インパルスガンダム

インパルスガンダム (IMPULSE GUNDAM) は、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する、モビルスーツ (MS) に分類される架空の有人式人型ロボット兵器の一つ。「プラント」の軍隊「ザフト」が開発した5機の試作型MS「セカンドステージシリーズ」の1機で、劇中前半で主人公のシン・アスカ、後半からはヒロインのルナマリア・ホークが搭乗する。同じザフト製である量産機「ザクウォーリア」や、前作『機動戦士ガンダムSEED』に登場する地球連合軍のMS「ストライク」に似たバックパックの換装機構を持つとともに、装備ごとに機体色が変化するのが特徴。さらに、ほかのガンダムシリーズ作品のMSで見られる「コア・ブロック・システム」に似た、機体の分離・合体構造を持つ。「インパルス」は英語で「衝撃」を意味する。メディアや関連商品では「インパルスガンダム」と公称されるが、『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』やその関連作品群の作中内の設定においては、同作の他のガンダムタイプ同様に「インパルス」と呼称される。

本項では、関連作品に登場する改修機ならびに派生機についても解説する。

デザイン・設定

メカニックデザイン大河原邦男が担当した。大河原はインタビューに際し、監督である福田己津央の意向からコアスプレンダーが取り入れられた旨を語っている。「その分離・合体は中々のインパクトだと思うのですが」というインタビュアーの質問に対し、大河原は飛びそうに見えるようにパーツを映像上のシーンを優先し、これで飛んでもいいというレベルでデザインしたと語っている。また、大河原は福田から下半身のみの分離で攻撃するなどのアイデアを聞いていた旨の言及もしている。なお、元々はセカンドステージの5体のガンダムすべてにコアを内蔵する予定があったものの(大河原はその際、飛行機型ではなく月着陸船のようなコアを提案している)、福田との検討を重ねるうちにインパルスのみの採用になったという[1]。また、後に大河原が提案した初期のコアポッドのデザインは『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV』のザクスプレンダーに転用されている[2]

設定解説

諸元
インパルスガンダム[3][4]
IMPULSE GUNDAM[3][4]
型式番号ZGMF-X56S[3][4]
全高17.76m[3][4]
重量63.54t[3][4]
装甲材質ヴァリアブルフェイズシフト装甲[5][6]
動力源バッテリー(パワーエクステンダー搭載[6])
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
MMI-RG59V 機動防盾
特殊装備マルチパック機能付きコアブロック
搭乗者シン・アスカ
ルナマリア・ホーク

インパルスガンダムはザフトによって開発された、「セカンドステージシリーズ」に位置付けられる換装機構を導入したモビルスーツ(MS)であり、デュートリオンビーム送電システムやコアスプレンダーをはじめとする各種新機軸の機能を投入し、単機で従来MS複数分の性能を発揮する事でユニウス条約の制約である「MSの保有数の制限」をクリアしたMSとなっている[5][7][注 1]

オーブからの技術者移住や、ザフトにおけるファーストステージの技術がフィードバックされた事からインパルスガンダムは引き続き「ガンダム」の意匠を持つ機体として開発された[3][注 2]。型式番号の「セカンドステージシリーズ」の1機として、「X」は実験機、「5」は換装型、「6」は開発ナンバー、「S」は「Second Stage(セカンドステージ)」を示す[10]。他のセカンドステージシリーズ同様に基本性能はフリーダムジャスティスといったファーストステージ機を引き継ぎ、同時代の量産機を凌駕する[11]

インパルスガンダムはコアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤーの合体でMS形態となる機構を導入し、生存性と戦闘継続能力に秀でる[3][注 3][注 4]

加えて、背部への換装装備としてシルエットも持ち、戦況に応じて飛行・高機動戦型、格闘戦型、砲撃戦型等のバックパックを装備する事が出来る[3][注 5]。インパルスの本体はシルエットのコアユニットとしての意味合いが強く、武装構成は基本的なものとなる[3]。換装システムなどで汎用性を極限まで追求した機体であり[15]、ユニウス条約締結下において徹底した高性能化を求めて開発された[16]

前線配備された実機はミネルバ配備されたものも含めて2桁にも満たない[17]。これは機体構造が複雑なために整備性が悪く、訓練面においてもパイロットに負担を強いる機体であったことと[17]、その性能をフルに発揮する場合、シルエットを含むパーツを管理可能な専用母艦さえ必要とする点に起因する[17]。こうした理由からザフトにおいてはデスティニーインパルスをロールアウトした後、新規の後継機としてZGMF-X42S デスティニーを導入している[17][注 6]

ただし、詳しくは後述されるが、ザフトにより制式に実戦配備されていない、一部仕様が変更され民間で量産されたインパルスガンダムの実機が、ザフトにて制作された総数よりも多く生産・外部に流出している。

インパルスシステム

インパルスの合体機構は(場合によっては後述のシルエットシステムや運用母艦のミネルバも含めて)インパルスシステムと呼称される[18]。このシステムは前大戦時にザフトにおいて開発されたZGMF-X11A リジェネレイトのコンセプトを踏襲するものと思われる[19][注 7]。コアスプレンダー以外が破損しても新たなパーツに交換する事で戦線復帰が行えるほか、チェストフライヤーやレッグフライヤ―に内蔵電源が個別に用意されているため、再合体による戦闘の継続が行える利点がある[18]。 このような利点はあるものの、合体機構そのものの存在意義は各種資料において明確に解説されておらず、必ずしも明らかではない[注 8]

外伝作品『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』作中においては、同作の主人公であるジェス・リブルがプラントの技術者であるコートニー・ヒエロニムスに対し、「合体システムのメリット」を尋ねたところ、コートニーは「設計者の真意は解らない、独自の解釈」と前置きしたうえで、一次大戦においてフリーダム等のような単独で戦局に影響を与える戦果を発揮したMSを準え、インパルスは各種のサポートも含めて類似した運用が可能な機体であり、将来的にはシルエット等のパーツさえもドラグーン・システムによって制御し、武器類やパワーはパイロットの好きな時に呼び出せる可能性がある。最終的には母艦さえも不要となる「インパルス・システム」とした構想が可能な機体であるとの見解を示している。これに対し、同行していたカイト・マディガンは「夢のような話」と一蹴、分離合体機構の実装を条約によってMSの保有数が制限された事に対する苦肉の策であると指摘した。コートニーはこれに首肯しつつ、インパルスはまだ実証試験中であるため、プランそのものに変更が入る可能性があると述べている[20]。一方で、インパルスの取材中に分離飛行を目撃したジェスはこれを3機の戦闘機と認識し、合体に驚愕した[21]。その後ジェスとカイトが合体機構に関して考察した際は、ジェスがインパルスの合体に感じた「格好良さ」に波及し、これにプロパガンダの役割があるものと結論付けている。ただし、カイトは「プロパガンダのためだけに合体しているわけではない」とさらに言及している[22]

