J.A.ハップ

ジェームズ・アンソニー・ハップJames Anthony Happ, 1982年10月19日 - )は、アメリカ合衆国イリノイ州ビュロー郡スプリング・バレー出身の元プロ野球選手投手)。左投左打。愛称はハッパー[1]

J.A.ハップ
J.A. Happ
ニューヨーク・ヤンキースでの現役時代
(2019年7月13日)
基本情報
国籍 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
出身地 イリノイ州ビュロー郡スプリング・バレー
生年月日 (1982-10-19) 1982年10月19日(41歳)
身長
体重
6' 6" =約198.1 cm
200 lb =約90.7 kg
選手情報
投球・打席 左投左打
ポジション 投手
プロ入り 2004年 MLBドラフト3巡目
初出場 2007年6月30日
最終出場 2021年9月30日
経歴(括弧内はプロチーム在籍年度)

J.A.」はジェイと発音する。

経歴

プロ入りとフィリーズ時代

フィラデルフィア・フィリーズ時代
(2010年3月7日)

2004年MLBドラフト3巡目(全体92位)でフィラデルフィア・フィリーズから指名され、6月16日に契約。この年は傘下のA-級バタビア・マックドッグスで11試合に登板し、1勝2敗、防御率2.02だった。

2005年はA級レイクウッド・ブルークロウズとAA級レディング・フィリーズでプレー。A級レイクウッドでは14試合に登板し、4勝4敗、防御率2.36だった。

2006年はA+級クリアウォーター・スレッシャーズとAA級レディング、AAA級スクラントン・ウィルクスバリ・レッドバロンズでプレー。AA級レディングでは12試合に登板し、6勝2敗、防御率2.65だった。

2007年はAAA級オタワ・リンクスで開幕を迎え、6月30日にフィリーズとメジャー契約を結んでアクティブ・ロースター入りした。同日のニューヨーク・メッツ戦で先発起用されメジャーデビュー。4回を5失点(5自責点)で負け投手となり、7月1日にAAA級オタワへ降格[2]。その後はメジャーに昇格することなくAAA級オタワでプレーした。

2008年はAAA級リーハイバレー・アイアンピッグス[3]で開幕を迎え、7月3日にメジャー昇格[4]。入れ替わりで降格したブレット・マイヤーズに代わりメジャー先発ローテーション入りを果たした[5]。登板した7月4日のメッツ戦、7月9日のセントルイス・カージナルス戦は勝ち投手にならなかったもののチームは勝利。7月10日にAAA級リーハイバレーへ降格したが、7月29日、アダム・イートンの代わりとしてメジャー昇格[4]チャーリー・マニエル監督はハップを「6番手の先発投手」とし、基本はリリーフとして起用することに[6]。8月5日にリリーフとして1試合に登板したのみでAAA級リーハイバレーへ降格した。AAA級リーハイバレーでは8勝7敗、防御率3.60、151三振(リーグ2位)を記録。セプテンバーコールアップで再昇格を果たした後は先発と中継ぎで併用され、メジャー初勝利を遂げるなど活躍。ポストシーズンでもロースター入りし、ワールドチャンピオンの一員となった。

2009年はローテーションの一角を担うものと期待されていたが、スプリングトレーニングで好投した朴賛浩に先発5番手の座を奪われ、ブルペン要員としてシーズンを迎えた。しかし、シーズン開幕後の朴は先発として通用せず、中継ぎで好投を続けていたハップを先発にと望む声が日に日に大きくなっていった。そして、5月23日からは先発5番手として登板。その後はローテーションに定着し、23試合に先発登板し、12勝4敗(うち先発勝利10勝。完投3、完封2)、防御率2.93、WHIP1.23という成績を残し、チームの地区優勝に大きく貢献した。ただし、投球内容から本来あるべき防御率を示すxFIPは4.43であり、ハップの防御率は運や守備に大きく助けられていたと言える[7]。ポストシーズンでは優勝チームとしては脆弱な中継ぎ陣を補強するためにブルペンに廻り、7試合に登板した。新人王の有力候補であったが、フロリダ・マーリンズクリス・コグランに破れ、2位であった[8]

