ジャパニーズ・ウイスキーの蒸留所一覧
ジャパニーズ・ウイスキーの蒸留所一覧(ジャパニーズ・ウイスキーのじょうりゅうしょいちらん)は、日本国内のジャパニーズ・ウイスキーの蒸留所(「蒸溜所」とも称す)を一覧化した記事である。
北海道
- 厚岸蒸溜所 (あっけしじょうりゅうじょ)
- 2016年創業。北海道の厚岸町に位置し、東京の食品原材料輸入商社である堅展実業が所有している。アイラウイスキーのようなウイスキー造りを目指している[1]。2020年10月から二十四節気をモチーフにした製品「二十四節気シリーズ」をリリースしていることで知られている[2]。
- ニセコ蒸溜所 (ニセコじょうりゅうじょ)
- 2019年設立、2021年蒸留開始。所在地は北海道虻田郡で、日本酒銘柄「八海山」で知られる八海醸造が所有している。外国人観光客の多いニセコに立地していることから見学にも力を入れている[3]。
- 馬追蒸留所 (まおいじょうりゅうじょ)
- 2022年創業。所在地は北海道夕張郡長沼町。2006年に設立された「マオイワイナリー」が前身で、ウイスキーの他にもブランデーやグラッパを製造している[4]。熟成庫は核シェルターを流用している[5]。
- 余市蒸溜所 (よいちじょうりゅうじょ)
- 1934年創業。ニッカウヰスキー所有。所在地は北海道余市郡。日本のウイスキーの父として知られる竹鶴政孝が寿屋 (後のサントリー)を退社後に設立したことで知られる。軽めのピートがきいた原酒を主に生産している。カフェ式連続蒸留器があり、少量ながらグレーン原酒も生産されている[6]。
- 利尻蒸留所 (りしりじょうりゅうじょ)
- 2021年設立、2022年蒸留開始。所在地は北海道利尻郡。創業者はアメリカ出身のケイシー・ウォールで、利尻島でのテロワールにこだわったウイスキーづくりを行っている[7]。
余市蒸溜所
東北地方
宮城県
山形県
関東地方
茨城県
栃木県
埼玉県
- 鴻巣蒸溜所 (こうのすじょうりゅうじょ)
- 2020年蒸留開始。所在地は埼玉県鴻巣市。オーナーはマレーシアの実業家、エリック・チョアであり、日本で初めて海外資本によって設立されたジャパニーズ・ウイスキーの蒸留所である[16]。
- 秩父蒸溜所 (ちちぶじょうりゅうじょ)
- 2008年蒸留開始。所在地は埼玉県秩父市。ベンチャーウイスキー創業者の肥土伊知郎が設立した蒸留所であり、製品は「イチローズモルト」の名で世界的な人気を博している。世界のウイスキー蒸留所で唯一ミズナラ製のウォッシュバック(発酵槽)を使っている[17]。
- 秩父第2蒸溜所 (ちちぶだいにじょうりゅうじょ)
- 2019年蒸留開始。ベンチャーウイスキー所有。所在地は埼玉県秩父市。イチローズモルトの品薄状態の解消と長期熟成用原酒の確保を目的に、2019年に秩父蒸溜所から600メートルほど離れた場所に設立された[18]。
- 羽生蒸溜所 (はにゅうじょうりゅうじょ)
- 東亜酒造所有。所在地は埼玉県羽生市。1980年代にウイスキーの蒸留を開始したもののウイスキーブームの終焉とともに2000年に製造を中止、親会社が代わったことで蒸留所も取り壊された。その後2019年に蒸留所の再建を始め、2021年に蒸留を再開した。ブロックチェーンでウイスキーの樽を販売する「ユニカスク」に原酒を提供している[19]。
中部地方
新潟県
富山県
山梨県
- 白州蒸溜所 (はくしゅうじょうりゅうじょ)
- 1973年創業。ビームサントリー所有。所在地は山梨県北杜市白州町。山崎蒸溜所の創業50周年となる1973年に操業を開始した。サントリーは蒸留所周囲82.5万平方メートルの土地を取得しており、そのうち83%は自然の山林のままであることから「森の蒸留所」と称される。カフェ式連続蒸留器があり、少量ながらグレーンウイスキーも製造している[24][25]。
- 富嶽蒸溜所 (ふがくじょうりゅうじょ)
- 2023年蒸留開始。所在地は山梨県富士吉田市。仕込み水にこだわっており、もともと採水工場があった土地に蒸留所を建設している[26]。
- 富士北麓蒸溜所 (ふじほくろくじょうりゅうじょ)
- 2020年蒸留開始。井出醸造店所有。所在地は山梨県南都留郡富士河口湖町。内部に銅板を組み込んだ焼酎用ステンレス製ポットスチルを使っているほか、米と清酒酵母を原料にしたグレーンウイスキーも製造している[27]。
長野県
- 飯山マウンテンファーム蒸溜所 (いいやまマウンテンファームじょうりゅうじょ)
