カワサキ・ニンジャ250

ニンジャ250(ニンジャにひゃくごじゅう)とは、カワサキモータースが製造しているニンジャシリーズのオートバイの一つである。以下、本文中ではNinja 250と記述する。

本項では、2013年まで販売されていた前身モデルのNinja 250Rと、2014年に発表された派生車種Ninja 250SLNinja RR mono)についても記述する。

Ninja 250R (初代)

Ninja 250R
基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗カワサキ
車体型式 JBK-EX250K
エンジン EX250KE型 248 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ並列2気筒
内径×行程 / 圧縮比 62.0 mm × 41.2 mm / 11.6:1:1
最高出力 23kW 31PS/11,000rpm
最大トルク 21N・m 2.1kgf・m/8,500rpm
乾燥重量 153 kg
車両重量 168 kg

近年、世界的に強まっている自動車排出ガス規制強化の流れは日本のオートバイに対しても同様におよび、新たな排出ガス基準を満たさない軽二輪自動車は、継続生産車においては平成19年(2007年)9月1日以降の生産が不可能となった[1]。カワサキが従来から生産していた250ccクラスのスポーツカテゴリに位置する車両は、いずれも基本設計が古いこともあり新たな排出ガス基準をクリアすることができず生産終了となることが発表された。

このような背景の元、2007年に開催されたパリショーにて、世界戦略車として環境対応を謳った新たな250ccモデルとしてKLX250ならびにD-TRACKER Xと同時に発表されたのが、Ninja 250Rである[2]

Ninja 250Rに搭載されるエンジンは、直前まで販売されていたZZR250と同様の248cc水冷4ストローク並列2気筒DOHCである。このエンジンは、GPZ250Rに搭載されたものを基本設計とする非常に息の長いシリーズだが、Ninja 250Rではシリンダーヘッド周りやカムチェーンテンショナなど多くの点が改良された。エンジン以外では、旧来モデルからの大きな変更点の一つとして、キャブレターに代わるフューエルインジェクション (FI) の採用が挙げられる。また、排出ガス規制対応のためキャタライザーが搭載された。

当初の販売価格は2008年モデルでは税込みで49万8000円であったが、これは生産をタイの現地法人である「カワサキモータース エンタープライズ タイランド(KMET)」にて行うだけでなく、既存の車体構成や他車の部品を流用し、仕様を極力世界共通とするなどして大幅にコストを低減させたことによるものであり、他社の250ccスクーターや、この先代機種にあたるZZR250の最終型よりも廉価であった。

その後は円高により日本からタイに輸送する主要部品の輸出コストが高くなり、それを補う為に新カラーリングによるイヤーモデル発表のたびに価格改定が行われ、2009年モデルは52万3000円、2010年モデルは52万8000円、2011年/2012年モデルは53万3000円となった。生産国であるタイでは、日本円に換算しておよそ30万円前後で販売されている。

本車の発売以降、他社からはホンダ・CBR250R(後にCBR250RR)、スズキ・GSR250(後にGSX250R)、ヤマハ・YZF-R25が相次いで発売され、250ccのロードスポーツモデルが活況を呈するようになった。

2008年モデル
2008年4月5日発売。カラーバリエーションは以下のラインナップとなる[3]
  • 通常モデル
    • ライムグリーン
    • エボニー
    • キャンディプラズマブルー
2009年モデル
2008年12月1日発売。カラーバリエーションが以下のラインナップに変更された[4]
  • 通常モデル
    • ライムグリーン
    • メタリックディアブロブラック
    • サンビームレッド
2010年モデル
2009年10月15日発売。[注釈 1]カラーバリエーションが以下のラインナップに変更された[5]
  • 通常モデル
    • ライムグリーン
    • エボニー
    • メタリックアイランドブルー
  • Special Edition
    • エボニー×キャンディパーシモンレッド
2011年モデル
2010年8月1日発売。[注釈 2]カラーバリエーションが以下のように改められた。メーターパネルのフォントおよび背景色(黒から白)を変更[6]
  • 通常モデル
    • エボニー
    • メタリックインペリアルブルー
  • Special Edition
    • パールホワイト×エボニー
    • ライムグリーン(400台限定)
2012年モデル
2011年8月1日発売。カラーバリエーションが以下のように改められた[7]。2012年3月1日にメタリックスパークブラックをベースにグラフィックを配した数量限定モデルを追加し[8]、2012年7月1日にはSpecial Editionが追加された[9]
  • 通常モデル
    • ライムグリーン
    • メタリックスパークブラック
    • パッションレッド
  • 数量限定モデル(300台限定)
    • メタリックスパークブラック
  • Special Edition
    • キャンディバーントオレンジ×メタリックスパークブラック