また、インパルスの合体システムは一次大戦時の換装システムを発展させたものであり、チェストフライヤーとレッグフライヤーの交換が可能な構造でありつつも、そのバリエーションが実機製造されなかったとされている[23]。その後、コートニー・ヒエロニムスはザフトにおけるセカンドシリーズの発展開発に携わり、その結果として完成した機体にデスティニーインパルスが存在する。しかし、その機体が作られた際に軍上層部が持ち出した方針は単機単一装備であらゆる局面に対応するというものであり、コートニー自身が評価していた状況における武装チェンジの可能性も意味をなさないものとなっていた[24]

コアスプレンダー

諸元
コアスプレンダー
CORE SPLENDOR[4]
型式番号YFX-M56[4]
YFX-M56E[25]
全長5.67m[4]
重量3.02t[4]
武装MMI-GAU19 20mm機関砲×2
QF908 航空ミサイルランチャー×2
(AGM33 レディバード誘導ミサイル)

インパルスの中核を成す独立型コクピット。戦闘力こそ高くないものの、パイロットの生存率の向上に寄与している[26]前大戦において有能なパイロットを損失したことから導入された機構で、射出座席の延長線上にある装備と言える[8]。従来型の脱出カプセルでは生還率の向上が見込めなかった事から戦闘機としての能力が付加された[27]。主兵装は機首のMMI-GAU19 20mm機関砲の他、翼下にQF908 航空ミサイルランチャーを装着し、さらにその中にAGM33 レディバード誘導ミサイルを装填している。この航空ミサイルランチャーはMSへのドッキング時には切り離され、可能な限り母艦へと自動で帰還する[28]が、発艦直後に合体する運用予定時でもこのポッドを搭載している作中描写(バンク動画)となっている。また、スラスターはVTOL可能な可変型ノズルとなっており、連合系戦闘機の技術が取り入れられている[4]。尚、MSへの合体のためシートには位置が90度回転する機構を設けるとともに、キャノピーディスプレイに切り替わる兼用タイプとなっている[3]。このコアスプレンダーにはVPS装甲は搭載されていないため、対弾性に欠ける弱点もある[29]

当初はインパルス以外のセカンドステージシリーズ機にも導入される予定があったが、採用に至らなかった[14]。これは各機とコアスプレンダーの兼ね合いが難しかったことに起因しており、完成したカオス・アビス・ガイアの3機は得意な戦場においてインパルスを支援する機体として位置付けられている[20]。また、コアスプレンダーはこのほかにザクスブレンダーのものしか存在しないことから、その採用そのものが何らかの政治的意図の介在があった可能性も推測されている[8]

チェストフライヤー

インパルスガンダムの上半身を構成するユニットで、単独飛行が可能[3]。シールドを装着した状態で発進するが、その際のフォルムが空気抵抗を低減させるほか、リフティングボディと同様の効果を得ている[30][注 9]。レッグフライヤーともども設計者をして「まったく新しい効率のいいMSシステム」であるとされる[5][7]

レッグフライヤー

インパルスガンダムの下半身を構成するユニット。単独飛行が可能となっており、両膝と腰部には降着脚も収納されている[3]

武装・装備

MMI-GAU25A 20mmCIWS
胸部に2門内蔵されるCIWS。主に近接戦闘で使用される[32]。また、ミサイル迎撃や防御、対人・対ソフトスキンに使用されるものの、射角が限定されるとした資料もみられる[33]。アニメーション『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第18話作中では至近距離でダガーLの装甲を貫通している。
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ
インパルスの両腰部に2本収納されている折りたたみ式(フォールディング)のMSサイズのナイフ。連合のGAT-X105 ストライクに装備されたアーマーシュナイダーの交戦データから作られた装備となる。実体剣と振動波を併用し、他の武装と比較して機体の電力を消費しないため、インパルスの最後の武器となる[34]。一般的なMSの装甲ならば貫通可能な切れ味を誇る[3]
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
フリーダムジャスティスに装備された「MA-M20 ルプス」を改良したビームライフル[5][7][34]。一方で、原型となったモデルはセイバーに搭載されたMA-BAR70であるとした資料もみられる[35]。カオスガンダム、ガイアガンダム、セイバーガンダムら他のセカンドステージシリーズが装備するライフルも、外観こそ違うが設計思想はほぼ同一である[36]
MMI-RG59V 機動防盾
対ビームコーティングがなされたシールドで、形態に合わせて大きさを変化させる事ができる[5][7]。また、チェストフライヤー時にはランディングギアの代わりとしてシールドの上端と下端部分がせり出して接地面となるように設計されている。インパルスガンダムはミネルバでの運用を想定しているが、通常基地での運用も考慮して内蔵された機能とされる[36]
マルチパック
拡張性を模索する中で製作された、連合のストライカーパック規格の装備の換装・使用を可能とした非変形型コアブロック(マルチパック)。コネクター規格はオーブからの流入技術者よりもたらされた[37]

シルエットシステム

インパルスガンダムに設定された換装システム[5][7]ザクウォーリアの「ウィザードシステム」から発展開発したものとされる[33]シルエットは高機動戦・通常戦闘用仕様であるフォース・接近戦・対艦戦仕様であるソード・砲撃戦仕様であるブラストの3種類が用意されているが[注 10]、これらのシルエットは必要とされるエネルギーがそれぞれ異なるため、装着したシルエットに応じてVPS装甲に掛ける電圧を調整され、装甲強度と使用エネルギー量が変化する[38][注 11]。その副次効果により装甲の色は装備するシルエットごとの固有に変化する[3]。また、各シルエットにはパワーパックが内蔵されており、バックパックの交換で稼働時間を延長する事も可能としている[39][注 12]。インパルスは全形態において大気圏内におけるホバリング機能を持ち、シールドとビームライフルを標準で携行する事から、戦闘における汎用性はより向上する事となった[3]

