ジャスティスガンダム

ジャスティスガンダム (JUSTICE GUNDAM) は、テレビアニメ機動戦士ガンダムSEED』以降のコズミック・イラ (C.E.) 作品に登場する架空の兵器。「ガンダムシリーズ」に共通して登場する人型ロボット兵器モビルスーツ (MS) のひとつであり、作中の国家勢力のひとつであるプラントの軍事組織ザフトの試作機。バッテリー動力式MSが主流のC.E.世界において核動力を採用した機体であり、同じ核動力機であるフリーダムガンダムプロヴィデンスガンダムなどと同格の高性能機とされる。赤基調のカラーリングと鶏冠状に突出した頭部センサー、遠隔操作が可能な着脱式の大型バックパックが特徴で、主人公キラ・ヤマトの友人でザフト軍人である「アスラン・ザラ」が劇中後半で登場する。

本項では、続編の『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場するインフィニットジャスティスガンダムや、劇場用アニメ『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場するイモータルジャスティスガンダムといった後継機についても解説する。なお劇中では、オリジナル機やこれら後継機を一括して単に「ジャスティス」と呼ばれる。

設定・デザイン

メカニックデザインはいずれも大河原邦男が担当している。大河原に寄せられた福田のラフ案では、大型モビルアーマー (MA) と合体するMSというコンセプトであった。決定稿においても採用されているリフター(独立機動ユニット)搭乗や水平展開のほか、高速移動形態や二刀流で戦うなどのメモ書きもされていたが、これらは没となっている[1]。デザイン初期にはジャスティスも万能型MSとする案もあったが、決定稿では鳴りを潜め、これらの要素は近い時期にデザインされたストライクガンダムI.W.S.P.に引き継がれている[2]

設定解説

諸元
ジャスティスガンダム
JUSTICE GUNDAM
別称装備換装型強襲用MS[3][4]
JUSTICE G.U.N.D.A.M Complex[5]
型式番号ZGMF-X09A[3][6][注 1][注 2]
分類ZAFTガンダム目[8]
ZGMF-Xシリーズ
全高18.56m[3][6]
重量75.4t[3][6]
装甲材質フェイズシフト装甲 [9]
動力源核エンジンMHD発電[10][注 3]
ジェネレーター8826kw[注 4]
推力最大603,200kg[13]
武装MMI-GAU1サジットゥス 20mm近接防御機関砲×4
RQM51バッセル ビームブーメラン×2
MA-M01ラケルタ ビームサーベル×2
MA-M20ルプス ビームライフル
ラミネートアンチビームシールド[注 5]
ファトゥム-00
GAU5フォルクリス 機関砲×4
M9M9ケルフス 旋回砲塔機関砲×2
MA-4Bフォルティス ビーム砲×2
特殊装備MS埋め込み式戦術強襲機「ミーティア」(02号機)
搭乗者アスラン・ザラ

プラント国防委員長、およびのちの評議会議長であるパトリック・ザラの指示のもと、ザフトが地球連合軍から奪取したGAT-Xシリーズ(G兵器)のデータを注ぎ込み、統合3局によって開発された試作型MS[14]。奪取した機体の1機であるイージスの後継機として作られた機体であり[15]、兄弟機である「ZGMF-X10A」とともにC.E.71年4月1日にロールアウトした。「ナチュラルに正義の鉄槌を下し、コーディネイターの真の自由を勝ち取る」旗印となるべく、ZGMF-X09Aは「ジャスティス」、ZGMF-X10Aは「フリーダム」と命名された[14]

基本構造はゲイツをベースとしつつ[9]ニュートロンジャマー(Nジャマー)の効果を打ち消す「ニュートロンジャマーキャンセラー」 (NJC) を搭載した核エンジンを主機関とすることで無限に近いエネルギーを獲得。これによって兵装の大幅な出力向上と従来機をはるかに上回る稼働時間延長を両立し[16]フェイズシフト装甲(PS装甲)の稼働限界も消失した[17]。ただし、弾薬推進剤酸素の搭載量には依然として限度がある[4]。安定稼働と制御を実現するため、専用のMS・ネオ・オペレーション・システム「G.U.N.D.A.M Complex」が実装されている。