2010年は4月に2試合を投げたものの、利き手前腕に違和感を覚えて22日には故障者リスト入り。リハビリを経て7月末に復帰した。

アストロズ時代

2012年4月14日

2010年7月29日にロイ・オズワルトとのトレードで、アンソニー・ゴースジョナサン・ビヤーと共にヒューストン・アストロズへ移籍した[9]。移籍後は13試合に登板し、5勝4敗、防御率3.75だった。

2011年3月2日にアストロズと1年契約に合意。28試合に登板し、6勝15敗、防御率5.35だった。

2012年1月17日にアストロズと235万ドルの1年契約に合意[10]。18試合に登板し、7勝9敗、防御率4.83だった。

ブルージェイズ時代

トロント・ブルージェイズ時代
(2013年4月22日)

2012年7月20日に計10人が絡む大型トレードで、トロント・ブルージェイズへ移籍した[11]。移籍後は一旦ブルペンに回ったが、しばらくして先発に戻った。8月29日にベースカバーに入った際に右足を痛め、9月7日に骨折が判明。そのまま手術を受け、シーズンを終えた[12]。ブルージェイズでは10試合に登板し、3勝2敗、防御率4.69だった。

2013年1月18日にブルージェイズと370万ドルの1年契約に合意し[13]、3月27日に総額890万ドルの2年契約(2015年・670万ドルの球団オプション付き)を結んだ[14]。5月8日のタンパベイ・レイズ戦でデズモンド・ジェニングスのライナーを右側頭部に受け、マウンドに転倒。耳の上の頭蓋骨にヒビが入った他、崩れ落ちた際にヒザを悪く捻って靭帯を痛め、3ヶ月間故障者リストで過ごした[15]。この年は18試合に先発登板し、5勝7敗、防御率4.56だった。

2014年3月26日に背中の痛みを訴え、15日間の故障者リスト入りした。4月5日にリハビリのため、A+級ダニーデン・ブルージェイズへ異動した。4月15日に故障者リストから外れる[16]と、5月初旬からは先発ローテーションに定着し、以降はシーズン終了まで離脱することなく先発ローテーションを守り抜いた。26試合の先発を含む30試合に登板し、規定投球回には届かなかったものの自身2年ぶりとなる2桁勝利を挙げた。

マリナーズ時代

2014年12月3日にマイケル・ソーンダースとのトレードで、シアトル・マリナーズへ移籍した[17]

2015年のマリナーズでの成績は、21試合の先発で4勝6敗、防御率4.64だった。

パイレーツ時代

2015年7月31日にエイドリアン・サンプソンとのトレードでピッツバーグ・パイレーツへ移籍した[18]

パイレーツ移籍後はK/9(9イニングあたりの奪三振数)が6.79から9.81、K/BBが2.56から5.31にそれぞれ上昇し、被本塁打数を63.1イニングで3本に留めるなど投球内容が劇的に向上した。それに伴い成績も11試合で7勝2敗、防御率1.85と移籍前から大幅に良化した。2チーム合計での成績は11勝8敗、防御率3.61だった。11月2日にFAとなった[19]

ブルージェイズ復帰

トロント・ブルージェイズ時代
(2016年8月30日)

2015年11月27日、ブルージェイズと3年契約を結んだ[20]

2016年は、先発ローテーション通りに登板し、レギュラーシーズンでは最終的に32試合に先発登板。自身初の20勝超えとなる、リーグ2位の20勝ちょうどの勝ち星を挙げ、3年連続2桁勝利を継続したほか、防御率でリーグ6位・勝率でリーグ3位・WHIPでリーグ10位にランクイン。自己最高のシーズンを過ごし、ブルージェイズのエースの1人として躍動した。

2017年開幕前の2月9日に指名投手枠で第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)アメリカ合衆国代表に選出された[21]。迎えたレギュラーシーズンは25試合先発で10勝11敗・防御率3.53であった。

2018年は自身初めて開幕投手を務めるなど、7月までに20試合に先発したが、10勝6敗、防御率4.18と今ひとつの成績であった。

ヤンキース時代

2018年7月26日にブランドン・ドルーリービリー・マッキニーとのトレードで、ニューヨーク・ヤンキースへ移籍した[22]。背番号は当初83と発表されたが、34となった。移籍後は好調を維持し、11試合先発で7勝無敗、防御率2.69と安定感を見せた。通年では31試合先発で17勝6敗、防御率3.65を記録し、177.2イニングで193奪三振と自身初めて奪三振率が9.0を超えたシーズンとなった。10月29日にFAとなったが、12月17日にヤンキースと2年3400万ドル(2021年のベスティングオプション付)で再契約を結んだ[23]

