フリオ・ロドリゲス (外野手)

フリオ・ヤーネル・ロドリゲス(Julio Yarnel Rodríguez, 2000年12月29日 - )は、ドミニカ共和国ダハボン州ロマ・デ・カブレラ出身のプロ野球選手(外野手)。右投右打。MLBのシアトル・マリナーズ所属。愛称はJ-Rod(ジェイ・ロッド)。

フリオ・ロドリゲス
Julio Rodríguez
シアトル・マリナーズ #44
レオネス・デル・エスコヒード時代
(2020年11月)
基本情報
国籍 ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
出身地 ダハボン州ロマ・デ・カブレラ
生年月日 (2000-12-29) 2000年12月29日(23歳)
身長
体重
6' 3" =約190.5 cm
228 lb =約103.4 kg
選手情報
投球・打席 右投右打
ポジション 外野手
プロ入り 2017年 アマチュアFA
初出場 2022年4月8日
年俸 $5,912,500(2023年)[1]
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)
国際大会
代表チーム ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
五輪 2021年
WBC 2023年
獲得メダル
男子野球
ドミニカ共和国の旗 ドミニカ共和国
オリンピック
銅2020野球

経歴

生い立ち

両親はフリオ・ロドリゲスが生まれる前から野球で成功すると信じ、母親は妊娠7ヶ月の時にバットを買い与え、2歳の頃にはフルスイングをしたという。6歳の時、ダハボン州ロマ・デ・カブレラ周辺のユースリーグで野球を始め、13歳で父親が経営する会社のソフトボールチームに所属した。父親はフリオと週6日間のトレーニングを行うと同時に学業にも力を入れたという。MLB各球団が興味を持ち始めると、両親はチームと綿密な面接を行い、英語を含め最も教育に熱心だったシアトル・マリナーズを選択した(現在、フリオは英語とスペイン語のバイリンガルである)[2][3]。

プロ入りとマリナーズ時代

2017年7月2日にアマチュア・フリーエージェントでシアトル・マリナーズと契約してプロ入り[4]。

2018年に傘下のルーキー級ドミニカン・サマーリーグ・マリナーズでプロデビューし、59試合に出場して打率.315、5本塁打、36打点の成績を記録した[5]。

2019年はA級ウェストバージニア・パワーで開幕を迎えた[6]。8月15日にA+級モデスト・ナッツに昇格した[6]。2チーム合計で84試合に出場して打率.326、12本塁打、69打点を記録した[6]。

2020年はCOVID-19の影響でマイナーリーグのシーズン全試合が中止となり、公式戦への出場はなかった[7]。

2021年はメジャーのスプリングトレーニングに招待選手として参加した。シーズンではA+級エバレット・アクアソックスで開幕を迎えた[8]。6月29日にAA級アーカンソー・トラベラーズに昇格した[8]。7月にはオールスター・フューチャーズゲームに選出された[9]。8月に開催された東京オリンピックのドミニカ共和国代表に選出され、同大会でドミニカ共和国は銅メダルを獲得した[10]。オフの11月18日にメジャー契約を結び、40人枠に登録された[11]。