本機最大の特徴は、連合のストライクで実用化された[13]背部の外付け式フライトユニットの発展型「ファトゥム-00」にある。ファトゥムの遠隔操作機能を活用した合体・分離戦法により別の無人機(僚機)と連携するかのような多重攻撃に用いることも可能としている[18]。単純な総合火力では多数の固定火器を有するフリーダムには一歩およばないものの、その高い機動性と攻撃能力からC.E.71年におけるトップクラスの機体となっている[18]

機体構造

コックピット
フリーダムやプロヴィデンスと共通構造。内部は機体の動きと連動する全天周囲モニターの回転型を採用し、コンソールにはマルチロックオン対応の球体型立体表示パネルが搭載され、機体のポテンシャルを最大限に発揮できるよう工夫されている。上方の搭乗口に向けてシート自体が昇降し、外部に露出する方式になっている[13]
脚部
G兵器の特徴を反映しつつ、胴体や脚部のフォルムはザフト在来機のシグーを連想させる意匠となっている[9]

武装

MMI-GAU1 サジットゥス 20mm近接防御機関砲
ピクウスよりも小口径なぶん速射性に優れるマイウス・ミリタリー・インダストリー (MMI) 社製の頭部機関砲[19]
RQM51 バッセル ビームブーメラン[注 6]
ビーム刃に対する干渉反応を利用し投擲軌道をコントロールすることができる、三又構造の肩部ブーメラン[23]。ストライクとの交戦データから有用性に着目された装備で、機体の製造後期に実装へと至った[6]
MA-M01 ラケルタ ビームサーベル
フリーダムと共通のマティウス・アーセナリー (MA) 社製ビームサーベル[10]
核エネルギーの供給により、GAT-X機の装備よりも高出力[24]かつ長刀身のビーム刃を形成する[25]。2基の柄を連結させた「アンビデクストラス・ハルバード[23]と呼ばれる双刃の槍(スピアー)形態[26]にもなる。
MA-M20 ルプス ビームライフル
フリーダムと共通のビームライフル[10]
火器運用試験型ゲイツ改でのテストを経て採用されたもので[27]、核エネルギー供給により初期GAT-X機の装備よりも高出力を発生する[6]。不使用時は本体腰部背面のラッチに懸架される。
ラミネートアンチビームシールド
フリーダムと共通の防御装備[13]ローラシア級艦の甲板技術を転用した軽量かつ硬質の盾で[6]、材質にラミネート装甲材が使用されている[23][注 5]。表面右側の突出部分には、ライフルの銃口を差し入れるための銃眼(ガンポート)を備える[28]
ファトゥム-00(ファトゥム・ダブルオー)[10][6]
MS支援空中機動飛翔体グゥルの発展型であるMS支援空中機動飛翔体[6]
ゲイツ改に採用されたプロトタイプにスラスターの倍化などの改良を加えた装備で[23]、ユニット自体にもPS装甲が採用されている。
通常時のまま翼を広げた電撃侵攻向けの飛行形態から、ユニット全体を水平に展開した加速・機動・砲撃力強化のフライヤー形態[10][18]に移行し、ファトゥム単体での遠隔操作や自動操縦[29]、グゥルのようにMSを登場させてのサブフライト運用にも対応する[30]
GAU5フォルクリス 機関砲
エンジンブロックからフォルティス砲身間に内蔵された機関砲で、必要に応じて弾種を炸裂弾や徹甲弾に変更される[6]
M9M9ケルフス 旋回砲塔機関砲
エンジンブロック上部に搭載された実弾砲塔で、360度全方向への射角を備える[6]
MA-4Bフォルティス ビーム砲
ユニット前部に2門搭載されている高出力・速射型ビームキャノン。ジンなどのバルルス改特化重粒子砲と、バスターに装備された超高インパルス砲の技術が転用されている[6]

劇中での活躍

『SEED』本編ではキラによって奪取されたフリーダムの奪還、関連人物・施設の排除のためにアスランに与えられるが、オーブ連合首長国攻防戦でアスランは敵であるはずのフリーダムやアークエンジェルに加勢し、ラクス・クライン率いる「クライン派」の戦力として、ザフト・地球連合間の戦争終結のために戦う。宇宙脱出後はクライン派がザフトから奪取した本来の運用母艦であるエターナルにフリーダムとともに搭載され、左肩と左足首に新たな識別番号の「102」が追加される。

