作並駅

作並駅(さくなみえき)は、宮城県仙台市青葉区作並相ノ沢にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)仙山線である[1]

作並駅
駅舎(2023年9月)
さくなみ
Sakunami
熊ケ根 (5.0 km)
(5.1 km) 奥新川
地図
所在地 仙台市青葉区作並相ノ沢4-5[報道 1]
北緯38度19分4.01秒 東経140度37分57.51秒
所属事業者 東日本旅客鉄道(JR東日本)
所属路線 仙山線
キロ程 28.7 km(仙台起点)
電報略号 サミ
駅構造 地上駅
ホーム 2面3線[1]
乗車人員
-統計年度-
74人/日(降車客含まず)
-2021年-
開業年月日 1931年昭和6年)8月30日[新聞 1]
備考

当駅舎内に設置されている作並簡易郵便局についても解説する[報道 1][新聞 2]

歴史

当駅は仙山東線延長に伴い1931年昭和6年)8月30日に開設した。当時は仙山東線の終端駅だった。当駅開設には岩松旅館の主で県会議員でもあった岩松亥之助が関わっていたと言われる[2]。この当時、駅の周辺には人家が3軒しかなかった[3]。駅の設置をきっかけに鉄道職員の住居が造られるなどして、集落が形成された。

作並機関区・仙山線管理所

仙台と山形からそれぞれ線路が延びる形で建設された仙山線は、1937年(昭和12年)11月10日に全通した[2]。宮城県と山形県の県境には奥羽山脈を横断するための仙山トンネルが建設された。仙山トンネルは総延長5361mを誇るトンネルである。この中で機関士や乗客を蒸気機関車煙害から守るため、仙山トンネルを含む当駅 - 山寺駅間は当初から直流電化で建設され、電気機関車がここを走ることとなった[4]。仙山線全通時に、当駅には機関車車両基地が設けられた。

当駅に新設された機関車車両基地は、当初は仙台機関区作並機関支区と言った。これは合計40名余りの組織であり、東京や水上の機関区で学んだ22名が中核となった。車両については直流用のED19形電気機関車4両がここに配置された。作並機関支区は1947年(昭和22年)に本区として独立して作並機関区となった[5]。1950年代に仙山線の北仙台駅から作並駅の区間が交流電化の試験路線となり、作並機関区には交流用機関車のED44形・ED45形が配置され[6]、各種の試験に供された。また同時に交流区間と直流区間の接続駅になったことから、交流・直流の地上切替方式の設備が設けられ、1958年(昭和33年)からは交直流電車の車上切替方式の試験も行われている。

1960年(昭和35年)8月20日、作並に仙山線管理所が開設、作並機関区は仙山線管理所車両科となった。管理所制度は、地方線区の実情にあった路線経営を目指すために、国鉄が1956年(昭和31年)に起こした制度である。仙山線管理所は国鉄仙台鉄道管理局の中では6番目に発足した管理所で、270名余りの人員がここに所属した。仙山線管理所は、経営改善の他に、鉄道施設への落石や雪崩防止に取組み、列車安全運行を目指した[7]。仙山線管理所は1968年(昭和43年)9月に廃止されることになり、これに伴って検修要員は長町機関区へ、その他の人員は仙台運転所へ異動した。所属していた機関車は他所の基地へ転属するか廃車となった。これは丁度、仙山線全線が交流電化に統一された時期に当たった[6]

上記以外で作並に所属した機関車としては、ED14形ED17形ED37形(ED29形)ED60形ED93形(ED77形)があった[6]

