リチャード・ギア

リチャード・ティファニー・ギア(Richard Tiffany Gere, 1949年8月31日 - )は、アメリカ合衆国の俳優。ペンシルベニア州フィラデルフィア出身。アイルランド系。

リチャード・ギア
Richard Gere
リチャード・ギアRichard Gere
2017年
本名 Richard Tiffany Gere
生年月日 (1949-08-31) 1949年8月31日(74歳)
出生地 ペンシルベニア州フィラデルフィア
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
身長 178 cm[1]
ジャンル 映画俳優
活動期間 1973年 -
配偶者 シンディ・クロフォード(1991年 - 1995年)
キャリー・ローウェル(2002年 - 2016年)
アレハンドラ・シルヴァ(2018年 - )
主な作品
映画
『天国の日々』
『ヤンクス』
『アメリカン・ジゴロ』
『愛と青春の旅だち』
『コットンクラブ』
『プリティ・ウーマン』
『真実の行方』
『ジャッカル』
『プリティ・ブライド』
『運命の女』
『シカゴ』
『Shall We Dance?』
『アイム・ノット・ゼア』
『HACHI 約束の犬』
『キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け』
『嘘はフィクサーのはじまり』
日本映画
『八月の狂詩曲』
 
受賞
放送映画批評家協会賞
アンサンブル演技賞
2002年『シカゴ』
ジョン・シーゲル博愛賞
2008年
ゴールデングローブ賞
男優賞(ミュージカル・コメディ部門)
2002年『シカゴ』
全米映画俳優組合賞
キャスト賞
2002年『シカゴ』
その他の賞

人物

2007年、ヴェニスにて

アングロ・アイルランド系の両親のもとに生まれる。 父のホーマー・ジョージ・ギア(Homer George Gere)は、Nationwide Insurance Company の保険業者だった。母のドリス・アンナ・ティファニー(Doris Anna Tiffany)は主婦である。ギアには、姉スーザンなど3人の姉妹、1人の兄弟、及び異父母兄弟(ドイツのHenry Januszewski)がいる。

1967年、ノースシラキュース・セントラル高校(ニューヨーク州・シラキュース市)卒業。マサチューセッツ大学で哲学を学んでいたが、中退して俳優を志した。舞台で活躍し、1975年に映画デビュー。

また趣味の延長でLos Angeles現地のビンテージギターショップに頻繁に足を運ぶギターコレクターとしても関係者に知れ渡っており、希少なビンテージギターに関する造詣は非常に深い。

私生活

1991年にはスーパーモデルのシンディ・クロフォードと結婚したが1995年に離婚。2002年に女優のキャリー・ローウェルと再婚[2]し、息子(ホーマー・ジェームズ・ジグミー・ギア Homer James Jigme Gere)をもうけた[3]。

2016年女優のキャリー・ローウェルと離婚。

2018年4月に33歳年下のスペイン人慈善活動家、アレハンドラ・シルヴァと結婚。2019年2月には息子のアレクサンダー・ギア(Alexander Gere)が誕生。さらに2020年4月にも夫妻の間では2人目の子となる男児が誕生している[3]。

仏教信者・人道主義者

熱心なチベット仏教信者・人道主義者としても知られる。2001年には、アメリカ人の対テロ戦争について、愛と同情心を持つことの大切さを説いた[4]一方で、2006年にはウサマ・ビンラディンが未だに拘束されないことへの疑問も述べた[5]。2003年には、当時のアメリカ合衆国大統領ジョージ・ブッシュのイラク攻撃を批判[6]。アラファト大統領死後に行われた2005年のパレスチナ自治政府大統領選挙では、パレスチナ国民に投票を呼びかけた[7]。2007年には、フィラデルフィアから人道賞であるマリアン・アンダーソン・アワードを贈られた[8]。

インド・ムンバイにて

ダライ・ラマ14世を熱心に支援し、中華人民共和国政府によるチベット民族迫害を激しく非難している。2002年にはヒマラヤ地域の人権を議論するため、ドイツ議会にも招かれた[9]。2008年の北京オリンピックに際しては、前年に中国に対してチベット民族迫害の歴史をオープンにするよう訴え[10]、聖火リレー前日のサンフランシスコでも、チベットでの人権侵害に対する抗議集会に参加した[11]。しかし、このような行動は中国側からは反発を呼び、ギアをCMに起用したフィアットが謝罪するような出来事も起こった[12]。そのためかリチャード・ギアは中国に入国禁止の対象になっている。リチャードは、中国のチベット弾圧は、ナチスのホロコーストにも等しいと指摘している[13]。2013年1月29日にワシントンで開催されたラントス人権賞受賞式では、中国よりアメリカに亡命した人権活動家陳光誠の演説を英語で読み上げている[14]。

