シトロエン・ベルランゴ

ベルランゴ(Berlingo)はシトロエンが販売しているフルゴネット(ライトバン)またはLAVである。

シトロエン・ベルランゴ
3代目
概要
販売期間 1996年-
ボディ
ボディタイプ 4/5ドアパネルバン
5ドアLAV
駆動方式 前輪駆動
系譜
先代 シトロエン・C15

ベルランゴは初代から同じPSAグループのプジョー・パートナーの姉妹車であったが、2021年のステランティスグループの成立に伴い、3世代目からはオペル・コンボ、フィアット・ドブロ、さらにステランティスと協業しているトヨタ自動車の欧州専売車種トヨタ・プロエースシティとの姉妹車種となった。

日本市場ではごく少数の初代ベルランゴが正規輸入されたものの、2代目ベルランゴは正規輸入されなかった。3代目ベルランゴの乗用仕様は本格的に日本市場に導入されており、ステランティスグループの成立以降は兄弟車のプジョー・リフター、フィアット・ドブロの3車種が一体となり、日本国内のマーケティングと販売を行っている[1]。

概要

ルノー・カングーに対抗して、シトロエン・クサラ(初代、2代目)とシトロエン・C4(3代目)のプラットフォームを利用して作られたフルゴネットであり、レジャー・アクティビティ・ビークル(乗用仕様)も存在する。

初代(1996年-2013年)

シトロエン・ベルランゴ(初代)
初代ベルランゴ(マイナーチェンジ前)
概要
販売期間 1996年7月 – 2013年
1998年 - 2020年(ブラジル)
ボディ
ボディタイプ 4/5ドアパネルバン
5ドアLAV
パワートレイン
エンジン 1.4 L TU3 直列4気筒
1.6 L TU5 直列4気筒
1.8 L XU7 JB / LFX 直列4気筒
1.6 L DV6 直列4気筒
1.9 L DW8 直列4気筒
2.0 L DW10 HDi 直列4気筒
変速機 5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,695 mm
全長 4,135 mm
全幅 1,820 mm
全高 1,725 mm

ベルランゴは姉妹車のプジョー・パートナーとともに、1996年7月に欧州市場での販売を開始。乗用車仕様は「マルチスペース」と呼ばれる。1996年のパリサロンにおけるベルランゴの初公開時に、併せて乗用ミニバンタイプ(Grand Large)、乗用ハッチバックタイプ(Berline Bulle)、オープンデッキタイプ(クーペユーティリティータイプ。Coupé de Plage)の3タイプのコンセプトカーも発表され、乗用ミニバンタイプは後にベルランゴ/パートナーの正式なラインナップに加わった。

2002年12月に、内外装を含む大幅なマイナーチェンジが行われた。2004年に再度マイナーチェンジが行われた。2008年に2代目のベルランゴとパートナーが発売されたあとも、初代の生産・販売は2013年まで欧州で継続され、その後も南米などでの生産販売が続けられた。

日本での販売

日本市場におけるルノー・カングーの人気もあり、1998年(平成10年)に当時のシトロエンの正規輸入元だった新西武自動車販売が輸入自動車特別取扱制度[2]を利用した数百台規模での輸入を計画した。同年のフレンチブルーミーティングで同車に対するイメージを問うアンケートも行われたが、当時のカタログモデルであったクサラの販売が伸びなかったため中止となった。そのため、限定車のデモカーとしてわずかに正規輸入された個体と、並行輸入の個体が日本に存在する。

2代目(2008年-2018年)

シトロエン・ベルランゴ(2代目)
概要
販売期間 2008年 – 2018年(生産終了)
ボディ
ボディタイプ 4/5ドアパネルバン
5ドアLAV
プラットフォーム PSA・PF2プラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1.6 L 直列4気筒 16バルブ
1.6 L 直列4気筒 HDi
変速機 5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,728-2,730 mm
全長 4,379-4,628 mm
全幅 1,810-2,112 mm
全高 1,805 mm
その他
兄弟車 プジョー・パートナー

2008年1月に正式発表、4月に欧州市場で販売を開始した。乗用仕様はマルチスペースと呼ばれる。

2012年3月、ジュネーヴモーターショーにてフェイスリストされたモデルを初公開[3]。グリルのデザインを変更したほか、オプションでバンパーにLEDを設定できる。

2012年9月のハノーバーモーターショーにて「エレクトリック ベルランゴ」を初公開[4]。「ベルランゴ」ベースの電気自動車で三菱自動車製のモーターを搭載する。

2015年3月、ジュネーヴモーターショーにてフェイスリストされたモデルを初公開[5]。グリルやバンパー、LEDデイタイムランニングライトのデザインを変更したほか、テールランプも改められた。また、新たなディーゼルエンジンも設定された。