転車台

仙山線のうち、当駅と山寺駅には以前使用されていた転車台遺構が残っている。この転車台は仙台や山形から列車を牽引してきた蒸気機関車が向きを変えるための物で、作並駅が下路式、山寺駅が上路式の転車台である[8]。作並駅の転車台が下路式なのは、雨水の自然排水には限度があり深く出来ないことと、北側斜面の地山が近いため地盤が固く掘りにくいことが原因と考えられている[9]。長さは約18 m、幅は3 m、高さは4 m、転車台坑の深さは80 cmである。主桁を構成する鉄骨が錆びており、運転台の屋根と窓枠がなくなっているが、取囲む円形軌条を含めてほぼ当時の形を留めている[新聞 3]。1960年台後半、全線電化と蒸気機関車廃止で転車台は使用されなくなり、作並駅の転車台は土砂に埋められて上部の集電装置だけが見える状態になっていた。しかし2014年(平成26年)に市民団体「関山街道フォーラム協議会」が委員会を設立し、同年3月にこれを掘り起こし、同時に取除いた土砂を活用して転車台を見下ろせる簡便な展望台が新設された[新聞 3]。同年、両駅の転車台が「仙山線鉄道施設群」の一部として土木学会選奨土木遺産に登録された[10]

年表

旧駅舎(2007年3月)

駅構造

単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線を有する地上駅[1]。両ホームは仙台方にある構内踏切で連絡している。仙台方ホーム北側には作並機関区の名残の機関庫があり、現在は保線基地として活用されている。また、前述の通りここには転車台遺構がある他[新聞 3]、線路の南側に木造駅舎があり、出入口はこの一ヶ所である。ホームから駅舎への降り口に大きな作並こけしオブジェ「作並太郎」「作並花子」と[16]、交流電化発祥の碑がある。この石碑は当時の機関区長がコツコツと自作した物だという[17][6]。なお、旧駅舎は無人化の際に西側半分が減築・撤去されてスペースを縮小しており、それ以前は改札口及び駅舎への降り口は東西2ヶ所にあった。

日本郵便が駅業務を受託し、仙台市の不動産管理会社に委託[新聞 5]している仙台地区センター管理の業務委託駅。平日の郵便局営業時間内は当駅舎内にある作並簡易郵便局が駅業務を受託する[報道 1]乗車駅証明書発行機と簡易Suica改札機が設置されている。また、以前は急行「べにばな」の間合いで使われていた列車の夜間滞泊が設定されていた。

JR特定都区市内制度における「仙台市内」の駅である。

のりば

番線路線方向行先
1 仙山線 下り 山形方面[18]
2・3 上り 仙台方面[18]
  • 当駅始発は3番線を使用。

利用状況

JR東日本によると、1957年度(昭和32年度) - 2021年度(令和3年度)の1日平均乗車人員の推移は以下の通り。

乗車人員等推移[19]
年度 1日平均
乗車人員
貨物発 貨物着
1957年(昭和32年) 377 4.7t 9.1t
1960年(昭和35年) 433 3.2t 4.5t
1970年(昭和45年) 216 5t 32t
1980年(昭和55年) 140 1t 11t
1990年(平成02年) 289
1999年(平成11年) 251
2000年(平成12年) 252[利用客数 1]
2001年(平成13年) 249[利用客数 2]
2002年(平成14年) 235[利用客数 3]
2003年(平成15年) 237[利用客数 4]
2004年(平成16年) 240[利用客数 5]
2005年(平成17年) 233[利用客数 6]
2006年(平成18年) 225[利用客数 7]
2007年(平成19年) 229[利用客数 8]
2008年(平成20年) 206[利用客数 9]
2009年(平成21年) 189[利用客数 10]
2010年(平成22年) 179[利用客数 11]
2011年(平成23年) 142[利用客数 12]
2012年(平成24年) 167[利用客数 13]
2013年(平成25年) 165[利用客数 14]
2014年(平成26年) 194[利用客数 15]
2015年(平成27年) 206[利用客数 16]
2016年(平成28年) 192[利用客数 17]
2017年(平成29年) 186[利用客数 18]
2018年(平成30年) 186[利用客数 19]
2019年(令和元年) 166[利用客数 20]
2020年(令和02年) 85[利用客数 21]
2021年(令和03年) 74[利用客数 22]
1日平均乗車人員(単位:人/日)

駅周辺

駅の北は山で、駅前から南にごく短い宮城県道133号作並停車場線を経て、国道48号に通じる。周辺は作並地区の中心で、住宅が集まるが、商店街はない。また作並温泉街から離れているため、後述の通り旅館からの送迎バスが発着している。

