仄暗い水の底から
収録作
プロローグ・エピローグ
三浦半島東端「観音崎」を散歩する老婆・佳代と孫娘・悠子の物語。「海に沈む森」につながるアイテムが登場し東京湾にまつわる物語のまとめ役となる。佳代はそのアイテムをその一家の元へ届けようとする。
浮遊する水
出版社で働く母・淑美と幼い娘・郁子は引っ越してきたマンションの屋上で赤い幼児用のバッグを見つけるが、それをきっかけに親子の周りで奇怪な現象が起こり始める。
- 本作品は鈴木の実体験を基にしている[1]。
穴ぐら
粗暴なアナゴ漁師・稲垣裕之は妻・奈々子を探していた。彼はおとなしい息子・克巳と認知症の父・勝三、失語症の娘・春菜の家族を持つ。やがてアナゴ漁の生簀で激情の口論の末に殺してしまった妻の死体を発見。それを隠蔽しようとして自身も生簀に落ちてしまい閉じ込められる。
夢の島クルーズ
車のセールスマン・榎吉正幸は高校の同窓会で知り合った牛島とその妻・美奈子のヨット「MINAKO」号に乗り東京湾を観光していたが、ヨットに異常が起こり航行不能に陥ってしまう。日が沈み暗くなった海に潜り、キールの様子を確かめに行った牛島が見たものとは…。
漂流船
遠洋マグロ漁船第七若潮丸の乗組員・白石和男は、海で無人の小型クルーザーを発見する。高木船長の提案でクルーザーに乗り込んだ彼は嘗ての持ち主・善国孝之の航海日誌を発見し、彼の娘・洋子が持ち込んだ目のような不気味な貝殻がクルーザーの無人化の原因だと悟る。
映画『仄暗い水の底から』(2002)
| 仄暗い水の底から | |
|---|---|
| 監督 | 中田秀夫 |
| 脚本 |
中村義洋 鈴木謙一 |
| 原作 |
鈴木光司 『浮遊する水』 |
| 製作 | 一瀬隆重 |
| 出演者 |
黒木瞳 小日向文世 菅野莉央 水川あさみ |
| 音楽 | 川井憲次 |
| 主題歌 | スガシカオ「青空」 |
| 撮影 | 林淳一郎 |
| 編集 | 高橋信之 |
| 配給 | 東宝 |
| 公開 |
|
| 上映時間 | 101分 |
| 製作国 |
|
| 言語 | 日本語 |
| 興行収入 | 5.9億円[2] |
2002年に中田秀夫監督で映画化され、2003年のジェラルメ国際ファンタスティカ映画祭でグランプリを受賞した。原作は、短編集の1編「浮遊する水」。2005年にはハリウッド版のリメイク『ダーク・ウォーター』も制作された。
あらすじ
離婚調停中であり、娘・郁子の親権を夫・邦夫と争っている淑美は生活を立て直そうと、郁子と一緒に新しいマンションに引っ越す。しかし、そこは雨漏りが酷い、水道水が不味い、上階の子供の足音がよく響くなど不具合が多く、また彼女は何か不穏なものを感じていた。
ある日、淑美は屋上で赤い子供用バッグ(mimikoバッグ)を見つけ、それがきっかけで郁子と同じ幼稚園に通っていた少女・河合美津子が2年前から行方不明になっていることを知る。美津子は父と共に淑美たちの真上の部屋に住んでいて、行方不明になった時には似たバッグをかけていた。
バッグは落とし物としてマンション管理人に届け、捨てられたことを確認するが、後日また屋上で同じものが見つかった。郁子はバッグが気になるようで、また、見えない女の子と会話する奇行が見られるようになった。淑美は、美津子の霊が郁子を連れ去ろうとしているのではないかとパニックに陥り、一度はマンションを出る決意する。
しかし、淑美が離婚調停を依頼していた弁護士の活躍により、事件はひとまずの決着を見た。実は、美津子と父が住んでいた上の部屋の鍵が閉まっておらず、更には、水道が出しっぱなしだった。水漏れは直り、その他の怪現象のいくつかにも説明が付いた。
ところが、ついに美津子の霊が姿を現した。淑美は自分が連れ去られることで、郁子が連れ去られることを阻止した。10年後、郁子は廃墟となったマンションを訪れ、そこに自身の身代わりに命を失った母・淑美の霊を見るのだった。
スタッフ
その他の映像化
映画『ダーク・ウォーター』(2005)
アメリカでのリメイク作品。監督:ウォルター・サレス、主演:ジェニファー・コネリー。
「孤島」の映画化予定
短編集の1編「孤島」がジョージ・A・ロメロ監督により映画化される予定である。
関連商品
- 書籍(原作含む)
- 仄暗い水の底から(著:鈴木光司)<角川書店単行本> ISBN 4048729373
- 仄暗い水の底から(著:鈴木光司)<角川ホラー文庫> ISBN 4041880025
- 漫画 仄暗い水の底から(漫画:MEIMU) 映画原作の「浮遊する水」の他、「漂流船」「夢の島クルーズ」「海に沈む森」を収録。
- 都市伝説研究読本 仄暗い水の底から 角川書店刊行。
- オーディオブック