ヘルツォーク&ド・ムーロン

ヘルツォーク&ド・ムーロン(仏: Herzog & de Meuron、略称HdM)は、スイスのバーゼル出身のジャック・ヘルツォーク[1]とピエール・ド・ムーロン[2]の2人による建築家ユニット[3]。この2人は、スイス連邦工科大学チューリヒ校で共に建築を学び、卒業後の1978年から共同の建築設計事務所を開いて共に働いている。

ヘルツォーク&ド・ムーロン
Herzog & de Meuron
組織情報
主な建築家 ジャック・ヘルツォーク
ピエール・ド・ムーロン
パートナー ハリー・グーガー
クリスティーヌ・ビンズヴァンガー
ロバート・ヘッセル
アスカン・メルゲンターラー
シュテファン・マールバッハ
所在地 スイスの旗 スイス バーゼル
設立 1978年
業績
建築物 シグナル・ボックス
テート・モダン
プラダ・ブティック青山店
アリアンツ・アレナ
北京国家体育場
受賞 プリツカー賞(2001年)
日本建築学会賞作品賞(2005年)
RIBAゴールドメダル(2007年)
高松宮殿下記念世界文化賞(2007年)
ウェブサイト www.herzogdemeuron.com
アリアンツ・アレナ
エルプフィルハーモニー・ハンブルク
初期の代表作、バーゼルSBB駅の信号所(シグナル・ボックス)

業績

2001年にはプリツカー賞を、2007年には世界文化賞建築部門を受賞。

地元バーゼル中心に活動していた1980年代から1990年代まで、彼らの初期の作品はモダニズムの還元主義的作品を思わせる、ミニマル・アートの芸術家ドナルド・ジャッドの彫刻作品のような簡素な造形であった。しかし、建物表面を無数の石で覆ったり、金属の表面に切れ目を入れてねじるなど見え方を工夫したり、ガラス面に様々な時代の写真や絵画をプリントしたりと、建築の表層の部分での試行を重ねて日々刻々異なる表情を建築や周辺一帯に与え、注目を浴びた。最も大きな脚光を浴びたプロジェクトは、ロンドンの巨大な発電所建物を美術館に改装するテート・モダン計画で、以降受賞や注文が相次いでいる。

2000年代に入ってからの東京・プラダ青山店やバルセロナ・フォーラム、ミュンヘンのサッカー場アリアンツ・アレナ、そして2008年完成の北京国家体育場(北京オリンピックメインスタジアム)では、初期のミニマルな作風から様相が一変している。表層に対するこだわりや物質性の優先は変わっていないが、簡素な箱型の造形から、これまで中に隠れていた建物を支える柱などの構造が複雑化し外部に現れ、表層をプリズムのように一様に覆ってしまうようになった。プラダ青山店では建物表面をガラスが覆い、蜜蜂の巣のような内部構造が透けて見え、北京国家体育場では籐を編んだような複雑な柱が建物を一面に覆っているが、表層の印象によって巨大なボリュームによる圧迫感は和らげられている。

彼らは、しばしば戦後ドイツの芸術家、ヨゼフ・ボイスの作品や芸術論から永続的な影響を受けている、と述べている。また、建築の度ごとに異なった芸術家と共同作業(コラボレーション)を行ってきた。

彼らの成功の秘訣は、普通の材料を用いながら、それらの材料の異質感やそれらの材料から感じたことのない印象を見る者から引き出した腕前によるところが大きい。

作品

プラダ・ブティック青山店
北京国家体育場
名称年所在地国備考
ブルー・ハウス1979〜1980オーバーヴィルスイスの旗 スイス
フライ・フォトスタジオ1981〜1982ヴァイル・アム・ラインドイツの旗 ドイツ
ストーン・ハウス1982〜1988タヴォーレイタリアの旗 イタリア
シュッツェンマット通りの集合住宅・商業ビル1984〜1993バーゼルスイスの旗 スイス
ヘーベル通りの共有壁沿いの集合住宅1984〜1988バーゼルスイスの旗 スイス
シュヴィッター集合住宅・オフィス1985〜1988バーゼルスイスの旗 スイス
E, D, E, N, パヴィリオン1986〜1987ラインフェルデンスイスの旗 スイス
リコラ社倉庫1986〜1987ラウフェンスイスの旗 スイス
SUVA集合住宅・オフィス1988〜1993バーゼルスイスの旗 スイス
アウフ・デム・ヴォルフの機関車車庫1986〜1995バーゼルスイスの旗 スイス
アウフ・デム・ヴォルフのシグナル・ボックス1989〜1994バーゼルスイスの旗 スイス
ゲーツ・コレクション近代美術ギャラリー1989〜1992ミュンヘンドイツの旗 ドイツ
リコラ・ヨーロッパ社工場・倉庫1992〜1993ミュルーズフランスの旗 フランス
バーゼル都市再整備計画1995年バーゼルスイスの旗 スイス
ロシュ製薬・リサーチ・センター1993〜2000バーゼルスイスの旗 スイス
漫画・戯画博物館の改造と新館1994〜1996バーゼルスイスの旗 スイス
エバースヴァルデ高等技術学校図書館1994〜1999エバースヴァルデドイツの旗 ドイツ
バーゼルSBB駅の信号所1994〜1999バーゼルスイスの旗 スイス
テート・モダン1994〜2000ロンドンイギリスの旗 イギリス
レイマンの住宅1996〜1997レメンフランスの旗 フランス
州立病院ロセッティ医薬研究所1995〜1998バーゼルスイスの旗 スイス
スタジオ・レミ・ザウッグ1995〜1996ミュルーズフランスの旗 フランス
ドミナス・ワイナリー1995〜1998カリフォルニア州ナパ・バレーアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
スイス通りのアパートメント1996〜2000パリフランスの旗 フランス
リコラ・マーケティング・ビルディング1997〜1998ラウフェンスイスの旗 スイス
キュッパースミューレ美術館グロテ・コレクション1997〜1999ドゥイスブルクドイツの旗 ドイツ
ザンクト・ヤコブ・パルク(サッカー場)1996〜2002バーゼルスイスの旗 スイス
ラバン・ダンス・センター1997〜2003ロンドンイギリスの旗 イギリス
プラダ青山店2000〜2003東京都港区日本の旗 日本
シャラウガー・ローレンツ財団1998〜2003バーゼルスイスの旗 スイス
フォーラム・ビルディング2000〜2004バルセロナスペインの旗 スペイン
アリアンツ・アレナ2001〜2005ミュンヘンドイツの旗 ドイツ
ウォーカー・アート・センターの改築1999〜2005ミネアポリスアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
デ・ヤング記念美術博物館1999〜2005サンフランシスコアメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
北京国家体育場2002〜2008北京中華人民共和国の旗 中国
ヴィトラ・ハウス2006〜2009ヴァイル・アム・ラインスイスの旗 スイス
ミュウミュウ青山店2012〜2015東京都港区日本の旗 日本
ニュー・テート・モダン2005〜2016ロンドンイギリスの旗 イギリス
エルプフィルハーモニー・ハンブルク2001〜2016ハンブルクドイツの旗 ドイツ

ギャラリー

ヘルツォーク&ド・ムーロン事務所出身の建築家

脚注

  1. 仏: Jacques Herzog、1950年4月19日 -
  2. 仏: Pierre de Meuron、1950年5月8日 -
  3. The China Syndrome

外部リンク

スイス政府観光局(日本語):スイスの近現代建築

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