ネオグラシエーション
地球の気候変遷
約80万年前から現在にかけて、地球は北半球の大陸氷床の拡大で証明される気候寒冷期(氷期)と、大陸氷床の融解から証明される気候温暖期(間氷期)とを繰り返している。これは、約10万年の周期で規則的に行われており、具体的には、だんだんと寒冷化が進み、完全に冷え切った後に、急激な温暖化が起こるというパターンが見られている。
ネオグラシエーションへの歩み
約2万年前、地球は、最終氷期の影響による大陸氷床の最拡大期をむかえた。その後(先に挙げたパターンに当てはまるのだが)、約1万4千年前から、北半球の大陸氷床が融け始めるなどの急激な温暖化が進む、気候急変期がおとずれる。現在の気候帯が出来上がったと考えられる6000年前頃には、約8000年前から始まったヒプシサーマル(後氷期の最暖期であり、温度の高潮期)がピークに達していた。そして、その後の今から5000年前に、ネオグラシエーションが起こったと考えられている。
ネオグラシエーションの実例
世界
日本
- 富良野盆地
- 50メートル程のボーリング調査を行った際にネオグラシエーションの泥炭層が発見されている。この層からはネオグラシエーションに、ヒプシサーマルまでに増加していたクルミやミズナラ、トドマツが減少した代わりに、ハンノキやヤチヤナギ、ゼンマイ科のシダが増加していたことがわかる。また、ミズナラの登場で一時減少していたカバノキが増加していることから、この層がだんだんと現在に近い植生に変わっていった様子も読み取ることができる。
- 飛騨山脈
- 日本アルプスの1つである飛騨山脈南部(槍・穂高連峰周辺)では、4段階の氷河前進期(横尾期、涸沢期1、涸沢期2、涸沢期3)が示されている。だが、それらの4つの氷河前進期よりも新しい氷河拡大期、つまり、ネオグラシエーションの痕跡と考えられるものが所々で見られている。
脚注
- 青野靖之. “これまでの気候の移り変わり(第五版)”. 大阪府立大学大学院 生命環境科学研究科. 2018年4月7日閲覧。
- 白岩孝行、チベット氷床説をめぐる最近の動向、1991年、2009年7月23日閲覧
- http://www.u-gakugei.ac.jp/~koizumi/seminar/1995junken.htm
外部リンク
(2009年6月28日最終閲覧)
- 白岩孝行:氷河のページ ヒマラヤの氷河
- 明治大学学術フロンティア 構想
- 温暖化による生物への影響についての文献情報
- 富良野盆地の地形・地質発達史
- 白岩孝行 チベット氷床説をめぐる最近の動向
- ケニア山における氷河の後退と植生の遷移―とくに1997年から2002年において―
(以上、2009年7月23日最終閲覧)
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