第二次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の最終局面ではフリーダムと連携してカラミティを撃破し、カガリ・ユラ・アスハストライクルージュとともに発射直前にあったジェネシスの内部に突入。アスランの機転による本機を核爆発させるという手段でジェネシスを破壊する。

リアルタイプカラー

『SEED』20周年を記念して発表された、大河原邦男による特別カラー&マーキング仕様。緑とグレーを基調としたフリーダムに対し、こちらは青とグレーの配色となっている[31]

このカラーをプラスチック成型色と付属のシール・デカールで再現したマスターグレード (MG) 版のガンプラも限定販売されている[31]

インフィニットジャスティスガンダム

『SEED』終了から2年後のC.E.73年を舞台とした『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場。

アニメに先行して発表された各メディアの表記では「ナイトジャスティスガンダム」とされていた[32][33][34][35]。設定製作に携わった森田繁は、当初は銀色のジャスティスとするアイデアがあったことを示唆している[36]

諸元
インフィニットジャスティスガンダム
INFINITE JUSTICE GUNDAM[37]
型式番号ZGMF-X19A[38][注 7]
分類ZAFTガンダム目[8]
全高18.90m[39][37]
重量79.67t[39][37]
装甲材質ヴァリアブルフェイズシフト装甲[37]
動力源ハイパーデュートリオンエンジン[40][注 8]
武装MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲×2
MMI-GAU26 17.5mmCIWS×4
MA-M1911 高エネルギービームライフル
MA-M02G シュペールラケルタ ビームサーベル×2
MR-Q15A グリフォン ビームブレイド×2
MX2002 ビームキャリーシールド
RQM55 シャイニングエッジ ビームブーメラン
EEQ8 グラップルスティンガー
ファトゥム-01
MA-6Jハイパーフォルティス ビーム砲×2
MA-M02Sブレフィスラケルタ[41]×2
MA-M02G シュペールラケルタ[42]
MR-Q17X グリフォン2 ビームブレイド×2
特殊装備MS埋め込み式戦術強襲機「ミーティア」(08号機)
搭乗者アスラン・ザラ
ラクス・クライン
設定解説
ターミナルが秘密裏に奪取したプラントの設計データをもとに、兵器開発製造拠点である「ファクトリー」で開発された機体[43]。キラ自身が開発を主導し[44]、旧ジャスティスとセカンドステージシリーズの技術を投入しつつ[39]、アスランの戦闘データを反映した調整とストライクフリーダムとの連携を前提とした設計がなされている[44][注 9]
動力に「ハイパーデュートリオンエンジン」を採用したことによって[40][注 8]先代ジャスティスの数倍の戦闘力の獲得に成功し[49]、PS装甲材製のフレームを採用したことで対弾性・堅牢さが増強され、駆動による負荷に対する強度が格段に向上[50]。機体への過負荷が発生した際にストライクフリーダムのフレームが金色に発光するのと同様に、こちらは銀色の発光現象が伴う。また、肩部をはじめとしたスラスターの増設によって、運動性の向上も図られた[37]。その機体性能は、兄弟機であるストライクフリーダム、敵側でザフト正規軍製のデスティニーレジェンドに匹敵するとされる[49]
専用OSの「G.U.N.D.A.M Complex」もアップデートされ、先代機の「マルチロックオンシステム」やミーティアとの連携機能も継承されている[37]

武装(インフィニットジャスティス)

MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲
ガズウートの装備を改良した頭部の小口径機関砲[37][注 10]。推薬の改良による初速向上と、対装甲用の摩擦軽減コーティングによって、旧ジャスティスのものよりも約25パーセント増しのストッピングパワーを発揮し、装弾スペースも20パーセント拡張されている[51]
MMI-GAU26 17.5mmCIWS
胸部インテーク上下の両脇腹に搭載された牽制用火器[注 10]。配置の都合上、自由度は低いものの正面方向に濃密な弾幕を形成可能[52]
MA-M1911 高エネルギービームライフル
先代機のルプスを改修した専用火器[39]。フォアグリップを不採用とするなど取り回しを重視した構造となっている[37]。不使用時は先代機と同様に腰部背面に懸架され、ミーティアと合体時はビームキャリーシールドとともにウェポンベイに格納される。
MA-M02Gシュペールラケルタ ビームサーベル
ストライクフリーダムと格闘装備。
先代機のMA-M01ラケルタを改良した装備[50][注 11]。2刀連結状態の「アンビデクストラス・ハルバード」も引き続き利用可能[50]。最終決戦ではデスティニーのアロンダイトを真っ二つにし、同機の左手を掌底武装であるパルマフィオキーナごと斬り潰した。
MR-Q15Aグリフォン ビームブレイド
膝下と爪先の甲にある発生器から形成される斬撃装備で、セカンドシリーズのガイアが装備するMRQ-17X グリフォン2の前型装備[39]。ビーム刃を蹴りに連動して繰り出すことで、格闘戦闘能力を大きく高めている。ファトゥム-01にも同型武装が搭載されているが、本体の設計がファトゥムよりも先行したため、旧世代モデルを組み込んでいる。類似装備をもつイージスでの運用実績があるアスランの専用装備でもある[54]
MX-2002 ビームキャリーシールド
ビームシールドジェネレーター、ビームブーメラン、ワイヤーアンカーを内蔵する複合防盾兵装。そのため、シールド自体が兵装のキャリアとしての意味合いが強い[39]。通常は後述のEEQ08とRQM55が装備されているが、マウントの形状を変更することで他兵装も携行可能[55]。ビームシールドはデスティニーの高エネルギー長射程ビーム砲を無効化する防御性能をもち、盾自体が機体と同じVPS装甲であるため実弾・打撃にも強い。小説版では対ビームコーティングがなされた装備とされ、オーブ艦数隻の艦砲にも耐えるレクイエムの陽電子リフレクターを容易に突破する[56]
RQM55 シャイニングエッジ ビームブーメラン
キャリーシールド外縁に設置されたビームブーメラン。ビーム場を形成する力場と空間の相互作用によって、空力が作用しない大気圏外での運用も可能となっている。シールドに装着したままで大型ビームサーベルとしても運用可能[55]。本装備がシールドに搭載されたため、先代機でビームブーメランを装着していた肩部にサイドキックスラスターが新設されている[57]
EEQ08 グラップルスティンガー
キャリーシールド外装部に格納される有線射出式クロー。クローでの打突や拘束、ワイヤーでの捕縛にも使用される[55]
テレビ放送時は未使用であるが、「FINAL PLUS 選ばれた未来」の描き下ろしオープニングや、高山瑞穂の漫画版4巻、「HDリマスター版」第49話 (PHASE-50) などで使用場面がある。
ファトゥム-01(ファトゥム・ゼロワン[58]
ファトゥム-00の発展型。主翼がアスペクト比の大きな可変翼となり、スラスターの高出力化とあいまってより強力な空間機動を実現している[44]。さらに機体底面に追加されたグリップによってMSの牽引も可能となった[37]。占有スペースに比して威力の低い実弾兵装が省略されている一方で[29]、複数のビームサーベルや実体刃が装備されており、ユニット自体を格闘装備として使用することも可能となっている[37]
対装甲ナイフ[37]
インパルス用のM71-AAK フォールディングレイザー対装甲ナイフを大型化したような機首部分の突撃武装で[49][37]、VPS装甲展開時は黄色く変色する。
MA-6Jハイパーフォルティス ビーム砲
先代の00に搭載されていたフォルティスや、セイバーに搭載されていたスーパーフォルティスの中間にあたる装備[39]
MA-M02S ブレフィスラケルタ[42]
シュペールラケルタをベースにしたショートタイプのサーベルで[39]、前部に2基装備された可倒式の兵装。ブレフィスはラテン語で「短い」の意。
ビームキャノンとして機能する砲口の反対側に短身のビーム刃の発生口があり、砲身を180度折り畳むことで使用状態となる。
MA-M02G シュペールラケルタ[42]
手持ちタイプを内蔵・固定化した装備で[49]、本体から分離後に可倒式の機首を進行方向に倒して使用する。
MR-Q17X グリフォン2 ビームブレイド
両翼前縁に設置される斬撃武装で、ガイアのウイングに搭載されているものと同型[39]。MSや敵戦艦ブリッジを両断できる威力を有している[37]

劇中での活躍(インフィニットジャスティス)

第42話でラクスが搭乗した本機をキラのストライクフリーダムがけん引するかたちで、ザフトの侵攻を受けていたオーブ本土に降下。アークエンジェルに収容後はアスランが負傷を押して搭乗し、シン・アスカ駆るデスティニーの右腕を切り落として撤退に追い込む。