また、エイズ撲滅活動にも取り組んでいる[15][16]。ブッシュのイラク攻撃は批判したギアだったが、エイズ問題への取り組みについては賞賛を述べた[17]。

日本との関わり

親日家としても知られ、度々来日している。

黒澤明監督の 『八月の狂詩曲』 に出演した際、劇中で使用された念仏堂のオープンセットを解体して、アメリカの別荘に移築した。なお、これは特別扱いを断った彼の出演料が非常に安かったため、その埋め合わせの意味もあったという。

また『Shall We Dance?』、『HACHI 約束の犬』といった日本映画のリメイク作品に主演している。

日本のテレビコマーシャル(CM)への出演もあり、日本国内においても顔と名前の知れたアメリカ人俳優の一人であると言える。1991年には日本航空のワシントン就航のコマーシャルに歌を歌いながら出演。2005年からはダンディハウスのイメージキャラクターとしてCM出演。2012年にはサントリー『オランジーナ』のテレビCMで、映画『男はつらいよ』の登場人物「車寅次郎」をモチーフにした「TORA」というキャラクターを演じている[18]。

2009年7月9日、『HACHI 約束の犬』の宣伝活動での来日中に、『森田一義アワー 笑っていいとも!』のコーナー「テレフォンショッキング」に、字幕翻訳者で通訳の戸田奈津子とともに出演、番組史上初のハリウッドスターのテレフォンゲストとなった(ただし、メインゲストは戸田であり、ギアはあくまで「付き添い」の立場である)。その際100人アンケートで「飼い犬の名前がハチ」というお題で1人を当て、その1人の女性をステージに上げストラップをプレゼントするなどした。 愛犬家であり、『HACHI 約束の犬』のシナリオを読んで涙している。なお、ハチの物語はこの時初めて知った。

事件

2007年4月15日、インドのニューデリーで行われたエイズ撲滅キャンペーンの際に、インド人女優のシルパ・シェティに対し壇上で頬にキスをするパフォーマンスを行ったことが、観衆の怒りを買った[19]。この行為がインドでは「公然わいせつ罪」に該当するとして、4月26日にキスをされたシルパ・シェティとギアに対しインドの地方裁判所が逮捕状を発行した[20]。これに対してギアはマスコミを通じて公式に謝罪[21]し、翌年になってインドの最高裁判所が逮捕状を取り下げた[22]。

