関西ダービー (日本プロ野球)

関西ダービー(かんさいダービー)は、日本プロ野球のセ・パ交流戦および日本シリーズにおいて、ともに関西地方に本拠を置く球団同士である、大阪府の京セラドーム大阪を本拠地とするオリックス・バファローズと、兵庫県の阪神甲子園球場を本拠地とする阪神タイガースが対戦する試合で使われる呼称。

『(阪神)なんば線シリーズ』[1][2]『関西シリーズ』[3]とも呼ばれる。2023年の日本シリーズで直接対決した際には『THE GREAT KANSAI DERBY』と称して両球団が共同でキャンペーンを行った[4]。

概要

セントラル・リーグでは1950年の2リーグ分裂直後は、阪神タイガースの他にも松竹ロビンスが1952年まで京都府に本拠を置き、1953年に当初山口県の球団だった大洋ホエールズと合併して大洋松竹(洋松)ロビンスとなってからも大阪府に本拠を置いていたため、関西を本拠とする球団がリーグ内に複数存在していた。しかし、洋松は1954年に松竹が球団経営から撤退したため、球団名を大洋に戻して1955年に神奈川県へ移転し、以降は現在に至るまで関西に本拠地を置く球団は阪神のみとなっている。

これに対し、パシフィック・リーグでは当初、阪急ブレーブス、大阪近鉄バファローズ、南海ホークスの3チームが存在し、1988年に南海がダイエーに身売りして福岡県に移転してからも、オリックス・ブレーブス/ブルーウェーブ(阪急がブレーブスをオリエント・リースに譲渡し、1991年からブルーウェーブに改名、本拠地も西宮から神戸に変更)と近鉄によりリーグ内での関西勢対決が行われてきた。しかし、2004年末にオリックスが経営難の近鉄を吸収合併する形で「オリックス・バファローズ」となったことで、翌年以降は関西のチームがセ・パそれぞれ1チームずつとなった。

2リーグ制となって以降、リーグが異なる両チームは2004年まで日本選手権シリーズ(日本シリーズ)を含めて一度も公式戦での対戦が無かったが(阪急、合併前の近鉄を含む)、2005年にセ・パ交流戦が導入されたことを機に、この2チームによる直接対決はフットボール(サッカー)のダービーマッチになぞらえて『関西ダービー』と呼ばれるようになった。

両チームとも長期間リーグ戦、クライマックスシリーズで優勝できない時期もあり、長らく日本シリーズでの対戦はなかったが、2023年に両チームがクライマックスシリーズを制したことで、初めて日本シリーズでの対決が実現する運びとなった[5]。関西に本拠を置くチーム同士の日本シリーズとしては、阪神と南海が対戦した1964年以来59年ぶりであり、この時は互いの親会社のターミナル駅[注 1]を結ぶ大通りにちなんで『御堂筋シリーズ』と呼ばれていた[2][5]。

なお、1リーグ時代には、阪神、阪急ともに1シーズン目の1936年春季から参加しており、1949年の2リーグ分裂まで177試合対戦して阪神が112勝61敗4分と勝ち越している[6]。

また、オープン戦ではリーグ関係なく対戦するため、この2チームの対戦も多く、特に近年はオープン戦の最後に京セラドームで主催を入れ替えながら3連戦を行うことが多い。オープン戦内での対決では1リーグ時代から「BK旗阪神対阪急定期戦」や「KTVカップ阪神対オリックス定期戦」としても長年対戦している(後者は関西テレビが後援しているが、両チームの本拠地である関西ではなく高知さんさんテレビのサービスエリアである高知県で実施されている)。

