ケプラー452b

ケプラー452b (英語:Kepler-452b) とは地球から見てはくちょう座の方向に約1400光年離れた位置にあるG型主系列星ケプラー452公転している太陽系外惑星である[1]ケプラー宇宙望遠鏡による観測のもと、Jon M. Jenkinsらのチームにより発見され、2015年7月23日にNASAより公表された[1][2]。しかし、2018年に公表されたMullallyらの論文では完全には存在が確定していないことを指摘しており、候補に留まると考える説もある[5]。質量は最大でも3.3 Mスーパーアース[3]で太陽に似た恒星のハビタブルゾーンを公転していると考えられている[1]。もしニュー・ホライズンズが59,000km/hでこの惑星系に到達したとしても約2580万年ほどかかる[6]

ケプラー452b
Kepler-452b
ケプラー452bの想像図
星座 はくちょう座[1]
分類 太陽系外惑星
発見
発見日 2015年7月23日(公表)[1]
発見者 Jon M. Jenkinsら[2]
発見方法 トランジット法[2]
現況 公表
軌道要素と性質
元期:BJD 2454833[2]
軌道長半径 (a) 1.046+0.019
0.015
au[2]
公転周期 (P) 384.843+0.007
0.012
[2]
軌道傾斜角 (i) 89.806+0.134
0.049
°[2]
通過時刻 BJD 2455147.985+0.015
0.019
[2]
ケプラー452の惑星
位置
赤経 (RA, α)  19h 44m 00.89s
赤緯 (Dec, δ) +44° 16 39.2
距離 1400光年
(430 pc)
物理的性質
半径 1.63+0.23
0.20
R[2]
質量 ~3.3 M[3]
平衡温度 265+15
13
K[2]
他のカタログでの名称
KIC 8311864 b, KOI-7016.01, KOI-7016 b, 2MASS J19440088+4416392 b, WISE J194400.89+441639.2 b[4]
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特徴

物理的特徴

ケプラー452bと地球の大きさの比較。左:ケプラー452b、右:地球

Planetary Habitability Laboratoryの推定によると質量は3.3 M以下と考えられている[3]。岩石惑星であった場合は質量・密度の大きさから活火山を伴うスーパーアースである可能性が高い。

半径は地球の1.6倍程度と推測され、 [1]、恒星ケプラー452のハビタブルゾーン内にある[7][8]。また、太陽に似た主系列星のハビタブルゾーンを地球に近い公転周期(385日前後)で周回している惑星である[2]ことから、発表においても "Earth 2.0" や "地球のいとこ (an older, bigger cousin to Earth)" という表現が用いられる[1]など、地球に似た惑星であることが期待されている。

平衡温度は261 K(-12℃)で大気を考慮した表面温度は297 K(20℃)と推定されている[3]

恒星

主星のケプラー452G型主系列星の恒星で、太陽と質量が同程度である。わずかに太陽よりも質量が3.7%ほど大きく、半径も11%ほど大きい[2]。表面温度は5757 K[2]、太陽が5778 Kである[9]ことから太陽に似た恒星であることがいえる。ケプラー452bから見た主星は地球から見た太陽とほとんど同じだろうと考えられている。

この恒星の見かけの等級は13.426であるため肉眼では見えない。恒星自体は太陽の1.2倍ほどの光度である。

軌道

ケプラー452bは公転周期が385日で、主星から1.04 auのところを公転している。軌道は円軌道で惑星と恒星で自転と公転の同期が起こっている可能性は低い[3]

居住可能性

ケプラー452bが岩石惑星かどうかは分かっていない[10]が半径が小さいため岩石惑星である可能性がある[2]。恒星は温度・質量が太陽とほぼ同じで光度は1.2倍ほどであるが太陽よりも19億年老いて、進化しているため受けるエネルギーは地球が太陽から受けるエネルギーより10%大きい[1]。そのため、もしケプラー452bが地球型惑星で、地球と同じ質量であれば、暴走温室効果の影響で表面の水は失われてしまっていると考えられる[11][12]。しかし、ケプラー452bは地球の約1.6倍の半径があるため、もし密度が地球と同じ程度であればその質量は約5倍となり、水が失われるまで5億年ほどの余裕があると考えられる[11][12]

発見と再調査

2009年、トランジットによる恒星の周期的な光度の変化を捉えるためにNASAはケプラー宇宙望遠鏡光度計を使用して5万にもわたる恒星の観測を行った。これらの恒星はKepler Input Catalog(英語版)に含まれており、ケプラー452bもこの対象に含まれていた。その後、再調査で惑星を持つ可能性がある恒星の光度曲線のデータがケプラーの分析チームに送られ、2009年5月13日から2012年5月17日までに観測が行われた。ケプラー452bは恒星のケプラー452が385日周期で光度が変化するため最終的に太陽系外惑星であることが結論づけられた。この発見は2015年7月23日にNASAにより公表された[2]

