経皮的冠動脈形成術
経皮的冠動脈形成術(けいひてきかんどうみゃくけいせいじゅつ、英: percutaneous transluminal coronary angioplasty; PTCA、percutaneous coronary intervention; PCI)とは、狭心症や急性心筋梗塞などの虚血性心疾患に対して、血管の内側から狭窄した冠動脈を拡張するカテーテルを使った低侵襲的な治療法の総称[1]。経皮的冠動脈インターベンションとも呼ばれる[2]。
一般的に足の付け根または手首からカテーテルの細い管を血管内に挿入して治療が行われることから、開胸手術よりも痛みやダメージが少なく、入院日数が短縮され、経済的負担も軽く、早期の社会復帰が可能になることから、冠動脈疾患治療の主流となっている[3]。また、2020年代にはPCI専用の手術支援ロボットの導入が進んでいる[2]。
基本的な治療
バルーン
大腿動脈または橈骨動脈、上腕動脈から、狭窄した病変部にガイドワイヤーと呼ばれる細い針金を通過させ、そのワイヤーに沿ってPTCAバルーンカテーテル(風船)を病変部まで進める。血管の狭くなっている病変部でバルーンを膨らませて内側から血管を押し広げる。狭くなっている部分が拡張されることにより、再び血液の通路が構築され、血流が回復する。この治療法は、POBA (percutaneous old balloon angioplasty) と呼ぶ。この治療法は1977年に初めて行われたが、治療後の急性冠閉塞と、再狭窄率が高いことが問題となっていたが、2014年より薬剤を塗布したバルーン(DCB)が使用可能となった。
金属ステント(BMS)
POBAの際の問題を解決するため、網目状の筒になった金属ステント(bare metal stent=BMS)が1990年代に開発され、上記の急性冠閉塞はほぼ解決されたが、再狭窄率が問題となっていた。[4]
薬剤溶出ステント(DES)
2000年代に薬剤溶出ステント(drug eluting stent=DES)が登場し、再狭窄が減少した。しかし、DESのポリマーが血管内に残存することで炎症を起こし、ステント内血栓症を起こすリスクが問題視されるようになった。[4]
脚注
- “経皮的冠動脈形成術(PTCA)”. www.bostonscientific.com. 2019年10月29日閲覧。
- “虚血性心疾患 胸の痛み 息苦しさ 見逃さないで 狭心症、心筋梗塞 冠動脈詰まり命の危険も”. 東京新聞 (2022年11月29日). 2024年2月10日閲覧。
- “44 カテーテル治療の実際 | 心臓 | 循環器病あれこれ | 国立循環器病研究センター 循環器病情報サービス”. www.ncvc.go.jp. 2019年10月29日閲覧。
- “一般社団法人 日本血栓止血学会 » 用語集(詳細説明)”. www.jsth.org. 2019年10月29日閲覧。
- “ロータブレーター - 千葉西総合病院”. 2019年10月29日閲覧。
- “方向性冠動脈粥腫切除術(DCA) | 心臓病用語集 | 心臓病の知識 | 公益財団法人 日本心臓財団”. www.jhf.or.jp. 2019年10月29日閲覧。
- “シンポジウム〈日本語〉「生体吸収型ステントの現状と可能性」”. www2.convention.co.jp. 2019年10月29日閲覧。
- “生体吸収型スキャフォールド(BRS)の特徴と今後の見通し【遠隔期における新規動脈硬化がなくなり,安定することが期待されるデバイス】”. 2019年10月29日閲覧。