ルフトハンザ・カーゴ8460便着陸失敗事故

ルフトハンザ・カーゴ8460便着陸失敗事故(ルフトハンザ・カーゴ8460びんちゃくりくしっぱいじこ)は、2010年7月27日に発生した航空事故である。

ルフトハンザ・カーゴ 8460便
2010年2月に撮影された事故機
事故の概要
日付 2010年7月27日
概要 パイロットエラーによる滑走路の逸脱
現場 サウジアラビアの旗 サウジアラビア・キング・ハーリド国際空港
乗客数 0
乗員数 2
負傷者数 2
死者数 0
生存者数 2 (全員)
機種 マクドネル・ダグラス MD-11F
運用者 ドイツの旗 ルフトハンザ・カーゴ
機体記号 D-ALCQ
出発地 ドイツの旗 フランクフルト国際空港
第1経由地 サウジアラビアの旗 キング・ハーリド国際空港
最終経由地 アラブ首長国連邦の旗 シャールジャ国際空港
目的地 香港の旗 香港国際空港

フランクフルト国際空港発香港国際空港行きだったルフトハンザ・カーゴ8460便(マクドネル・ダグラス MD-11F)が経由地のキング・ハーリド国際空港への着陸に失敗し炎上したが、乗員2人は無事だった[1]。

事故機

事故の19日前に撮影された事故機

事故機のマクドネル・ダグラス MD-11F(D-ALCQ)は[2]、製造番号48431、ラインナンバー534として製造された。その後、アリタリア航空に納入されI-DUPBとして登録された。2004年に、貨物機への改修工事を受けており[3]、事故当時には総飛行時間73,200時間、10,075サイクルを経験していた[4]。

事故の経緯

8460便は、フランクフルトからリヤド、シャールジャを経由して香港へ向かう国際定期貨物便だった[3]。

8460便は軽微な問題のため、予定時刻より2時間半ほど遅れた5時16分(UTC3時16分)にフランクフルトを離陸した。機体には、80tの貨物が積載されていた[5]。

フランクフルトからリヤドまでの飛行は通常通りであり、リヤドのキング・ハーリド国際空港付近の天候も穏やかで、視程も十分だった[2][6]。

着陸の25分前、副操縦士がアプローチ・ブリーフィングを終えた。ブリーフィングでは、最終進入時はフラップを35度に設定し、エンジン出力は72%、機首上げ4.5度の姿勢で行い、地上40フィート (12 m)でフレア操作をすることを話した。8460便はキング・ハーリド国際空港の滑走路33Lに、計器着陸装置で進入した。副操縦士は着陸速度を158ノット (293 km/h)と予定していた[5]。

着陸の25秒前、8460便はグライドスロープを下回った。速度は着陸20秒前から増加し始め、接地時には176ノット (326 km/h)まで達した。メインギアは滑走路の端から945フィート (288 m)地点に接地した。早い速度で接地したため、機体はバウンドし4フィート (1.2 m)まで上昇した。これに対して機長は、操縦捍を押すことにより対処しようとしたが、機体は再びバウンドした。2回目のバウンドで、12フィート (3.7 m)まで跳ね上がり、操縦捍は前方限界位置まで倒された。その後、パイロットは僅かに操縦捍を引き戻したが、機体は毎秒17フィート (5.2 m)の降下率で滑走路に接地した。この時の衝撃で、燃料パイプ2本が切断され火災が発生し、さらに主翼付近で機体が破断した。機長は機体を滑走路内に留めようとしたが、火災が発生していることと、機体が2つに折れ、後部が滑走路に接触していることに気づかなかった。スラストリバーサーを作動させたが、2番エンジンは反応しなかった。また、副操縦士にメーデーを宣言するよう指示した。機体は滑走路を左に逸脱し、ノーズギアが破損した。滑走路の端から8,000フィート (2,400 m)、センターラインから300フィート (91 m)外れた地点で機体は停止した[5]。

機長と副操縦士は、脱出スライドで機外へ待避した。消火活動が行われたが、機体中央部は焼け落ちた[6][5]。

事故調査

サウジアラビアの民間航空総局が調査を行った。最終報告書で、事故の原因はハードランディングにより、機体がバウンドしたこととされた。パイロットは、バウンドに気付かず、状況を更に悪化させてしまう操作を行った。3回目の着地で機体は大破し、出火した[6][5][7]。

もともとMD-11では、着陸時にバウンドした、あるいはハードランディングしたという事例が29件報告されていた[6]。8460便の事故の前年にも、フェデックス80便着陸失敗事故が発生していた。この事故でも、機体はバウンドし、パイロットが不適切な操作を行ったため、機体が大破し反転した。また、80便の事故では、パイロット2人が死亡した。

調査の結果、MD-11は着陸時にバウンドしたとしても、パイロットが気付かない可能性が高いことが判明した[6]。報告書では、バウンド時の対処法や訓練、飛行計器の改善が提言された[6]。

脚注

  1. “Lufthansa MD-11 Crash Lands at Riyadh”. AirlineIndustryReview.com. 2010年7月27日閲覧。
  2. Hradecky, Simon. “Accident: Lufthansa MD11 at Riyadh on Jul 27th 2010, cargo fire, broke up on landing”. Aviation Herald. 2010年8月15日閲覧。
  3. Flyer, K. “Lufthansa Cargo MD-11 Crash Lands at Riyadh ( with Photos, Aircraft's History and Flight History )”. Airline Industry Review. 2012年7月23日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月27日閲覧。
  4. “Lufthansa Cargo plane accident in Riyadh, 27 JUL 4.15 p. m. LT FRA”. Lufthansa Cargo. 2010年8月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2010年7月27日閲覧。
  5. “Accident Description”. Aviation Safety Net. 2016年4月16日閲覧。
  6. “Final Accident Report”. Bundestelle für Fluguntersuchung. 2016年4月16日閲覧。
  7. “Accident report of Lufthansa Cargo – Mcdonnel Douglas – MD11F (D-ALCQ) flight GEC8460” (英語). Aviation Accident Database (2016年3月27日). 2018年12月16日閲覧。

関連項目

This article is issued from Wikipedia. The text is licensed under Creative Commons - Attribution - Sharealike. Additional terms may apply for the media files.