2017年3月21日、欧州向けに乗用車仕様の電気自動車、「e-ベルランゴ・マルチスペース」の設定を発表した[6][7]。蓄電容量22.5kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、モーターの最高出力は67hp、最大トルク20.4kgmを発揮する。

3代目(2018年-)

シトロエン・ベルランゴ(3代目)
K9
概要
販売期間 2018年 -
ボディ
ボディタイプ 4/5ドアパネルバン
5ドアLAV
プラットフォーム PSA・EMP2プラットフォーム
パワートレイン
エンジン 1.2 L EB2 Puretech 直列3気筒 ガソリンターボ TH(日本未導入)
1.5 L DW5 BlueHDI 直列4気筒 ディーゼル HDi
変速機 5速MT(日本未導入)
6速MT(日本未導入)
8速AT(AWF8F35)
前 前:マクファーソンストラット式
後:トーションビーム式
後 前:マクファーソンストラット式
後:トーションビーム式
車両寸法
ホイールベース 2,780-2,970 mm
全長 4,400-4,770 mm
全幅 1,848 mm
全高 1,844-1,870 mm
車両重量 1,600-1,680 kg
その他
兄弟車 プジョー・パートナー
プジョー・リフター
オペル/ボクスホール・コンボ
オペル/ボクスホール・コンボライフ
トヨタ・プロエースシティ
トヨタ・プロエースシティヴァーソ
フィアット・ドブロ

2018年3月、ジュネーヴモーターショーにおいて初公開された[8]。プラットフォームには、PSAグループの「EMP2」が採用される。フロントマスクなどには、他のシトロエン車と共通の最新デザインが導入されている。ボディサイドには、C4カクタスと同様に空気を内包した「エアバンプ」の装着が可能で、エアバンプは衝突時に車体や歩行者に伝わる衝撃を軽減させる[9]。5名乗りのショートボディ「M」と、7名の乗りのロングボディ「XL」が設定される。パワートレーンは、1.2Lガソリンエンジンと1.5Lディーゼルエンジンで「EAT8」と呼ばれる8速ATを組み合わせる。

2018年6月26日、欧州向けに商用車仕様を発表[10]。乗用車仕様から独立し、「ベルランゴ・バン」と呼ばれる。トヨタ・プロエースシティに近いフロントマスクを備え、充実した安全装備が設定されている。

日本での販売

2019年10月18日、日本向け仕様が発表され[9]、翌日9時よりオンライン予約注文申込の受付を開始[11]。導入されるのは特別仕様車「デビューエディション」で、1.5Lディーゼルターボエンジン「BlueHDi」と8段AT「EAT8」を組み合わせる[12]。そのほか、先進運転支援機能(ADAS)も充実させている。

2019年11月27日、同年10月18日に行われたオンライン予約注文申込が5時間半で完売したことに伴い、追加の予約受付が発表された[13]。追加の予約注文申込は同年11月30日に行われ、最初の予約注文申込とほぼ同じ時間で完売した[14]。

2020年8月26日、カタログモデルの先行予約を同年8月27日より開始、同年10月1日より販売開始することを発表した[15][16]。今回導入されるのは装備が簡素化されている「FEEL」、上級グレードの「SHINE」、17インチアロイホイールやマットオレンジのアクセントカラーを配した特別仕様車「SHINE XTR PACK」の3モデル。パワートレインは「デビューエディション」と同じく1.5Lディーゼルターボエンジン「BlueHDi」に8段AT「EAT8」を組み合わせる。先進運転支援機能(ADAS)も充実させており、全グレードに標準装備となる[17]。

2020年10月9日、特別仕様車「SHINE XTR PACK」を追加生産して発売すると発表[18]。予想を上回る注文が集まったためで、仕様は同年8月26日に発表されたモデルと同じ。ボディカラーはサーブルとブラン バンキーズの2色が用意される。

2023年1月18日、3列シート7人乗りのロングボディバージョン「BERLINGO LONG」を発売[19]。ショートボディから全長を365mm、ホイールベースを190mm延長し、大人も寛げるスペースを確保した。1.5Lディーゼルエンジンで「EAT8」と呼ばれる8速ATを組み合わせる「SHINE Blue HDi」と「SHINE Blue HDi XTR PACK」を設定する。

