アンティ・トルマネン

アンティ・トルマネン(フィンランド語: Antti Törmänen、1989年6月28日 - )は、日本棋院東京本院所属の囲碁棋士。初段。フィンランドの北ポフヤンマー県オウル市出身、小林千寿六段門下。

経歴

フィンランド在住の12歳の頃、漫画『ヒカルの碁』を読んで囲碁に興味を持ち、地元の囲碁クラブに通い始めて囲碁を始めた[1]。その後はヨーロッパで100回以上アマチュア棋戦に出場し、経験を積んだ[2]。その間の主な実績は、世界青少年囲碁選手権大会で2005年5位、フィンランドの選手権で2008年・2010年・2012年優勝、ロンドン碁コングレスのオープン部門で2010年優勝、ヨーロッパ碁コングレスの早碁トーナメントで2011年優勝、同コングレスのオープン部門で2013年準優勝など[3]。

フィンランドの大学に在学中、親しくなった中国人に誘われて、北京に1か月半留学[4]。囲碁の技術の高さに驚きを感じ、強くなるにはヨーロッパを離れるべきだと決意する[4]。2011年の秋に渡日し、日本棋院の院生となる[1]。約7か月の滞日のあとフィンランドに帰国し、大学を卒業[1]。2014年4月に改めて渡日し院生に復帰、小林千寿門下となり、囲碁の勉強に励んだ[1][5]。

2015年の日本棋院冬季棋士採用試験では院生序列により本戦から出場[2][6]。結果は8勝7敗の9位であったが[6]、本戦で勝ち越しを決めたことにより外国籍特別採用棋士としての採用が決定された[5][7]。2016年4月に入段。ヨーロッパ出身の日本棋院所属棋士の誕生は、ハンス・ピーチ以来19年ぶり[5]。

2020年に妻の生田慶穂が山形大学の准教授になったことに合わせて山形県に転居し、当地で指導や普及活動を行っている[8][9]。

入段後は各棋戦に出場する傍ら、日本国外での普及活動や翻訳活動も行っている[10]。

人物

  • フィンランド語のほかに英語やドイツ語など6か国語を操る[1]。来日当初は日本語は挨拶程度しか理解できなかったが、入段決定直後の2016年の時点で漢字も読めるようになったほか、敬語なども流暢に扱えるようになっている[1][7]。
  • 入段後には、目標としてまず三段まで昇段することや[7]、囲碁の普及[1]を挙げている。また、アマチュアへの指導や、英語の書籍の執筆なども行っていきたいと語っている[2]。
  • 1980年のレークプラシッドオリンピックのスキージャンプ90m級で金メダルなどの実績があるスキージャンプ選手のユーコ・トルマネンは、アンティの伯父にあたる。そのため、日本の棋士という「特殊な世界」で生きることに対し、両親の理解は深かったという[7][11]。
  • 好きな棋士として高川格・本因坊秀栄・武宮正樹を挙げている[7]。

著書

  • Invisible: The Games of AlphaGo(Hebsacker Verlag, 2017年)ISBN 3937499067, ISBN 9783937499062

脚注

  1. “【きょうの人】フィンランド出身で囲碁プロ棋士に アンティ・トルマネンさん(26)「目標はタイトル獲得と子供たちへの普及」”. 産経ニュース (2016年1月2日). 2019年6月27日閲覧。
  2. “Antti Tormanen made it to a professional player!” (英語). ヨーロッパ囲碁連盟 (2015年12月8日). 2019年6月27日閲覧。
  3. “ABOUT ME” (英語). Go of Ten(本人によるブログ). 2019年6月27日閲覧。
  4. “岡目八目 アンティ・トルマネンさん(2)囲碁へ囲碁留学し院生に”. 読売新聞 (2016年7月5日). 2022年11月13日閲覧。
  5. “北欧フィンランドからやってきた!注目のプロ棋士、アンティ・トルマネンさん”. TABIZINE~人生に旅心を~ (2016年3月31日). 2019年6月27日閲覧。
  6. “平成28年度冬季棋士採用試験”. 日本棋院. 2019年6月27日閲覧。
  7. “千寿会かってにホームページ”. 2019年6月27日閲覧。「アンティ君、入段おめでとう!」(2015年12月8日)及び「アンティ君の入段祝」(2016年2月2日)を参照。
  8. “フィンランド出身の囲碁棋士、山形に 「プロ育てたい」普及にも力:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年9月13日). 2023年12月7日閲覧。
  9. “フィンランド出身の囲碁プロ棋士 山形拠点に動画サイトで海外への普及に尽力”. 河北新報オンライン (2022年9月8日). 2023年12月7日閲覧。
  10. “トルマネン初段、山形の囲碁熱く フィンランド出身プロ棋士”. やまがたニュースオンライン. 2023年12月7日閲覧。
  11. “岡目八目 アンティ・トルマネンさん (3)正棋士目指し大事な時”. 読売新聞 (2016年7月12日). 2022年11月13日閲覧。

外部リンク

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