ホームスタジアム

両チームのホームスタジアムは、以下のようになっている。

チーム名 保護地域 スタジアム名
(命名権名称)
収容人員 画像 備考
阪神タイガース 兵庫県 阪神甲子園球場 47808人
オリックス・バファローズ 大阪府 大阪ドーム
(京セラドーム大阪)
36627人
2005年、2006年は神戸総合運動公園野球場との折半開催。
野球協約上の専用球場は2006年のみ神戸、2005年及び2007年以降は京セラ。
  • オリックスは神戸総合運動公園野球場(現在の命名権による名称は「ほっともっとフィールド神戸」)で一定数の主催試合を開催しているが、オリックスの地域権(本拠地)は「大阪府」であるため、兵庫県内にある同球場での興行には、「兵庫県」を地域権としている阪神の了承を得る必要がある。逆に阪神も京セラドームで一定数の主催試合を開催しているが、大阪府内での興行のため、オリックスの了承を得る必要がある。ただし、2005-07年については、近鉄とオリックス合併に伴う暫定的な処置として、阪神・オリックスとも大阪府と兵庫県の2つを保護地域として扱っていた。
  • 両球場の最寄駅(京セラドーム:ドーム前駅、甲子園球場:甲子園駅)は阪神なんば線と阪神本線により結ばれており、両線直通列車などで容易に行き来できることにちなみ、この対戦は上述の通り『(阪神)なんば線シリーズ』とも呼ばれている[2][1]。2023年には両チームの日本シリーズでの対戦を記念し、阪神電鉄が両チームのロゴが入った両駅間の乗車券と両駅の入場券を「なんば線シリーズ記念乗車券&入場券セット」として数量限定で販売した[7]。