下流方向、東にある山は鎌倉山である。山の麓を通り過ぎた所、駅から東に約1.5kmの所に、ニッカウヰスキー仙台工場(宮城峡蒸留所)がある。

バス路線

2021年4月に廃止された「作並駅」停留所

国道48号沿いに「作並駅前」停留所があり、仙台市営バスの仙台駅、作並温泉方面への路線がある。かつては駅前に「作並駅」停留所があったが、2021年4月1日の八ツ森線廃止に伴い廃止された[20]。また、以前は作並駅バス停を経由しての作並温泉行も設定されていたが、旅館送迎バスが列車発着時に運行しているため廃止となった。

作並簡易郵便局

作並簡易郵便局
基本情報
正式名称 作並簡易郵便局
設置者 日本郵便株式会社
所在地 989-3431[報道 1]
仙台市青葉区作並字相ノ沢4-5[報道 1]
貯金
店名 ゆうちょ銀行 代理店
取扱店番号 818120[21]
保険
店名 かんぽ生命保険 代理店
特記事項
駅業務の取扱も兼務[報道 1]。また、当局業務・駅業務共に仙台市の不動産管理会社に委託[新聞 5]

概要

2023年6月30日限りで作並郵便局が廃止[22]となり、その代替局として作並簡易郵便局が設置されることとなった。

沿革

取扱内容

以下は、日本郵便とJR東日本により、仙台市の不動産管理会社に業務を委託して運営している[新聞 5]

隣の駅

東日本旅客鉄道(JR東日本)
仙山線
快速
愛子駅 - 作並駅 - 山寺駅
普通
熊ケ根駅 - **西仙台ハイランド駅 - 作並駅 - **(臨)八ツ森駅 - *奥新川駅 - 山寺駅
*:一部普通列車は奥新川駅及び面白山高原駅を通過。
**:打消線廃駅

脚注

出典

  1. 『週刊 JR全駅・全車両基地』 23号 盛岡駅・平泉駅・山寺駅ほか74駅、朝日新聞出版〈週刊朝日百科〉、2013年1月20日、26頁。
  2. 『宮城町誌』(本編)698頁。
  3. 朝日新聞仙台支局・編『宮城風土記』第1巻、宝文堂、1984年、123頁。
  4. 『仙台市史』通史編7(近代2)324-326頁。
  5. 『宮城町誌』(本編)685-686頁。
  6. 『東北の鉄道』271-272頁。
  7. 『宮城町誌』(本編)688頁。
  8. [仙山線パネル展 新幹線は仙山線から始まった]. p.2
  9. [仙山線の魅力再発見]. p.69-70
  10. 土木学会 平成26年度度選奨土木遺産 仙山線鉄道施設群”. www.jsce.or.jp. 2022年6月8日閲覧。
  11. 石野哲(編)『停車場変遷大事典 国鉄・JR編 Ⅱ』(初版)JTB、1998年10月1日、474頁。ISBN 978-4-533-02980-6。
  12. “日本国有鉄道公示第135号”. 官報. (1971年3月30日)
  13. 「通報 ●仙山線作並駅の駅員無配置について(旅客局)」『鉄道公報日本国有鉄道総裁室文書課、1971年3月30日、7面。
  14. 「国鉄各線で営業近代化」『交通新聞』交通協力会、1971年1月31日、1面。
  15. 「仙台市作並・定義地区観光案内所」再編・きっぷうりば閉鎖のお知らせ (PDF). 仙台観光国際協会 (2022年12月23日). 2023年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年1月9日閲覧。
  16. マイベスト!作並・新川
  17. 『宮城町誌』(本編)687頁。
  18. JR東日本:駅構内図・バリアフリー情報(作並駅)”. 東日本旅客鉄道. 2023年12月26日閲覧。
  19. 1957年から1964年までは『宮城町誌』本編701頁。
  20. 市バスダイヤ改正のお知らせ(令和3年4月1日改正)”. 仙台市交通局. 2021年4月4日閲覧。
  21. 作並簡易郵便局 (宮城県) - 日本郵政グループ”. 日本郵政. 2024年1月25日時点のオリジナルよりアーカイブ。2024年1月26日閲覧。
  22. 廃止:作並郵便局(宮城県)”. 日本郵便 (2023年6月1日). 2024年1月4日閲覧。