Ninja 250(2代目)

Ninja 250
基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗カワサキ
車体型式 JBK-EX250L
エンジン 248 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブ並列2気筒
内径×行程 / 圧縮比 62.0 mm × 41.2 mm / 11.3:1:1
最高出力 23kW 31PS/11,000rpm
最大トルク 21N・m 2.1kgf・m/8,500rpm
車両重量 172(ABSは+2) kg

2012年8月1日Ninja 250としてフルモデルチェンジされた2013年モデルが川崎重工業より発表された[10]。車名末尾の“R”はなくなり、車体デザインはZX-10Rをモチーフとした形状に刷新され、のちのZX-6Rとともにイメージをそろえるモデルとなった。エンジンも内部構造を全面的に見直し、足回りはホイールが変更され、ABS仕様も追加された。アメリカやヨーロッパ・オーストラリアならびにブラジル向けには、296cc並列2気筒エンジンとアシスト&スリッパークラッチを載せたNinja 300も発表された。

日本国内では Ninja 250が2013年2月1日より正式に発売されたものの[11]、予告段階で注文数が殺到し、わずか3日で日本向けの年間販売計画台数(6000台)を超えてしまい、追って販売するはずだった兄弟車であるZ250を海外に先駆けて、前倒しして導入する事態となった[12]

主な変更点
  • クランクケース、シリンダー、ピストンなどエンジン主要部品の刷新
  • 高張力鋼を使用した新型ダイヤモンドフレームの採用
  • デュアルスロットルバルブの採用
  • 独立2灯式ヘッドライトの採用
  • パッシングスイッチを新採用
  • フェアリング埋め込みウインカーの採用
  • アナログタコメータとデジタル速度計からなる新型インストゥルメントパネルの採用
  • リアタイヤのワイド化(130mmから140mmへ)
  • 250ccクラスではカワサキ初となるABSモデルの設定
2013年モデル
2013年2月1日発売。以下のカラーバリエーションで発売された[13][14]
  • 通常モデル - 512,381円(税抜)
    • エボニー
    • パールスターダストホワイト
  • Special Edition - 526,667円(税抜)
    • ライムグリーン×エボニー
  • ABS Special Edition - 574,286円(税抜)
    • メタリックムーンダストグレー×エボニー
    • パッションレッド×パールスターダストホワイト
2014年モデル以降
2014年モデルは2013年9月1日発売。次の2015年モデルより全仕様でNinja 300同様にアシスト&スリッパークラッチが追加され、 Special Edition/ABS Special Editionにはタンクパッドを新たに追加した。KMETの生産能力に限界が来ていること、第2次安倍内閣が掲げる経済政策「アベノミクス」の影響によって円相場が円安基調となり、タイからの輸入コストが高くなってしまう懸念から、このモデルより日本及び北米・ブラジル仕様車の生産を順次日本へ移管する。日本に生産移管した分の生産余力は、ヨーロッパ向けやブラジル以外の新興国向けに振り分けられる事となっている。

この年以降のカラーバリエーションは以下の通り。いずれも前年の9月1日に発売されている[15][16][17][18][19][20][21][22]