戦績

通算対戦成績(公式戦)
  • ■オリックス・バファローズ:36勝 3分 36敗
  • ■阪神タイガース:36勝 3分 36敗

セ・パ交流戦

通算対戦成績
  • ■オリックス・バファローズ:33勝 3分 32敗
  • ■阪神タイガース:32勝 3分 33敗
年月日会場ホーム責任投手得点責任投手ビジター観客数
2005年5月24日1回戦倉敷阪神●杉山2 - 4○JPオリックス17,853
5月25日2回戦甲子園阪神-6 - 6-オリックス37,451
5月26日3回戦甲子園阪神○福原10 - 0●ケビンオリックス36,252
6月7日4回戦スカイマークオリックス●吉川2 - 4○橋本阪神30,387
6月8日5回戦大阪ドームオリックス●加藤4 - 8○藤川阪神24,294
6月9日6回戦大阪ドームオリックス●JP0 - 4○福原阪神27,512
2006年5月20日1回戦甲子園阪神○藤川5 - 2●萩原オリックス48,507
5月21日2回戦甲子園阪神○江草5 - 3●平野佳オリックス48,501
5月22日3回戦甲子園阪神○オクスプリング8 - 2●前川オリックス33,002
6月16日4回戦スカイマークオリックス●平野佳3 - 6○下柳阪神33,585
6月17日5回戦大阪ドームオリックス●オバミュラー1 - 5○オクスプリング阪神34,932
6月18日6回戦大阪ドームオリックス○本柳5 - 1●江草阪神35,904
2007年5月25日1回戦京セラドーム大阪オリックス○デイビー2 - 1●ボーグルソン阪神28,628
5月26日2回戦スカイマークオリックス○平野佳7 - 0●ジャン阪神33,215
6月8日3回戦甲子園阪神○藤川2 - 1●加藤大オリックス45,632
6月9日4回戦甲子園阪神●福原1 - 4○ユウキオリックス48,506
2008年5月20日1回戦京セラドーム大阪オリックス○吉野4 - 3●ウィリアムス阪神30,497
5月21日2回戦スカイマークオリックス●オルティズ3 - 7○ボーグルソン阪神25,023
6月8日3回戦甲子園阪神○渡辺4 - 3●本柳オリックス43,524
6月9日4回戦甲子園阪神○下柳4 - 1●近藤オリックス42,759
2009年5月22日1回戦京セラドーム大阪オリックス○金子8 - 3●安藤阪神23,433
5月23日2回戦スカイマークオリックス●ボーグルソン3 - 7○アッチソン阪神28,031
6月5日3回戦甲子園阪神○下柳4 - 0●金子オリックス46,383
6月6日4回戦甲子園阪神○福原7 - 0●ボーグルソンオリックス46,792
2010年5月21日1回戦京セラドーム大阪オリックス○平野10 - 6●フォッサム阪神32,267
5月22日2回戦スカイマークオリックス○木佐貫5 - 3●鶴阪神31,028
6月4日3回戦甲子園阪神○下柳6 - 2●小松オリックス46,744
6月5日4回戦甲子園阪神●上園9 - 4○山本オリックス46,878
2011年5月17日1回戦京セラドーム大阪オリックス●寺原4 - 5○スタンリッジ阪神21,177
5月18日2回戦京セラドーム大阪オリックス○フィガロ2 - 0●岩田阪神25,070
6月5日3回戦甲子園阪神●久保3 - 14○金子千オリックス46,842
6月6日4回戦甲子園阪神●下柳1 - 6○寺原オリックス39,522
2012年5月22日1回戦京セラドーム大阪オリックス○金子千尋6 - 0●メッセンジャー阪神27,068
5月23日2回戦京セラドーム大阪オリックス●中山2 - 8○岩田阪神29,991
6月8日3回戦甲子園阪神○筒井3 - 1●香月オリックス40,311
6月9日4回戦甲子園阪神●能見1 - 6○金子千尋オリックス46,831
2013年5月14日1回戦甲子園阪神●スタンリッジ0 - 1○ディクソンオリックス33,508
5月15日2回戦甲子園阪神●榎田2 - 9○松葉オリックス33,165
5月31日3回戦京セラドーム大阪オリックス○井川4 - 3●メッセンジャー阪神33,281
6月1日4回戦京セラドーム大阪オリックス●金子千尋0 - 1○能見阪神29,942
2014年5月20日1回戦京セラドーム大阪オリックス○西12 - 2●藤浪阪神30,108
5月21日2回戦京セラドーム大阪オリックス●佐藤達6 - 7○安藤阪神34,039
6月6日3回戦甲子園阪神●福原3 - 4○岸田オリックス36,755
6月7日4回戦甲子園阪神●岩田1 - 4○東明オリックス42,946
2015年6月12日1回戦京セラドーム大阪オリックス○岸田1 - 0●福原阪神34,142
6月13日2回戦京セラドーム大阪オリックス○金子千尋15 - 1●横山阪神36,154
6月14日3回戦京セラドーム大阪オリックス○西10 - 1●能見阪神35,971
2016年6月14日1回戦甲子園阪神○能見2 - 0●西オリックス39,608
6月15日2回戦甲子園阪神●髙橋1 - 5○吉田一オリックス37,160
6月20日3回戦甲子園阪神○藤川2 - 0●佐藤達オリックス26,867
2017年6月6日1回戦京セラドーム大阪オリックス●金子千尋4 - 11○秋山阪神34,983
6月7日2回戦京セラドーム大阪オリックス○平野5 - 4●マテオ阪神35,497
6月8日3回戦京セラドーム大阪オリックス●ディクソン2 - 3○メッセンジャー阪神34,711
2018年6月5日1回戦甲子園阪神●メッセンジャー2 - 3○アルバースオリックス39,813
6月7日2回戦甲子園阪神○秋山2 - 1●金子オリックス44,858
6月21日3回戦甲子園阪神-3 - 3-オリックス25,187
2019年6月14日1回戦京セラドーム大阪オリックス○エップラー6 - 4●西阪神33,783
6月15日2回戦京セラドーム大阪オリックス○エップラー3 - 2●ドリス阪神35,647
6月16日3回戦京セラドーム大阪オリックス-5 - 5-阪神36,213
2021年6月1日1回戦甲子園阪神●岩崎2 - 5○山岡オリックス7,130
6月2日2回戦甲子園阪神○秋山2 - 1●宮城オリックス7,252
6月3日3回戦甲子園阪神●岩崎3 - 7○村西オリックス7,022
2022年6月10日1回戦京セラドーム大阪オリックス●山﨑福1 - 6○青柳阪神22,775
6月11日2回戦京セラドーム大阪オリックス●本田2 - 3○岩貞阪神33,323
6月12日3回戦京セラドーム大阪オリックス●宮城1 - 9○ガンケル阪神31,855
2023年6月13日1回戦甲子園阪神●村上0 - 2○山本オリックス42,625
6月14日2回戦甲子園阪神○西勇8 - 3●曽谷オリックス42,620
6月15日3回戦甲子園阪神●湯浅2 - 3○ワゲスパックオリックス42,618