- 2019年蒸留開始。所在地は長野県飯山市。酒の輸入を手掛けるきよかわ社所有。「Farm to Bottle」を掲げており、飯山産にこだわったウイスキーづくりを行っている[28]。
- 軽井沢ウイスキー蒸留所 (かるいざわウイスキーじょうりゅうじょ)
- 2022年蒸留開始。戸塚酒造所有。所在地は長野県北佐久郡軽井沢町。旧軽井沢蒸留所の復活を掲げており、旧軽井沢で製造を担当していた中里美行を工場長に招聘し、旧軽井沢と同様にシェリー樽での熟成をメインにしている[29]。
- 小諸蒸留所 (こもろじょうりゅうじょ)
- 2023年蒸留開始。所在地は長野県小諸市。カバラン蒸留所の元マスターブレンダーであるイアン・チャンが参画している[30]。
- 野沢温泉蒸留所 (のざわおんせんじょうりゅうじょ)
- 2023年蒸留開始。所在地は長野県下高井郡野沢温泉村。日本のクラフト蒸留所としては唯一、麦以外の穀物の濾過に対応したマッシュフィルターを導入している。ポットスチルにはジン用の設備も付いており、ジンの製造が可能となっている[31]。
- マルス駒ヶ岳蒸溜所 (マルスこまがたけじょうりゅうじょ)
- 1985年蒸留開始。本坊酒造所有。所在地は長野県上伊那郡宮田村。ウイスキーブームの終焉とともに1992年に蒸留を休止したが、2011年に生産を再開した。2024年3月までは「マルス信州蒸溜所」の名で操業していた[32]。
- 御代田蒸留所 (みよたじょうりゅうじょ)
- 2023年蒸留開始。戸塚酒造所有。所在地は長野県北佐久郡御代田町。軽井沢ウイスキー蒸溜所を所有する戸塚酒造が設立し、同蒸留所から車で30分ほどの位置にある。かつてJAバンクだった建物をそのまま流用しており、ウイスキーのほかにもアクアヴィットなどの蒸留酒を製造している[33]。
岐阜県
静岡県
- 井川蒸溜所 (いかわじょうりゅうじょ)
- 2020年蒸留開始。特種東海製紙の子会社である十山が所有している。所在地は静岡県静岡市葵区。244平方キロメートルにもおよぶ特種東海製紙の社有林を活用するために設立されており、社有林でとれる木材を活用した樽づくりも行っている[35]。
- 静岡蒸溜所 (しずおかじょうりゅうじょ)
- 2014年蒸留開始。ガイアフローディスティリング所有。所在地は静岡県静岡市葵区。世界的にも稀な薪による直火加熱式のポットスチルと、かつて軽井沢蒸留所で稼働していたポットスチルを使用している。直火加熱による厚みのある酒質が特徴。ウイスキーの輸入業も行っており、ブラックアダーの輸入代理店である[36]。
- 富士御殿場蒸溜所 (ふじごてんばじょうりゅうじょ)
- 1973年蒸留開始。キリンディスティラリー所有。所在地は静岡県御殿場市。1972年にキリンビール、イギリスのシーバスブラザーズ、アメリカのシーグラムの合弁会社として設立された。モルトウイスキーとグレーンウイスキーの両方を製造しており、特にグレーンでは複数の蒸留器を使い分けることでライト、ミディアム、ヘビーといった多彩な造り分けを行っているのが特徴[37]。
近畿地方
滋賀県
大阪府
兵庫県
- 江井ヶ島蒸留所 (えいがしまじょうりゅうじょ)
- 1961年蒸留開始。江井ヶ嶋酒造所有。所在地は兵庫県明石市。ウイスキーの製造免許を取得したのは1919年であり寿屋(現サントリー)の1924年よりも早かったが、ポットスチルを設置して蒸留を始めたのは1961年であった。製品は「ホワイトオーク」「あかし」「江井ヶ嶋」の名で販売されている[43]。
- 海峡蒸溜所 (かいきょうじょうりゅうじょ)
- 2017年蒸留開始。明石酒類醸造所有。所在地は兵庫県明石市。トルベイグ蒸留所を所有するオランダのマルシアビバレッジ社から資本提携を受けている[44]。
- 神戸蒸溜所 (こうべじょうりゅうじょ)
- 2022年蒸留開始。グロースターズ所有。所在地は兵庫県神戸市。もともとは神戸ワイナリーのブランデー製造施設であったことから、ブランデー用ポットスチルの真横にウイスキー用ポットスチルがあるという珍しい光景が見られる[45]。
- 丹波蒸溜所 (たんばじょうりゅうじょ)
- 2018年蒸留開始。伏見の日本酒メーカー黄桜が所有している。所在地は兵庫県丹波篠山市。伏見のビール工場で糖化させた麦汁を丹波に運んできて発酵、蒸留している。自社培養した多種多様な酵母での発酵を行っているのが特徴[46]。
- 養父蒸溜所 (やぶじょうりゅうじょ)