その後、新たに組織されたオーブ軍第2宇宙艦隊の所属機としてメサイア攻防戦などで活躍し、ルナマリア・ホーク駆るインパルスや再戦となったデスティニーを撃破。次いでミネルバのメインスラスターをファトゥム-01の突貫攻撃によって破壊して航行不能にし、ネオ・ロアノーク(ムウ・ラ・フラガ)駆るアカツキとともに陽電子リフレクターシールドを突破して大量破壊兵器「レクイエム」の内部に侵入、ファトゥム-01による特攻で砲内部を破壊する。

『FINAL PLUS 選ばれた未来』『スペシャルエディション完結編 自由の代償』で追加された場面では、そのままメサイアに向かい、キラとデュランダルたちとのクライマックス場面に介入したのち、エターナルへ帰艦するストライクフリーダムとは別行動を取り、シンとルナマリアの2人を迎えにいく。さらに追加されたエピローグでは、オーブ・プラント間の停戦協議を経て最高評議会から招聘を受けたラクスが座乗するエターナルに随伴する。

インフィニットジャスティスガンダム弐式

諸元
インフィニットジャスティスガンダム弐式(にしき)
INFINITE JUSTICE GUNDAM TYPE II[59]
型式番号ZGMF-X191M2[59]
装甲材質ヴァリアブルフェイズシフト装甲[59]
武装ビームライフル×1
試製35式改レールガン×1
ビームサーベル×2
頭部ビームソード×1
ビームキャリーシールド×1
ビームブレイド×2
ウイングユニット×1(中型ビーム砲×2
小型ビーム砲×4
ビームブレイド×4<br/4連装ロケットランチャー×2
搭乗者アスラン・ザラ
ズゴック
Z'Gok[59]
型式番号ZGMF-MM07[59]
武装対装甲斬牙爪×2
重粒子力線砲(メガ粒子砲) ×2
ミサイル
ウイングユニット×1(中型ビーム砲×2
小型ビーム砲×4
ビームブレイド×4
4連装ロケットランチャー×2
搭乗者アスラン・ザラ

C.E.75年を舞台とする映画『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場[59]

インフィニットジャスティスの改修機。全体的な装甲形状が変更されているほか、ストライクフリーダム弐式などの世界平和監視機構「コンパス」所属機と同規格の全天周モニター式コックピットが採用されている。

本体側の武装は改修前と基本的に同じだが、頭頂部のセンサーユニット先端に奇襲用の隠しビームソードが内蔵されている[60]ファウンデーション王国軍との決戦では、ビームを通さないフェムテク装甲(FT装甲)対策として、ゲルググメナースやギャンシュトローム用の「試製35式改レールガン」を携行する。背部リフターは従来のファトゥム-01に代わり、X状に展開する可動翼4枚を備えた超高速戦闘用ウイングを装着[59]。可動翼には前縁部の斬撃用ビームブレイドと翼端部ビーム砲、可動翼基部のミサイルランチャー、リフターの本体部にビーム砲2門を装備する。

ズゴック

ジャスティス弐式に正体偽装用の外殻を被せた姿。頭頂部センサーと脚裏を除くほぼすべてが装甲内に秘匿されており、背部ウイングは本偽装の上から付け直されている。この姿での武装は、両腕先端に内蔵されたメガ粒子砲と、その砲口周りに配置された3枚刃のヒートクロー、頭部のミサイル発射管など。ミラージュコロイドステルスを用いた隠密作戦も担当する。長距離および長期間の作戦行動では、飛行支援機であるAMGS-X18P キャバリアーアイフリッドを装着したアメイジングズゴック[注 12]として運用される[61]

デザインモチーフは『機動戦士ガンダム』以降の宇宙世紀作品に登場する同名のMSで、監督の福田は同じく宇宙世紀作品に登場するアッガイを外装とすることを最初に考えたが、「ガンダムビルドシリーズ」で先にこのアイデアを使われた[注 13]ためにズゴックをベースとした案に変更した。デザインを担当した大河原は、無理なくジャスティス弐式に被せられる外装案を最初に提出したが、福田の強い希望を受けてより原典に近い決定案に改めている[62]。また、ズゴックの登場は『FREEDOM』のプロデューサーの仲寿和が企画に参加した時点で決定済みだったうえ、制作発表当初はアスランが搭乗することも含めていっさいの情報が伏せられていたことから、公開後にはSNSで「ズゴック」がトレンド入りを果たすなどの反響を呼んだ[63]。なお、福田はズゴックが立ち上がるシーンをラッシュで最初に見た際に大笑いし、悪ふざけで「これはいけるな」などと思ったという[64]

