奈良波良神社
奈良波良神社(ならはらじんじゃ)は、伊勢神宮皇大神宮(内宮)の摂社。内宮の摂社27社のうち第22位である[2]。
| 奈良波良神社 | |
|---|---|
![]() | |
| 所在地 | 三重県度会郡玉城町宮古字矢倉戸833 |
| 位置 | 北緯34度28分18.5秒 東経136度37分29.5秒 |
| 主祭神 | 那良原比女命 |
| 社格等 |
式内社(小) 皇大神宮摂社 |
| 創建 | 延暦23年(804年)以前[1] |
| 本殿の様式 | 神明造 |
| 主な神事 | 神嘗祭 |
| 地図 |
![]() 奈良波良神社 |
境内
社地の面積は9,500m2[8]。古代の社地は5町(≒49,585m2)であった[8]。江戸時代に再興された後、明治4年(1871年)に上知令で社域林を没収されたものの1892年(明治25年)に6段8畝19歩(≒6,807m2)が返還された[8]。ヒノキを中心とし、スギ・マツなども混交する社叢が形成されている[8]。
境内には信仰者から寄進された自然石製の手水鉢がある[3]。紀州藩の建立した禁殺生石も残る[4]。
社殿は境内のほぼ中央にあり、神明造の板葺で長さ5尺(≒1.5m)×広さ3尺5寸(≒1.1m)×高さ9尺7寸(≒2.9m)である[9]。南側を向き、1重の玉垣に囲まれ、神明鳥居を備える[9]。
祭神
祭神は那良原比女命(ならはらひめのみこと)[3]。『宇治山田市史』では「奈良波良比女命」と表記する[10]。大水上命(おおみなかみのみこと)の子である[1]。
地域の産土神であり[3][4]、国津神であった[5]。田の灌漑、神田や楢原の守護神とされる[5]。伝承によれば、倭姫命の旅の苦労を慮った那良原比女命は、倭姫命に守護地を差し出したという[5]。
歴史
『皇太神宮儀式帳』に「同内親王定祝」とあることから、倭姫命の創建とされる[1]。同書は延暦23年(804年)のものであることから、それ以前には既に存在し、祀られてきたことが分かる[1]。中世には修繕もままならず、いつの日にか廃絶し、寛文3年9月8日(グレゴリオ暦:1663年10月8日)に大宮司の大中臣精長(河邊精長)の尽力により再興された[11]。当地の古老が「若宮」という地名を太神宮末社と伝承していたことから、「若宮ノ谷」の西に再興したのであった[12]。しかし『皇太神宮儀式帳』に記載された「坐五町、四至竝大山」と、再興地が一致しないことから、異論が続出している[1]。薗田守良は『神宮典略』で旧社地が宮古の山奥にあったとし、御巫清直は『二宮管社沿革考』で再興地の字名が「矢倉戸」であることから再興されたのは愛洲氏の櫓跡であり、本来の社地は曹洞宗神照山廣泰寺だとした[13]。上都神社を旧社地とする説もある[14]。このような異論がある中、再建以降、社地の変遷はない[1]。
祭祀
常駐の神職はいないが、祝部が1名任命されており、平時の管理を務めている[15]。
祈年祭(2月19日)・月次祭(6月19日と12月19日)・神嘗祭(10月19日)・新嘗祭(11月25日)には権禰宜、宮掌、出仕らが社前にて祭祀を行い、歳旦祭(1月1日)・元始祭(1月3日)・建国記念祭(2月11日)・風日祈祭(5月14日と8月4日)・天長祭(天皇誕生日)は内宮の五丈殿で遥祀を行う[15]。
脚注
- 式内社研究会 編(1990):237ページ
- 宇治山田市役所 編(1929):9 - 11ページ
- 伊勢文化舎 編(2008):59ページ
- 学研パブリッシング(2013):67ページ
- 辰巳出版(2013):48ページ
- 金子(1983):59ページ
- “神宮ゆかりの地を巡る”. のほほん たまき旅. 玉城町役場産業振興課. 2014年6月1日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月1日閲覧。
- 式内社研究会 編(1990):239ページ
- 式内社研究会 編(1990):240ページ
- 宇治山田市役所 編(1929):11ページ
- 式内社研究会 編(1990):237, 240ページ
- 式内社研究会 編(1990):238ページ
- 式内社研究会 編(1990):237 - 238ページ
- “コース18 玉城ルート1 〜里山の神社を巡る〜”. 伊勢市観光協会. 2013年10月26日時点のオリジナルよりアーカイブ。2014年6月1日閲覧。
- 式内社研究会 編(1990):238 - 239ページ
- 伊勢文化舎 編(2008):57ページ
- 三重県環境生活部文化振興課(2012):8ページ
参考文献
- 伊勢文化舎 編『お伊勢さん125社めぐり』別冊『伊勢人』、伊勢文化舎、平成20年12月23日、151p. ISBN 978-4-900759-37-4
- 宇治山田市役所 編『宇治山田市史 上巻』宇治山田市役所、昭和4年1月20日、862p.
- 学研パブリッシング『伊勢神宮に行こう』Gakken Mook神社紀行セレクションvol.1、薗田稔監修、学研マーケティング、2013年7月4日、82p. ISBN 978-4-05-610047-1
- 金子延夫『玉城町史 第1巻―南伊勢の歴史と伝承―』三重県郷土資料叢書第61集、三重県郷土史料刊行会、昭和58年8月10日、276p.
- 式内社研究会 編『式内社調査報告 第六巻 東海道1』皇學館大学出版部、平成2年2月28日、690p. ISBN 4-87644-080-8
- 三重県環境生活部文化振興課『熊野脇道 三重県 みえ歴史街道ウォーキングマップ』三重県環境生活部文化振興課、2012年
- 『日本人なら知っておきたい 伊勢神宮と125の社』タツミムック、辰巳出版、2013年11月1日、127p. ISBN 978-4-7778-1197-7

