漸化式による積分
漸化式による積分(ぜんかしきによるせきぶん、Integration by reduction formulae)は、漸化式による積分の計算方法である。この方法は、整数のパラメータ(通常は初等関数のべき乗)又は超越関数と任意の次数の多項式の積を数式が含み、直接積分できない場合に使われる。
漸化式の見つけ方
漸化式は、置換積分、部分積分、三角置換による積分、部分分数分解による積分などの一般的な積分方法のいずれかを使用して導出できる。主なアイデアは、関数(Inで表される)の整数パラメータ(例えばべき乗)を、例えばIn-1やIn-2で表されるより低い値のパラメータ(例えばより低いべき乗)を含む積分で表すことである。これにより、漸化式が導出される。漸化式において、積分
は以下の式
で表される。 ここで
である。
積分の計算方法
積分を計算するには、漸化式を使用してnの積分を(n – 1) や (n – 2) の積分で表す。より低い指数の積分は、より高い指数の積分を計算するために使用できる。これを積分される関数が計算できる(通常は指数が0又は1)ところまで繰り返し、逆代入することでInを計算する[1]。
例
計算手順の例を示す。
余弦積分
以下の積分は、漸化式により計算できる。

初めに、Inを以下のように定義する。
Inは以下のように書き換えられる。
以下のように設定し、置換積分を行う。
計算結果は以下のようになる。
これによりInは以下の漸化式で表される。
これにより漸化式は
となる。n = 5の場合は以下のように計算できる。
低い次数のInを計算する。
逆代入すると、
となり、最終的にI5は以下のように計算される。
Cは定数である。
指数積分
初めに、Inを以下のように定義する。
以下のように設定し、置換積分を行う。
計算結果は以下のようになる。
指数を1つずらし、n + 1 → n, n → n – 1とすると、
となる。Inを解くと
となる。漸化式は
となる。
を置換することによっても、導出することができる。以下のように設定し、置換積分を行う。
計算結果は以下のようになる。
逆代入すると
となり、式は
となる。
部分積分によっても導出することができる。
ここで
となるため、逆代入すると以下のようになる。
これは以下の式に等しい。
漸化式の表
出典
- Further Elementary Analysis, R.I. Porter, G. Bell & Sons Ltd, 1978, ISBN 0-7135-1594-5
- http://www.sosmath.com/tables/tables.html -> Indefinite integrals list
- http://www.sosmath.com/tables/tables.html -> Indefinite integrals list
参考文献
- Anton, Bivens, Davis, Calculus, 7th edition.