  • 通常モデル - 512,500円(税抜)
    • ライムグリーン(2014年-2015年)
    • エボニー(2014年)
    • パールスターダストホワイト(2015年)
    • メタリックカーボングレー(2016年)
    • キャンディバーントオレンジ(2016年)
    • メタリックスパークブラック×メタリックグラファイトグレー(2017年)
    • キャンディプラズマブルー(2017年)
  • Special Edition - 527,000円(税抜)
    • キャンディバーントオレンジ×エボニー(2014年)
    • キャンディプラズマブルー×エボニー(2015年)
    • ライムグリーン×パールスターダストホワイト(2016年)
  • ABS Special Edition - 574,500円(税抜)
    • ライムグリーン×エボニー(2014年)
    • パールスターダストホワイト×エボニー(2014年)
    • メタリックムーンダストグレー×エボニー(2015年)
    • ライムグリーン×パールスターダストホワイト(2015年)
    • キャンディプラズマブルー×メタリックグラファイトグレー(2016年)
    • キャンディパーシモンレッド×メタリックスパークブラック(2017年)
  • ABS KRT Edition - 574,500円(税抜)
    • ライムグリーン×エボニー(2016年-)
KRT Winter Test Edition

Ninja 250 ABS KRT Winter Test Edition(ケーアールティー ウィンターテストエデイション)は、2017年モデルの限定仕様として2016年11月1日に発売された[23]

2016年モデルから発売されているKRT(カワサキ・レーシング・チーム)Edition のホイールを幅広のものに換装し、前後輪ともラジアルタイヤ (前110/70R17 54H・後150/60R17 66H)を装備させた仕様である。価格は594,000円(税抜)で車体カラーはフラットエボニー。

Ninja 250SL

Ninja 250SL
基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗カワサキ
車体型式 JBK-BX250A
エンジン 249 cm3 4サイクル
水冷DOHC4バルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 72.0 mm × 61.2 mm / 11.3:1
最高出力 21kW 29ps/9,700rpm
最大トルク 22Nm 2.2kgf・m/8,200rpm
車両重量 149 kg

2014年2月、海外でNinja 250SLNinja RR mono)が発表された[24]。当初はマレーシア仕様、フィリピン仕様、中国仕様、タイ仕様と、インドネシア仕様となるNinja RR monoのみで日本国内向けの販売は無かったが、2015年4月15日より日本仕様もNinja 250SLとして正規輸入により発売された[25]。生産はタイで行われている。

車名の「SL」は スーパーライト(Super Light)を表しており、車体の軽量さをモデルのコンセプトとしている。新設計の鋼管トレリスフレームを採用し、ホイールベースをNinja 250比で80mm短縮、タイヤサイズを前後ともNinja 250より1サイズ細いものにするなど、軽量でスリム・コンパクトな車体に仕上げられ、車両重量はNinja 250より20kg以上軽い。

外観上はNinja 250同様のフルカウルだが、ヘッドライトは一灯式となっている。エンジンはKLXシリーズで使われている単気筒エンジンを改良したもので、高回転域寄りのセッティングとされ最高出力が向上している。東南アジア仕様とヨーロッパ仕様はABSが標準装備されており、日本仕様では2016年4月15日に発売されたNinja 250SL ABS KRT Editionにのみ装備された。

2015年モデルでは本体フレームへの溶接となっていたタンデムステップを固定するサブフレームが、2016年モデルではZ250SLと同様のボルト接続となり、取り外すことができるようになった。その他は車体色の変更にとどまっている。

平成28年排出ガス規制が2017年9月から継続生産車及び輸入車にも適用される[26]ため、2017年6月で日本国内向けの生産を終了した[27]

モデルカラー
  • 通常モデル - 425,000円(税抜)
    • ライムグリーン×エボニー(2015年)
    • パッションレッド×エボニー(2015年)
    • エボニー(2016年)
    • キャンディプラズマブルー(2016年)
  • ABS KRT Edition - 485,000円(税抜)
    • ライムグリーン×エボニー(2016年)

Ninja 250(3代目)

Ninja 250
基本情報
排気量クラス 軽二輪
メーカー 日本の旗カワサキ
車体型式 2BK-EX250P
エンジン 248 cm3 4サイクル
水冷DOHC4バルブ並列2気筒
内径×行程 / 圧縮比 62.0 mm × 41.2 mm / 11.6:1
最高出力 28.5 kW(39PS)/12,500rpm
最大トルク 23.5 N・m(2.4 kgf・m)/10,000rpm

2017年の東京モーターショーで新型のNinja 250がNinja 400ともに発表され、2018年2月に発売された[28][29]。 エンジンが完全新設計され出力が向上された。ヘッドライトはLED化されロー・ハイビーム共に両目点灯となった。ABSの標準装備化フレームの刷新およびNinja400との共通化。フロントブレーキが前モデルの290mmから310mmへと大径化されている。タイヤはバイアスタイヤである。