出演作品

映画

公開年邦題
原題
役名備考日本語吹替
1975年ニューヨーク麻薬捜査線
Report to the Commissioner
ビリー
リチャード・ギア/アメリカン・コップス
Strike Force
ウォルター・スペンサーテレビ映画
1977年ミスター・グッドバーを探して
Looking for Mr. Goodbar
トニー富山敬
1978年天国の日々
Days of Heaven
ビル池田秀一
愛の断層
Bloodbrothers
ストーニー・デ・ココ
1979年ヤンクス
Yanks
マット・ダイソン堀秀行
1980年アメリカン・ジゴロ
American Gigolo
ジュリアン松橋登
1982年愛と青春の旅だち
An Officer and a Gentleman
ザック・メイヨ津嘉山正種(フジテレビ版)
浪川大輔(オンデマンド配信版)
1983年ブレスレス
Breathless
ジェシー『 勝手にしやがれ』のリメイク鈴置洋孝
愛と名誉のために
The Honorary Consul
エドゥアルド・プラー
1984年コットンクラブ
The Cotton Club
ディキシー・ドワイヤー速水奨(ソフト版)
津嘉山正種(TBS版)
1985年キング・ダビデ/愛と闘いの伝説
King David
ダビデ
1986年キングの報酬
Power
ピート・セント・ジョン小川真司(フジテレビ版)
ノー・マーシィ/非情の愛
No Mercy
エディ・ジレット安原義人(テレビ朝日版)
1988年マイルズ・フロム・ホーム
Miles from Home
フランク・ロバーツ
1990年背徳の囁き
Internal Affairs
デニス・ペック樋浦勉
プリティ・ウーマン
Pretty Woman
エドワード・ルイス小川真司(ソフト版)
あおい輝彦(フジテレビ版)
石田純一(TBS版)
山寺宏一(テレビ朝日版)
1991年八月の狂詩曲
Rhapsody in August
クラーク日本映画(日本語吹替なし)
1992年愛という名の疑惑
Final Analysis
アイザック・バー博士出演・製作総指揮津嘉山正種
1993年ジャック・サマースビー
Sommersby
ジャック・サマースビー菅生隆之(ソフト版)
鈴置洋孝(テレビ朝日版)
運命の瞬間/そしてエイズは蔓延した
And the Band Played On
振付師テレビ映画堀之紀
心のままに
Mr. Jones
ジョーンズ出演・製作総指揮安原義人
1994年わかれ路
Intersection
ヴィンセント・イーストマン『すぎ去りし日の…』のリメイク谷口節
1995年トゥルーナイト
First Knight
ランスロット安原義人
1996年真実の行方
Primal Fear
マーティン・ベイル
1997年北京のふたり
Red Corner
ジャック・ムーア金尾哲夫
ジャッカル
The Jackal
デクラン・マルクィーン田中秀幸(ソフト版)
津嘉山正種(日本テレビ版)
1999年プリティ・ブライド
Runaway Bride
アイク・グラハム磯部勉(ソフト版)
安原義人(機内上映版)
2000年オータム・イン・ニューヨーク
Autumn in New York
ウィル・キーン鈴置洋孝
Dr.Tと女たち
Dr. T & the Women
Dr.T田代隆秀
2002年プロフェシー
The Mothman Prophecies
ジョン・クライン原康義(ソフト版)
津嘉山正種(テレビ東京版)
運命の女
Unfaithful
エドワード・サムナー森田順平(ソフト版)
菅生隆之(テレビ朝日版)
シカゴ
Chicago
ビリー・フリンゴールデングローブ賞 主演男優賞 (ミュージカル・コメディ部門) 受賞津嘉山正種
2004年Shall We Dance?
Shall We Dance?
ジョン・クラーク津嘉山正種(ソフト版)
木下浩之(日本テレビ版)
2005年綴り字のシーズン
Bee Season
ソール・ナウマン小川真司
2006年ザ・ホークス ハワード・ヒューズを売った男
The Hoax
クリフォード・アーヴィング大塚智則
2007年消えた天使
The Flock
エロル・バベッジ石塚運昇
アイム・ノット・ゼア
I'm Not There
ビリー(日本語吹替版なし)
ハンティング・パーティ
The Hunting Party
サイモン・ハント小川真司(ソフト版)
2008年最後の初恋
Nights in Rodanthe
ポール・フラナー安原義人
2009年クロッシング
Brooklyn's Finest
エディ佐々木勝彦
HACHI 約束の犬
Hachi: A Dog's Tale
パーカー・ウィルソン製作・出演北大路欣也
アメリア 永遠の翼
Amelia
ジョージ・パットナム安原義人
2011年顔のないスパイ
The Double
ポール・シェファーソン
2012年キング・オブ・マンハッタン 危険な賭け
Arbitrage
ロバート・ミラー森田順平
2013年ムービー43
Movie 43
ボス原康義
2014年ロスト・イン・マンハッタン 人生をもう一度
Time Out of Mind
ジョージ(日本語吹替版なし)
2015年マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章
The Second Best Exotic Marigold Hotel
ガイ・チャンバース[23]菅生隆之
リチャード・ギア/人生の特効薬
The Benefactor
フラニー別題『ベネファクター/封印』(日本語吹替版なし)
2016年嘘はフィクサーのはじまり
Norman: The Moderate Rise and Tragic Fall of a New York Fixer
ノーマン・オッペンハイマー安原義人
2017年冷たい晩餐
The Dinner
スタン・ローマン
Three ChristsDr. Alan Stone
2023年Maybe I Do

テレビシリーズ

放映年邦題
原題
役名備考日本語吹替
1976年刑事コジャック
Kojak
Geno Papas第4シーズン第1話「Birthday Party」
2001年ザ・シンプソンズ
The Simpsons
本人役声の出演
第13シーズン第6話「キリスト教よ さようなら」
2019年マザー・ファーザー・サン
MotherFatherSon
マックス・フィンチ計8話出演森田順平[24]

日本語吹き替え

主に担当しているのは、以下の二人である。

安原義人
『ノー・マーシィ/非情の愛』(テレビ朝日版)で初担当。最も多く吹き替えている。
津嘉山正種
『コットンクラブ』(TBS版)で初担当。80〜2000年代初頭の作品を多く担当。安原の次に多く吹き替えた。