2022年は、4月8日にミネソタ・ツインズとのシーズン開幕戦にて「7番・中堅手」で先発出場しメジャーデビュー[12]。そのままレギュラーとなり、5月には打率.309、6本塁打、17打点、5盗塁を記録してルーキー・オブ・ザ・マンスを受賞[13]。続く6月も打率.280、7本塁打、16打点、5盗塁という成績を残し、マリナーズでは2001年のイチロー以来となる2ヶ月連続でルーキー・オブ・ザ・マンスを受賞した[14]。オールスターゲームに初選出されると、オールスターゲームに先立ち7月19日に開催された本塁打競争へと出場。第1ラウンドで32本塁打を記録しコーリー・シーガーに、第2ラウンドで31本塁打を記録しピート・アロンソに勝利。迎えた決勝で18本塁打を記録するもフアン・ソトが19本塁打を記録し準優勝となる。全ラウンドの合計81本塁打は、2019年にブラディミール・ゲレーロ・ジュニアが記録した合計91本塁打に次ぐ歴代2位の記録となった[15]。8月26日、マリナーズと契約金を含む8年1億2000万ドル、最大18年4億7000万ドルとなる契約で延長したことを発表(契約の詳細については別項に記載する)[16]。9月14日、サンディエゴ・パドレス戦の5回にシーズン25個目の盗塁を決め、初回に放った26本目の本塁打と合わせて「25本塁打・25盗塁」を達成。これはデビュー1年目の選手としてMLB史上初の記録であり[17]、ルーキーとしてMLB史上3人目[18]、またキャリア出場125試合での達成はマイク・トラウトの128試合を上回りMLB史上最速記録である[17]。 オフの11月14日、マリナーズ史上5人目のア・リーグ新人王を受賞(中堅手ではチームメイトだったカイル・ルイス以来2年ぶり8人目、ア・リーグでドミニカ共和国出身の選手が受賞するのは2010年のネフタリ・フェリス以来4人目)[19][20]、また同年3月に合意された統一労使協約の特別ボーナス制度により、同じく中堅手でナ・リーグ新人王を受賞したマイケル・ハリス2世と共に75万ドルのボーナスを獲得した(両リーグの中堅手が揃って新人王を受賞するのは2012年のブライス・ハーパーとマイク・トラウト以来2組目)[21][22]。さらに11月17日、ア・リーグ最優秀選手賞(MVP)の投票結果が発表され第7位に選出された[23][24]。12月5日には自身初となるセカンドチームの外野手の1人としてオールMLBチームに選出された[25]。

2023年シーズン開幕前の2月9日に第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)のドミニカ共和国代表に選出された。 シーズンでは6月23日に本拠地のシアトルでの開催とあり、2年連続で本塁打競争に参加する意思を表明した[26]。同年の本塁打競争で参加を表明したのはロドリゲスが初だった[26]。7月4日に故障で辞退したヨルダン・アルバレスの代替選手として、2年連続でオールスターゲームに選出された[27]。

選手としての特徴

J.D.マルティネスを参考にしたスイングが特徴。卓越した打撃センスに加え、広角に打ち分けるパワーで長打を量産する[28]。守備では強肩であるため、右翼手が向いていると言われている[29]。19歳まで特別な訓練もなく平均的な走力と評価されていたが、元フットボール選手でトレーニング施設を経営するヨー・マーフィーのコーチングにより、短いステップで足が宙に浮いてしまう自己流の走りを矯正、体を正しい角度に保ち地面へとより強い力を伝え加速する走法を習得し潜在能力が開花。2022年シーズン、スタットキャストのスプリントスピードにおいてMLB上位2%に到達した[30]。

契約延長の詳細

2022年8月26日、球団がロドリゲスとの延長契約締結を発表。その内訳はMLB史上例のない契約期間と総年俸への分岐も含む複雑な構造であった[1][16][31]。

  1. 契約期間は7年、12年、14年、15年、17年のいずれか。
  2. 基本契約は2029年まで、契約金1530万ドルを含む7年1億1930万ドル。
  3. 2028年シーズン後、マリナーズは8年か10年の「クラブオプション」を行使し契約延長するか、破棄するかを決めなければならない。その「クラブオプション」の期間と金額は、2022年 - 2028年のシーズンの間にロドリゲスがMVP投票でどう得票するかにより左右され、8年2億ドルから10年3億5000万ドルの範囲で5段階に分岐する。
    • 8年2億ドル:「クラブオプション」基本延長契約
    • 8年2億4000万ドル:MVP投票による得票でトップ10を2回
    • 8年2億6000万ドル:MVP投票による得票でトップ10を4回
    • 8年2億8000万ドル:MVP獲得1回とトップ5を1回、もしくはトップ5を3回
    • 10年3億5000万ドル:MVP獲得2回、もしくはトップ5を4回
  4. マリナーズが「クラブオプション」を行使しなかった場合、ロドリゲスは2029年シーズン後に5年9000万 - 1億2500万ドル(MVP受賞、シルバースラッガー賞受賞、オールスター選出の回数によって変動)の「プレイヤーオプション」を行使し契約を延長できる。またロドリゲスが「プレイヤーオプション」を行使しなかった場合、7年1億6800万ドルの「相互オプション」の相談をすること、または29歳の誕生日前にフリーエージェントとなる事も可能である。