劇中での活躍(弐式、ズゴック)

ズゴックの姿でファウンデーション王国とユーラシア連邦間の軍事緩衝地帯オルドア地区の戦いに介入し、ブラックナイトスコード(ブラックナイツ)の策略で反逆者として始末されかけたキラを救助してから戦場を離脱する。宇宙進出後は、アメイジング形態でミラージュコロイドステルスを用いて宇宙要塞アルテミスへ侵入し、キラたちラクス救助チームを送り届ける[65]。最終決戦では敵のシュラ・サーペンタインが搭乗するブラックナイトスコード シヴァの攻撃からキラのフリーダム弐式をかばって外殻を破壊され、本来のジャスティス弐式となってシヴァとの一騎打ちを展開する。アコードであるシュラの思考把握能力への対抗策として、カガリの姿を思い描いたアスランの破廉恥な妄想や、カガリが搭乗するアメイジングストライクルージュ(キャバリアーアイフリッド装着型ストライクルージュ)からの共時性パリティ通信を介した遠隔操作でジャスティス弐式の操縦を代行させるという奇策で翻弄し、終盤に右腕を切断される反撃を受けながらも、頭部ビームソードによる一撃でシヴァを撃破する[66]

イモータルジャスティスガンダム

諸元
イモータルジャスティスガンダム
IMMORTAL JUSTICE GUNDAM[67][68]
型式番号STTS-808[68]
全高18.50m[68]
重量71.62t[68]
装甲材質ヴァリアブルフェイズシフト装甲[68]
武装MMI-GAU27Q 20mm 近接防御連装機関砲 ヴァンダーファルケ×2
MA-M727A3 高エネルギービームライフル×1
MA-F2D2 ヴィーゼルナーゲル ビームブーメラン×2
RQM75 フラッシュエッジ4 シールドブーメラン×1
MMI-S2M5/X カルキトラ ビーム重斬脚×2
Mk-1 高エネルギービーム砲×2
搭乗者シン・アスカ

『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』に登場[67]

インフィニットジャスティスの運用データをもとに開発された、世界平和監視機構「コンパス」所属の新型機。イモータルは「不滅」を意味する。ライジングフリーダムと共通設計の全天周式コックピットとフレームに加えて、オーブ製のムラサメの可変技術を導入した飛行型MAへの変形機構を採用し、ノンオプションでの大気圏突入能力をもつ。背部に装着された「DF2Mk3 スカイダート リフターシステム」は従来のファトゥム系のような着脱機能を排した代わりに、推力増強による運動性向上に寄与している[68]

武装(イモータルジャスティス)

MMI-GAU27Q 20mm 近接防御連装機関砲 ヴァンダーファルケ
過去の系列機と同じく、頭部左右に連装2門ずつの計4門を内蔵する[68]
MA-M727A3 高エネルギービームライフル
ライジングフリーダムと同型武装のマティウス・アーセナリー社製携行式ビーム砲[68][69]
MA-F2D2 ヴィーゼルナーゲル ビームブーメラン
両腰のサイドアーマーに配置された投擲武装[68]。出力調整で通常のビームサーベルとしても使用される。
RQM75 フラッシュエッジ4 シールドブーメラン
ライジングフリーダムのフラッシュエッジG-3と同じ射出攻撃機能を備えた防御装備。反転させ上部先端のビームブレイドを展開し格闘武器としても使用する。左右の展開式ウイングにはG-3のようなビームブレイドをもたない。MA時は機体保護とライフルの固定具を兼ねて機体底面(胴体前面)に懸架されるが、取り外した状態の大気圏突入も可能[68]
MMI-S2M5/X カルキトラ ビーム重斬脚
インフィニットジャスティスのグリフォンと同じく膝からつま先上部にかけて展開され、蹴りを斬撃に変えるビームブレイド[68]
Mk-1 高エネルギービーム砲
スカイダートの上部左右に内蔵された射撃武装。MA時の正面砲門となる[68]

劇中での活躍(イモータルジャスティス)