- 2023年蒸留開始。酒販業を営むウィズワンが所有している。所在地は兵庫県養父市。蒸留所の前には清流で知られる若杉川が流れている[47]。
- 六甲山蒸溜所 (ろっこうさんじょうりゅうじょ)
- 2021年蒸留開始。アクサス所有。所在地は兵庫県神戸市。神戸市の賑わい創出事業の公募に採用されており、蒸留所開設の条件として観光客の受け入れを提示されているため、毎週日曜日に見学ツアーを行っている[48]。
中国地方
鳥取県
岡山県
広島県
- SAKURAO DISTILLERY (さくらおディスティラリー)
- 2017年蒸留開始。サクラオブルワリーアンドディスティラリー所有。所在地は広島県廿日市市。1980年代の地ウイスキーブームの時代には「グローリー」というウイスキーを販売していたが、ブームの終焉とともに1989年には製造を停止している。2017年に本蒸留所を設立してウイスキーづくりに参入すると、2019年にはグレーンウイスキーの製造も開始しており、2023年には自社製造モルトと自社製造グレーンをブレンドした「ブレンデッドジャパニーズウイスキー 戸河内」を発売した。製品は「桜尾」「戸河内」の名で販売されている[52]。
- SETOUCHI DISTILLERY (せとうちディスティラリー)
- 2022年蒸留開始。日本酒「千福」を製造する三宅本店が所有している。所在地は広島県呉市。設備を納期が早い中国製で統一したことで、計画からわずか1年未満で蒸留を開始した。蒸留工程でテールの部分をある程度回収することで重厚な風味を目指している[53]。
倉吉蒸溜所
四国地方
九州地方
福岡県
熊本県
宮崎県
鹿児島県
- 御岳蒸留所 (おんたけじょうりゅうじょ)
- 2019年蒸留開始。芋焼酎「天使の誘惑」などを製造する西酒造が所有している。所在地は鹿児島県鹿児島市。同社が所有するニュージーランドのワイナリーで使った樽を熟成に用いている[61]。
- 嘉之助蒸溜所 (かのすけじょうりゅうじょ)
- 2017年蒸留開始。米焼酎「メローコヅル」を製造する小正醸造が所有している。所在地は鹿児島県日置市。同社は焼酎の木樽熟成のパイオニアであり、蒸留所名の「嘉之助」は木樽熟成を主導した同社2代目・小正嘉之助の名にちなんでいる。イギリスのディアジオと資本提携をしている[62]。
- 小牧蒸溜所 (こまきじょうりゅうじょ)
- 2023年蒸留開始。芋焼酎「小牧」「一尚」を製造する小牧醸造が所有している。所在地は鹿児島県薩摩郡さつま町。同社COOの小牧伊勢吉が作家のC・W・ニコルと出会ったことをきっかけにウイスキーづくりを志すようになり、倉庫を改修して2022年に竣工した。発酵に和甕を使う試みを行っている[63]。
- ニッカウヰスキーさつま司蒸溜蔵 (ニッカウイスキーさつまつかさじょうりゅうぐら)
- 2018年蒸留開始。ニッカウヰスキー所有。所在地は鹿児島県姶良市。もともとは1936年に姶良酒造として設立され、幾度かの改名を経て2011年にニッカウヰスキーの子会社になった。創業以来長らく芋焼酎を製造してきたが、2018年から大麦グレーンとトウモロコシとライ麦を使ったグレーンの製造を開始した[64]。
- 日置蒸溜蔵 (ひおきじょうりゅうぐら)
- 2020年蒸留開始。嘉之助蒸溜所を所有する小正醸造が所有しており、同社の焼酎製造を担っている。所在地は鹿児島県日置市。焼酎造りの閑散期にグレーンウイスキーを製造している[65]。
- 菱田蒸溜所 (ひしだじょうりゅうじょ)
- 2022年蒸留開始。天星酒造所有。所在地は鹿児島県曽於郡大崎町。長濱蒸溜所と同じくリカーマウンテンの傘下である[66]。
- 火の神蒸溜所 (ひのかみじょうりゅうじょ)
- 2023年蒸留開始。麦焼酎「神の河」を製造する薩摩酒造が所有している。同社は本坊酒造のグループ会社である。所在地は鹿児島県枕崎市。モルトウイスキーに加えてグレーンウイスキーも製造している[67]。
- マルス津貫蒸溜所 (マルスつぬきじょうりゅうじょ)
- 2016年蒸留開始。本坊酒造所有。所在地は鹿児島県南さつま市。本坊酒造がマルス駒ヶ岳蒸溜所に次ぐ2つ目の蒸留所として設立し、駒ヶ岳に比べてリッチでヘビーなウイスキーづくりを目指している[68]。
閉鎖
- 軽井沢蒸留所 (かるいざわじょうりゅうじょ)
- 1956年蒸留開始[69]、2000年生産休止[70]、2016年解体[71]。所在地は長野県北佐久郡御代田町[72]。シェリー樽での熟成にこだわっており[73]、2015年に52年熟成の軽井沢が香港のオークションにて1420万円で落札されるなど、高い希少価値を得ている[71]。
軽井沢蒸溜所
出典
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2022, p. 26.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2022, pp. 29–30.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 150–152.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2022, p. 86.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2022, p. 87.
- エイケン 2018, p. 219.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 166–167.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2022, pp. 100–102.
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- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 198–200.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 68–69.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, p. 213.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 192–195.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, p. 208.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 118–119.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 126–127.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 74–79.
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- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 124–125.
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- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 128–129.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 162–164.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 158–160.
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- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 100–101.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 98–99.
- 土屋 & ウイスキー文化研究所 2024, pp. 136–138.
- エイケン 2018, p. 263.
- エイケン 2018, p. 269.
- エイケン 2018, p. 271.
- “軽井沢蒸溜所(閉鎖)”. whiskymag.jp (2013年1月28日). 2024年4月7日閲覧。
- エイケン 2018, p. 275.
参考文献
関連項目
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