セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー

『セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー[注釈 1]』(Seven and the Ragged Tiger)は、イギリスのロック・バンド、デュラン・デュランが1983年に発表した3作目のスタジオ・アルバム。

『セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー』
デュラン・デュラン の スタジオ・アルバム<meta itemprop='albumReleaseType' content='アルバム' />
リリース
録音 モントセラト Air Studios
ジャンル ロック、ニュー・ウェイヴ、シンセポップ
時間
レーベル EMI
アメリカ合衆国の旗カナダの旗キャピトル・レコード
プロデュース アレックス・サドキン、イアン・リトル、デュラン・デュラン
専門評論家によるレビュー
  • AllMusic 星3.5 / 5<meta itemprop='reviewBody' content='3.5' /><meta itemprop='bestRating' content='5' /><meta itemprop='worstRating' content='0' />link
チャート最高順位
  • 1位(イギリス[1]、オランダ[2]、ニュージーランド[3])
  • 6位(日本[4])
  • 8位(アメリカ[5])
  • 11位(オーストリア[6])
  • 14位(ノルウェー[7])
  • 16位(スイス[8])
  • 17位(ドイツ[9])
  • 19位(スウェーデン[10])
デュラン・デュラン アルバム 年表
リオ
(1982年)
セブン・アンド・ザ・ラグド・タイガー
(1983年)
アリーナ
(1984年)

背景

バンドは初期の作品をプロデュースしたコリン・サーストンと決別し、ロキシー・ミュージック等との仕事で知られるイアン・リトルを共同プロデューサーに迎えたシングル「プリーズ・テル・ミー・ナウ(原題:Is There Something I Should Know?)」を発表した[11]。そして、同曲のミキシングに貢献したアレックス・サドキン(ボブ・マーリーやグレイス・ジョーンズ等との仕事で知られる)も、本作の共同プロデューサーに起用された[11]。

ソングライティング及びデモ・レコーディングは1983年3月に南フランスで開始され、リトルは本作のための曲作りに当たり、ロキシー・ミュージックのソングライティングの手法をバンドに伝授した[11]。レコーディングはモントセラトのAir Studios、ミキシングはシドニーの301 Studioで行われた[12]。

バンドはモントセラトでの作業後、1983年7月21日にロンドンのドミニオン・シアターでイギリス王室が主催したチャリティ・コンサートに出演し、23日にはバーミンガムのヴィラ・パークで開催されたチャリティ・コンサートにも参加して、その後シドニーへ移った[13]。なお、サイモン・ル・ボンは『ミュージック・ライフ』誌1983年10月号のインタビューにおいて、1983年のうちに日本ツアーを行う意思を明かしていたが、本作制作の遅れにより延期された[13]。

本作のタイトルに関して、ロジャー・テイラーは1983年のインタビューで「おとぎ話というか、冒険物語みたいなタイトル」「そんな深い意味はない」とコメントしており[13]、サイモン・ル・ボンは2003年のインタビューで「大して良いタイトルじゃないね。『セブン』というのは、僕達と2人のマネージャーのことさ。『ラグド・タイガー』は、運を呼ぶんじゃないかって期待して付けた」と語っている[14]。

ジョン・テイラーは、本作の音楽性に関して「リズムに関しては、ロジャー(・テイラー)も僕も、以前にくらべて、よりシンプルになっているし、今まで以上に、よりダンサブルになっているね」と語る一方、「メロディ自体は複雑になっている」と説明している[13]。ジョンは「タイガー・タイガー」と「7番目の男」において、前作『リオ』(1982年)収録曲「悪夢の中の孤独」に引き続きフレットレスベースを弾いた[15]。

ニック・ローズは、「ザ・リフレックス」をあくまでアルバム用の曲と捉えていたが、他のメンバーはシングル・ヒットの可能性があると考えて、最終的にはナイル・ロジャースによるリミックス・ヴァージョンが本作からの第3弾シングルとしてリリースされ、バンド2作目の全英1位シングル、そして初の全米1位シングルとなった[16]。なお、シングル「ザ・リフレックス」のB面には、スティーヴ・ハーレイ&コックニー・レベルのカヴァー「メイク・ミー・スマイル」(1982年11月のハマースミス・オデオン公演におけるライヴ音源)が収録されており[17]、このカヴァーは2010年発売のスペシャル・エディション盤のボーナス・ディスクにも収録された。「ユニオン・オブ・ザ・スネイク」は、デヴィッド・ボウイの曲「レッツ・ダンス」のバスドラムのリズム・パターンを元にして作られた[11]。