シルエットフライヤー

諸元
シルエットフライヤー
SILHOUETTE FLIER[4][40]
全長約3.81m[40] / 3.81m[29][注 13]
14.76m(フォースシルエット装着時)[29][注 14]
15.39m(ソードシルエット装着時)[29][注 15]
21.14m(ブラストシルエット装着時)[40][29][注 16]
重量不明

シルエットシステム専用の無人牽引機で、役目を終えると自動で母艦に帰還する[5][7]。インパルスガンダムのシルエットを前線で換装する際に用いられるほか、移動武器庫としても機能する[37]

シルエットフライヤーは大気圏内・宇宙を問わずに飛行可能としている[3]。また、コントロールはミネルバからの指令、またはプログラムで行われている[29]。単独での戦闘力はないとした資料[29]、フォースシルエット装着時には本体とのスラスターも含めて高速飛行が可能な他に、ソードシルエット装着時は対艦刀によって大型艦艇に攻撃する事も可能とした資料が存在する[40]

フォースインパルスガンダム

諸元
フォースインパルスガンダム[4]
FORCE IMPULSE GUNDAM[4]
型式番号ZGMF-X56S/α[4]
全高18.41m[4]
重量78.3t[4]
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
A-M941 ヴァジュラビームサーベル×2
MMI-RG59V 機動防盾

フォースインパルスは無重力・重力下を問わない高機動戦闘用シルエット「フォースシルエット」を装備した形態である[5]

フォースシルエットは大出力スラスターや主翼を備え、宇宙空間や大気圏内を問わず高い飛行能力を発揮。空戦能力でフリーダムに匹敵する性能を誇る[3][41]。また、装備としてビームサーベルを2基搭載する[3]。VPS装甲の色は、シルエットを装着していないインパルスと同じくを基調とするものとなっている。

追加武装
MA-M941 ヴァジュラビームサーベル
フリーダム、ジャスティスに装備された「MA-M01 ラケルタ」の発展型ともいえるビームサーベル[41]。ユニウス条約により関連技術が制限されることを踏まえて行われていた技術研究により開発されており[41]、より高出力になっている[41]。セカンドステージシリーズのMS用に開発されたものであり[41]セイバーカオスガイアも同じものを装備している。
ヴァジュラビームサーベルにはミラージュコロイドの電場固定技術を応用しているという資料[5][7][33]とユニウス条約により関連技術が制約されることを踏まえて、従来のミラージュコロイド技術とは異なる技術によって開発されたとする資料[41]がある。
ヴァジュラビームサーベルに使用されているミラージュコロイド応用技術がユニウス条約違反ではないかという議論が起きたが、ミラージュコロイド応用技術まで禁止にするのは双方にとってリスクのあるものだったため、有耶無耶になった[5][7]
「ヴァジュラ」とはインド神話に登場する雷神インドラの持つ槌矛の名前。
備考
エンジェルダウン作戦においてフォースインパルスの形態でソードシルエットのMMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀を使用したことから、プラモデル「1/100 MG フォースインパルスガンダム」等にはこの対艦刀が付属している。ゲーム『SDガンダム GGENERATION』シリーズや『スーパーロボット大戦シリーズ』などではエクスカリバーを構えての突撃がフォースインパルスの武装として追加されていたりと、本形態でのオプション装備として取り上げられている。

ソードインパルスガンダム

諸元
ソードインパルスガンダム[4]
SWORD IMPULSE GUNDAM[4]
型式番号ZGMF-X56S/β[4]
全高19.37m[4]
重量78.93t[4]
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
I-710 エクスカリバーレーザー対艦刀×2
RQM60 フラッシュエッジビームブーメラン×2
MMI-RG59V 機動防盾

ソードインパルスは対艦・対MSの格闘戦を想定した格闘戦用シルエット「ソードシルエット」を装備した形態である[3]

ソードシルエットに搭載される追加装備は全て近接戦闘用のもので、対MS戦から対艦戦、対陽電子リフレクター装備機との戦闘で威力を発揮する[3]。VPS装甲の色は白とが基調となっている。

追加武装
MMI-710 エクスカリバー レーザー対艦刀
ソードシルエットに2本装備された、インパルスの全高ほどの長さを持つレーザー対艦刀。ソードストライクソードカラミティに装備されたシュベルトゲベールの影響を受けた装備で、大型ながら片手で振り回す事が可能で二刀流や連結形態での使用等、運用の幅が広い。柄同士を連結させた形態は「アンビデクストラスフォーム」と呼ばれる。この形態では槍やランスのように間合いをとった戦いに適する[42][26] 。また、この装備の特性として、ビーム部分で敵を焼灼し、実体剣部分で押し切る攻撃も可能であるとした表現も見られる[43]。アニメーション『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』作中では第12話、第28話において艦艇に対する攻撃を行った。また、第34話においてはフォースインパルスガンダムがこの装備を使用しており、その際は刃先までレーザーの展開範囲が延長していた[44]。第38話ではレジェンドがこの装備を使用した事もある。
名称の由来はアーサー王が所有していたとされる聖剣エクスカリバーから。
RQM60 フラッシュエッジビームブーメラン
ジャスティスに搭載されていた「RQM51 バッセルビームブーメラン」の改良発展型で、2つのブーメランの本体部分を結合する事でビームではなく実体の刃を持ったブーメランとして使用する事も出来、この状態では複数の敵機を撃破する[42][26]。また、連結状態では質量を生かした衝撃による攻撃等多用途な運用が行えるとした資料もみられる[45]
従来と異なり量子通信でコントロール可能としている[3]。アニメーション『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第38話作中においては、フォースインパルスガンダムが使用した。

ブラストインパルスガンダム

諸元
ブラストインパルスガンダム[4]
BLAST IMPULSE GUNDAM[4]
型式番号ZGMF-X56S/γ[4]
全高19.21m[4]
重量84.68t[4]
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
M2000F ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲×2
MMI-M16XE2 デリュージー超高初速レール砲×2
GMF39 4連装ミサイルランチャー×2
(AGM141 ファイヤーフライ誘導ミサイル)
MA-M80 デファイアントビームジャベリン×2
MMI-RG59V 機動防盾