モデルカラー
  • 通常モデル
    • パッションレッド×エボニー(2018年)
    • キャンディプラズマブルー(2018年)
  • KRT Edition -
    • ライムグリーン×エボニー(2018年)

脚注

注釈

  1. Special Editionは2009年11月1日発売。
  2. Special Editionのパールホワイト×エボニーは2010年9月1日発売。同ライムグリーンは2011年6月1日発売。
  3. 日本仕様の2014年モデルから対象となる。

出典

  1. 二輪車の排出ガス基準を強化しました 国土交通省 報道発表資料(2005年8月29日) 2017年10月18日閲覧
  2. 「Ninja 250R」など参考出品モデル13台を「東京モーターショー」に出展 川崎重工業 報道発表資料(2007年9月28日) 2017年10月18日閲覧
  3. 2008年モデル新発売のお知らせ カワサキインフォメーション(2008年3月1日更新)(2008年3月5日時点のアーカイブ
  4. 2009年モデル新発売のお知らせ カワサキインフォメーション(2008年11月1日更新)(2013年1月22日時点のアーカイブ
  5. 2010年モデル新発売のお知らせ カワサキインフォメーション(2009年9月15日更新)(2013年1月22日時点のアーカイブ
  6. 2011年モデル新発売のお知らせ カワサキインフォメーション(2011年4月28日更新)(2013年1月22日時点のアーカイブ
  7. 2012年モデル新発売のお知らせ カワサキインフォメーション(2011年7月1日更新)(2013年1月22日時点のアーカイブ
  8. 2012年モデル新発売のお知らせ カワサキインフォメーション(2012年3月1日更新)(2013年1月22日時点のアーカイブ
  9. 2012年モデル新発売のお知らせ カワサキインフォメーション(2012年6月1日更新)(2013年9月3日時点のアーカイブ
  10. 2013年海外向けモデルとして新型ニンジャ250発表 バイクブロスマガジン ニュース(2012年8月2日) 2017年10月18日閲覧
  11. スポーツモデル「Ninja」シリーズの250ccバイク「Ninja 250」を新発売”. 2017年10月18日閲覧。 川崎重工業 プレスリリース(2012年11月30日)
  12. Ninja250/300開発プロジェクト”. 2017年10月18日閲覧。 川崎重工業 リクルーティングウェブ
  13. Ninja 250 - 2013年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  14. Ninja 250 ABS Special Edition - 2013年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  15. Ninja 250 - 2014年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  16. Ninja 250 ABS Special Edition - 2014年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  17. Ninja 250 - 2015年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  18. Ninja 250 ABS Special Edition - 2015年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  19. Ninja 250 - 2016年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  20. Ninja 250 ABS Special Edition - 2016年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  21. Ninja 250 - 2017年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  22. Ninja 250 ABS Special Edition - 2017年モデル”. 2017年10月18日閲覧。 カワサキモータースジャパン インフォメーション
  23. 「Ninja 250 ABS KRT Winter Test Edition」2017年モデルを11月1日より600台限定で発売 ウェビック ニュース(2016年9月16日) 2017年10月18日閲覧
  24. Ninja RR mono - The Next Generation of Ninja カワサキモーターインドネシア ニュース(2014年2月18日) 2017年10月15日閲覧
  25. カワサキ、水冷単気筒モデル「Ninja250SL」国内販売開始! ウェビックニュース(2015年1月29日) 2017年10月15日閲覧
  26. ディーゼル重量車及び二輪車の排出ガス規制を強化します。 国土交通省 報道発表資料(2015年7月1日) 2017年10月15日閲覧
  27. 2017年モデルを最後に生産終了となるカワサキの車両 有限会社 川口輪業 2017年10月15日閲覧
  28. 【東京モーターショー2017】ニンジャ 250&400 がフレーム&エンジンを刷新し戦闘力UP”. Response. 2018年3月5日閲覧。
  29. 「ニンジャ」を全面改良、新開発のエンジン搭載 川重”. 朝日新聞デジタル. 2018年3月3日閲覧。

関連項目

外部リンク

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