以上の結果、ロドリゲスには何らかの理由でプレイに支障が出た場合でも、「プレイヤーオプション」を行使する事で12年総額2億930万ドルが保証されている。またマリナーズが「クラブオプション」を行使した場合15年契約以上が確定し、フェルナンド・タティス・ジュニアの14年契約を超えMLB史上最長の契約となる[32]。2023年までにア・リーグMVP得票で二度トップ10入りし、2029年シーズンからの8年2億4000万ドル以上での契約延長が確定した。

詳細情報

年度別打撃成績

年

度
球

団
試

合
打

席
打

数
得

点
安

打
二
塁
打
三
塁
打
本
塁
打
塁

打
打

点
盗

塁
盗
塁
死
犠

打
犠

飛
四

球
敬

遠
死

球
三

振
併
殺
打
打

率
出
塁
率
長
打
率
O
P
S
2022 SEA 1325605118414525328260752570140481457.284.345.509.853
2023 155714654102180372323171033710024761117514.275.333.485.818
MLB:2年 287127411651863256256057717862170387101932021.279.338.495.834
  • 2023年度シーズン終了時

WBCでの打撃成績

2023[33] ドミニカ共和国 41918251006300010090.278.316.333

年度別守備成績

年
度
球
団
中堅(CF)
試

合
刺

殺
補

殺
失

策
併

殺
守
備
率
2022 SEA 130357360.984
2023 152355322.994
MLB 282712682.989
  • 2023年度シーズン終了時
  • 各年度の太字はリーグ最高

表彰

記録

MiLB
MLB
  • MLBオールスターゲーム選出:2回(2022年、2023年)
  • シーズン25本塁打&25盗塁:2回(2022年、2023年)※デビューイヤーでの達成はMLB史上初[35]
  • シーズン30本塁打&30盗塁:1回(2023年)※シアトル・マリナーズ球団史上2人目[36]
  • 4試合連続4安打以上(2023年8月16日 - 19日)※MLB史上初 [37]
  • 4試合17安打(同上)※1925年のミルト・ストックの16安打を超える、MLB史上最多 [38]

背番号

  • 44(2022年 - )