ブラストインパルスは対艦攻撃・対要塞攻撃を想定した火力強化用のシルエット「ブラストシルエット」を装備した形態である[3]。VPS装甲は白とが基調となっている。

追加武装
M2000F ケルベロス高エネルギー長射程ビーム砲
ブラストシルエットに2門備えられたビーム砲。ガナーウィザードのオルトロスの改良型[46][注 17]。名称はギリシア神話に登場する冥界の番犬ケルベロスに由来する。
MMI-M16XE2 デリュージー超高初速レール砲
肩部に装備された2門のレールガン。フリーダムに採用されたクスィフィアスの系列モデルで、プラズマを投射する事も可能としている[46]。ケルベロス、もしくは4連装ミサイルランチャーと同時発射も可能。
デリュージーとは「豪雨」の意
GMF39 四連装ミサイルランチャー(AGM141 ファイヤーフライ誘導ミサイル)
ケルベロスと一体になっているミサイルランチャー。AGM141「ファイヤーフライ」誘導ミサイルの発射管が2門の砲身に4つずつ、計8つ備えられている。ケルベロスの砲口と正反対の位置に付いている為、ケルベロスとの同時発射は出来ない。
装填されるファイヤーフライはカオスガンダムのものと同型[47]
MA-M80 デファイアントビームジャベリン
ケルベロスの砲身内部に収納されている。接近戦に対処するための装備である[48]。柄が長いため、ケルベロスの展開状態でも使用可能[46]。砲撃戦を得意とするブラストシルエットでは、敵機との間合いを稼ぐ効果も持つ[49]。アニメーション『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』第28話では、これを投擲しアビスガンダムを撃破している。
デファイアントとは「挑戦的」「大胆」の意。玩具商品『モビルスーツインアクション ブラストインパルスガンダム』(バンダイ、2004年11月)や『MMMGQ ブラストインパルスガンダム』(バンダイ、2005年2月)では二つのビームジャベリンを連結可能なギミックが存在した。
備考
『DESTINY ASTRAY』においては廃コロニーから脱出する際、アストレイ アウトフレームがインパルスからブラストシルエットを借り受けて使用したこともあった。

劇中での活躍

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』
最新鋭の宇宙戦闘母艦ミネルバに配備されたインパルスガンダムとそのパイロットのシン・アスカの初陣は、同じセカンドステージシリーズの3機の機体が地球連合軍第81独立機動軍ファントムペインに奪取された事変でのことである[50]。シンは3機を捕獲すべくソードインパルスにて格闘戦に臨んだが、同等のおよ性能を持つそれら機体を相手にとっての戦闘はアスラン・ザラやザフトMS部隊の支援があっても厳しいものであった。レイ・ザ・バレルザクファントムの参戦により体勢を立て直したものの、3機のアーモリーワンからの脱出を許してしまう。ミネルバの任務は3機を強奪した「ボギー・ワン(ガーティ・ルー)」追撃戦へと移行、インパルスガンダムはルナマリア・ホークザクウォーリア、2機のゲイツRと共に敵母艦への直接攻撃を試みるが、敵部隊の奇策に嵌りその行方を見失う。母艦であるミネルバの撃沈は免れたもののゲイツRを2機失い、初任務は苦い結果に終わった。その後のユニウスセブンの破砕作業の支援においても、VPS装甲の強度と機体推力を活かした僚機の救難以外には特筆すべき活躍を見せることは出来ず、パイロットがルーキーとは言え機体性能を十分に発揮するには至らなかった。
第12話においては、デュートリオンビーム送電システムや分離・合体機構などのインパルスガンダムならではの特性を存分に用い、新型MA(モビルアーマーザムザザーを撃破する。その上にも、地球連合軍の水上艦艇に取り付き空母2隻を含む戦闘艦6隻を大破・撃沈させるという大戦果を挙げ、ミネルバの活路を切り開いた。
以降インパルスは、地球にてミネルバと共に各地を転戦。地球連合軍ガルナハン基地の陽電子砲台ローエングリンゲートを撃破し、さらにクレタ沖での戦闘にてアビスを撃破、オーブの派遣艦隊を壊滅させるなど着実に戦果を重ねていく。だが、ミネルバと連合・オーブ軍との戦闘に介入するキラ・ヤマトのフリーダムに対しては敵わず、あしらわれていた。
エンジェルダウン作戦においてインパルスは、フリーダムガンダムの足止め及び撃破の任を担い出撃する。この戦闘でシンは破損した上半身を突撃させ爆破する攻撃や、上半身と下半身を分離しての攻撃の回避など、インパルスガンダム特有の戦法を駆使しフリーダムガンダムを追い詰めた。最後にはインパルスガンダムは飛行する(ソード)シルエットフライヤーからフラッシュエッジビームブーメランとエクスカリバーレーザー対艦刀を受け取って装備、フォースインパルスのまま手に取ったエクスカリバーレーザー対艦刀による刺突でフリーダムを撃破した[注 18]。対艦刀で腹部を貫かれたフリーダムはインパルスの目の前で大爆発を起こし、その直撃を受けたインパルスは頭部・左腕・フォースシルエット垂直尾翼などの機体各部を損傷しさらにフェイズシフト装甲も機能を停止、辛うじて滞空を維持する状態、という大ダメージを受けつつも無事に帰還している。
この戦闘については、シンは事前にレイによる協力の元で入念に対フリーダム戦を想定し戦いに備えている。その成果として、シンが搭乗するインパルスはフリーダムのビーム射撃を僅かな挙動で回避し、機動防盾で的確に防いだ。他にも投擲した機動防盾に向けてビームライフルを撃ち、反射させたビームによりフリーダムを損傷させるという離れ業を見せている。
フリーダムとの激戦に勝利したシンはデスティニーガンダムを受領する。その為にインパルスガンダムのパイロットはルナマリアが後任した。パイロットが変わったインパルスはヘブンズベース攻防戦や宇宙に戻ってのレクイエム攻略作戦などに参加し戦果を上げている。
宇宙へと舞台を移してからの第49話 - FINAL PHASEにかけ、メサイア攻防戦においてもインパルスガンダムはルナマリアの操縦で戦い抜いた。しかしこの戦闘にてインパルスはエターナルを撃沈すべく狙うも、そのクルーとなっていた実妹・メイリンの説得にルナマリアが板挟みとなり、間隙を突いたドムトルーパーのジェットストリームアタックに圧倒され撤退を余儀なくされている。また、アスランの駆るインフィニットジャスティスとの交戦では機体の欠損に至る攻撃を被り、ここでも戦線を離脱するなど苦戦の連続となった。
戦闘の最終局面での月地表付近の戦いにて、インパルスガンダムはアスランとシンの戦いを止めるルナマリアによってインフィニットジャスティスとデスティニーガンダムの間に立ちはだかった。機体の損傷を推して行動したインパルスガンダムに執念に捉われたシンによるデスティニーのパルマフィオキーナが向けられたが、辛くもインフィニットジャスティスガンダムによって窮地を救われている。
インパルスはインフィニットジャスティスとの戦いで大破したデスティニーを追い月面に降り、戦闘の終焉を迎えた。寄り添うように横たわるインパルスガンダムとデスティニーガンダムの姿が最終回のエンドカードとして使われ物語を締め括った[注 19]
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』
『DESTINY』開始前のエピソードが描かれており、マスメディアによる取材の中でカオスガンダムガイアガンダムアビスガンダムと共に性能試験や模擬戦などを行っていた。