反響

イギリスでは1983年12月3日付の全英アルバムチャートで初登場1位となり[18]、2018年現在、バンド唯一の全英1位獲得アルバムとなっている[1]。また、ニュージーランドのアルバム・チャートでも初登場1位となり、合計41週トップ50入り(うち9週トップ10入り)した[3]。一方オランダでは、1983年12月17日付のアルバム・チャートで初登場42位となり、1984年に入ると一旦チャート圏外に消えるが、その後もロング・ヒットとなって、1984年6月9日から7月7日まで5週連続で1位を獲得した[2]。

日本初回盤LP (EMS-91072)は1983年12月16日に発売され、オリコンLPチャートでは6位に達して、日本における初のトップ10アルバムとなった[4]。アメリカでは、1984年2月11日付のBillboard 200で最高8位を記録し、前2作に引き続きトップ10入りした[5]。

評価

東郷かおる子は『ミュージック・ライフ』1984年1月号のレビューにおいて「多少音をいじりすぎた感は否めず、その分だけ、このアルバムを1枚のレコードとして見ると印象がやや散漫になった。もう少しポップ・バンドとしての軽さと、親しみやすさもあって良かったのではないか」と評している[13]。また、Mike DeGagneはオールミュージックにおいて5点満点中3.5点を付け「1982年の『リオ』ほど自由奔放なポップ/ロックの熱狂を味わえるわけでないことは事実だが、デュラン・デュランはシングル3作をトップ10に送り込み、本作を全英1位に導いた」と評している[19]。

収録曲

特記なき楽曲はデュラン・デュラン作。8.はインストゥルメンタル。

サイド1
  1. ザ・リフレックス – "The Reflex" – 5:29
  2. ニュー・ムーン・オン・マンデイ – "New Moon on Monday" – 4:16
  3. ひび割れた歩道 – "(I'm Looking For) Cracks in the Pavement" – 3:38
  4. 賽は投げられた – "I Take the Dice" – 3:18
  5. 罪と情熱 – "Of Crime and Passion" – 3:50
サイド2
  1. ユニオン・オブ・ザ・スネイク – "Union of the Snake" – 4:20
  2. 運命の影 – "Shadows on Your Side" – 4:03
  3. タイガー・タイガー – "Tiger Tiger" – 3:20
  4. 7番目の男 – "The Seventh Stranger" – 5:22

2010年スペシャル・エディション盤ボーナス・ディスク

  1. プリーズ・テル・ミー・ナウ – "Is There Something I Should Know?" – 4:11
  2. フェイス・イン・ディス・カラー(色鮮やかに) – "Faith in This Colour" – 4:07
  3. フェイス・イン・ディス・カラー(色鮮やかに)(オルタネイト・スロウ・ミックス) – "Faith in This Colour (Alternate Slow Mix)" – 4:06
  4. シークレット・オクトーバー – "Secret Oktober" – 2:45
  5. タイガー・タイガー(イアン・リトル・リミックス) – "Tiger Tiger (Ian Little Remix)" – 3:25
  6. ザ・リフレックス(シングル・ヴァージョン) – "The Reflex (Single Version)" – 4:25
  7. メイク・ミー・スマイル(ライヴ) – "Make Me Smile (Come Up and See Me)" (Steve Harley) – 4:58
  8. ニュー・レリジョン(ライヴ・アット・ザ・LAフォーラム) – "New Religion (Live at The LA Forum 9/2/84)" – 5:47
  9. ザ・リフレックス(ライヴ・アット・ザ・LAフォーラム) – "The Reflex (Live at The LA Forum 9/2/84)" – 5:59
  10. プリーズ・テル・ミー・ナウ(モンスター・ミックス) – "Is There Something I Should Know? (Monster Mix)" – 6:40
  11. ユニオン・オブ・ザ・スネイク(ザ・モンキー・ミックス) – "Union of the Snake (Monkey Mix)" – 6:26
  12. ニュー・ムーン・オン・マンデイ(ダンス・ミックス) – "New Moon on Monday (Dance Mix)" – 6:03
  13. ザ・リフレックス(ダンス・ミックス) – "The Reflex (Dance Mix)" – 6:35