2019年は年間通じてローテーションの一員を務めたが、自身ワーストとなる34被本塁打を喫するなど安定感に欠ける投球が多く、31試合登板(先発30試合)で12勝8敗、防御率4.91、WHIP1.30と前年から大きく成績を落とした。

2020年オフの10月30日に球団からオプションを破棄され、FAとなった[24]

ツインズ時代

2021年1月22日にミネソタ・ツインズと800万ドルの単年契約を結んだ[25]

カージナルス時代

2021年7月30日にジョン・ガントエバン・シスクとのトレードで、セントルイス・カージナルスへ移籍した[26]。カージナルスでは11試合に先発して5勝を挙げ、チームのポストシーズン進出に貢献した。オフの11月3日にFAとなった。

2022年5月26日に現役引退を表明した[27]

選手としての特徴

かつては速球(フォーシームツーシーム)の最速90mph程度の技巧派だったが、近年は平均92~93mph、最速95mphほどを計測している。その他の球種は、カーブチェンジアップスライダー。以前は、カッターも投げていた[28]。三振よりもフライを打たせて捕るタイプ。しかし、2012年は投球回数とほぼ同数の三振を奪い、投球内容が進化した。

詳細情報

年度別投手成績





















































W
H
I
P
2007 PHI 110000100.000214.0732005005511.252.25
2008 8400010011.00013831.22831411261013133.691.33
2009 352332112400.750685166.01492056251192055542.931.23
2010 3300010001.0007015.11311200910431.761.63
HOU 13131105400.55630472.06073511613033303.751.32
'10計 16161106400.60037487.17384711704037333.401.37
2011 282800061500.286698156.115721835213432103935.351.54
2012 18180007900.476457104.1112173901985058564.831.45
TOR 1060003201.60017040.13521711462021214.691.29
'12計 2824000101101.476627144.21471956121447079774.791.40
2013 18180005700.41741592.291104502775053474.561.47
2014 3026000111100.500673158.01602251021331079744.221.34
2015 SEA 21200004600.400468108.2121133232824058564.641.41
PIT 11110007200.77824963.15331310692013131.851.03
'15計 323100011800.571717172.01731645421516071693.611.27
2016 TOR 323200020400.833796195.01682260061633272693.181.17
2017 2525000101100.476626145.11451846101424064573.531.31
2018 202000010600.625475114.0991735041301061534.181.18
NYY 111100070001.00025863.251101605633120192.691.05
'18計 313100017600.739733177.21502751091934181723.651.13
2019 313000012800.600678161.11603449151403088884.911.30
2020 990002200.50019649.13781501420019193.471.05
2021 MIN 19190005600.45544598.1125213103773076746.771.59
STL 11110005200.71422654.05291700451024244.001.28
'21計 303000010800.556671152.117730480312240100985.791.48
MLB:15年 35432843113310002.57180481893.21822261668164116614759198684.131.32
  • 各年度の太字はリーグ最高

年度別守備成績



投手(P)












2007 PHI 10000
2008 814001.000
2009 35620001.000
2010 302001.000
HOU 1347001.000
'10計 1649001.000
2011 28413001.000
2012 18617001.000
TOR 1024001.000
'12計 28821001.000
2013 1829001.000
2014 3001910.950
2015 SEA 2121220.875
PIT 1129001.000
'15計 3242120.926
2016 TOR 32626001.000
2017 2541620.909
2018 203612.900
NYY 1113001.000
'18計 314912.929
2019 3121210.933
2020 925001.000
2021 MIN 193710.909
STL 1121001.000
'21計 305810.929
MLB 3545219282.968

記録

背番号

  • 66(2007年)
  • 43(2008年 - 2010年7月28日)
  • 30(2010年7月29日 - 2012年7月19日)
  • 48(2012年7月20日 - 2014年)
  • 33(2015年 - 同年7月30日、2016年 - 2018年7月25日、2020年 - 2021年途中)
  • 32(2015年7月31日 - 同年終了)
  • 34(2018年7月29日 - 2019年、2021年途中 - 同年終了)