インパルスガンダムSpec II

諸元
インパルスガンダムSpec II
IMPULSE GUNDAM Spec II[51][25][52]
型式番号ZGMF-56E2
ZGMF-56E2/α(フォース)
ZGMF-56E2/β(ソード)
ZGMF-56E2/γ(ブラスト)[25]
武装試製35式改レールガン×1
※その他すべて改修前に同じ
特殊装備MS埋め込み式戦術強襲機「ミーティア」(08号機)
搭乗者ルナマリア・ホーク

C.E.75年を舞台とする映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場[53]

カガリ・ユラ・アスハの要請を受けたモルゲンレーテ社技術者のエリカ・シモンズが、オーブに搬入されたインパルスを改修した機体。本体や各シルエットの武装に変更はないが、熱耐性や防弾耐性を強化する目的で最新型のバッテリーに換装された結果、各シルエット装着時のVPS装甲色が変化している[53][51][25]

ストライクフリーダム弐式デスティニーSpec IIとともにオーブ・アカツキ島の秘密ドック内に保管されていたが、ファウンデーション本国内の戦いで多くの戦力を喪失した世界平和監視機構「コンパス」に提供され、自身のゲルググメナースヒルダ・ハーケンに譲ったルナマリアの新たな乗機となる。ファウンデーションとの決戦ではゲルググメナースギャンシュトローム用の「試製35式改レールガン」を装備し[54]、フライヤー装着状態のシルエット2種を随伴させつつ前線で換装する戦術を実行。PSダウン時もデスティニーSpec IIからのデュートリオンビーム補給を受けて戦線を維持し、敵に寝返ったアグネス・ギーベンラートのギャンシュトロームを撃破後は、ミーティアユニットを装備してレクイエム破壊に貢献する。

バリエーション

デスティニーインパルス

雑誌『月刊ホビージャパン』の模型連動記事『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV』にて登場した。デザインは大河原邦男が担当[2]。機体色は、当初、ホビージャパン編集部から大河原邦男への発注時には、機体色を「青紫」のイメージでなされていたが、実際描かれたイラストでは赤みの強いものとなっていた[2]。さらに同機の模型作例を製作したモデラーが、画稿を空気遠近法により青みがかって見えているものと解釈して、赤系で作例を塗装した[55]。その後、編集部が当初想定した青紫の機体の模型作例も「3号機」として製作されている[56][2]。大河原の画稿に忠実なカラーリングの模型作例も『電撃ホビーマガジン』で「1号機」として製作されている。

2024年4月2日に東京都内で行われた『SEED FREEDOM』の大ヒット御礼スタッフトークイベント第1弾で登壇した3DCGデスクの藤田進夢は、最初にデスティニー仕様でのインパルスを登場させるとの発注を受けていたが、監督の福田から「(シンの)デスティニーと被っちゃう。だったらインパルスでいろんな武器使って戦ってた方が差が出る」という意見を受けてインパルスを直接改良したSpec II仕様に変更された事情を明かした[57]

諸元
デスティニーインパルス
DESTINY IMPULSE
型式番号ZGMF-X56S/θ[注 20]
所属ザフト
生産形態試作機
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2
MA-BAR72 高エネルギービームライフル
RQM60 フラッシュエッジ ビームブーメラン×2
MX2351 ソリドゥス・フルゴール ビームシールド×2
MMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀×2
テレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔×2
MMI-RG59V 機動防盾
特殊装備ミラージュコロイド
搭乗者マーレ・ストロード(1号機)
コートニー・ヒエロニムス(3号機)
設定解説
開発には元ヴェルヌ設計局のコートニー・ヒエロニムスが携わった[58]。本機が装備するデスティニーシルエットは、フォース、ソード、ブラストの全シルエットの特性を備えた万能型モジュールであり、ストライクのI.W.S.P.に相当する統合兵装システム試験運用型となる[17]。これは専用母艦(ミネルバ)までを用いたインパルスのシルエット換装システムが運用面に課題を残していた事と、それぞれの専門分野に特化した単機能型MSが無秩序に生産され、元来ザフトが目指していた万能機としてのMS開発から逸れていっていた事に対する反省点を踏まえたものとなる[17]。デスティニーインパルスは従来のインパルスのように各シルエットモジュールを換装する必要なく、このモジュール単一で全状況に対応できる万能MSとして開発された[17]
シルエットモジュールにはレーザー対艦刀や大口径のビーム砲、ヴォワチュール・リュミエールを用いたスラスターユニット[59]が備わっており、加えてこのスラスターの稼働時には、ミラージュコロイドの散布によって電子的・視覚的な双方で敵機を攪乱可能としている[60]。更に本体チェストフライヤー部には改造が加えられ、追加装備としてビームブーメランとビームシールド発生装置がセットとなっている[17]。これによりデスティニーインパルスは格闘能力、機動力、火力、防御力の全面においてインパルスの各シルエットと同等以上の性能を発揮する[61]。加えて、アビオニクス/ベトロニクスが強化され、合体や兵装の立ち上げにおけるパイロットの負担も低減されている[62]
従来のインパルスの3つのシルエットモジュールの性能を単一で賄うことを目的としてデスティニーシルエットは開発されたが、分離・合体機構は従来のインパルスのままであるため、過剰ともいえる重武装は精密な機体構造に大きな負担をもたらす結果を生んでいる[17]。更にビーム兵器に偏った装備のためエネルギー効率も悪く[61]、1回の出撃で2 - 3回のデュートリオン充電が必要とされており、運用性に難のある機体となっている[17]。また、万能機として開発され、建造された本機であるが、その反面「パーツの換装による多局面の戦闘への対応」といった要素は希薄なものとなり、機体が本来もっていた可能性や分離合体機構も意味をなさないものとなっていた[24][注 21]。そのため、より強力な万能機を求める開発は新規設計により行われることとなり、X42S デスティニーの開発が提案された[17]。この時、試作された4機のデスティニーインパルスが完成していたが以降の開発・生産は中止となっている[17]
試作された4機のうち3機のデスティニーインパルスは、装備した各シルエットによりVPS装甲の色に違いが生じている。1号機は赤紫、2号機は「ザフトレッド」のような赤、3号機は青紫となる[63]。3機はそれぞれロールアウトされ、1号機はマーレ・ストロード[64]、3号機はコートニー・ヒエロニムスに受領される事となる。2号機の受領については現時点不明、4号機についてはその存在以外、詳細不明である。
武装
RQM60 フラッシュエッジ ビームブーメラン[65]
両腕部に設置される。
MX2351 ソリドゥス・フルゴールビームシールド発生装置[65]
両腕部に設置される。敵機の攻撃に対し、自動で展開する事が可能[62]
MMI-710 エクスカリバーレーザー対艦刀
ソードインパルスの装備と同型の格闘兵装。
テレスコピックバレル延伸式ビーム砲塔
伸縮機構を備えた砲身を持つビーム砲。
作中の活躍
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』
1号機にマーレ・ストロードが搭乗[64]。機体の運用試験を兼ねたマーシャンの確保作戦に使用され、カイト・マディガンが所有するコロニーに出撃する。そこでマーズジャケットと交戦したデスティニーインパルス1号機はマディガンの所有する幾つかのMSを破壊するが、プロトセイバー+11のミラージュコロイドウィルスを受けてデスティニーシルエットが脱落。そのままシルエットをアストレイ アウトフレームDに拾得される。作戦のオブザーバーとなっていた叢雲劾に制止されたマーレはインパルス本体とともにコロニーを後にした[66]
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY MSV戦記』
3号機にはコートニー・ヒエロニムスが搭乗[61]。C.E.74年のメサイア攻防戦に投入される。コアスプレンダーと各パーツの状態で出撃したデスティニーインパルスはドッキングし、戦闘を開始。優秀な撃墜スコアを挙げている[58]
『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女』
カイト・マディガンが所有するMSの中に1機が確認できる。他のMS同様に白い十字のカラーリングが施されている[67]が、この機体が何号機かは不明。