シングル

本作からのシングルのチャート最高順位を示す。

タイトル アメリカ[20] イギリス[21] オランダ[2] 日本[22] ニュージーランド[3]
ユニオン・オン・ザ・スネイク 3位 3位 17位 48位 3位
ニュー・ムーン・オン・マンデイ 10位 9位 28位 80位 32位
ザ・リフレックス 1位 1位 1位 46位 6位

参加ミュージシャン

アディショナル・ミュージシャン

  • アンディ・ハミルトン - サクソフォーン
  • マーク・ケネディ - パーカッション
  • Raphael DeJesus - パーカッション
  • ミシェル・コブス - アディショナル・ボーカル(on #1, #6)
  • B・J・ネルソン - アディショナル・ボーカル(on #1, #6)

脚注

注釈

  1. 2003年再発CD (TOCP-67236)、2005年再発CD (TOCP-53536)、2006年再発CD (TOCP-53850)、2014年再発CD (WPCR-80104)の帯の表記に準拠。日本初回盤LP (EMS-91072)、1989年再発CD (CP21-6048)、1995年再発CD (TOCP-3014)では『セブン&ザ・ラグド・タイガー』と表記されていた。

出典

  1. Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company - 「ALBUMS」をクリックすれば表示される。
  2. Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger - dutchcharts.nl
  3. charts.org.nz - Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger
  4. 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』オリジナルコンフィデンス、1990年、209頁。ISBN 4-87131-025-6。
  5. “Duran Duran Chart History - Billboard 200”. Billboard. 2018年11月18日閲覧。
  6. Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger - austriancharts.at
  7. norwegiancharts.com - Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger
  8. Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger - hitparade.ch
  9. Offizielle Deutsche Charts
  10. swedishcharts.com - Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger
  11. Buskin, Richard (2004年7月). “CLASSIC TRACKS: Duran Duran 'The Reflex'”. Sound On Sound. SOS Publications Group. 2018年11月18日閲覧。
  12. Duran Duran - Seven And The Ragged Tiger (Vinyl, LP, Album) | Discogs
  13. 『アーカイヴ・シリーズVol.8 デュラン・デュラン』シンコー・ミュージック、2003年8月31日、79-82頁。ISBN 4-401-61821-1。
  14. Odell, Michael (2003年11月15日). “In their own words”. The Observer. Guardian News and Media. 2018年11月18日閲覧。
  15. Larson, Eric (2017年6月22日). “Interview: John Taylor - Duran Duran - Past and Present”. FretlessBass.com. 2018年11月18日閲覧。
  16. “The Reflex by Duran Duran”. Songfacts. 2018年11月18日閲覧。
  17. Duran Duran - The Reflex (Vinyl, 7", 45 RPM) | Discogs
  18. “Official Albums Chart Top 100 - 27 November 1983 - 03 November 1983”. Official Chart Company. 2018年11月18日閲覧。
  19. DeGagne, Mike. “Seven and the Ragged Tiger - Duran Duran”. AllMusic. 2018年11月18日閲覧。
  20. “Duran Duran Chart History - Hot 100”. Billboard. 2018年11月18日閲覧。
  21. Duran Duran | full Official Chart History | Official Charts Company
  22. 『オリコンチャート・ブック アーティスト編 昭和43年 - 昭和62年』オリジナルコンフィデンス、1988年、214頁。ISBN 978-4871310215。

外部リンク

先代
カルチャー・クラブ『カラー・バイ・ナンバーズ』
全英アルバムチャート ナンバーワン・アルバム
1983年11月27日 - 12月3日
次代
ポール・ヤング 『何も言わないで』
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