苫小牧東部地域

苫小牧東部地域(とまこまいとうぶちいき)は、北海道苫小牧市勇払郡厚真町安平町勇払平野にある大規模開発地域。国家プロジェクト「苫小牧東部開発計画」に端を発している。

苫小牧東部開発地域

概要

苫小牧東部の開発は「第3期北海道総合開発計画」[1]において重要な施策として位置付けられ、「苫小牧東部大規模工業基地開発基本計画」[2]に基づいて日本の工業生産の新たな発展基盤を創出するとともに、北海道の長期的発展に資する先導的開発事業として始まった[3]重厚長大工業地域を目指したが産業構造の変化などに伴い計画の見直しを余儀なくされ、「苫小牧東部開発新計画」[4])及びその段階計画である「苫小牧東部開発新計画の進め方について【第2期】」[5]に基づき[6][7]、「自然と共生するアメニティに満ちあふれた複合都市形成」を目指している[3]

およそ1万ヘクタールの広大な敷地があり、新千歳空港苫小牧港高規格幹線道路鉄道など陸・海・空の交通条件、弁天沼などの自然環境に恵まれている[3]。また、勇払油ガス田から天然ガスパイプラインが供給されている[8]

事業主体

株式会社苫東
TOMATOH
種類 株式会社
略称 苫東
本社所在地 日本の旗 日本
059-1362
北海道苫小牧市字柏原211-1
設立 1999年7月30日[9]
法人番号 8430001054093
代表者 成田一憲(代表取締役社長)
資本金 6,210万円[9]
純利益 6億3800万円
(2023年3月期)[10]
総資産 604億1600万円
(2023年3月期)[10]
主要株主 日本政策投資銀行[9]
北海道苫小牧市厚真町安平町[9]
金融機関民間企業[9]
関係する人物 辻泰弘(元社長、元副知事)
石井吉春(会長、北大名誉教授)
外部リンク http://www.tomatoh.co.jp

苫小牧東部開発株式会社

「苫小牧東部開発」は、第三セクター方式により1972年昭和47年)に設立した。株主構成は国(北海道東北開発公庫)25 %、地方自治体(北海道+1市3町)25.25 %、民間金融機関29行29.25 %、民間企業などが20.5 %であった。事業内容は開発に必要な土地の取得、用地の造成、分譲・賃貸、諸施設の建設・管理運営等を行った[11]。計画当初は企業立地が進んだが、その後契約企業数が著しく減少し、1997年平成9年)時点では当初計画の10,700ヘクタールのうち契約済みの敷地は約820ヘクタールのみであったが、1995年の計画見直しにより、分譲面積は当初予定より縮小されて5,500ヘクタールになった[11]。抜本的な対策がとられないまま、苫小牧東部開発は膨大な開発・造成費用の返済を抱えることになり、借入金は1,800億円に達した[11]

株式会社苫東

苫小牧東部開発より事業継承する形で1999年(平成11年)に設立した。株主構成は国(日本政策投資銀行)49.6 %、地方自治体(北海道+1市2町)32.2 %、金融機関と民間企業合わせて 18.2 %である[9]。事業内容は土地の取得、造成、分譲、賃貸および管理、埠頭等開発を促進するために必要な施設の建設および管理運営、公共緑地、公共施設等の維持管理業務の受託を行っている[9]

沿革

「開発のあゆみ」参照[12]

  • 1970年昭和45年):「第3期北海道総合開発計画」閣議決定
  • 1971年(昭和46年):北海道開発審議会で「苫小牧東部大規模工業基地開発基本計画」を了承。
  • 1972年(昭和47年):「苫小牧東部開発株式会社」設立
  • 1980年(昭和55年):苫小牧港東港区供用開始
  • 1995年平成07年):北海道開発審議会で「苫小牧東部開発新計画」を了承[6]
  • 1998年(平成10年):苫小牧東部開発株式会社の清算および新会社の設立について閣議了承。
  • 1999年(平成11年):「株式会社苫東」設立[13]
  • 2005年(平成17年):東港区「中央ふ頭多目的国際コンテナターミナル」供用開始
  • 2007年(平成19年):つた森山林隣接地において『全国植樹祭』開催[14]
  • 2008年(平成20年):西港区から東港区へ「国際コンテナターミナル」移転[15]。「苫小牧東部開発新計画の進め方について【第2期】」策定[7]

立地企業

「苫小牧東部開発新計画」策定後[6]、国際化、情報化などに対応した総合的な経済発展基盤を創出する方針へ転換した。国・北海道・地方自治体による優遇措置や各種支援制度を設けている[16]。域内を横断する日高自動車道と並行している国道235号を境に北側を「臨空地域」(2地区)、南側を「臨海地域」(4地区)としている。