デスティニーインパルスR

『月刊ホビージャパン』の模型連動・フォトストーリー企画『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY R』に登場。デザインはアストレイズが担当している[68]

諸元
デスティニーインパルスR
DESTINY IMPULSE GUNDAM R[68]
型式番号ZGMF-X56S/ι[68]
全高19.43m[68]
重量84.77t[68]
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2[68]
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2[68]
MA-BAR72 高エネルギービームライフル[68]
ウルフスベイン長射程ビーム砲塔×2[68]
設定解説
Rは「リジェネス」の略。開発が中断したデスティニーインパルスの計画を民間企業が引き継ぎ、独自のコンセプトを盛り込んで完成させた機体[68]。ZGMF-X42Sとの競合を避けるために独自のコンセプトを盛り込み、背部のデスティニーシルエットは、シルエットフライヤーの自律飛行機能を統合した「デスティニーRシルエット」として再設計され、武装にも変更が加えられている[68]。このデスティニーRシルエットはウルフスベインの搭載や原型機同様のウイングを展開できるだけでなく、独立運用できる戦闘機としても機能し[68]、同様のプラグを持つ敵機に装備することでそのコントロールを乗っ取ることも可能[69]。インパルス本体はほぼノーマルのままだが、コアスプレンダーが省略されており[68]、ストライカーとシルエット双方に対応する機体となっている[69]。試験量産されたためにオリジナルより生産数が多く、そのうちの多くがジャンク屋との戦闘によって市場に流れてしまい、一部を除きザフトによって買い上げによる回収がなされている[70]
武装
ウルフスベイン長射程ビーム砲塔
デスティニーRシルエットに装備されている対艦・対要塞ビーム砲塔[68]。デスティニーシルエットRはデュートリオンシステムを持たないため、エネルギー切れの観点から前駆型に搭載されたテレスコピックバレルビーム砲塔ではなくこの装備が開発された。ブラストシルエットに装備されたケルベロスから軽量化しつつも、遜色のない威力を維持している[68]。銃口からビームサーベルを展開する事も可能で、その名称はケルベロスのよだれから生まれたとされるウルフスベイン(トリカブト)にちなむ[68]

DIアダガ

『機動戦士ガンダムSEED DESSTINY ASTRAY R』に登場。

デスティニーインパルスRの僚機として同時開発された機体。アンテナを廃したモノアイ仕様の頭部に換装されている以外は外観上の相違点はないが、最大の特徴として「バディ・システム」を搭載しており、まず有人での運用で搭載したAIに戦闘経験を積ませ、学習後はデスティニーインパルスRが指揮する無人機として運用することで少数のエースパイロットでより多くの高性能機を操ることを目的としている[68]

アダガ (adaga) とは、ポルトガル語における短剣と、地球連合軍のダガーシリーズへの対抗の意味を込めた「アンチ・ダガー」のダブル・ミーニングである[68]

インパルスガンダムブランシュ

『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY 天空の皇女』に登場。を基調としたカラーリングのデスティニーインパルスRで、エルザ・ヴァイスが搭乗する。元はカイト・マディガンが入手していた機体で、機体色も彼の「白が似合う」との考えで変更されていたもので、代金はダンテ・ゴルディジャーニからの「借り」で清算されている。

オリジナルの機体から改造は加えられていないが、細部の調整が行われているほか、パイロットのエルザ自身による専用調整により、反応速度が二割近く上昇している[71]

機体名は当初「デスティニーインパルスRブランシュ」がカイトから提案されたが、エルザが「デスティニー(運命)という不確実なもの」を兵器の名に冠することを厭って「インパルス」と「ブランシュ」は残すことを望み、カイトの「このタイプに流行っている名前」の「ガンダム」を加えた「インパルスガンダムブランシュ」となった[70]


その他バリエーション

『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』に登場。

インパルスガンダムのシルエット構想案として設定されたもので、シルエットモジュールを換装することでフォース、ソード、ブラストといった形態をとるインパルスに対し、さらなる局地対応を目指してカオスインパルス、ガイアインパルス、アビスインパルスのシルエットも構想されていたとするもの。案のみで実現には至っていない[72][注 22]