報道発表資料

  1. 仙山線作並駅における郵便局窓口業務と駅窓口業務の一体運営の開始』(PDF)(プレスリリース)日本郵便東北支社/東日本旅客鉄道東北本部、2023年12月26日。 オリジナルの2023年12月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20231226084017/https://www.jreast.co.jp/press/2023/sendai/20231226_s01.pdf2023年12月26日閲覧
  2. Suicaの一部サービスをご利用いただける駅が増えます』(PDF)(プレスリリース)東日本旅客鉄道、2013年11月29日。 オリジナルの2023年12月26日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20231226135838/https://www.jreast.co.jp/press/2013/20131114.pdf
  3. 日本郵便とJR東日本の地域・社会の活性化に関する協定の締結』(PDF)(プレスリリース)日本郵便/東日本旅客鉄道、2018年6月11日。 オリジナルの2018年12月15日時点におけるアーカイブhttps://web.archive.org/web/20181215052342/http://www.jreast.co.jp/press/2018/20180611.pdf2023年12月26日閲覧

新聞記事

  1. “JR作並駅 85周年イベント”. 交通新聞 (交通新聞社). (2016年9月1日)
  2. JR作並駅舎に郵便局 2024年1月24日に新設 駅窓口業務と一体」『河北新報』、2023年12月27日。2023年12月30日閲覧。オリジナルの2023年12月30日時点におけるアーカイブ。
  3. JR仙山線作並駅 転車台威容現す 市民グループが発掘 - 2014年5月4日河北新報
  4. “<東仙台駅>築74年の木造駅舎お別れ”. 河北新報 ONLINE NEWS (河北新報社). (2015年9月9日). オリジナルの2016年3月23日時点におけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2016-0323-0100-30/www.kahoku.co.jp/tohokunews/201509/20150909_13020.html 2016年3月23日閲覧。
  5. JR作並駅に郵便局開設 東北初の駅窓口業務も兼任」『日本経済新聞』、2024年1月24日。2024年1月24日閲覧。オリジナルの2024年1月24日時点におけるアーカイブ。
  6. JR駅舎内に簡易郵便局、無人駅になっていた駅の業務と「一体運営」…民間企業では全国初」『読売新聞』、2024年1月26日。2024年1月26日閲覧。

利用状況

  1. 各駅の乗車人員(2000年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  2. 各駅の乗車人員(2001年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  3. 各駅の乗車人員(2002年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  4. 各駅の乗車人員(2003年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  5. 各駅の乗車人員(2004年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  6. 各駅の乗車人員(2005年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  7. 各駅の乗車人員(2006年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  8. 各駅の乗車人員(2007年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  9. 各駅の乗車人員(2008年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  10. 各駅の乗車人員(2009年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  11. 各駅の乗車人員(2010年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  12. 各駅の乗車人員(2011年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  13. 各駅の乗車人員(2012年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  14. 各駅の乗車人員(2013年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  15. 各駅の乗車人員(2014年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  16. 各駅の乗車人員(2015年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  17. 各駅の乗車人員(2016年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  18. 各駅の乗車人員(2017年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年2月18日閲覧。
  19. 各駅の乗車人員(2018年度)”. 東日本旅客鉄道. 2019年7月18日閲覧。
  20. 各駅の乗車人員(2019年度)”. 東日本旅客鉄道. 2020年7月12日閲覧。
  21. 各駅の乗車人員(2020年度)”. 東日本旅客鉄道. 2021年7月11日閲覧。
  22. 各駅の乗車人員(2021年度)”. 東日本旅客鉄道. 2022年8月11日閲覧。

参考文献

  • 宮城町誌編纂委員会 『宮城町誌』本編、宮城町役場、1969年。
  • 仙台市史編さん委員会 『仙台市史』通史編7(近代2) 仙台市、2009年。
  • 高橋善三郎(著)、高橋和雄(編)、高橋ハルエ(発行) 『東北の鉄道』、1998年。

関連項目

外部リンク

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