観測を行ったケプラー宇宙望遠鏡はある一定の区画しか観測を行っていない(はくちょう座こと座など)ので宇宙全体を観測し新たな惑星を発見するためにTESSCHEOPSの観測やジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡による再調査が行われる予定である。ケプラー452bは1400光年も離れているので現在の技術や次世代の技術では質量や大気の詳細を知るのは難しいが、将来、巨大な地上の望遠鏡による大気・質量の特定が期待されている。

SETIによる調査

地球外知的生命体の痕跡を探すSETIの研究者は望遠鏡を使って、初めて太陽に似た恒星のハビタブルゾーン内を公転していて、地球に近いサイズであるケプラー452bの調査をすでに開始している[13]。SETIの研究者らはカスケード山脈アレン・テレスコープ・アレイ(ATA)を使ってケプラー452bから発信された電波はないかを調べた[13]。2015年7月時点で、ATAは20億を越える周波数の電波を使って観測を行ったが結果は得られていない。これから90億以上の周波数の電波を使用して、地球外知的生命体が送った信号が無いか、観測していく予定である[13]

地球との類似性

ケプラー452bの発見前から、ハビタブルゾーン内に軌道を持つ太陽系外惑星はいくつか発見されてきた。特にケプラー62efケプラー186fケプラー438bなどは発見されるたびに「これまでで最も地球に似た太陽系外惑星」と言われてきたが、ケプラーチームは「ケプラー452bこそが地球に最も似た太陽系外惑星である」としている[1]ケプラー186ケプラー438赤色矮星ケプラー62K型主系列星であるが、ケプラー452は太陽に非常に似たG型主系列星である点が他と大きく異なる点である。

ケプラー452bと他の惑星の比較

ケプラー452bと、地球に似ているとされている太陽系外惑星の比較表を以下に示す[注 1]

ギャラリー

脚注

注釈

  1. モバイル版の場合は表示されないためデスクトップ版推奨。

出典

  1. NASA’s Kepler Mission Discovers Bigger, Older Cousin to Earth”. NASA (2015年7月24日). 2020年7月17日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。
  2. Jenkins, Jon M. et al. (2015). “Discovery and Validation of Kepler-452b: A 1.6 R ⨁ Super Earth Exoplanet in the Habitable Zone of a G2 Star”. The Astronomical Journal 150 (2): id.56 19.pp. arXiv:1507.06723. Bibcode: 2015AJ....150...56J. doi:10.1088/0004-6256/150/2/56.
  3. HEC: Graphical Catalog Results”. Planetary Habitability Laboratory (2019年12月5日). 2020年5月3日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。
  4. NASA Exoplanet Archive - Confirmed Planet Overview - Kepler-452b”. NASA Exoplanet Archive. NASA Exoplanet Science Institute. 2020年7月23日閲覧。
  5. Mullally, Fergal et al. (2018). “Kepler’s Earth-like Planets Should Not Be Confirmed without Independent Detection: The Case of Kepler-452b”. The Astronomical Journal 155 (5): id.210 6 pp.. arXiv:1803.11307. Bibcode: 2018AJ....155..210M.
  6. NASA telescope discovers Earth-like planet in star's 'habitable zone”. BNO News (2015年7月23日). 2016年3月4日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。
  7. Feltman, Rachel (2015年7月23日). “Scientists discover 12 new potential Earth-like planets”. The Washington Post. オリジナルの2020年7月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200718001218/https://www.washingtonpost.com/news/speaking-of-science/wp/2015/07/23/scientists-discover-12-new-potential-earth-like-planets/ 2020年7月23日閲覧。
  8. Witze, Alexandra (2015年7月23日). “NASA spies Earth-sized exoplanet orbiting Sun-like star”. Nature. オリジナルの2020年7月18日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200718001518/https://www.nature.com/news/nasa-spies-earth-sized-exoplanet-orbiting-sun-like-star-1.18048 2020年7月23日閲覧。
  9. Williams, Matt (2015年9月27日). The Sun”. universetoday.com. 2020年7月19日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。
  10. Rincon, Paul (2015年7月23日). “'Earth 2.0' found in Nasa Kepler telescope haul”. BBC News. オリジナルの2020年7月19日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20200719093632/https://www.bbc.com/news/science-environment-33641648 2020年7月23日閲覧。
  11. Kepler-452b: Earth's Bigger, Older Cousin -- Briefing Materials”. NASA (2015年7月24日). 2020年7月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。
  12. Lugmayr, Luigi (2015年7月23日). “Kepler-452b details unveiled”. I4U News. オリジナルの2019年10月9日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20191009124433/https://www.i4u.com/2015/07/93538/kepler-452b-details-unveiled 2020年7月23日閲覧。
  13. Nola Taylor Redd (2015年7月31日). SETI Targets Kepler-452b, Earth's 'Cousin,' in Search for Alien Life”. Space.com. 2020年7月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年7月23日閲覧。

関連項目

外部リンク

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