このほかにも、小川真司、菅生隆之、鈴置洋孝、森田順平、原康義なども複数回、声を当てている。

脚注

  1. https://www.imdb.com/name/nm0000152/bio?ref_=nm_ov_bio_sm
  2. “R・ギア、ウェディング・ベルを鳴らす”. シネマトゥデイ. (2002年11月18日). https://www.cinematoday.jp/news/N0002642 2009年8月18日閲覧。
  3. “Richard Gere's 3 Children: All About Homer, Alexander and His 3rd Son” (英語). people. 2024年5月14日閲覧。
  4. “R・ギア、「テロリストにも愛と同情心を」”. シネマトゥデイ. (2001年10月15日). https://www.cinematoday.jp/news/N0001073 2009年8月19日閲覧。
  5. “「なぜ戦犯が未だ捕まらないのか」 リチャード・ギア、新作映画の会見で - ボスニア・ヘルツェゴビナ”. AFPBB News. (2006年9月21日). http://www.afpbb.com/article/entertainment/movie/2115567/913665 2009年8月18日閲覧。
  6. “R・ギア、イラク攻撃を批判”. シネマトゥデイ. (2003年2月14日). https://www.cinematoday.jp/news/N0002978 2009年8月19日閲覧。
  7. “リチャード・ギア、パレスチナ選挙のCMへ”. シネマトゥデイ. (2005年1月6日). https://www.cinematoday.jp/news/N0005885 2009年8月18日閲覧。
  8. “リチャード・ギア、人道賞を受賞”. シネマトゥデイ. (2007年11月19日). https://www.cinematoday.jp/news/N0012025 2009年8月18日閲覧。
  9. “R・ギア、ドイツの議会に招待される”. シネマトゥデイ. (2002年2月26日). https://www.cinematoday.jp/news/N0001466 2009年8月18日閲覧。
  10. “リチャード・ギア「中国は人権侵害にもっと正直に」”. AFPBB News. (2007年9月4日). https://www.afpbb.com/articles/-/2277031?pid=2072253 2009年8月18日閲覧。
  11. “聖火リレーを控えたサンフランシスコで抗議集会 リチャード・ギアらが出席”. AFPBB News. (2008年4月10日). https://www.afpbb.com/articles/-/2375753?pid=2812846 2009年8月18日閲覧。
  12. “伊フィアット、リチャード・ギア起用CMで謝罪”. Sponichi Annex. (2008年6月21日). http://www.sponichi.co.jp/entertainment/special/archive/2008archive/KFullFlash20080621019.html 2009年8月18日閲覧。
  13. 古森義久 (2015年8月16日). “あの有名俳優が米国で中国のチベット弾圧を批判 熱を込めて語った不当逮捕や拷問、虐待の実態”. 日本ビジネスプレス. http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44544 2015年8月16日閲覧。
  14. “陳光誠氏が米人権賞を受賞、「国際社会は中国に圧力を」”. ロイター. (2013年1月30日). https://jp.reuters.com/article/tk0601913-china-usa-dissident-idJPTYE90T02820130130 2022年9月18日閲覧。
  15. “リチャード・ギア、メディアの力をエイズ撲滅に”. シネマトゥデイ. (2006年8月21日). https://www.cinematoday.jp/news/N0008905 2009年8月18日閲覧。
  16. “<第16回国際エイズ会議>リチャード・ギアなど、著名人が多数参加 - カナダ”. AFPBB News. (2006年8月15日). http://www.afpbb.com/article/life-culture/health/2098306/799130 2009年8月18日閲覧。
  17. “リチャード・ギア氏、ブッシュ米大統領を称える - 米国”. AFPBB News. (2006年2月27日). http://www.afpbb.com/article/politics/2029929/355059 2009年8月18日閲覧。
  18. 「オランジーナ」新TV-CM「ムッシュ」編、「カフェ」編 オンエア開始 サントリーニュースリリース 2012年3月23日閲覧。
  19. “リチャード・ギアのキスにインドの観衆が激怒”. シネマトゥデイ. (2007年4月20日). https://www.cinematoday.jp/news/N0010383 2009年8月18日閲覧。
  20. “裁判所がリチャード・ギアらに逮捕状を発行 - インド”. AFPBB News. (2007年4月26日). https://www.afpbb.com/articles/-/2216881?pid=1543659 2009年8月18日閲覧。
  21. “リチャード・ギア、シルパへのキスを謝罪”. シネマトゥデイ. (2007年5月14日). https://www.cinematoday.jp/news/N0010507 2009年8月18日閲覧。
  22. “リチャード・ギア、インドで出された逮捕状が取り下げに”. シネマトゥデイ. (2008年3月17日). https://www.cinematoday.jp/news/N0013221 2009年8月18日閲覧。
  23. “新たな宿泊客はリチャード・ギア、「マリーゴールド・ホテル」続編が来年公開”. 映画ナタリー (2015年8月19日). 2015年8月19日閲覧。
  24. “WOWOWオンライン”. WOWOW. 2020年6月27日閲覧。

外部リンク

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