. Solaris discussion”. 2008年12月3日閲覧。
  8. Ardour 2.8 Released”. 2009年3月28日閲覧。
  9. SAE Institute Sponsors Ardour Open Source DAW Project
  10. Ardour Seeks New Sponsorship
  11. Xdubber”. 2009年8月12日閲覧。

外部リンク

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