2023年2月14日、特別仕様車「BERLINGO TRICO」を発売[20]。5人乗りの「SHINE」をベースに、フランス国旗をモチーフとしたアクセントカラーを施したモデルとなっている。

2023年5月18日、特別仕様車「BERLINGO Edition Noire(ベルランゴ エディション・ノアール)」を発売[21]。専用のボディカラー「ノアールペルラネラ」を採用したほか、ブロンズのアクセントカラー、ブラックホイールを装備した。

2023年6月29日、特別仕様車「SHINE FEEL PACK」を発売[22]。「SHINE」をベースに、車内上部の収納スペースを排除、ガラスルーフ非装備、アルミホイールをスチールホイール(ホイールカバー付き)に変更することで2023年現在は設定が無い「FEEL」並に価格を抑えた。

2024年4月5日、特別仕様車「Outdoor Pack」を発売[23]。「Citroënist Camps」実施を記念して設定されたもので、「MAX」をベースに、LEDヘッドライト、ETC、ラゲッジトレイ、シトロエン オリジナル アウトドアチェアを特別装備しつつも価格を「MAX」と同じ値段に据え置いた。同車購入者は、2024年度の「Citroënist Camps」のうち第2回から第5回までの参加が無料になる。

Ë-BERLINGO

Ë-BERLINGO Ë-BERLINGO
Ë-BERLINGO

2021年1月14日、BEVである「e-ベルランゴバン」を2021年の後半に欧州市場で発売すると発表[24]。最高出力136hp、最大トルク26.5kgmを発揮するモーターと蓄電容量50kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、1回の充電での航続可能距離は最大275kmである。ショートボディとロングボディを設定する。

2021年2月23日、BEVである「e-ベルランゴ」を欧州で発表[25]。e-ベルランゴバンと同様のモーターを搭載し、1回の充電での航続可能距離は最大280kmである。ショートボディとロングボディを設定する。

2022年1月6日、欧州で販売する「ベルランゴ」の乗用仕様を順次BEVの「e-ベルランゴ」のみにすると発表した[26]。商用仕様は、内燃エンジン車とBEVを併売する。

販売台数

年 生産 販売 その他
ベルランゴ パートナー ベルランゴ パートナー
2008 未公表 未公表 未公表 147,600[27]
2009 未公表 120,500[28] 未公表 133,300[27]
2010 未公表 164,600[28] 未公表 160,200[28]
2011 164,162[29] 167,368[29] 165,807[29] 165,240[29] Total Berlingo production reached 2,448,214 units.
Total Partner production reached 1,964,054 units.[29]
2012 136,800[30] 142,300[30] 139,800[30] 149,800[30] Total Berlingo production reached 2,585,000 units.
Total Partner production reached 2,106,300 units.[30]


