L 168-9

L 168-9あるいはTOI-134は、きょしちょう座の方向に太陽から約82.1光年の距離にある恒星である[2][注 1]

L 168-9
仮符号・別名 TOI-134
Danfeng
星座 きょしちょう座
見かけの等級 (mv) 11.014[1]
位置
元期:J2000.0
赤経 (RA, α)  23h 20m 07.5245143451s[2]
赤緯 (Dec, δ) −60° 03 54.644648069[2]
視線速度 (Rv) 1.2 ± 10 km/s[2]
固有運動 (μ) 赤経: -319.924 ミリ秒/[2]
赤緯: -127.782 ミリ秒/年[2]
年周視差 (π) 39.7113 ± 0.0244ミリ秒
(誤差0.1%)
距離 82.13 ± 0.05 光年[注 1]
(25.18 ± 0.02 パーセク[注 1]
絶対等級 (MV) 8.94[1]
L 168-9の位置(○印)
物理的性質
半径 0.600 ± 0.022 R[3]
質量 0.62 ± 0.03 M[3]
表面重力 450 m/s2[4]
自転周期 30.7 ± 0.9 [5]
スペクトル分類 M1 V[3]
光度 0.0673 ± 0.0024 L[3]
有効温度 (Teff) 3,800 ± 70 K[3]
色指数 (B-V) 1.474[1]
色指数 (U-B) 1.213[1]
色指数 (V-R) 0.944[1]
色指数 (V-I) 1.952[1]
金属量[Fe/H] 0.04 ± 0.17[3]
他のカタログでの名称
CD-60 8051, GJ 4332, HIP 115211[2]
■Template (■ノート ■解説) ■Project

見かけの等級が11赤色矮星で、その周りを1つの太陽系外惑星が回っていることがわかっている[5]

特徴

大きさの比較
太陽 L 168-9
太陽 Exoplanet

L 168-9は、太陽系近傍の赤色矮星で、スペクトル型はM1 Vに分類され、赤色矮星の中ではかなり明るくみえる部類である[5][3]質量半径は、太陽の6割程度、光球面の有効温度は約3,800 Kで、光度は太陽のおよそ7%と推定されている[3]。自転周期は、およそ30.7と求められている[5]。L 168-9は、広視野赤外線探査機(WISE)の観測結果から赤外超過が調べられているが、赤外超過の検出は不確かで、周囲に残骸円盤はないものとみられる[3]

惑星系

2020年、TESSの観測により、L 168-9の手前を別の天体通過して減光する様子が検出された[3]。地上の大望遠鏡による測光観測撮像観測、高精度の視線速度測定と合わせて、通過した天体が地球の4.6倍程度の質量を持つスーパーアースであることがわかった[3]

この惑星L 168-9 bあるいはTOI-134.01は、半径が地球の1.4倍程度で、1.4日周期でL 168-9の周りを公転している[3]。L 168-9 bの密度は、地球のおよそ1.7倍に上り、既知のスーパーアースの中で特に高密度な惑星の1つであることから、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡が観測を計画している地球型惑星の中でも優先目標の1つとされている[3][6]

L 168-9の惑星[3]
名称
(恒星に近い順)
質量 軌道長半径
天文単位
公転周期
()
軌道離心率 軌道傾斜角 半径
b (Qingluan) 4.60 ± 0.56 M 0.02091 ± 0.00024 1.40150 ± 0.00018 < 0.21 85.5 +0.8
0.7
°
1.39 ± 0.09 R

名称

2022年、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の優先観測目標候補となっている太陽系外惑星のうち、20の惑星とその親星を公募により命名する「太陽系外惑星命名キャンペーン2022(NameExoWorlds 2022)」において、L 168-9とL 168-9 bは命名対象の惑星系の1つとなった[7][8]。このキャンペーンは、国際天文学連合(IAU)が「持続可能な発展のための国際基礎科学年(IYBSSD2022)」の参加機関の一つであることから企画されたものである[9]。2023年6月、IAUから最終結果が公表され、L 168-9はDanfeng、L 168-9 bはQingluanと命名された[10]。Danfeng(簡体字: 丹凤)は赤い鳳凰のことで、古代中国の伝説で幸運を象徴する霊鳥である[10]。Qingluan(簡体字: 青鸾)は、『山海経』に登場し、妖の乗りものとされる青い霊鳥で、愛の声を伝える使者としても知られる[10]

脚注

注釈

  1. パーセクは1 ÷ 年周視差(秒)より計算、光年は1÷年周視差(秒)×3.2615638より計算

出典

  1. Koen, C.; et al. (2002-07), “UBV(RI)C photometry of Hipparcos red stars”, Monthly Notices of the Royal Astronomical Society 334 (1): 20-38, Bibcode: 2002MNRAS.334...20K, doi:10.1046/j.1365-8711.2002.05403.x
  2. CD-60 8051 -- High Proper Motion Star”. SIMBAD. CDS. 2022年8月13日閲覧。
  3. Astudillo-Defru, N.; et al. (2020-04), “A hot terrestrial planet orbiting the bright M dwarf L 168-9 unveiled by TESS”, Astronomy & Astrophysics 636: A58, Bibcode: 2020A&A...636A..58A, doi:10.1051/0004-6361/201937179
  4. Stassun, Keivan G.; et al. (2018-09), “The TESS Input Catalog and Candidate Target List”, Astronomical Journal 156 (3): 102, Bibcode: 2018AJ....156..102S, doi:10.3847/1538-3881/aad050
  5. Howard, Ward S.; et al. (2021-10), “Rotation Periods of TESS Objects of Interest from the Magellan-TESS Survey with Multiband Photometry from Evryscope and TESS”, Astronomical Journal 162 (4): 147, Bibcode: 2021AJ....162..147H, doi:10.3847/1538-3881/ac0fe3
  6. Teske, Johanna; et al. (2021-10), “The Magellan-TESS Survey. I. Survey Description and Midsurvey Results”, Astrophysical Journal Supplement Series 256 (2): 33, Bibcode: 2021ApJS..256...33T, doi:10.3847/1538-4365/ac0f0a
  7. NameExoWorlds 2022”. NameExoWorlds. IAU (2022年8月). 2023年6月15日閲覧。
  8. List of ExoWorlds 2022”. NameExoWorlds. IAU (2022年8月). 2023年6月15日閲覧。
  9. 太陽系外惑星命名キャンペーン2022”. 国立天文台 (2022年9月5日). 2023年6月15日閲覧。
  10. 2022 Approved Names”. NameExoWorlds. IAU (2023年6月). 2023年6月15日閲覧。

関連項目

外部リンク

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