代表歴

脚注

  1. “Julio Rodriguez Contract Details, Salaries, & Earnings” (English). Spotrac. 2022年9月14日閲覧。
  2. “Meet J-Rod, MLB's next superstar” (英語). MLB.com. 2022年10月17日閲覧。
  3. “Who is Julio Rodríguez? An FAQ” (英語). MLB.com. 2022年10月17日閲覧。
  4. “Julio Rodriguez wants to ‘break baseball’” (英語). The Athletic. 2022年11月16日閲覧。
  5. Jesse Sanchez (2018年9月10日). “Rodriguez, 17, impresses Mariners on, off field” (英語). MLB.com. 2019年5月20日閲覧。
  6. “Prospect Julio Rodriguez's talent, charisma can make a believer out of even cynical Mariner fans” (英語). yakimaherald.com. 2022年11月16日閲覧。
  7. “2020 Minor League Baseball Season Shelved”. MiLB.com (2020年6月30日). 2020年7月1日閲覧。
  8. “J-ROD Wins American League ROY Award” (英語). AquaSox. 2022年11月17日閲覧。
  9. “Futures Game rosters are STACKED” (英語). MLB.com. 2021年7月3日閲覧。
  10. “Dominican Republic TOKYO 2020 Baseball Roster” (英語). WBSC. 2022年11月16日閲覧。
  11. “Julio Rodríguez joins Mariners' 40-man roster” (英語). MLB.com. 2022年11月16日閲覧。
  12. “Seattle Mariners at Minnesota Twins Box Score, April 8, 2022” (英語). Baseball-Reference.com. 2022年6月19日閲覧。
  13. “5月の月間MVP 12本塁打のジャッジと打率4割4厘のゴールドシュミットが選出”. 日刊スポーツ (2022年6月28日). 2022年6月19日閲覧。
  14. “マリナーズのロドリゲス、2カ月連続で月間最優秀新人受賞 球団では01年イチロー以来”. 日刊スポーツ. (2022年7月3日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/mlb/news/amp/202207030000094.html 2022年7月4日閲覧。
  15. “J-Rod electrifies with 81 HRs in Derby debut” (英語). mlb.com. 2022年10月19日閲覧。
  16. “Mariners Sign Julio Rodriguez To Extension” (英語). MLB Trade Rumors. 2022年10月7日閲覧。
  17. “History made: J-Rod is fastest to 25 HRs, 25 steals” (英語). mlb.com. 2022年10月21日閲覧。
  18. MLBにおける「ルーキー」はデビュー1年目のみに限定されていない。新人王の資格と同じ規定によりクリス・ヤングとマイク・トラウトが含まれ、ルーキーとしては史上3人目となる。
  19. 全米野球記者協会(BBWAA)から1位票が29、2位票が1、計134ポイントを獲得。
  20. “Mariners outfielder Julio Rodriguez wins AL Jackie Robinson Rookie of the Year” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月14日). 2022年11月15日閲覧。
  21. “新人王受賞者にMLBから75万ドルを支給!今季から導入された特別ボーナス制度の中身” (2022年11月15日). 2022年11月16日閲覧。
  22. “Braves' Michael Harris wins NL Rookie of the Year; teammate Spencer Strider second” (英語). gwinnettdailypost.com. 2022年11月17日閲覧。
  23. 全米野球記者協会(BBWAA)から4位票1、5位票3、6位票6、7位票7、8位票6、9位票2、10位票3の計108ポイントを獲得。
  24. “Outfielder Aaron Judge adds another MVP Award to Yankees’ collection” (英語). BBWAA – Baseball Writers' Association of America (2022年11月17日). 2022年11月18日閲覧。
  25. Paul Casella (2022年12月5日). “Here is the star-studded 2022 All-MLB Team” (英語). MLB.com. 2022年12月6日閲覧。
  26. Daniel Kramer (2023年6月23日). “J-Rod looking to play hometown hero in '23 HR Derby” (英語). MLB.com. 2023年7月3日閲覧。
  27. Daniel Kramer (2023年7月4日). “J-Rod, Kirby added to AL All-Star squad” (英語). MLB.com. 2023年7月5日閲覧。
  28. 「2021 - 2025 全30球団未来予想図 シアトル・マリナーズ」『隔月刊スラッガー』2021年3月号 日本スポーツ企画出版社 41頁
  29. 2019 MLB Prospects Watch – Seattle Mariners Top 30 Prospects list. MLB.com. Retrieved on May 20, 2019.
  30. “MLB: How Mariners rookie Julio Rodríguez found his speed”. yahoo!sports. 2022年11月16日閲覧。
  31. “Jeff Passan's official Twitter Dated August 27, 2022” (英語). Twitter. 2022年10月7日閲覧。
  32. “Largest contract extensions in MLB history” (英語). MLB.com. 2022年10月7日閲覧。
  33. 2023 WBC Player Hitting StatsMLB.com 2023年3月28日閲覧
  34. “MLB Awards history - All-MLB” (英語). MLB.com. 2022年12月6日閲覧。
  35. “マリナーズのフリオ・ロドリゲスが25本塁打25盗塁達成 デビューイヤー史上初とMLB公式”. 日刊スポーツ (2022年9月15日). 2024年2月13日閲覧。
  36. “マリナーズ・ロドリゲス 30本塁打30盗塁達成!22歳以下での達成は史上4人目”. スポーツニッポン (2023年9月12日). 2024年2月13日閲覧。
  37. “フリオ・ロドリゲスが史上初の4試合連続4安打以上の大爆発”. スポーツ報知 (2023年8月20日). 2024年2月13日閲覧。
  38. “フリオ・ロドリゲスが史上初の4試合連続4安打以上の大爆発”. スポーツ報知 (2023年8月20日). 2024年2月13日閲覧。

関連項目

外部リンク

 

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.