脚注

  1. Joey Bats to be big part of Players Weekend MLB.com (英語) (2017年8月9日) 2017年8月14日閲覧
  2. Stephen Fastenau (2007年7月1日). Kendrick distinguishes himself nicely (英語). MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  3. 2008年より球団名変更
  4. Philadelphia Phillies Transactions July 2008 (英語). MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  5. Kevin Horan (2008年7月5日). Happ fills in admirably in second start (英語). MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  6. Ken Mandel (2008年8月1日). Happ playing waiting game in 'pen (英語). MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  7. J.A. Happ » Statistics » Pitching”. FanGraphs Baseball. 2015年11月28日閲覧。
  8. http://www.47news.jp/CN/200911/CN2009111701000128.html
  9. “Astros Acquire Happ, Two Others in Exchange For Oswalt”. Astors Press Release. MLB.com. (2010年7月29日). http://houston.astros.mlb.com/news/press_releases/press_release.jsp?ymd=20100729&content_id=12776150&vkey=pr_hou&fext=.jsp&c_id=hou 2015年11月27日閲覧。
  10. “Astros, Happ agree to terms on contract”. Astors Press Release. MLB.com. (2012年1月17日). http://m.astros.mlb.com/news/article/26367394 2015年11月28日閲覧。
  11. “Blue Jays complete trade with Astros”. Blue Jays Press Release. MLB.com. (2012年7月20日). http://m.bluejays.mlb.com/news/article/35239094 2015年11月28日閲覧。
  12. Evan Drellich (2012年9月7日). Surgery on foot to end Happ's season (英語). MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  13. “Blue Jays sign Happ”. Blue Jays Press Release. MLB.com. (2013年1月18日). http://m.bluejays.mlb.com/news/article/41019220 2015年11月28日閲覧。
  14. “Blue Jays sign Happ to contract extension” (英語). Blue Jays Press Release. MLB.com. (2013年3月27日). http://m.bluejays.mlb.com/news/article/43409784 2015年11月28日閲覧。
  15. 友成那智、村上雅則『メジャーリーグ・完全データ選手名鑑2014』廣済堂出版、2014年、104頁。ISBN 978-4-331-51809-0。
  16. Gregor Chisholm (2014年4月16日). Squeezed out of rotation, Happ joins 'pen”. MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  17. Greg Johns (2014年12月3日). Mariners add starting pitcher Happ in deal for Saunders (英語). MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  18. Aaron Gleeman (2015年7月31日). Pirates acquire left-hander J.A. Happ from Mariners (英語). Hardball Talk. NBC Universal. 2015年11月28日閲覧。
  19. Transactions | pirates.com (英語). MLB.com (2015年11月2日). 2015年11月27日閲覧。
  20. Gregor Chisholm (2015年11月27日). Happ signs 3-year deal to rejoin Blue Jays (英語). MLB.com. 2015年11月28日閲覧。
  21. USA Baseball Announces 2017 World Baseball Classic Roster USABaseball.com: The Official Site of USA Baseball (英語) (2017年2月9日) 2017年3月16日閲覧
  22. Mandy Bell (2018年7月26日). Yankees add Happ in deal with Blue Jays (英語). MLB.com. 2018年7月29日閲覧。
  23. Matt Kelly (2018年12月17日). Yankees finalize 2-year deal with J.A. Happ”. MLB.com. 2018年12月18日閲覧。
  24. Yankees Decline J.A. Happ's Option (英語). MLB Trade Rumors. 2020年10月30日閲覧。
  25. Twins Sign J.A. Happ (英語). MLB Trade Rumors. 2021年1月22日閲覧。
  26. Cardinals, Twins Swap John Gant For J.A. Happ (英語). MLB Trade Rumors. 2021年7月30日閲覧。
  27. “Former Jays P Happ announces retirement” (英語). TSN.ca. (2022年5月31日). https://www.tsn.ca/ja-happ-announces-retirement-toronto-blue-jays-1.1806739 2022年6月16日閲覧。
  28. J.A. Happ Pitch Type”. FanGraphs Baseball. 2015年12月5日閲覧。

関連項目

外部リンク

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