臨空柏原地区

新千歳空港に最も近接している地区であり、北海道道129号静川美沢線でアクセスしている。海岸から6km〜12kmの距離に位置しており「苫小牧市テクノセンター」(道央産業振興財団)が立地している[17][18]

臨空東地区

国指定の史跡静川遺跡」がある[19]

臨海北地区

臨空柏原地区の南に位置し、日高自動車道・国道235号、北海道道259号上厚真苫小牧線に近接している。土木研究所寒地土木研究所の「苫小牧寒地試験道路・苫小牧施工試験フィールド」がある[20]

臨海東地区

石油備蓄基地が立地しており、世界最大級の地上タンク方式による施設となっている[21]。「内閣衛星情報センター北受信管理局」が設置されている[22]。周文ふ頭には「苫小牧東港周文フェリーターミナル」があり、秋田港新潟港敦賀港への日本海航路が就航している[23]

臨海臨港地区

コンテナターミナルには3基のガントリークレーンがある[24]

臨海西地区

弁天沼」周辺は野鳥の生息地となっており、環境保全に配慮している[25][26]

アクセス

港湾

空港

鉄道

高速道路

一般国道

脚注

  1. 1970年(昭和45年)7月に閣議決定された。
  2. 1971年(昭和46年)8月に北海道開発庁によって策定された。
  3. 北海道:苫小牧東部地域開発”. 国土交通省. 2015年4月17日閲覧。
  4. 1995年(平成7年)8月に北海道開発庁によって策定された。
  5. 1971年(平成20年)12月に国土交通省北海道局によって策定された。
  6. 苫小牧東部開発新計画 (PDF). 北海道開発庁 (1995年8月). 2015年4月17日閲覧。
  7. 苫小牧東部開発新計画の進め方について【第2期】”. 国土交通省北海道局 (2008年12月17日). 2015年4月17日閲覧。
  8. 天然ガスサプライチェーン”. 石油資源開発(JAPEX). 2017年10月10日閲覧。
  9. 会社概要”. 苫東. 2017年10月10日閲覧。
  10. 株式会社苫東 第24期決算公告
  11. 苫小牧東部大規模工業基地の破綻と無責任の構図”. PHP研究所 (1998年2月). 2015年1月9日時点のオリジナルよりアーカイブ。2017年10月10日閲覧。
  12. 開発の構想”. 苫東. 2015年4月17日閲覧。
  13. 新会社「苫東」始動*用地分譲なお不透明”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (1999年7月20日). 2017年10月11日閲覧。
  14. 全国植樹祭開催一覧 (PDF). 林野庁. 2015年4月17日閲覧。
  15. 新ターミナル 第1船が接岸*苫小牧港”. フォト北海道(道新写真データベース). 北海道新聞社 (2008年8月2日). 2017年10月10日閲覧。
  16. 優遇措置”. 苫東. 2015年4月17日閲覧。
  17. 苫小牧市テクノセンター”. 2015年4月17日閲覧。
  18. 道央産業振興財団”. 2015年4月23日閲覧。
  19. 静川遺跡 - 文化遺産オンライン文化庁
  20. 施設紹介(構外研究施設)”. 土木研究所寒地土木研究所. 2015年4月23日閲覧。
  21. 苫小牧東部国家石油備蓄基地”. 石油天然ガス・金属鉱物資源機構. 2014年11月10日閲覧。
  22. 内閣衛星情報センターの概要 (PDF). 内閣情報調査室. 2015年4月23日閲覧。
  23. 苫小牧東港フェリーターミナル”. 新日本海フェリー. 2015年4月23日閲覧。
  24. 苫小牧国際コンテナターミナル”. 苫小牧港管理組合. 2017年10月11日閲覧。
  25. “野鳥の会が弁天沼保全を道に要望”. 苫小牧民報 (苫小牧民報社). (2008年1月9日). オリジナルの2016年10月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161023210445/https://www.tomamin.co.jp/2008/tp080109.htm 2017年10月10日閲覧。
  26. “環境に配慮し河道調整地方式 安平川河川整備”. 苫小牧民報 (苫小牧民報社). (2011年3月9日). オリジナルの2016年10月23日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20161023203143/http://www.tomamin.co.jp/2011t/t11030903.html 2017年10月10日閲覧。
  27. 「新千歳空港の24時間運用」等に係る主な経緯 (PDF). 北海道. 2014年12月22日閲覧。
  28. ご利用時に注意が必要なICやJCT(NEXCO東日本エリア)”. ドラぷら. 東日本高速道路(NEXCO東日本). 2015年4月17日閲覧。

関連項目

外部リンク

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