カオスインパルス

諸元
カオスインパルス[74][注 23]
CHAOS IMPULSE[74][注 24]
生産形態バリエーション構想
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
EQFU-5X 機動兵装ポッド×2
MGX-2235B カリドゥス改 複装ビーム砲
ビームクロウ×2
クロー付き機動防盾×2

カオスと同様の機動兵装ポッドを背負う形のシルエットを装備。腰部サイドアーマーと両碗のシールドがクローに変形する[72]。MA形態への変形も可能だが、脚部を切り離す必要がある。

アビスインパルス

諸元
アビスインパルス[74][注 25]
ABYSS IMPULSE[74][注 26]
生産形態バリエーション構想
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
M71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフ×2
M68 連装砲×2
MA-X223 3連装ビーム砲×2
M107 バラエーナ改 2連装ビーム砲
高速誘導魚雷
MX-RQB516 ビームランス

アビスの特徴である両肩部シールドを装備したシルエットと、専用のレッグフライヤーを装備。アビス同様に水中用MAへの変形も可能[72]。対水圧の為、全身が青基調のVPS装甲となっている[75]

『DESTINY ASTRAY』におけるマーレ・ストロードの妄想内では彼の乗機となっており、地球上にてディープフォビドゥン部隊と交戦・撃破している描写がある[75]

ガイアインパルス

諸元
ガイアインパルス[74][注 27]
GAIA IMPULSE[74][注 28]
生産形態バリエーション構想
武装MMI-GAU25A 20mmCIWS×2
キャノンソード×2
MA-M941 ヴァジュラ ビームサーベル×2

ガイアの機能を付加させた形態で、下半身のみ四足歩行に変形するため上半身の腕部をそのまま使用できる[72]

ドラグーンフライヤー

ドラグーン・システムを利用し、インパルス本体側からコントロールできるシルエットフライヤー[3]。複数のシルエットフライヤーを同時にコントロールする事が可能となり、母艦の補助なしでの作戦行動が可能となる。ただし、構想案のみで実現には至っていない[72]

脚注

注釈

  1. デュートリオンビーム送電システムが導入された背景として、一次大戦末期からMSの本体や兵装類の性能が向上する一方でそれを動作させるバッテリーの進化が遅かったことから、それを補うために実装されたとする資料もみられる[8]
  2. このため、CE73年以降のザフトではザクウォーリアのようなモノアイ機とガンダムタイプが並行して開発される状況下にある。この「ガンダムフェイス」は高い索敵・視認能力を持つが、構造の複雑さ故に量産機では採用されない事が多い[9]
  3. インパルスガンダム運用の為、母艦のミネルバにはコアスプレンダー、チェストフライヤー、レッグフライヤー、シルエットフライヤーにそれぞれ個別の移動用パレットが用意されており、発進も専用の中央カタパルトから行われる[12]。また、合体はレーザーサーチャーを介して自動で行われており、パイロットはその微調整を行うだけとなる[13]
  4. 『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY』等の外伝作品ではテスト中にナスカ級による運用も行われたが、この際はあらかじめ合体した上で出撃していた。
  5. 合体機構によって上下半身も変更可能なため、それらの交換装備が用意されればさらに戦闘中に異なる機体に乗り換える様な運用も可能となる。しかしながら、チェストフライヤーとレッグフライヤーの交換オプションが作られる事はなかった[14]
  6. ただし、アニメーション第36話作中においてギルバート・デュランダルはパイロットであるシン・アスカの操縦技術の向上に機体がその動きに追いつかなくなったことを指摘している。
  7. ミネルバ艦内整備ハンガーにはシルエット及びチェストフライヤー・レッグフライヤーの予備機も用意されており、インパルスのモジュール構造により、機体の上下半身パーツであるチェストフライヤーやレッグフライヤーが重大な損傷を被っても、コックピットユニットであるコアスプレンダーが健在であればそれらパーツを換装する事で即時に戦闘を継続する事が出来る[3]
  8. 『ガンダムファクトファイル』内のガンダム用語辞典内におけるインパルスシステムの解説においては、合体機構によってインパルスガンダムをMSではなく、3つの航空機(航宙機)として位置付ける事により、ユニウス条約によるMS保有数の網の目を潜ろうとしたのかもしれないが、事実は判然としないとされている[18]。 関連書籍においてインパルスガンダムを解説するものは多いにもかかわらず、この前後に各種オフィシャルなテキストにおいて、この解説は他に確認できない。同ファクト・ファイル内のインパルスガンダム解説コーナーにおいても同様である(用語辞典内でしか記述されていない)。特筆すべきは、この用語辞典の記述は2007年発売のファクト・ファイルが初出であるにもかかわらず、ほぼ同様の記述がWikipediaのインパルスガンダムの記事内において、 2006年1月13日 (金) 12:25時点における版の編集で記述されていた(さらにその原型となる記述は 2006年1月12日 (木) 18:24時点における版の編集で作成されている)ことである。「3機の航空機(航宙機)」と言う独特の表現など文章全体に類似性が見られ、ファクト・ファイルの用語辞典の記述は、当時のWikipedia記事の孫引きであったことが疑われる。なお2006年当時のこのWikipediaの記述についてソースは存在しておらず、編集者の類推であったと考えられる。
  9. アニメーション第18話の映像ではチェストフライヤー腹部とレッグフライヤー脚部からメインスラスターを稼働させている描写が確認できる。『MG フォースインパルスガンダム』の企画の際には監修を務めた重田智とデザインを担当した阿久津潤一によってチェストフライヤーの肩部スラスターを展開し、主翼の展開やエンジンの推進方向を逆に可変させるなど複数の提案もあったものの[31]、実商品では不採用となっており、肩部裏側にもフィン状のモールドが施されているに留まっている。
  10. 開発段階ではX24S カオス、X31S アビス、X88S ガイアの特性を持つチェスト、レッグの構想も行われており、単機であらゆる戦闘領域に対応する研究が行われていた[3]
  11. 装着したシルエットに応じてエネルギー供給量と対弾性が変化するとした資料もみられる[3]
  12. 『SEED DESTINY』PHASE-28でのアビスガンダムとの戦闘後、インパルスはシルエットを換装しているが、その直後にデュートリオンビームを受けて再充電している。尚、作中での換装シーンにおいてシルエットはシルエットフライヤーから分離後、単独で合体している。
  13. 重量の数値を3.81tとした資料もみられる[4]
  14. 重量の数値を14.76tとした資料もみられる[4]
  15. 重量の数値を15.39tとした資料もみられる[4]
  16. 重量の数値を21.14tとした資料もみられる[4]
  17. オルトロスと同等の威力とした資料もみられる[4]
  18. アニメではエクスカリバーによりシールドごとフリーダムの腹部を串刺しにする描写とされているが、小説版ではシールドを保持した左腕を切り飛ばした後、袈裟懸けに切り裂く描写とされている。
  19. 小説版5巻では、戦闘後シンとルナマリアがレイの安否を気遣い本機でメサイア近辺に向かう様子が描かれている。
  20. 形式番号のΘはギリシャ文字の8番目であり、8番目に設計されたシルエットであるデスティニーシルエットを意味している[2]
  21. 劇中でも「これは“インパルス”では無い」とのコートニー・ヒエロニムスの発言がある[24]
  22. 設定画は存在する[73]
  23. カオスインパルスガンダムと記述する資料も見られる[72]
  24. CHAOS IMPULSE GUNDAMと記述する資料も見られる[72]
  25. アビスインパルスガンダムと記述する資料も見られる[72]
  26. ABYSS IMPULSE GUNDAMと記述する資料も見られる[72]
  27. ガイアインパルスガンダムと記述する資料も見られる[72]
  28. GAIA IMPULSE GUNDAMと記述する資料も見られる[72]