作中でアスラン本人は搭乗せず「コンパス」隊員となったシンが搭乗する。ルナマリアいわく、本機を与えたのはキラの意思でシンに対する信頼の証とされているが、アスランの愛機の系列であるためにシン本人は釈然としなかったとされる[70]。ファウンデーションとユーラシア連邦国境付近でのブルーコスモスゲリラの鎮圧・捕縛任務に就くが、シュラ率いるブラックナイツの策略で洗脳されたキラが、ユーラシア側との協定を破ってユーラシア領内に侵入したことで殲滅対象とみなされ、ブラックナイトスコード ルドラたちによる猛攻を受け破壊される[71]

脚注

注釈

  1. 形式番号の末尾は e'Xperiment Atomic' を略したもので「試作機 核動力搭載型」を意味する[7]
  2. 頭部のメインカメラ外周カバー(上部外側)にはイタリア数字で9を指す単語とともに「X-09A NOVE」の刻印がある。
  3. 「ニュートロンジャマーキャンセラーを搭載(内蔵)した」などの前置きがされたうえで、「核融合炉」と表記した資料も存在する[11]。一方、本編でラウ・ル・クルーゼが見ていたディスク上では「NUCLEAR REACTOR FUSELAGE UNIT (E-Battery NUCLEAR-Re)」「NEUTRON JAMMRE CANCELER SYSTEM」などと表記されている。
  4. このステータスはアニメーション作中で登場した「SPECIFICATION」の表示画面より[12]。ただし、作中での表記はCapacity(容量)。同じ数値がデアゴスティーニ・ジャパンの『週刊ガンダム・ファクトファイル 第99号』フリーダム記事上に「ジェネレーター出力 8,826kW」として表記されているが、第133号のジャスティスガンダムの記事では数値欄が「不明」になっている。
  5. 「ガンダムMS動画図鑑 『第227回 フリーダムガンダム』 『第264回 ジャスティスガンダム』」 。初出は 『パーフェクト・アーカイブ・シリーズ3 機動戦士ガンダムSEED』 竹書房、29・35頁のフリーダム・ジャスティス項(2006年4月6日発行)。それ以前(以外)は 「シールド」 「ビームコーティングシールド」 「対ビームシールド」 などの表記が大半である(ジャスティスの#武装も参照)。
  6. 資料によって「ッセル[20]」と「ッセル[21]」の二通りの表記が存在する。なお、公式の綴りはBasselとなる[22]
  7. 額にはイタリア数字で19を指す単語とともに「X-19A DICIANNOVE」(第3期OP上のカットではイタリア語で「正義」と「改変」を意味する「Giustizia Modifica」)の刻印がある。
  8. その他、、COSMIC REGIONでの「新型核動力エンジン (ULTRACOMPACT LASER NUCLEAR FUSION REACTOR) [47]」、『MS大全集2006』における「レーザー核融合エンジン」[48]、『週刊ガンダム・ファクトファイル 第139号』(デアゴスティーニ、2007年6月12日)での「ウルトラ・コンパクト・ニュークリア・リアクター(超小型核原子炉)」などの表記も見られる。
  9. 当初模型などで公開された設定では「詳細には判明しておらず、一説によればラクスを筆頭とする旧クライン派が先代ジャスティスの基本設計にセカンドシリーズのデータを組み込んで製造した機体で、おそらくはアスランの専用機として開発が行われていたと思われる」[39]」というものであった。その後、MGプラモデルにおいて「ザフトでの基本設計をクライン派がひそかに奪取し、さらなる改良を加えた機体」「開発はキラ・ヤマトが指導的役割を担った」[44]といった旨の記述もなされている。ただし、資料によって「キラはオノゴロの特殊部隊襲撃までフリーダムがレストアされている事を知らなかった」とする記述や[45]、「僚機であるストライクフリーダムはフリーダムのレストアと同時期に開発が進行していた」[46]とする記述も存在し、キラがインフィニットジャスティスの開発に携わったタイミングは判然としない。
  10. 竹書房の 『パーフェクト・アーカイブ・シリーズ5』 では 「MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲」 が頭部、「MMI-GAU26 17.5mmCIWS」 が胸部に搭載された機関砲であると記載されている。対して講談社の 『オフィシャルファイル メカ04』 では、胸部に搭載された機関砲が「MMI-M19L 14mm2連装近接防御機関砲」であり、頭部に搭載された機関砲は「MMI-GAU26 17.5mmCIWS」となっている。バンダイの1/100マスターグレードに付属する組立説明書に記載の説明も講談社の『オフィシャルファイル メカ04』と同様。ただし、胸部下方両脇腹については記載はない。
  11. ZGMF-X09Aジャスティスのラケルタと同モデルとした資料も存在する[53]
  12. ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』では、デザインが異なる同名のガンプラが登場する。
  13. 詳細はガンダムビルドファイターズトライ#「トライ・ファイターズ」および協力者の使用ガンプラを参照。

