タングステン酸ナトリウム

タングステン酸ナトリウム(タングステンさんナトリウム)はナトリウムのタングステン酸塩である。タングステン鉱石からタングステンを抽出する場合の重要な中間生成物である。

タングステン酸ナトリウム
識別情報
CAS登録番号 13472-45-2 チェック
PubChem 165917
RTECS番号 YO7875000
特性
化学式 Na2WO4
Na2WO4·2H2O
モル質量 329.85 g/mol
外観 淡黄色粉末
密度 4.179 g/cm3
融点

698°C

水への溶解度 1M 20oC 無色透明; 742 g/L (20oC)
熱化学
標準生成熱 ΔfHo -1548.9 kJ mol-1[1]
標準モルエントロピー So 161.5 J mol-1K-1
標準定圧モル比熱, Cpo 139,79 J mol-1K-1
危険性
EU分類 有害 (Xn)
Rフレーズ R22
Sフレーズ S22
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

製法

工業的には鉄マンガン重石などの鉱石を水酸化ナトリウムあるいは炭酸ナトリウムと共に融解し、水酸化ナトリウム水溶液で抽出して粗製品が得られている[2]。

性質

タングステン酸ナトリウムは水に溶けやすく、水溶液からは6℃以下では十水和物 (Na2WO4・10H2O)、以上では二水和物 (Na2WO4・2H2O) が析出する。

水溶液はアルカリ性を示し、また弱い酸化剤として働く。その酸化作用はクロム酸塩よりもはるかに弱い[3]。

化学実験室で使用されることは少ないが、微生物実験で培地の作成する場合に微生物の飼育に必要なタングステン分を補うサプリメントとして使用される。またタングステン酸ナトリウムは血糖値降下作用も有している[4]。

脚注

  1. D.D. Wagman, W.H. Evans, V.B. Parker, R.H. Schumm, I. Halow, S.M. Bailey, K.L. Churney, R.I. Nuttal, K.L. Churney and R.I. Nuttal, The NBS tables of chemical thermodynamics properties, J. Phys. Chem. Ref. Data 11 Suppl. 2 (1982).
  2. 日本化学会編 『新実験化学講座 無機化合物の合成II』 丸善、1977年
  3. F.A. コットン, G. ウィルキンソン著, 中原 勝儼訳 『コットン・ウィルキンソン無機化学』 培風館、1987年
  4. The Antidiabetic Agent Sodium Tungstate Activates Glycogen Synthesis through an Insulin Receptor-independent Pathway. The Journal of Biological Chemistry, Vol. 278, No. 44, Issue of October 31, pp. 42785–42794, 2003.

参考文献

関連項目

外部リンク

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