出典

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  5. HGフォースインパルスガンダム 2004- 組立説明書
  6. MGストライクルージュオオトリ装備 2013, p. 10-11- 組立説明書
  7. 1/100フォースインパルスガンダム 2004- 組立説明書
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  9. PGガンダムアストレイ レッドフレーム 2009- 組立説明書
  10. SEED DESTINY オフィシャルファイル メカ編VOL.1 2005, p. 12.
  11. SEED DESTINY MSエンサイクロペディア 2008, p. 21.
  12. ファクト・ファイル 第111号 2006, p. 11-12.
  13. パーフェクト・ファイル 第95号 2013, p. 3-4.
  14. 絆を求める者 2006, p. 32-33および39.
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  16. データコレクション 機動戦士ガンダムSEED DESTINY 上巻 2007, p. 69.
  17. SEED DESTINYモデルVol.2 DESTINY MSV編 2006, p. 102-103- 森田繁「ZGMF-X56S/θ 統合兵装システム試験運用型モビルスーツ デスティニーインパルス」
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  22. 絆を求める者 2006, p. 44-45.
  23. 絆を求める者 2006, p. 39.
  24. 絆を求める者 2006, p. 154-155.
  25. RG SpecII 2024- 組立説明書
  26. 1/100ソードインパルスガンダム 2005- 組立説明書
  27. MGフォースインパルスガンダム 2008, p. 6- 組立説明書
  28. SEED DESTINY オフィシャルファイル メカ編VOL.1 2005, p. 6.
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参考文献

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    • 『グレートメカニック17』双葉社、2005年6月。ISBN 4-575-46427-9。
    • 『ガンダムホビーライフ 009』KADOKAWA、2016年6月。ISBN 978-4-04-892241-8。
  • 雑誌
    • 『月刊ホビージャパン 2004年12月号』ホビージャパン。
    • 『月刊ホビージャパン 2005年10月号』ホビージャパン。
  • 小説
    • 後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 4 示される世界』角川書店、2005年11月1日。ISBN 4-04-429111-X。
    • 千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY 下巻 絆を求める者』メディアワークス、2006年8月15日。ISBN 4-8402-3498-1。
    • 千葉智宏『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY B 下巻』KADOKAWA、2014年6月。ISBN 978-4-04-866760-9。
  • コミックス
    • ときた洸一『機動戦士ガンダムSEED DESTINY ASTRAY Re:MasterEdition 第2巻』角川書店、2013年10月。ISBN 978-4-04-120918-9。
  • 分冊百科
    • 『週刊ガンダム ファクト・ファイル 第111号』デアゴスティーニ・ジャパン、2006年12月5日。
    • 『週刊ガンダム ファクト・ファイル 第115号』デアゴスティーニ・ジャパン、2007年1月2日。
    • 『週刊ガンダム ファクト・ファイル 第126号』デアゴスティーニ・ジャパン、2007年3月26日。
    • 『週刊ガンダム ファクト・ファイル 第133号』デアゴスティーニ・ジャパン、2007年5月25日。
    • 『週刊ガンダム ファクト・ファイル 第139号』デアゴスティーニ・ジャパン、2007年6月26日。
    • 『週刊ガンダム パーフェクト・ファイル 第64号』デアゴスティーニ・ジャパン、2012年12月25日。
    • 『週刊ガンダム パーフェクト・ファイル 第95号』デアゴスティーニ・ジャパン、2013年7月30日。
  • プラモデルキット
    • 『ハイグレード 1/144 フォースインパルスガンダム』バンダイ、2004年11月。
    • 『1/100 フォースインパルスガンダム』バンダイ、2004年12月。
    • 『1/60 フォースインパルスガンダム』バンダイ、2004年12月。
    • 『1/100 ソードインパルスガンダム』バンダイ、2005年5月。
    • 『HG 1/144 ハイグレード ドムトルーパー』バンダイ、2005年7月。
    • 『1/100 セイバーガンダム』バンダイ、2006年10月。
    • 『1/100 マスターグレード フォースインパルスガンダム』バンダイ、2008年5月。
    • 『MG 1/100 ソードインパルスガンダム』バンダイ、2009年4月。
    • 『パーフェクトグレード 1/60 ガンダムアストレイ レッドフレーム』バンダイ、2009年3月。
    • 『マスターグレード  1/100 ストライクルージュ オオトリ装備 Ver.RM』バンダイ、2013年9月。
    • 『ハイグレードコズミックイラ 1/144 フォースインパルスガンダム』バンダイ、2016年6月。
    • 『リアルグレード 1/144 フォースインパルスガンダム』バンダイ、2020年4月。
    • 『リアルグレード 1/144 フォースインパルスガンダム SpecII』バンダイ、2024年1月。
  • 玩具商品
    • 『モビルスーツインアクション ブラストインパルスガンダム』バンダイ、2004年11月。

関連項目

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