出典

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  2. RGB ILUSTRATIONS 2004, p. 59.
  3. SEED OF メカ編3 2003, pp. 28–29.
  4. デーコレ下巻 2004, pp. 22–23, 72–73.
  5. ROBOT魂<SIDE MS> フリーダムガンダム 特製マーキングシール&ブックレット』バンダイ、2015年。
  6. HGジャスティス 2003.
  7. PA 5 DESTINY 2006, p. 171.
  8. 機動戦士ガンダムSEED MSV開発系譜図[ZAFT編]」 GUNDAM SEED WEB
  9. SEED MSエンサイクロペディア 2008, pp. 38–45.
  10. SEED OF メカ編3 2003, pp. 6–7.
  11. M MANUAL 2 2003, p. 14.
  12. アニメ本編「PHASE-42 ラクス出撃(リマスター版40))、「PHASE-46 たましいの場所(リマスター版44)」、 「PHASE-47 悪夢は再び(リマスター版45)」参照。
  13. メカ&ワールド 2012, pp. 118–121.
  14. MGフリーダム 2004, p. 2,7.
  15. DESTINY最速ガイド 2004, p. 65.
  16. 1/100フリーダム 2003.
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  19. HGジャスティスガンダム 2003.
  20. SEED MSエンサイクロペディア 2008, p. 38-45.
  21. SEEDモデル4 紅の炎編 2004, p. 22.
  22. MGジャスティス 2017, p. 13.
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  30. MGジャスティスガンダム 2017, p. 2.
  31. 機動戦士ガンダムSEED フリーダムガンダム&ジャスティスガンダム リアルタイプカラー”. 機動戦士ガンダムSEEDシリーズ公式サイト. バンダイナムコフィルムワークス. 2024年5月13日閲覧。
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  40. PA 5 DESTINY 2006, pp. 168–170.
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参考文献

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    • 『グレートメカニック 8』双葉社、2003年3月。ISBN 4-575-46412-0。
  • 雑誌
  • 分冊百科
  • コミックス
    • 久織ちまき『機動戦士ガンダムSEED DESTINY THE EDGE 第5巻』角川書店、2006年10月。ISBN 4-04-713868-1。
  • 小説
    • 後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 2 さまよう眸』角川書店、2005年7月。ISBN 4-04-429109-8。
    • 後藤リウ『機動戦士ガンダムSEED DESTINY 5 選ばれた未来』角川書店、2006年4月1日。ISBN 4-04-429111-X。
    • 後藤リウ『小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(上)』KADOKAWA、2024年1月30日。ISBN 978-4-04-114567-8。
    • 後藤リウ『小説 機動戦士ガンダムSEED FREEDOM(下)』KADOKAWA、2024年3月26日。ISBN 978-4-04-114805-1。
  • 玩具商品付属解説書(バンダイBANDAI SPIRITS
    • ガンプラ
      • 『HG 1/144 ジャスティスガンダム』2003年5月。
      • 『1/100 フリーダムガンダム』2003年7月。
      • 『1/100 ジャスティスガンダム』2003年8月。
      • 『MG 1/100 フリーダムガンダム』2004年7月。
      • 『HG 1/144 インフィニットジャスティスガンダム』2005年8月。
      • 『1/100 ストライクフリーダムガンダム』2005年9月。
      • 『1/100 インフィニットジャスティスガンダム』2006年5月。
      • 『MG 1/100 インフィニットジャスティスガンダム』2008年10月。
      • 『RG 1/144 ジャスティスガンダム』2012年7月。
      • 『MG 1/100 ジャスティスガンダム』2017年6月。
      • 『HG 1/144 イモータルジャスティスガンダム』2024年1月。
      • 『HG 1/144 ライジングフリーダムガンダム』2024年1月。
    • 完成品トイ
      • 『コズミックリージョン #7005 インフィニットジャスティスガンダム』2006年6月。

関連項目

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