日本シリーズ

通算対戦成績
  • ■オリックス・バファローズ:3勝 0分 4敗
    優勝0回 敗退1回(直接対決のみの回数)
  • ■阪神タイガース:4勝 0分 3敗
    優勝1回 敗退0回(直接対決のみの回数)
年月日会場ホーム責任投手得点責任投手ビジター観客数
2023年10月28日第1戦京セラドーム大阪オリックス●山本0 - 8○村上阪神33,701
10月29日第2戦京セラドーム大阪オリックス○宮城8 - 0●西勇阪神33,584
10月31日第3戦甲子園阪神●伊藤将4 - 5○東オリックス40,994
11月1日第4戦甲子園阪神○岩崎4 - 3●ワゲスパックオリックス41,050
11月2日第5戦甲子園阪神○湯浅6 - 2●山﨑颯オリックス41,031
11月4日第6戦京セラドーム大阪オリックス○山本5 - 1●村上阪神33,633
11月5日第7戦京セラドーム大阪オリックス●宮城1 - 7○青柳阪神33,405

脚注・出典

注

  1. 阪神梅田駅(現︰大阪梅田駅)、南海なんば駅。

出典

  1. “「阪神なんば線シリーズ」 59年ぶり決戦はSNSでトレンドに”. 毎日新聞デジタル(毎日新聞社). (2023年10月24日). https://mainichi.jp/articles/20231023/k00/00m/040/337000c 2023年11月9日閲覧。
  2. “59年ぶりの関西対決は「なんば線シリーズ」 ファンもノリノリ史上3番目の近隣決戦”. 産経新聞(産業経済新聞社). (2023年10月28日). https://www.sankei.com/article/20231028-R2B4BY2WOVIKXME3KFLLXOUTYI/ 2023年11月9日閲覧。
  3. “59年ぶりの関西シリーズ実現に興奮 「オリックスも阪神も頑張れ」”. 朝日新聞デジタル(朝日新聞社). (2023年10月21日). https://www.asahi.com/articles/ASRBP6V3CRBPOXIE02F.html 2023年11月9日閲覧。
  4. “59年ぶり関西対決の日本シリーズへ 阪神とオリックスのコラボロゴ誕生”. 日刊スポーツ. (2023年10月24日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202310240000881_m.html?mode=all 2023年10月27日閲覧。
  5. “【オリックス】59年ぶり関西シリーズ!ロッテ破り3年連続日本シリーズ進出 阪神と日本一争う”. 日刊スポーツ. (2023年10月21日). https://www.nikkansports.com/baseball/news/202310210001548.html 2023年10月21日閲覧。
  6. “【データ】阪神ーオリックスの対戦成績は?59年ぶり関西シリーズ実現、初顔合わせは1936年”. 日刊スポーツ. (2023年10月21日). https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/202310210001685_m.html?mode=all&utm_source=AMPbutton&utm_medium=referral 2023年10月22日閲覧。
  7. “日本シリーズ“関西対決”に期待高まる 記念乗車入場券は完売”. 日刊スポーツ. (2023年10月23日). https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20231023/2000078933.html 2023年10月27日閲覧。

関連項目

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