脚注

注釈

      出典

      1. イード (2023年5月18日). “【フィアット ドブロ】ディーゼルの乗用仕様は日本専売…ブランドマネージャー・インタビュー”. Response.. イード. 2023年5月25日閲覧。
      2. 輸入自動車特別取扱制度(PHP)の概要 - 国土交通省(平成25年5月10日発表/2017年5月30日閲覧)
      3. “【ジュネーブモーターショー12】シトロエンの商用車&MPV、ベルランゴ…2012年型へ進化”. Response. (2012年3月20日). 2020年8月9日閲覧。
      4. “【ハノーバーモーターショー12】シトロエンの商用EV、ベルランゴ…第2世代へ”. Response. (2012年9月13日). 2020年8月9日閲覧。
      5. “【ジュネーブモーターショー15】シトロエンの商用車&MPV、ベルランゴ …2度目のフェイスリフト”. Response. (2015年3月13日). 2020年8月9日閲覧。
      6. http://www.autoexpress.co.uk/citroen/berlingo-multispace/98973/new-all-electric-citroen-e-berlingo-multispace-unveiled
      7. “シトロエン、小型MPVにEV設定…ベルランゴ”. Response. (2017年3月24日). 2020年8月9日閲覧。
      8. “シトロエン ベルランゴ 新型、多彩な先進運転支援システム…ジュネーブモーターショー2018”. Response. (2018年3月10日). 2020年8月9日閲覧。
      9. “シトロエン「ベルランゴ」発売へ!ライバルはカングーの新型ミニバン”. MOBY (2019年10月18日). 2020年8月9日閲覧。
      10. “シトロエン ベルランゴ バン新型発表---商用車に20の先進運転支援”. Response. (2018年6月27日). 2020年8月9日閲覧。
      11. “シトロエンの新型MPV『ベルランゴ』、特別仕様車を先行発売へ 価格325万円”. Response. (2019年10月18日). 2020年8月9日閲覧。
      12. “シトロエン・ベルランゴ デビューエディション(FF/8AT)【試乗記】”. web CG (2020年1月31日). 2020年8月9日閲覧。
      13. “初回導入分が5時間半で完売した、シトロエンの新型MPVベルランゴが初お披露目! 追加受注も発表”. ドライバーWeb (2019年11月29日). 2020年8月9日閲覧。
      14. “5時間半で完売!? シトロエンとプジョーのミニバンの価値と脅威”. ベストカーWeb (2019年12月9日). 2020年8月9日閲覧。
      15. “シトロエンが「ベルランゴ」のカタログモデルを8月26日に発表! これに先駆けて12月末までベルランゴに乗れるモニター権を含むキャンペーンを実施!”. Motor-Fan.jp (2020年7月22日). 2020年8月9日閲覧。
      16. “【シトロエン ベルランゴ】カタログモデルを先行予約開始、特別仕様車も 価格は312万円より”. Response. (2020年8月26日). 2020年8月29日閲覧。
      17. “「シトロエン・ベルランゴ」のカタログモデルが日本上陸”. web CG (2020年8月26日). 2020年8月29日閲覧。
      18. “シトロエン ベルランゴ 新型のカタログモデル日本導入記念仕様、追加生産を決定”. Response. (2020年10月9日). 2020年10月15日閲覧。
      19. 『3列シート7人乗りのロングボディバージョン「BERLINGO LONG」を発売』(プレスリリース)Stellantisジャパン、2023年1月18日。https://www.stellantis.jp/news/20230118_citroen_berlingo_long。2023年8月9日閲覧。
      20. 『フランスを象徴するカラーで仕立てた特別仕様車 「BERLINGO TRICO」を発売』(プレスリリース)Stellantisジャパン、2023年2月14日。https://www.stellantis.jp/news/20230214_citroen_berlingo-trico。2023年8月9日閲覧。
      21. 『シトロエンのMPV「ベルランゴ」に、黒のボディカラーを まとった特別仕様車CITROËN BERLINGO Edition Noireが登場』(プレスリリース)Stellantisジャパン、2023年5月18日。https://www.stellantis.jp/news/20230518_citroen_berlingo_edition_noire。2023年8月9日閲覧。
      22. “「シンプル」がコンセプトの特別仕様車 シトロエン「BERLINGO FEEL PACK」を発売”. Stellantisジャパン (2023年6月29日). 2023年7月29日閲覧。
      23. 『シトロエン・ブランド オーナー向けキャンプイベント 「Citroënist Camps」第一回を開催 アウトドアに最適な特別仕様車も発売』(プレスリリース)Stellantisジャパン、2024年4月5日。https://www.stellantis.jp/news/20240405_citroen_citroenist_camps。2024年4月25日閲覧。
      24. “シトロエン ベルランゴ にEV、航続は最大275km 2021年後半に欧州発売”. Response. (2021年1月19日). 2023年8月9日閲覧。
      25. “シトロエン ベルランゴ EV、乗用ミニバンにも設定…航続は最大280km”. Response. (2021年2月24日). 2023年8月9日閲覧。
      26. “シトロエン ベルランゴ、欧州はEVだけの設定 1月から”. Response. (2022年1月11日). 2023年8月9日閲覧。
      27. “PSA”. PSA-Peugeot-Citroen.com (2010年6月30日). 2010年12月6日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年12月4日閲覧。
      28. “Engine specs from PSA Peugeot Citroën”. Creator and designer. PSA Peugeot Citroën. 2017年6月5日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年11月29日閲覧。
      29. “PSA Annual Report 2012”. Car manufacturers. PSA. 2013年4月4日閲覧。
      30. (フランス語) Memento Mars 2013. PSA Peugeot Citroën. (21 February 2013). p. 50. http://www.psa-peugeot-citroen.com/fr/pagebuilder/downloadpackage/2293?pid=-1 2013年7月31日閲覧。.

      関連項目

      外部リンク

      <- Previousシトロエン ロードカータイムライン 1980年代-
      タイプ 1980年代 1990年代 2000年代 2010年代 2020年代
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      CX XM C6
      ミニバン C15 ベルランゴ ベルランゴ II
      C3ピカソ
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